あらすじ
佐々涼子はかつて司法試験予備校で机を並べていた児玉晃一と偶然再会する。児玉は弁護士として難民問題のエキスパートとなっていた。彼の案内で茨城県牛久の入国管理センターを訪れ、そこに長期収容されている外国人たちと面会した筆者は、その窮状にショックを受ける。イラン、アフガニスタン、カシミール……。内戦で命からがら日本に避難してきた「難民」たちを本国に強制送還しようとする入管。帰還すれば死刑になる状況でも意に介すことはない。さらに日本で家族をもっていようが容赦なく親と子を引き離す非道な仕打ち。長期収容で身体を壊し、命さえ落とす収容者がいながら、一向に改善されない日本入管の待遇に対して、国連も国際法違反と指摘する。四半世紀にわたり、難民の受け入れ、入管の改善のために闘い続ける児玉の奮闘の日々を、日本語学校教師として在留外国人と関わってきた自身の体験と、現在入管に収監されている在留外国人の取材とともに綴る。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
数年前まで、都内のコンビニでは中国や韓国出身と思われる人が働いている姿をよく見かけた。最近は、東南アジアやインド系、中東系と思われる人が増えているように感じる。「お」と思った。本書『ボーダー』を読んで、その違和感に輪郭が与えられた。
日本は島国であり、歴史的にも大陸諸国のように、常に人が行き交い、戦争のたびに難民が流れ込む国ではなかった。だから移民や難民の問題を、西洋的な価値基準だけで批判されることには、どこか暴力性も感じている。移民や難民の受け入れに拒否感や危機感を抱く人の気持ちは、正直よく分かる。私自身もそうだ。
しかし、それでもなお、日本の入管における難民対応は明確に間違っている。
ウィシュマ・サンダマリさんが入管施設で亡くなった事件は、以前ニュースで知ってはいたが、「一部の職務意識の低い公務員の問題」程度にしか捉えていなかった。本書を読んで、それが日本という国にとって“例外”ではなく、“通常の扱い”であることを知り、愕然とした。
乳児の食事は一日一度。外に出られるのは一日30分。おもちゃもない。子どもを育てる母親として、めまいがした。犯罪者であっても、ここまでの扱いが許されるだろうか。
昨年観た映画『ラーゲリより愛をこめて』では、日本人が終戦後、ソ連の強制収容所で非人道的な扱いを受ける姿に強い憤りを覚えた。その日本が、他国の女性や子どもに、さらに過酷なことをしているという事実に、言葉を失う。
移民問題についても、本書は私の認識を大きく揺さぶった。
「外国人が日本人の仕事を奪う」「税金を使われる」といった言葉は分かりやすく、反感を煽りやすい。しかし実際には、日本人がやりたがらない仕事――食品工場、コンビニのライン作業、介護、土木、動物の命を扱う現場――を、外国人労働者に依存することで日本社会は成り立っている。しかも、日本人に比べれば圧倒的に安い賃金で。(それでも彼らにとっては大金だ)
それでも日本は、彼らを「住民」としては受け入れない。永住させない。不要になれば、不法滞在者として排除する。生活基盤がすでに日本にあったとしても、途端に犯罪者扱いだ。人手不足と言いながら、求めているのは「使い捨て可能な労働力」なのだろう。企業はこの構造という麻薬を覚えてしまった。この仕組みが持続可能なはずがない。
いつまでも日本が、出稼ぎ先として魅力的な国で居続けられるだろうか。
「ほら、日本に来られてうれしいだろう?仕事を教えてやるから、貧乏なお前の国に帰って生かすといい」「日本はきれいで安全で働きやすいだろう?でも、うちには住まないでくれ。住んでいいのは欧米人だけだ」――そんな声が聞こえてくる。
日本好きの外国人が登場するテレビ番組が、日本にはやたらと多い。
「日本をほめていただきました!」「やっぱり日本は世界から憧れられている!」
ジャパンブランドにいつまでもしがみつき、思い上がってはいないだろうか。私も日本は好きだ。素晴らしいところもたくさんある。でも、正しく現状を見て変えていかなければ、自立もできないくせに虚栄心ばかりの、痛々しい国として、世界から冷ややかな目を向けられる気がする。
