【感想・ネタバレ】ボーダー 移民と難民(集英社インターナショナル)のレビュー

あらすじ

佐々涼子はかつて司法試験予備校で机を並べていた児玉晃一と偶然再会する。児玉は弁護士として難民問題のエキスパートとなっていた。彼の案内で茨城県牛久の入国管理センターを訪れ、そこに長期収容されている外国人たちと面会した筆者は、その窮状にショックを受ける。イラン、アフガニスタン、カシミール……。内戦で命からがら日本に避難してきた「難民」たちを本国に強制送還しようとする入管。帰還すれば死刑になる状況でも意に介すことはない。さらに日本で家族をもっていようが容赦なく親と子を引き離す非道な仕打ち。長期収容で身体を壊し、命さえ落とす収容者がいながら、一向に改善されない日本入管の待遇に対して、国連も国際法違反と指摘する。四半世紀にわたり、難民の受け入れ、入管の改善のために闘い続ける児玉の奮闘の日々を、日本語学校教師として在留外国人と関わってきた自身の体験と、現在入管に収監されている在留外国人の取材とともに綴る。

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Posted by ブクログ

母国では命の危険等に晒されるから、やっとの思いで自分が住みなれている国を離れて、家族と離れ離れになっても、形上は難民条約に批准しているから、きっと助けてくれると思い日本を頼って庇護を求めてくる難民の人々。その人達を大人も子供も構わず、警察のような司法手続きを取ることもなく行政手続きだけで収容する法務省。在留資格がない状態でオーバーステイが発生している現状も、理不尽に高い難民認定のハードルを設けているからこそ発生しているもので、自らが問題の発生要因を作っておきながら、それを弱いもののせいにする。

これとは区別した実質的な出稼ぎ移民政策の技能実習制度。表向きは移民がいないことにしておきながら、我々がコンビニやスーパーでいつでも安く物を買える恩恵を受けておきながら、それは棚上げにして、3年で使い捨てにして送り返している現状。移民と難民政策について国としてころころ政策や思惑で基準を変えながら、それを末端の一番弱い立場の人が命や人権を奪われいている。この現状そ知らずしてないことにしていることは無責任だし、いい面だけ恩恵を享受して都合の悪いことを見ていなかったことを大いに反省した。

佐々涼子さんの作品は「紙つなげ」に続いて二作目。若くして亡くなられたこと、ご冥福をお祈りします。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

移民問題、深刻なんだなあ。
移民って、自国が大変だから逃げてきたのに、逃げてきたところでまた苦しむなんて、負の連鎖すぎる。
移民が、安寧の地を得るのにはまだ時間がかかるんだろーか。
生きることに頑張っている。
尊敬するお。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

昨年亡くなられた佐々涼子さんの渾身の一冊。
大学の同窓生だった児玉晃一弁護士から入管収容の実態を聴いた佐々さんは、自らも難民への取材を始めた。その記録が前半に載せてある。
「入管はなぜ難民を追い返そうとするのか」
迫害の危険性や紛争、暴力など、状況が悪化し移動せざるを得なかった人々だ。難民認定もされず入管にとどめ置かれ、強制送還されないかと恐れ慄く。
映画「ヒューマン・フロー(大地漂流)」で、ゴムボートに乗る大勢の人々を写した場面が思い出された。
難民となる人々の数は毎年増加の一途を辿っている。受け入れ国の中で、日本の難民認定率の低さを知り唖然とした。
 (2021年 日本は74人で0.7%)

後半は移民のなかの「外国人技能実習生」を取り上げる。ここ数年のうちに中国や韓国から来る実習生は減少し、ベトナム人が増加している。
現地の「送り出し機関」について初めて知った。日本語教師を経てライターになった佐々さんは、国内外の日本語学校を訪れている。日常会話でなく職場で上手く立ち回るための「言葉」を教えられた実習生は、やって来た日本で使い勝手のいい労働力として自由を奪われ"管理"される。
コロナで入国を制限されたり円安のために日本で働く意味が無くなりつつある。「働きたいのに働けない難民がいる一方で、働いてほしいのに日本から逃げていく外国人労働者がいる」ことをわかっていない政治家たち。日本の行く末を懸念するのは当然だと思う。

入管から仮放免された難民を支援する
「アルペなんみんセンター」が鎌倉に出来た。
近隣住民やイエズス会から反対の声は上がらなかったという。ボーダーを越えた人と人との関わりに、取材を決して諦めなかった佐々さんの思いを見た気がした。

