ふたばさんのレビュー一覧
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読んでいてどうしても
村山由佳さんご本人を
イメージしてしまう
作家が主役
出版社名や
登場人物の作家もなんとなく
想像できてしまうから
つい現実と勘違いしてしまう
そこが狙いだろうけど
まんまとハマった
作家名の天羽カインと
本名の天野佳代子を使い分けることで、
作家活動とプライベートを
描き分けてるのかな?とは思うが、
佳代子の時もカインなので
まさしく表裏一体という感じ
一読者としては
賞の受賞うんぬんよりも
ストーリーありきであると思う
面白そうと思えば
知らない作家の本も選ぶし
いつも読む作家が毎回当たりとは
限らないことも知ってる
だから狭い世界でキリキリと
している登場人物が痛々しくも感じた
読者のためと言いながら
読者が見えていない気がした
けれどラストの顛末を読んで、
他人から認められたいという
承認欲求だけではなく
自分の仕事に誇りを持って向き合う、
覚悟を持ってやり遂げる、
プライドのようなものを
描きたかったのかなと思った
カインにしろ千紘にしろ
いろんな思惑や人間関係に翻弄されても、
確固としてある自我みたいなものを
貫き通す姿勢に
読後はホッとした
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まず分厚い。557ページもあり
読了できるか?と思い読み始めたが
ドラマティックな展開の連続に
夢中になって読んだ。
これはNetflixでドラマ化希望です。
資金を投じて映像化してほしい。
三重県志摩市のミキモト真珠が
スポンサーで、本物の真珠を贅沢に見せて欲しい。世界的に真珠ブームなので高視聴率とれるはず。
ひとりの男性を想い続ける純愛物語でもあり、真珠に夢中になるお仕事小説でもあり、いずれは帝国真珠を率いていく成功物語でもあり、いろんな側面で読めると思う。
展開が早いが、戦時中のおよそ10ヶ月ほどの話だ。第二次世界大戦中に海外から日本がどう見られていたかの視点でも描かれ、とても興味深かった。
戦争という逆境すらも乗りきっていく冬美の強さがまぶしい。 -
ネタバレ
「かたい」 という言葉
初めて聞きました。
あまり使わない
まさに過ち怠った医師のミスで
人生を取り違えられた菜々子の物語
菜々子は成長し医大生となるが
母親との関係がしっくりこないことに
悩んでいた
韓国からの留学生ジヒョンとの出会いから、
もしや彼女が取り違えられた片方か
と気を揉みつつ読んだ
このストーリーの良いところは
産んだ母親ではなく
取り違えられた娘の立場で
すすんでいくとこだと思う
母親目線だと
とかく感情的になりがちだか
菜々子の自分で解決したい
実の親に会いたいと行動するところが
好印象だった
重たいテーマが軸だが
友人、恋人関係、学生生活が
描かれるので読みやすい
日本と韓国との親子関係の違いも
国を超えての取り違えという
稀有なパターンも興味深く読めた
ラストで高山医師が手紙で
自身の過怠を認めるが
謝りつつも
あの時自分が命を破棄しなかったから
菜々子が存在するのだという
おごりも感じた。
出自を知る権利
生殖医療で産まれた子供が
遺伝学上の親を知りたいという権利
まさにこれに尽きる
なんらかの違和感を感じ
寄る辺なさに悩む子供たちが
少しでも減るように
生殖医療を受ける立場の親たちも
考えなければならないと思う -
タイトルから想像される事実は
この本にとって前半の部分のみ
後半は命からがら満州から
引き揚げてきた女性たちの
戦後の戦いだ
新聞で性被害にあった女性の体験談を
読んだことがあるが
男性にとっては加害の事実は
一時のことかもしれないが
女性にとっては一生続く苦しみ
だということを知った
その性差の感覚の違いは
どうしようもなく大きいのだ
男たちが口にする
「減るもんじゃないから」ではなく
「減るなんて生易しいものではなく
すり減って消耗して呑み込まれて
蝕まれて病んでいくもの」だと
抗議したい
だから作者が戦後77年もたって
過去の事実を執拗に追うのか
最初は抵抗があった
けれど最後に
「被害の事実を美化しないでほしい、
なかったことにしてほしくない」
という確固たる意思のもと
実名で取材を受けた玲子が
90歳を過ぎてもなお
当時の事を思い出して