学生時代に観た『からゆきさん』という映画を思い出した。戦時中、外貨獲得のために海外に売られ、戦後も帰国できず、帰ってきても蔑まれた女性たち。戦争孤児、復員兵――日本は歴史の中で、役目を終えた人々を切り捨て、見なかったことにしてきた。その「型」が、今も続いているのではないかと思わずにはいられない。
では、どうすればいいのか。難民を受け入れるのか、移民を受け入れるのか。無制限にか。日本らしさとは何なのか。失われるものはあるのか。簡単な答えは出ない。
それでも、地球に生まれた一人の人間として、日本人として、女として、母として、私はもう「知る前」には戻れない。移民を受け入れてきた他国の事例も含め、これからも学び、自分の考えを更新し続けたいと思った。
Posted by ブクログ
佐々涼子氏が日本の入管・難民問題を、日本語教師の経験と「難民弁護士」児玉晃一氏の活動を通して描いたノンフィクションで、「難民」と「移民」の境界、入管の劣悪な実態と人権問題、日本社会の偏見に焦点を当て、人々の尊厳を問う作品です。移民と難民は「境界」で区別されがちだが、実際には人々の心の壁や社会の構造にこそ「ボーダー」があり、入管収容者の非人間的な扱いを容認する社会のあり方、そして無意識の差別に警鐘を鳴らし、当事者一人ひとりが問題を考える重要性を訴えています
Posted by ブクログ
「私の人生最大の失敗は、日本に助けを求めたことです」(p.95)
著者が十年かけて執筆した作品。日本が難民や外国人に対してどれほど理不尽で酷い仕打ちをしているか暴かれている、非常にショックな内容。しかし、少子高齢化もあり他国や外国人と共存して生きていく日本で生きていく以上、読む必要性の強い本だと思う。
読みながら、著者自身ショックや無力感に苛まれているのを感じるが、そのなかで、日本の真実を追求する熱量が爆発している。膨大な取材量、自身の思考・分析力の高さ、読んでいるだけで知識は増えて視野が広がる。また日本人の善悪も脚色なく書かれていて興味深く、読書時の満足感がすごい。
◯
まず本作でフォーカスされているのは、自国で迫害・殺害の危機があるなか、日本に助けを求めて来たものの、理不尽な言い訳で難民と認定されず、入管に収容された外国人の実態。どう見ても難民条約に該当する状況なのに(迫害の膨大な証拠書類もある)いざ日本に行くと難民認定されず、「難民でもない、在住権利もない無法者」として、入管にぶちこまれる。
ここで、世間の多くの人が入管収容者を「ビザが切れても居座る無法者」として見ているようだが、その認識は事実とズレがあることを実感。という私も外国人労働者の実情や、内戦や迫害と来日理由のつながりなど、まったく知らなかった。
入管の実情があまりにもむごい。一部屋に十人収容、仕切りすらないトイレ、風呂は週二回十分のシャワー。さらにショックを受けたのは、日本の警備員による暴行。日常的な暴力や、無抵抗者への集団リンチ。国に許される警備員は、虐めや暴行に歯止めがないようだ。(元職員によると入管で働くとこういう雰囲気に馴染んでしまうのだとか)
そして、治療を求める重病患者は放置。独房で助けを求めて叫んでも、血を吐き続けても、死ぬまで放置。何人も死なせている。自殺を図る収容者も多い。
絶望的なのは、彼らは一度収容されたら、自分の意思でこの地獄から脱出できないこと。首を吊ったインド人に対して収容者は「彼は本当に勇気があった。死んで本当の自由を手に入れた」と褒める……。
「日本は人権国家でない」「ここほどひどいところはない」「収容者達の声が辛い。
◯
次の部では、フィリピンやベトナムなどから日本に働きに出る技能実習生にフォーカスしている。
仕事口に対して人口が多いと、ブラック企業や無職、貧困者が増える。一方、今の日本のように仕事口に対して労働者が少ないと、こうして海外からの働き手を受け入れる訳だが、ここでまた外国人を搾り取るような待遇が暴かれる。
著者が言うように、この態度を続ければ、日本は一層外国人の方から見限られてしまう恐れがあるだろう。(他の先進国は難民認定に対しても日本より寛容のようだ。)そのとき初めて体勢を見直すのだろうか?