心よりご冥福をお祈りいたします。

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2025年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

P202
『働きたいのに働けない難民がいるのに、働いて欲しい日本から逃げていく外国人労働者がいる。どこまで探っても日本の政策は、他人に対する敬意がなく、ただちぐはぐなだけだった。』

なんてつらい話だろう。日本に働きに行き稼いで故郷で錦を…なんて過去の話。もう日本に行きたい人なんていない。そして過去、外国人労働者に頼っていた業種は人手不足。
入管の環境、人権無視の扱いなど、読んでる限りはひどすぎる。けど、何事も両方の言い分をきかないことには判断できない、と思ったり。
移民、難民、技能実習制度、全てが繋がっている。
この先、佐々涼子さんの著書は読めないことが悲しい。ご冥福をお祈りします。

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2025年04月09日

Posted by ブクログ

「技能実習生」「入管」など聞いたことがあるだけで、実質は何も見えてなかったのか。
ウィシュマさん死亡事件がニュースになっても、稀なケースのように感じていたが、実際はニュースにもならずに、人としての尊厳も奪われている人が多くいることに愕然とした。
それも過去ではなく、現在進行形であるということ。

治家に頼めば、ビザも簡単に取れてしまうというのもどうだろう。とりあえず、生きるために使える手段は使うというのはわかるが、それでは根本的に完結には進んでいかないと思う。

まずは自分の心の中の「ボーダー」を無くすようにしなければと強く思った。

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2024年10月22日

Posted by ブクログ

初めて読んだ「エンド・オブ・ライフ」が衝撃だった
そして「夜明けを待つ」も深い感動を……
その作家が先月、56歳という若さで逝ってしまわれた!
ニュースにショック

これは友人が送ってくれた
中島京子の「やさしい猫」を読んだ後、読みたいと思っていたものだ

〈そして「ウクライナ難民で始まった話ではない。
ミャンマー、スリランカ、イラン、アフガニスタン、そしてアフリカの国々から……。
命からがら、日本にたどり着いた人たちを、
私たちは、どう受け入れてきたのか? 〉

広範囲な取材に胸が熱くなる
私たちってこんなにひどい国民なんですね
知らないでは済まされないですよね

佐々涼子さんの痛切な願いをしっかり受け止めたいと思います
ありがとうございました

≪ 駆け回り ただ伝えたい 真実を ≫

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2024年10月09日

Posted by ブクログ

ノンフィクションとは不都合な真実を暴く
告発書です。

2021年3月に発生した名古屋出入国在留管
理局に収容中のウィシュマさんが死亡した
事件を覚えていますでしょうか。

これによりやっと出入国在留管理局の施設
通称「入管」の実態が世に知られるように
なりました。

日本は難民条約に加入して40年経ちます。

しかしその間に難民として認められたのは
わずか900人弱です。

国連から人権条約違反、国連憲章違反との
批判に耳を貸さず、今も難民を長期収容し、
強制送還し続けているニッポン。

その真実に迫るのが本書です。

しかし「技能実習生として多くの外国人を
受け入れているではないか」という意見も
あると思います。

日本は都合の悪い難民を排除している一方
で、都合の良い難民は受け入れています。
これが「技能実習生」です。

「技能実習生」の実態は安い労働力であり、
もはや「技能実習生」の存在なくしては日
本の製造業は成り立たないとまで言われて
います。

母国より賃金の良い国で働けば豊かになり
ます。

そんな動機から日本へと来ますが、期間は
3年間だけです。それでも3年間で十分な
お金を稼げるのであればまだいいです。

いずれ母国も豊かになり、日本へ行く必要
がなくなったり、別のアジアの国の方が賃
金が良いとわかると日本は選ばれなくなり
ます。

そんなもう一つの不都合な真実にも焦点を
当てます。

今、全ての日本人が「自分ごと」として知
っておくべき真実が満載の一冊です。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

これが「おもてなし」の国、日本で起きている現実だと思うと戦慄する。

日本での難民申請者の弁護を長年続けている児玉弁護士の活動は、まさに地獄に仏。
しかし、国際難民条約に加入している国でこんなひどいことがまかり通っていることが事態が異常だと言えよう。
日本が難民条約に加入しているからこそ、そこに望みをつないでくる難民も多いはず。

