あらすじ
佐々涼子はかつて司法試験予備校で机を並べていた児玉晃一と偶然再会する。児玉は弁護士として難民問題のエキスパートとなっていた。彼の案内で茨城県牛久の入国管理センターを訪れ、そこに長期収容されている外国人たちと面会した筆者は、その窮状にショックを受ける。イラン、アフガニスタン、カシミール……。内戦で命からがら日本に避難してきた「難民」たちを本国に強制送還しようとする入管。帰還すれば死刑になる状況でも意に介すことはない。さらに日本で家族をもっていようが容赦なく親と子を引き離す非道な仕打ち。長期収容で身体を壊し、命さえ落とす収容者がいながら、一向に改善されない日本入管の待遇に対して、国連も国際法違反と指摘する。四半世紀にわたり、難民の受け入れ、入管の改善のために闘い続ける児玉の奮闘の日々を、日本語学校教師として在留外国人と関わってきた自身の体験と、現在入管に収監されている在留外国人の取材とともに綴る。
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Posted by ブクログ
P202
『働きたいのに働けない難民がいるのに、働いて欲しい日本から逃げていく外国人労働者がいる。どこまで探っても日本の政策は、他人に対する敬意がなく、ただちぐはぐなだけだった。』
なんてつらい話だろう。日本に働きに行き稼いで故郷で錦を…なんて過去の話。もう日本に行きたい人なんていない。そして過去、外国人労働者に頼っていた業種は人手不足。
入管の環境、人権無視の扱いなど、読んでる限りはひどすぎる。けど、何事も両方の言い分をきかないことには判断できない、と思ったり。
移民、難民、技能実習制度、全てが繋がっている。
この先、佐々涼子さんの著書は読めないことが悲しい。ご冥福をお祈りします。