しかしこの豊かな生活を求めて日本語を習得し、働きに出る者達の生命力の強さ。暗い内容が続くなか彼らの向上心や明るさが眩しい。
◯
最後の難民支援センターの話では、彼らを支援したい人が沢山いることや、日本人の善意や思いやりが描かれている。それまで絶望的だったので、心が救われるパート。有川氏の「世に必要なものなら資金は集まる」という意気込みで一人支援センターを立ち上げた勇気と行動力に感銘。
あとがきからは、多くの人の努力によって、少しづつ、変わってきていることがわかる。しかし移民・難民と国の在り方は混沌としており、先進国のなかでは不寛容なようだ。これは実は一人一人が当事者の問題なのかもしれない。生ぬるい安全の中で、閉塞的な視野と考えに落ち着くのは、危険なのかもしれない。
こんな内容を実名で日本で公表する著者の勇気に感謝しかない。何度も読みたい本。
Posted by ブクログ
母国では命の危険等に晒されるから、やっとの思いで自分が住みなれている国を離れて、家族と離れ離れになっても、形上は難民条約に批准しているから、きっと助けてくれると思い日本を頼って庇護を求めてくる難民の人々。その人達を大人も子供も構わず、警察のような司法手続きを取ることもなく行政手続きだけで収容する法務省。在留資格がない状態でオーバーステイが発生している現状も、理不尽に高い難民認定のハードルを設けているからこそ発生しているもので、自らが問題の発生要因を作っておきながら、それを弱いもののせいにする。
これとは区別した実質的な出稼ぎ移民政策の技能実習制度。表向きは移民がいないことにしておきながら、我々がコンビニやスーパーでいつでも安く物を買える恩恵を受けておきながら、それは棚上げにして、3年で使い捨てにして送り返している現状。移民と難民政策について国としてころころ政策や思惑で基準を変えながら、それを末端の一番弱い立場の人が命や人権を奪われいている。この現状そ知らずしてないことにしていることは無責任だし、いい面だけ恩恵を享受して都合の悪いことを見ていなかったことを大いに反省した。
佐々涼子さんの作品は「紙つなげ」に続いて二作目。若くして亡くなられたこと、ご冥福をお祈りします。
Posted by ブクログ
移民問題、深刻なんだなあ。
移民って、自国が大変だから逃げてきたのに、逃げてきたところでまた苦しむなんて、負の連鎖すぎる。
移民が、安寧の地を得るのにはまだ時間がかかるんだろーか。
生きることに頑張っている。
尊敬するお。
Posted by ブクログ
昨年亡くなられた佐々涼子さんの渾身の一冊。
大学の同窓生だった児玉晃一弁護士から入管収容の実態を聴いた佐々さんは、自らも難民への取材を始めた。その記録が前半に載せてある。
「入管はなぜ難民を追い返そうとするのか」
迫害の危険性や紛争、暴力など、状況が悪化し移動せざるを得なかった人々だ。難民認定もされず入管にとどめ置かれ、強制送還されないかと恐れ慄く。
映画「ヒューマン・フロー(大地漂流)」で、ゴムボートに乗る大勢の人々を写した場面が思い出された。
難民となる人々の数は毎年増加の一途を辿っている。受け入れ国の中で、日本の難民認定率の低さを知り唖然とした。
(2021年 日本は74人で0.7%)
後半は移民のなかの「外国人技能実習生」を取り上げる。ここ数年のうちに中国や韓国から来る実習生は減少し、ベトナム人が増加している。
現地の「送り出し機関」について初めて知った。日本語教師を経てライターになった佐々さんは、国内外の日本語学校を訪れている。日常会話でなく職場で上手く立ち回るための「言葉」を教えられた実習生は、やって来た日本で使い勝手のいい労働力として自由を奪われ"管理"される。
コロナで入国を制限されたり円安のために日本で働く意味が無くなりつつある。「働きたいのに働けない難民がいる一方で、働いてほしいのに日本から逃げていく外国人労働者がいる」ことをわかっていない政治家たち。日本の行く末を懸念するのは当然だと思う。
入管から仮放免された難民を支援する
「アルペなんみんセンター」が鎌倉に出来た。
近隣住民やイエズス会から反対の声は上がらなかったという。ボーダーを越えた人と人との関わりに、取材を決して諦めなかった佐々さんの思いを見た気がした。
心よりご冥福をお祈りいたします。
Posted by ブクログ