経済や政治的事情によって、弱い立場の人の命が左右されることがあってはならないと、強く感じると共に、一人でも多くの人にこの現状を知ってもらいたいと感じた。
2024.1

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

日本の難民入国についてのルポタージュ

自分の無知無関心について思い知らされる。
現代の日本で、信じられない位の酷いことが、今も本当に近くで起きていることについて愕然とさせられた。

酷い事実である事柄を、読み易すくわかりやすく、感情的にならない調子で書かれていて、また、希望のある部分についても同様に書かれていて、文章や構成の凄さにも感動。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

毎回、佐々さんの著書には深く考えさせられます。

入管で死んだスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん。確かにこの報道で劣悪な環境の入管施設を知った。

佐々さんは「異様な状態だが、私には既視感があった。長崎の大村入管で餓死をしたナイジェリア人のサニー、そして絶叫しながら死んでいったカメルーンのWもいる。彼らの死についてきちんと原因が究明されていればウィシュマは今も生きていただろう」「誰も口にしないが、痩せた黒人男性より、若くて健気な女性には同情を抱きやすいのだ。そして伝える側は、彼女の物語の方がはるかに共感を得やすいことを、よく心得ている。」
と記す。

入管施設雑居房は男女別、子供でさえ男の子は母親と一緒は許されない。
運動場はない。窓はあるけど開けることもできない。曇りガラスで外も見られない。シャワーは週2回15分だけ。部屋の片隅のトイレは壁がない。

2019年以降、「円安は止まらない。日本は外国人労働者にとっていよいよ魅力のない国になってしまった。さして高い賃金が得られなくなってしまった今、外国人が日本に働きに来るメリットは少ない。」
「働きたいのに働けない難民がいるのに、働いてほしいのに日本から逃げていく外国人労働者がいる。どこまで探っても日本の政策は、人に対する敬意がなく、ただちぐはくなたけだった。」

刑務所まがいの入管施設の実態と、難民に関わってきた弁護士や支援者、国へ強制送還されたら死ぬしかないと申告し続ける難民申請者、日本の難民認定法と政治。一冊にギッシリと詰め込まれている。

「日本が難民条約に、加入して40年間で、難民として認められたのは、わずか900人弱。国連から人権条約違反、国連憲章違反との批判に耳を貸さず、今も難民を長期収容し、強制送還し続けているニッポン。国際社会から日本人の人権感覚が問われている。20年以上も難民認定を待ち続けている人々がいる。迫害から逃れて希望をもって来日した難民を友人として受け入れる用意は、市民社会はできている。次は、政治が変わる時だ」ドキュメンタリー映画『牛久』トーマス・アッシュ監督 有川憲治さんの紹介文

表紙も秀悦、多くの人に読んでほしい本でした。

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

移民、難民問題。

佐々涼子のノンフィクションという理由で読んだが、ものすごく勉強になった。

日本ではこんなことがまかり通ているのかと、驚きと怒りを禁じえない。

外国人の技術研修生の実態も記されているが、これからの将来、当たり前のように外国人が日本に来てくれるとは思わない方がいい。

インバウンドを6,000万人とする目標もいいが、足元の一緒に生活をする外国から来た人のことも考えたほうがいい。

どんな人も一度読んで絶対損はしない本

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2024年01月19日

Posted by ブクログ

自分自身が全く知らなかった日本における難民の現実…なんて酷いのだろう。そして自分自身の無知を思い知らされた。
たくさんの人にこの本を読んでもらいたい…そう思った。

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2024年01月07日

Posted by ブクログ

読んでいて本当に日本のことなのか?と疑いたくなった。
自分の無知を恥ずかしく思った。
何が自分にできるのか。
まずはこのことを忘れないことが第一歩だろうか。

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2023年10月02日

Posted by ブクログ

難民の受け入れ、入管の改善のために四半世紀に渡り闘い続ける「難民弁護士」の奮闘の日々を、現在入管に収監されている在留外国人の取材と共に綴られています。

先日、中島京子著「やさしい猫」で日本の信じがたい人権侵害・悪法について知り、かなり衝撃を受けたところ。
ウクライナ難民で始まった話ではない。日本でも受け入れられていますが、日本の難民認定率は1%にも満たない低さ!!
果たして受け入れたその後は…?
ウクライナ以外の国からの難民希望者の対応は…?
本書は、日本であまり知られていないその現実について綴られています。

