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佐々涼子はかつて司法試験予備校で机を並べていた児玉晃一と偶然再会する。児玉は弁護士として難民問題のエキスパートとなっていた。彼の案内で茨城県牛久の入国管理センターを訪れ、そこに長期収容されている外国人たちと面会した筆者は、その窮状にショックを受ける。イラン、アフガニスタン、カシミール……。内戦で命からがら日本に避難してきた「難民」たちを本国に強制送還しようとする入管。帰還すれば死刑になる状況でも意に介すことはない。さらに日本で家族をもっていようが容赦なく親と子を引き離す非道な仕打ち。長期収容で身体を壊し、命さえ落とす収容者がいながら、一向に改善されない日本入管の待遇に対して、国連も国際法違反と指摘する。四半世紀にわたり、難民の受け入れ、入管の改善のために闘い続ける児玉の奮闘の日々を、日本語学校教師として在留外国人と関わってきた自身の体験と、現在入管に収監されている在留外国人の取材とともに綴る。
...続きを読むPosted by ブクログ 2024年02月17日
毎回、佐々さんの著書には深く考えさせられます。
入管で死んだスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん。確かにこの報道で劣悪な環境の入管施設を知った。
佐々さんは「異様な状態だが、私には既視感があった。長崎の大村入管で餓死をしたナイジェリア人のサニー、そして絶叫しながら死んでいったカメルーンのW...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月19日
移民、難民問題。
佐々涼子のノンフィクションという理由で読んだが、ものすごく勉強になった。
日本ではこんなことがまかり通ているのかと、驚きと怒りを禁じえない。
外国人の技術研修生の実態も記されているが、これからの将来、当たり前のように外国人が日本に来てくれるとは思わない方がいい。
インバウン...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月07日
難民の受け入れ、入管の改善のために四半世紀に渡り闘い続ける「難民弁護士」の奮闘の日々を、現在入管に収監されている在留外国人の取材と共に綴られています。
先日、中島京子著「やさしい猫」で日本の信じがたい人権侵害・悪法について知り、かなり衝撃を受けたところ。
ウクライナ難民で始まった話ではない。日本で...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月21日
まだ読んでる途中だが、ウシュマさんの事件意外にも入管内での人権無視の体制
日本でこんなことが起きてるのか?!と悲しくなる。
また弁護士の児玉さんのTwitterに多数の「即帰れ」などのコメント
一部とはわかっていても同じ日本人なのかと悲しくなる。
自分自身も今まで無関心でいたことも同様に情けなく思う...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月27日
心が痛い。
読んでいてこんなに心が痛むノンフィクションは、他にない。
罪悪感といたたまれなさに、何度も読むのを止めようと思った。
日本には「入国管理局」の名の下に、平然と人権を蹂躙して「正義」を標榜する機関がある。どんなに証拠を積み上げても、難民として認定することを拒んでいるという事実がある。難民...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月04日
日本への移民と難民について、徹底した取材に基づいて詳細に描かれている作品…。移民と言えば、技能実習生…技能実習生がどんな経緯を辿って日本に来ているのか、今まで深く考えることはなかったなぁ…私の職場にも技能実習生はいるけれど、彼らがいなくなったら…今の仕事成り立たないだろうなって思うとこの作品を読んで...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月23日
日本人の人権感覚が問われている。女性、LGBTQ、高齢、障害、子ども、、、そして移民難民への対応。心優しい人もたくさんいる中、この問題が起きている原因は日本人の国民性なのか?閉鎖的、人見知り遺伝子?鎖国日本が生きやすいのか?それは正当化されることなのか?
日本人は多様性を受け入れ難いのか?
どうした...続きを読む
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