P202
『働きたいのに働けない難民がいるのに、働いて欲しい日本から逃げていく外国人労働者がいる。どこまで探っても日本の政策は、他人に対する敬意がなく、ただちぐはぐなだけだった。』
なんてつらい話だろう。日本に働きに行き稼いで故郷で錦を…なんて過去の話。もう日本に行きたい人なんていない。そして過去、外国人労働者に頼っていた業種は人手不足。
入管の環境、人権無視の扱いなど、読んでる限りはひどすぎる。けど、何事も両方の言い分をきかないことには判断できない、と思ったり。
移民、難民、技能実習制度、全てが繋がっている。
この先、佐々涼子さんの著書は読めないことが悲しい。ご冥福をお祈りします。
Posted by ブクログ
「技能実習生」「入管」など聞いたことがあるだけで、実質は何も見えてなかったのか。
ウィシュマさん死亡事件がニュースになっても、稀なケースのように感じていたが、実際はニュースにもならずに、人としての尊厳も奪われている人が多くいることに愕然とした。
それも過去ではなく、現在進行形であるということ。
政治家に頼めば、ビザも簡単に取れてしまうというのもどうだろう。とりあえず、生きるために使える手段は使うというのはわかるが、それでは根本的に完結には進んでいかないと思う。
まずは自分の心の中の「ボーダー」を無くすようにしなければと強く思った。
Posted by ブクログ
初めて読んだ「エンド・オブ・ライフ」が衝撃だった
そして「夜明けを待つ」も深い感動を……
その作家が先月、56歳という若さで逝ってしまわれた!
ニュースにショック
これは友人が送ってくれた
中島京子の「やさしい猫」を読んだ後、読みたいと思っていたものだ
〈そして「ウクライナ難民で始まった話ではない。
ミャンマー、スリランカ、イラン、アフガニスタン、そしてアフリカの国々から……。
命からがら、日本にたどり着いた人たちを、
私たちは、どう受け入れてきたのか? 〉
広範囲な取材に胸が熱くなる
私たちってこんなにひどい国民なんですね
知らないでは済まされないですよね
佐々涼子さんの痛切な願いをしっかり受け止めたいと思います
ありがとうございました
≪ 駆け回り ただ伝えたい 真実を ≫
Posted by ブクログ
ノンフィクションとは不都合な真実を暴く
告発書です。
2021年3月に発生した名古屋出入国在留管
理局に収容中のウィシュマさんが死亡した
事件を覚えていますでしょうか。
これによりやっと出入国在留管理局の施設
通称「入管」の実態が世に知られるように
なりました。
日本は難民条約に加入して40年経ちます。
しかしその間に難民として認められたのは
わずか900人弱です。
国連から人権条約違反、国連憲章違反との
批判に耳を貸さず、今も難民を長期収容し、
強制送還し続けているニッポン。
その真実に迫るのが本書です。
しかし「技能実習生として多くの外国人を
受け入れているではないか」という意見も
あると思います。
日本は都合の悪い難民を排除している一方
で、都合の良い難民は受け入れています。
これが「技能実習生」です。
「技能実習生」の実態は安い労働力であり、
もはや「技能実習生」の存在なくしては日
本の製造業は成り立たないとまで言われて
います。
母国より賃金の良い国で働けば豊かになり
ます。
そんな動機から日本へと来ますが、期間は
3年間だけです。それでも3年間で十分な
お金を稼げるのであればまだいいです。
いずれ母国も豊かになり、日本へ行く必要
がなくなったり、別のアジアの国の方が賃
金が良いとわかると日本は選ばれなくなり
ます。
そんなもう一つの不都合な真実にも焦点を
当てます。
今、全ての日本人が「自分ごと」として知
っておくべき真実が満載の一冊です。
Posted by ブクログ
これが「おもてなし」の国、日本で起きている現実だと思うと戦慄する。
日本での難民申請者の弁護を長年続けている児玉弁護士の活動は、まさに地獄に仏。
しかし、国際難民条約に加入している国でこんなひどいことがまかり通っていることが事態が異常だと言えよう。
日本が難民条約に加入しているからこそ、そこに望みをつないでくる難民も多いはず。
経済や政治的事情によって、弱い立場の人の命が左右されることがあってはならないと、強く感じると共に、一人でも多くの人にこの現状を知ってもらいたいと感じた。