無知・無関心は大きな罪を作り出す。
入管では、もし家庭や介護施設であれば犯罪になるようなことが罷り通っている。司法手続きなしで非正規滞在者を自由に捕らえることができ、無制限に収容できる。
入管法改正法案は更にひどい…。
助けを求め、希望を持って日本という国に渡ってきた人たちに申し訳なさすぎて言葉にならない。

いつか自分達が外国に助けを求めたとして、まるで犯罪人のように扱われ自由もなく、同じように扱われることをどう考えるのか。
人権侵害も甚だしい。
かつての「ハンセン病患者隔離」のように、ひっそりと人生を狂わされている人がいる。

『私たちを助けてくれるの?』

少女の声が頭から離れない。
本書は是非多くの人に読んで知って頂きたいと思います。

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2023年06月07日

Posted by ブクログ

まだ読んでる途中だが、ウシュマさんの事件意外にも入管内での人権無視の体制
日本でこんなことが起きてるのか?!と悲しくなる。
また弁護士の児玉さんのTwitterに多数の「即帰れ」などのコメント
一部とはわかっていても同じ日本人なのかと悲しくなる。
自分自身も今まで無関心でいたことも同様に情けなく思う
自分がもし海外に行って、このような待遇を受けたらと思うといたたまれないし、その国を憎むだろう。日本はすごいだろ?良い国だろ?と心から言える国になってほしい。

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2023年05月21日

Posted by ブクログ

心が痛い。
読んでいてこんなに心が痛むノンフィクションは、他にない。
罪悪感といたたまれなさに、何度も読むのを止めようと思った。

日本には「入国管理局」の名の下に、平然と人権を蹂躙して「正義」を標榜する機関がある。どんなに証拠を積み上げても、難民として認定することを拒んでいるという事実がある。難民認定にも人種・国籍の差別がある。そしてそのことを、日本人のほとんどが知らない。知ろうとしていない。ウクライナ避難民受け入れの美談に酔って、「日本は良い国だ」という偏向報道の歪みのままに、日本礼賛に旗振りをしている。

吐き気がする。
自分自身の無知と無関心の罪深さに狼狽えるばかりだ。
本書の終わり近くでは、鎌倉市の方々や市行政の方々の、温かい支援や難民支援に向けた国への働きかけのことが紹介されている。けれど、結局はそれも「善意」のレベルで止まっていて、国を変えるための「政治」には繋げられていない。子ども食堂に感じるのと同質のものを、ここにも感じる。

ささやかな善意の積み重ねは不可欠だ。それを否定するつもりは微塵ない。自分自身もそうして動いている人間の1人だ。
けれど、それは結局、隙間埋めにしかならない。大きく壁がくずれているところにいくらパテを塗ったって、風は入るし水は漏れるし、いつかは建物自体が崩れ落ちる。

佐々さんの本を読むと、いつも、何かしなければという責め立てられるような思いに駆られる。
何ができるのか?どこから始めればいいのか?
答えはないけれど、まずは動こうと思う。
読者の責任はそこにある。

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2023年04月27日

Posted by ブクログ

日本への移民と難民について、徹底した取材に基づいて詳細に描かれている作品…。移民と言えば、技能実習生…技能実習生がどんな経緯を辿って日本に来ているのか、今まで深く考えることはなかったなぁ…私の職場にも技能実習生はいるけれど、彼らがいなくなったら…今の仕事成り立たないだろうなって思うとこの作品を読んで大反省しました!!

そして、ウィシュマさん死亡事件で日本の入管・難民問題をほんの少しだけ知っていた程度だったんだと愕然としました。ウィシュマさん死亡事件は明らかになった事件であって、こういった悲しいことは過去にも起きていたんだと…本当に怖くなりました。

「国籍や在留資格に関係なく、すべての人が家族と一緒に暮らす、
迫害の恐怖から逃れる、不当な身体拘束から解放される、
あるいは、収容されていても適切な医療を受け、命を維持できる。
いわば当たり前の世界が私の夢です。」と語る、児玉弁護士の言葉が胸に残っています。この社会にある、目に見えない「ボーダー」を取り払うため、私には何ができるだろうか…考えさせられる一冊になりました。佐々涼子さんの作品は、どれも心を打つものですが、この作品も読めて良かったと思いました。

