作品一覧

  • 夜明けを待つ(集英社インターナショナル)
    4.4
    1巻1,782円 (税込)
    病、家族、看取り、移民、宗教……。小さき声に寄り添うことで、大きなものが浮かび上がってくる。『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』『エンド・オブ・ライフ』『ボーダー 移民と難民』……。生と死の境を見つめ続け、読む者の心を揺さぶる数々のノンフィクション作品の原点は、佐々涼子の人生そのものにあった。ここ10年間に書き溜めてきたエッセイとルポルタージュから厳選した著者初の作品集。
  • ボーダー 移民と難民(集英社インターナショナル)
    4.5
    佐々涼子はかつて司法試験予備校で机を並べていた児玉晃一と偶然再会する。児玉は弁護士として難民問題のエキスパートとなっていた。彼の案内で茨城県牛久の入国管理センターを訪れ、そこに長期収容されている外国人たちと面会した筆者は、その窮状にショックを受ける。イラン、アフガニスタン、カシミール……。内戦で命からがら日本に避難してきた「難民」たちを本国に強制送還しようとする入管。帰還すれば死刑になる状況でも意に介すことはない。さらに日本で家族をもっていようが容赦なく親と子を引き離す非道な仕打ち。長期収容で身体を壊し、命さえ落とす収容者がいながら、一向に改善されない日本入管の待遇に対して、国連も国際法違反と指摘する。四半世紀にわたり、難民の受け入れ、入管の改善のために闘い続ける児玉の奮闘の日々を、日本語学校教師として在留外国人と関わってきた自身の体験と、現在入管に収監されている在留外国人の取材とともに綴る。
  • エンド・オブ・ライフ
    4.4
    「命の閉じ方」をレッスンする。ベストセラー『エンジェルフライト』『紙つなげ!』に続く、著者のライフワーク三部作の最終章。200名の患者を看取ってきた友人の看護師が癌に罹患。「看取りのプロフェッショナル」である友人の、死への向き合い方は意外なものだった。最期の日々を共に過ごすことで見えてきた「理想の死の迎え方」とは。著者が在宅医療の取材に取り組むきっかけとなった自身の母の病気と、それを献身的に看病する父の話を交え、7年間にわたる在宅での終末医療の現場を活写する。読むものに、自身や家族の終末期のあり方を考えさせてくれるノンフィクション。
  • 駆け込み寺の男 -玄秀盛-
    3.8
    新宿歌舞伎町「日本駆け込み寺」代表、玄秀盛(げん・ひでもり)。彼はDV、虐待、借金、ストーカーなど深刻な問題を抱える相談者を3万人以上救ってきた。それも無償でだ。近年は出所者を雇用・支援する「駆け込み居酒屋」を始め、メディアを賑わせている。しかしこの強面(こわもて)の男はいったい何者なのか? なぜ人助けにすべてを捧げるのか? その秘密は玄の壮絶すぎる過去にあった――開高健ノンフィクション賞作家の出世作。『駆け込み寺の玄さん』改題。
  • エンジェルフライト 国際霊柩送還士
    4.2
    【第10回開高健ノンフィクション賞受賞作】異境の地で亡くなった人は一体どうなるのか――。国境を越えて遺体を故国へ送り届ける仕事が存在する。どんな姿でもいいから一目だけでも最後に会いたいと願う遺族に寄り添い、一刻も早く綺麗な遺体を送り届けたいと奔走する“国際霊柩送還士”。彼らを追い、愛する人を亡くすことの悲しみや、死のあり方を真正面から見つめる異色の感動作。(解説・石井光太)

ユーザーレビュー

  • エンジェルフライト 国際霊柩送還士

    Posted by ブクログ

    前々から存在が気になっていた本。通りすがりの古本屋で売っていたので購入して読んだ。初版発行から15年近く経っている。

    国際霊柩送還士という職業は、もっと知られるべきと思った。その点は、まだ見てはいないが、米倉涼子演じるドラマで一定の役割を果たせたのかもしれない。

    著者の佐々さんの著書を初めて読んだ。緻密な取材をしながら感じたことを丹念に書き留めている。昨年、まだ50代なのに、病気で亡くなられたそう。残念である。

    0
    2025年11月17日
  • ボーダー 移民と難民(集英社インターナショナル)

    Posted by ブクログ

    母国では命の危険等に晒されるから、やっとの思いで自分が住みなれている国を離れて、家族と離れ離れになっても、形上は難民条約に批准しているから、きっと助けてくれると思い日本を頼って庇護を求めてくる難民の人々。その人達を大人も子供も構わず、警察のような司法手続きを取ることもなく行政手続きだけで収容する法務省。在留資格がない状態でオーバーステイが発生している現状も、理不尽に高い難民認定のハードルを設けているからこそ発生しているもので、自らが問題の発生要因を作っておきながら、それを弱いもののせいにする。

    これとは区別した実質的な出稼ぎ移民政策の技能実習制度。表向きは移民がいないことにしておきながら、我

    0
    2025年10月13日
  • エンド・オブ・ライフ

    Posted by ブクログ

    読むのにパワーがいりますが、ものすごく全力でおすすめしたい。
    内容も素晴らしく、考えさせられるし、今までの自分の経験と照らし合わせてそうだなぁと思ったり、ただただ泣いたり。そして、最後は死に対して期待ができる。。

    佐々さんの文章は端的で洗練されていて、こんなに気持ちを持っていかれる内容なのに、それが1ミリも感じられない。プロだと思った。

    そして私は終始、物語と佐々さんを重ねて涙涙でした。5年後に森山さんとどんな会話をされたのでしょうか。
    人生ってあっという間ですね。

    しばらくは佐々さんに思いを寄せて、本を読ませていただこうと思います。

    0
    2025年10月07日
  • エンド・オブ・ライフ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    在宅看護の森山さんの最期まで話

    死の淵をどう迎えたいか
    誰もが通るのに、知らなかった話
    読んでよかった
    作者の佐々さんも癌を患い、
    どのような気持ちで描いていたか

    以下覚え書き

    院長渡辺
    患者が主人公の劇でなく
    一緒に舞台に上がって賑やかで楽しいお芝居をしたい
    癌に対して根治を願うでもなく闘うのでなく、普段は癌を忘れ自分の人生を生きる
    深刻にならずに、明るく楽しく笑っていてほしい。

    母は寝たきり。胃ろうを選択したのは父。
    母も介護で育ったので、迷惑かけたくなかったが、父はどんな姿でもいいから生きてほしい。互いにとって半身であり共依存
    家は患者が一番良かった日々を知っている

    癌と闘うと

    0
    2025年10月05日
  • ボーダー 移民と難民(集英社インターナショナル)

    Posted by ブクログ

    移民問題、深刻なんだなあ。
    移民って、自国が大変だから逃げてきたのに、逃げてきたところでまた苦しむなんて、負の連鎖すぎる。
    移民が、安寧の地を得るのにはまだ時間がかかるんだろーか。
    生きることに頑張っている。
    尊敬するお。

    0
    2025年09月30日

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