2024.1
Posted by ブクログ
日本の難民入国についてのルポタージュ
自分の無知無関心について思い知らされる。
現代の日本で、信じられない位の酷いことが、今も本当に近くで起きていることについて愕然とさせられた。
酷い事実である事柄を、読み易すくわかりやすく、感情的にならない調子で書かれていて、また、希望のある部分についても同様に書かれていて、文章や構成の凄さにも感動。
Posted by ブクログ
毎回、佐々さんの著書には深く考えさせられます。
入管で死んだスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん。確かにこの報道で劣悪な環境の入管施設を知った。
佐々さんは「異様な状態だが、私には既視感があった。長崎の大村入管で餓死をしたナイジェリア人のサニー、そして絶叫しながら死んでいったカメルーンのWもいる。彼らの死についてきちんと原因が究明されていればウィシュマは今も生きていただろう」「誰も口にしないが、痩せた黒人男性より、若くて健気な女性には同情を抱きやすいのだ。そして伝える側は、彼女の物語の方がはるかに共感を得やすいことを、よく心得ている。」
と記す。
入管施設雑居房は男女別、子供でさえ男の子は母親と一緒は許されない。
運動場はない。窓はあるけど開けることもできない。曇りガラスで外も見られない。シャワーは週2回15分だけ。部屋の片隅のトイレは壁がない。
2019年以降、「円安は止まらない。日本は外国人労働者にとっていよいよ魅力のない国になってしまった。さして高い賃金が得られなくなってしまった今、外国人が日本に働きに来るメリットは少ない。」
「働きたいのに働けない難民がいるのに、働いてほしいのに日本から逃げていく外国人労働者がいる。どこまで探っても日本の政策は、人に対する敬意がなく、ただちぐはくなたけだった。」
刑務所まがいの入管施設の実態と、難民に関わってきた弁護士や支援者、国へ強制送還されたら死ぬしかないと申告し続ける難民申請者、日本の難民認定法と政治。一冊にギッシリと詰め込まれている。
「日本が難民条約に、加入して40年間で、難民として認められたのは、わずか900人弱。国連から人権条約違反、国連憲章違反との批判に耳を貸さず、今も難民を長期収容し、強制送還し続けているニッポン。国際社会から日本人の人権感覚が問われている。20年以上も難民認定を待ち続けている人々がいる。迫害から逃れて希望をもって来日した難民を友人として受け入れる用意は、市民社会はできている。次は、政治が変わる時だ」ドキュメンタリー映画『牛久』トーマス・アッシュ監督 有川憲治さんの紹介文
表紙も秀悦、多くの人に読んでほしい本でした。
Posted by ブクログ
移民、難民問題。
佐々涼子のノンフィクションという理由で読んだが、ものすごく勉強になった。
日本ではこんなことがまかり通ているのかと、驚きと怒りを禁じえない。
外国人の技術研修生の実態も記されているが、これからの将来、当たり前のように外国人が日本に来てくれるとは思わない方がいい。
インバウンドを6,000万人とする目標もいいが、足元の一緒に生活をする外国から来た人のことも考えたほうがいい。
どんな人も一度読んで絶対損はしない本
Posted by ブクログ
自分自身が全く知らなかった日本における難民の現実…なんて酷いのだろう。そして自分自身の無知を思い知らされた。
たくさんの人にこの本を読んでもらいたい…そう思った。
Posted by ブクログ
読んでいて本当に日本のことなのか?と疑いたくなった。
自分の無知を恥ずかしく思った。
何が自分にできるのか。
まずはこのことを忘れないことが第一歩だろうか。
Posted by ブクログ
難民の受け入れ、入管の改善のために四半世紀に渡り闘い続ける「難民弁護士」の奮闘の日々を、現在入管に収監されている在留外国人の取材と共に綴られています。
先日、中島京子著「やさしい猫」で日本の信じがたい人権侵害・悪法について知り、かなり衝撃を受けたところ。
ウクライナ難民で始まった話ではない。日本でも受け入れられていますが、日本の難民認定率は1%にも満たない低さ!!
果たして受け入れたその後は…?
ウクライナ以外の国からの難民希望者の対応は…?