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2023年04月04日

あなたが日本人ならば
この本を読む義務がある

テレビでもてはやされる
アニメや漫画、伝統芸能、日本文化
きれいで便利、平和でいい国
日本に好んでやってきて
大金を消費する観光客
ばかりを優遇する日本ではなく

身近に暮らして
日本人がやりたがらない労働をしている外国人を隣人として
差別せず尊重して大事にしてほしい

その輪が広がって
理解のない国をも動かす一助となりますように
まずは読んで知って欲しい
教科書にも載せるべき
そんな一冊です

されど現実は国の政策よりも
先に進んでいる
(というか国の政策が的外れで遅すぎる)
日本はもはや技能実習生には
選ばれない国となりつつある
少子化で労働力が減り
円安に物価高で給料は上がらず
日本人の若者はすでに
日本を見限って海外に働きに行く
悪循環から抜けられない未来は
すぐそこ
現実を何も知らないのは政治家ばかり

中島京子さんの「やさしい猫」を
読んで興味を持って選んだ本だか
「エンジェルフライト国際霊柩送還士」も
「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生 日本製紙石巻工場」も読んでた
佐々涼子さんのノンフィクションの幅広さと
取材の行動力に驚く
今後も注目したい

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2023年02月12日

Posted by ブクログ

噂やニュースで聞いていたが、予想以上に酷い入管と日本の難民政策。

こういったノンフィクションを読むと、その実態を知ることが出来るが、「なんて酷いんだ」と思うだけの自分はなんなんだと

とりあえず、この本が書かれてから何か変わったのが調べてみる

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

移民・難民受け入れに関する「入管問題」の実態をレポートし、分かりやすく解説している。国の制度の矛盾が浮き彫りになり、国民一人一人が自分事として向き合うべき問題であることに気づいた。佐々さんが、冷静に取材しようと努めながらも、人間味のある優しい眼差しが感じられ、胸が熱くなる。
ご冥福をお祈り致します。

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2025年02月19日

Posted by ブクログ

難民、移民問題をよく理解せずに叩いてる人いるけど、この本読んでみてほしい。支持するかしないかは個人の自由ではあるけど、実態を知ってから、批判すべきだと思う。祖国を追われて帰国できない人やその子供の人権が無視されてよいわけがない。

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2024年10月16日

Posted by ブクログ

先日お亡くなりなった、ノンフィクション作家の佐々涼子さん作品。ビザが切れたというだけで、状況や理由も考慮されることも無く収容され、とんでもない扱いをされている、これが日本なのかと愕然とした。死刑を宣告されるほどの犯罪者でも、日本人というだけで、こんな扱いはされないのでは?理不尽な気持ちでいっぱいになった。

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2024年09月13日

Posted by ブクログ

今の仕事もいいのだけれど、もっと直接的に難民の支援に携わる仕事ができないものだろうかと、読んでてかなり真剣に考えた。
日本人は何様なのだろう。もちろん自らがそういう思いをした日本人もいるし、自分がいつそういう思いをするということもあり得ない話ではないわけで…
何かできることはないものか。額を減らしてしまった募金はそれでも続けているけれど、お金を少しあげてそれで終わり、ではないよな。

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2024年08月19日

Posted by ブクログ

日本は移民・難民について厳しい、という知識はあったけど、現状についてのルポを読むと、ほんと知らないことが多いな、と。見ないようにしていたというのが正直なところかもしれない。入管の状況は相当マズいのでは…人権侵害もいいところ。
とはいえ、ヨーロッパでの移民・難民による(?)急速な社会変化の様子など見ると、日本でどのように受け入れていったらよいのか悩ましい。
まあ斜陽国家だから、そのうち見向きもされなくなる可能性もあるけど…。書いてあったけど、むしろ子どもたちが移民になるかもってのは思ってる。

この方のノンフィクションは興味深いトピックが多く、寄り添い方が等身大で、読みやすいなあ。

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2024年07月31日

Posted by ブクログ

すごいと読むたびに思うノンフィクションの書き手(ご自分の身を削りながらお書きになっているのだろう)佐々涼子さんが、日本の難民、移民、技能実習生について取材されたもの。
この問題についてはいつも自分に何ができるのだろうかと考えさせられる。児玉晃一弁護士、お名前はよく拝見していたが、この本を通じて身近に感じられたので、ご活躍を今後も追っていきたい(この問題での「ご活躍」の場があるのが良いのか悪いのかは別にして)。

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2024年03月30日

Posted by ブクログ

入管でのウィシュマさん死亡事件、ひどい事件とは感じつつ、難民制度、難民と移民の違いについて無知だったことを思い知らされました。日本の難民制度の問題と、入管での人権を無視した対応とは全く別問題だと思っています。恥ずべきことだと思います。一方で鎌倉アルペなんみんセンターの取り組みを知り、希望を見た気もします。自分として何ができるか、考えたいです。