眠れなくなるという事実に
驚愕を受けた
男たちが始めた戦争で犠牲になるのは
女や子供たちだ
そして今もなお戦争は繰り返されている
爆撃の映像の裏で繰り返される被害を
思うと無力な自分がただただ哀しい
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あなたが日本人ならば
この本を読む義務がある
テレビでもてはやされる
アニメや漫画、伝統芸能、日本文化
きれいで便利、平和でいい国
日本に好んでやってきて
大金を消費する観光客
ばかりを優遇する日本ではなく
身近に暮らして
日本人がやりたがらない労働をしている外国人を隣人として
差別せず尊重して大事にしてほしい
その輪が広がって
理解のない国をも動かす一助となりますように
まずは読んで知って欲しい
教科書にも載せるべき
そんな一冊です
されど現実は国の政策よりも
先に進んでいる
(というか国の政策が的外れで遅すぎる)
日本はもはや技能実習生には
選ばれない国となりつつある
少子化で労働力が減り
円安に物価高で給料は上がらず
日本人の若者はすでに
日本を見限って海外に働きに行く
悪循環から抜けられない未来は
すぐそこ
現実を何も知らないのは政治家ばかり
中島京子さんの「やさしい猫」を
読んで興味を持って選んだ本だか
「エンジェルフライト国際霊柩送還士」も
「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生 日本製紙石巻工場」も読んでた
佐々涼子さんのノンフィクションの幅広さと
取材の行動力に驚く
今後も注目したい -
稲垣さんと同世代の私
幼い頃のピアノレッスンの話が
まさしく私と同じだったので
共感しながら読んだ
私も40代の頃
山下達郎さんのライブを観て感動し、
音楽をやりたいと
衝動的に電子ピアノを購入
だが上手く弾けずに挫折した
過去あり
家族からはもう弾かないの?と
言われながらも仕事や家事が
忙しいのでリタイアしたらやる!
と言い訳しつつやってない訳である
だから稲垣さんのピアノにのめり込む
様に、
私のピアノへの思いは生半可だった
と反省した
つまづいてもあきらめない
50過ぎてから始めた
先人の知恵と工夫をこの本で拝借して
勇気と希望をもらった
さっそく弾いてみたくなる本である
巻末に稲垣さんが挑んだ曲一覧あり
Spotifyで検索しリストを作り
聴きながら読んだ
ただひとつ気になったのは
53歳で老後はちと早すぎないか?
会社をリタイアしたといっても
まだ現役世代でしょ
減っていく年金
負担が増える医療費
自身の衰えに親の介護
問題は多々あるが
時間とお金さえ許せば
何かに挑戦することのできる世代
それが老後である -
「羊は安らかに草を食み」は
バッハ作曲の
統治者が優れている地では
安息と平和が訪れる
という歌だと知った
そのタイトルが意味するところを
読了後に実感する
宇佐美まことさんは初読みの作家さんでした。なのに没頭して読み、感極まって泣きました。
宇佐美さんの作品をもっと読みたい、
出会えて良かったと思える作家さんに
なりそうです。
私の母も88歳
満州引き上げ者です
当時5歳で弟2人と赤ちゃんだった妹
両親共に
生きて日本へ帰れました
だから今私がここにいられるのです
益絵とカヨのような壮絶な体験ではなく、恵まれてた方だと思いますが
終戦当時同じ奉天やハルピンにいたと聞いています
混乱の最中
「日本人は日本へ帰らなくちゃいけない
生きて帰るためには何でもやらなくちゃ
頭を使って生き抜くための術を考える
日本まで生きて帰るために」
という益絵とカヨの強い意志と
知恵に圧倒されるばかりでした。
日本への船がでる港までの
汽車にどうしても乗りたいと
群がる人々の描写が
政権崩壊で飛行機に群がる
アフガニスタンの人々と重なりました。
現代でも戦争は起こっているのだ
あちこちに死体が散乱するのも
見慣れ、死体から衣服や食料を奪うのが日常になり
自分の身を守るので精一杯で
他人を見捨てることに
何とも感じなくなる戦争
そんな日々を過ごした11歳の益絵とカヨは
「この戦争は誰が始めたものなのだろう
こうやって失われていく一つ一つの命があることを
その人たちは考えたことがあるのだろうか 」と疑問を持つ
今まさにコロナで自宅で消えていく
一つ一つの命とそれに対する無策な国政とも重なり、タイトルの意味をかみしめた。