本書は、日本であまり知られていないその現実について綴られています。
無知・無関心は大きな罪を作り出す。
入管では、もし家庭や介護施設であれば犯罪になるようなことが罷り通っている。司法手続きなしで非正規滞在者を自由に捕らえることができ、無制限に収容できる。
入管法改正法案は更にひどい…。
助けを求め、希望を持って日本という国に渡ってきた人たちに申し訳なさすぎて言葉にならない。
いつか自分達が外国に助けを求めたとして、まるで犯罪人のように扱われ自由もなく、同じように扱われることをどう考えるのか。
人権侵害も甚だしい。
かつての「ハンセン病患者隔離」のように、ひっそりと人生を狂わされている人がいる。
『私たちを助けてくれるの?』
少女の声が頭から離れない。
本書は是非多くの人に読んで知って頂きたいと思います。
Posted by ブクログ
まだ読んでる途中だが、ウシュマさんの事件意外にも入管内での人権無視の体制
日本でこんなことが起きてるのか?!と悲しくなる。
また弁護士の児玉さんのTwitterに多数の「即帰れ」などのコメント
一部とはわかっていても同じ日本人なのかと悲しくなる。
自分自身も今まで無関心でいたことも同様に情けなく思う。
自分がもし海外に行って、このような待遇を受けたらと思うといたたまれないし、その国を憎むだろう。日本はすごいだろ?良い国だろ?と心から言える国になってほしい。
あなたが日本人ならば
この本を読む義務がある
テレビでもてはやされる
アニメや漫画、伝統芸能、日本文化
きれいで便利、平和でいい国
日本に好んでやってきて
大金を消費する観光客
ばかりを優遇する日本ではなく
身近に暮らして
日本人がやりたがらない労働をしている外国人を隣人として
差別せず尊重して大事にしてほしい
その輪が広がって
理解のない国をも動かす一助となりますように
まずは読んで知って欲しい
教科書にも載せるべき
そんな一冊です
されど現実は国の政策よりも
先に進んでいる
(というか国の政策が的外れで遅すぎる)
日本はもはや技能実習生には
選ばれない国となりつつある
少子化で労働力が減り
円安に物価高で給料は上がらず
日本人の若者はすでに
日本を見限って海外に働きに行く
悪循環から抜けられない未来は
すぐそこ
現実を何も知らないのは政治家ばかり
中島京子さんの「やさしい猫」を
読んで興味を持って選んだ本だか
「エンジェルフライト国際霊柩送還士」も
「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生 日本製紙石巻工場」も読んでた
佐々涼子さんのノンフィクションの幅広さと
取材の行動力に驚く
今後も注目したい
Posted by ブクログ
噂やニュースで聞いていたが、予想以上に酷い入管と日本の難民政策。
こういったノンフィクションを読むと、その実態を知ることが出来るが、「なんて酷いんだ」と思うだけの自分はなんなんだと
とりあえず、この本が書かれてから何か変わったのが調べてみる
Posted by ブクログ
移民・難民受け入れに関する「入管問題」の実態をレポートし、分かりやすく解説している。国の制度の矛盾が浮き彫りになり、国民一人一人が自分事として向き合うべき問題であることに気づいた。佐々さんが、冷静に取材しようと努めながらも、人間味のある優しい眼差しが感じられ、胸が熱くなる。
ご冥福をお祈り致します。
Posted by ブクログ
難民、移民問題をよく理解せずに叩いてる人いるけど、この本読んでみてほしい。支持するかしないかは個人の自由ではあるけど、実態を知ってから、批判すべきだと思う。祖国を追われて帰国できない人やその子供の人権が無視されてよいわけがない。
Posted by ブクログ
先日お亡くなりなった、ノンフィクション作家の佐々涼子さん作品。ビザが切れたというだけで、状況や理由も考慮されることも無く収容され、とんでもない扱いをされている、これが日本なのかと愕然とした。死刑を宣告されるほどの犯罪者でも、日本人というだけで、こんな扱いはされないのでは?理不尽な気持ちでいっぱいになった。
Posted by ブクログ
今の仕事もいいのだけれど、もっと直接的に難民の支援に携わる仕事ができないものだろうかと、読んでてかなり真剣に考えた。
日本人は何様なのだろう。もちろん自らがそういう思いをした日本人もいるし、自分がいつそういう思いをするということもあり得ない話ではないわけで…