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

佐々さんの本は3冊目。他2冊よりもよりノンフィクション要素の濃い本だった。深く厳しい現実を表している。学ぶのを、知るのをやめてはならない。恐れてはならない。全ての日本人に問われている。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

自分のまわりの平安にしか目を向けない日々を送っているとこぼれてしまう問題を
ちょっと視野を広げるだけで
不思議に思ったり疑問をもったりすることが出来る。

その問題についてネット検索はすぐに答えを出せそうに思うけれど
じっくり考えながら答えを出すのは良書に出合うことである。
この本はまさにひとつの問題を提起してさらに考える機会を与えてくれる良書である


今の日本ががっかりする国とならないように考えていきたいと思う。

佐々さんは今、闘病中とのこと。
早くお元気になられますように。
次の作品を待っています。

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2023年05月24日

Posted by ブクログ

予想していたより読み進めやすかった。そして、かなり酷い想像をしていたにも関わらず、入管の収監者への扱いが酷かった。治安維持法と同列(より悪い)に述べられるなんて。ウィシュマさんのようなことが特別ではなく、恒常的な状態だなんて、おかしい。集団ですごす部屋のトイレに壁がない、ほぼ室内だけで過ごす、痛くて叫び続けたり血を貯められるほど吐くのに医療が受けられない…。四年収監されて仮放免になったナイジェリア人のエースがアルペなんみんセンターのクリスマスコンサートで脂汗を流してうずくまるように身体を曲げている(普通なら感情が揺さぶられるような合唱)のが、収容で極端に刺激がなかったための拘禁反応だと書かれていて、これが命からがら日本へ逃れてきた人に対する国の対応なのかと、恥ずかしくなる。
おかしいのは日本の社会構造も。みんなが嫌がる労働を「海外」からの技能実習制度に頼る。円安でどんどん日本離れが進んでいるのはむしろ自らを見つめ直す良い機会。安いカット野菜も、骨とり魚も、きれいにさばかれた肉も、もっと必要に応じて高くなればいいのだ。大学進学率が50%超えるのがおかしい。どんな仕事についても、一生懸命働けばそれなりの福祉や、仕事への尊敬を受けられるような社会構造を築くべき。
とまあ、色々なことを考えさせられた。★4にしたのは、収監される人たちがどういう事由でそれぞれそこにいるのか比率が分かりにくかったから。
これを読んで、少し知った私にできることは何だろう?難しい。

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2023年05月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

知らない世界だった

人はどこに生まれてくるかは選べない

日本人は純血であること、完全であることが好きで、少しでも違っていると仲間に入れない。

日本が買い手市場だった時代は終わりつつある、今は、彼らの方が日本を値踏みしているのだ。

いまだに昭和時代の栄光にすがって、外国人を怖がり、時に見下し、鎖国政策を取り続け、いろいろなことが悪くなっている

今後、少子高齢化多死社会を迎え、外国人を受け入れない選択枝はない。ならば、どうやって共に暮らしていくのか、未来は私たちの手にかかっている。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

エンジェルフライト、エンドオブライフに続く本著者今年3冊目。期待して読むが、期待感が高いが故の落差を感じてしまう。

入国在留管理局の施設で亡くなった女性のニュースが記憶に新しい。入管在留管理局、難民の問題を描く。

「今や外国人労働者なくして地方経済は回らない、彼らは今の日本人と比べ物にならない程よく働く
やすい労働者が欲しいが、純血を重んじる日本は、定住されては困るの思想から、外国人労働者受入の体制が出来ている」

そう思う、おもてなし日本も労働力不足でサービスが低下しているのも実感している。人が確保できなければロボで行く道を探るかみたいな話を先日友人ともした。

在留管理局の施設で亡くなった女性のニュースでは女性の方にも否が有るような書込みもyahooニュースでされており、また多くのいいねマーク付いている事に残念に思う。
現代にまだこんな酷い状況の問題があり、認知されていないことに憤る。そういった意味では本書はこの問題を多くの人に広めた素晴らしい本と言える。

けれども、前作を読み期待していた私としては残念感が先行してしまった。著者の熱量を感じない、話を進める主人公に熱を入れられていない様に感じる。

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2023年10月03日

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