何かできることはないものか。額を減らしてしまった募金はそれでも続けているけれど、お金を少しあげてそれで終わり、ではないよな。
Posted by ブクログ
日本は移民・難民について厳しい、という知識はあったけど、現状についてのルポを読むと、ほんと知らないことが多いな、と。見ないようにしていたというのが正直なところかもしれない。入管の状況は相当マズいのでは…人権侵害もいいところ。
とはいえ、ヨーロッパでの移民・難民による(?)急速な社会変化の様子など見ると、日本でどのように受け入れていったらよいのか悩ましい。
まあ斜陽国家だから、そのうち見向きもされなくなる可能性もあるけど…。書いてあったけど、むしろ子どもたちが移民になるかもってのは思ってる。
この方のノンフィクションは興味深いトピックが多く、寄り添い方が等身大で、読みやすいなあ。
Posted by ブクログ
すごいと読むたびに思うノンフィクションの書き手(ご自分の身を削りながらお書きになっているのだろう)佐々涼子さんが、日本の難民、移民、技能実習生について取材されたもの。
この問題についてはいつも自分に何ができるのだろうかと考えさせられる。児玉晃一弁護士、お名前はよく拝見していたが、この本を通じて身近に感じられたので、ご活躍を今後も追っていきたい(この問題での「ご活躍」の場があるのが良いのか悪いのかは別にして)。
Posted by ブクログ
入管でのウィシュマさん死亡事件、ひどい事件とは感じつつ、難民制度、難民と移民の違いについて無知だったことを思い知らされました。日本の難民制度の問題と、入管での人権を無視した対応とは全く別問題だと思っています。恥ずべきことだと思います。一方で鎌倉アルペなんみんセンターの取り組みを知り、希望を見た気もします。自分として何ができるか、考えたいです。
Posted by ブクログ
佐々さんの本は3冊目。他2冊よりもよりノンフィクション要素の濃い本だった。深く厳しい現実を表している。学ぶのを、知るのをやめてはならない。恐れてはならない。全ての日本人に問われている。
Posted by ブクログ
自分のまわりの平安にしか目を向けない日々を送っているとこぼれてしまう問題を
ちょっと視野を広げるだけで
不思議に思ったり疑問をもったりすることが出来る。
その問題についてネット検索はすぐに答えを出せそうに思うけれど
じっくり考えながら答えを出すのは良書に出合うことである。
この本はまさにひとつの問題を提起してさらに考える機会を与えてくれる良書である
。
今の日本ががっかりする国とならないように考えていきたいと思う。
佐々さんは今、闘病中とのこと。
早くお元気になられますように。
次の作品を待っています。
Posted by ブクログ
知らない世界だった
人はどこに生まれてくるかは選べない
日本人は純血であること、完全であることが好きで、少しでも違っていると仲間に入れない。
日本が買い手市場だった時代は終わりつつある、今は、彼らの方が日本を値踏みしているのだ。
いまだに昭和時代の栄光にすがって、外国人を怖がり、時に見下し、鎖国政策を取り続け、いろいろなことが悪くなっている
今後、少子高齢化多死社会を迎え、外国人を受け入れない選択枝はない。ならば、どうやって共に暮らしていくのか、未来は私たちの手にかかっている。
Posted by ブクログ
エンジェルフライト、エンドオブライフに続く本著者今年3冊目。期待して読むが、期待感が高いが故の落差を感じてしまう。
入国在留管理局の施設で亡くなった女性のニュースが記憶に新しい。入管在留管理局、難民の問題を描く。
「今や外国人労働者なくして地方経済は回らない、彼らは今の日本人と比べ物にならない程よく働く
やすい労働者が欲しいが、純血を重んじる日本は、定住されては困るの思想から、外国人労働者受入の体制が出来ている」
そう思う、おもてなし日本も労働力不足でサービスが低下しているのも実感している。人が確保できなければロボで行く道を探るかみたいな話を先日友人ともした。
在留管理局の施設で亡くなった女性のニュースでは女性の方にも否が有るような書込みもyahooニュースでされており、また多くのいいねマーク付いている事に残念に思う。
現代にまだこんな酷い状況の問題があり、認知されていないことに憤る。そういった意味では本書はこの問題を多くの人に広めた素晴らしい本と言える。
けれども、前作を読み期待していた私としては残念感が先行してしまった。著者の熱量を感じない、話を進める主人公に熱を入れられていない様に感じる。