あらすじ
朝日新聞を退職し、50歳を過ぎて始めたのは、ピアノ。人生後半戦、ずっとやりたくても、できなかったことをやってみる。他人の評価はどうでもいい。エゴを捨て、自分を信じ、「いま」を楽しむことの幸せを、ピアノは教えてくれた。老後を朗らかに生きていくエッセイ集。
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Posted by ブクログ
今日はかなりオタクな話題になりますので
ピアノに興味のない方は、辛く感じるかもしれないので、読まない方がいいかもです。笑
私は3歳から13歳までの10年間。
イヤイヤながらも、ピアノを習ってきた。
しかも、声楽の先生に。
今思うと、そこはやっぱりピアノ科出の先生にすべきだろうと、親にツッコミたかったが、まぁ私もやる気が全くないので、そのままになった。笑
親は音大に行かせたかったらしいが、冗談ではない。高校受験という格好の言い訳でようやく辞めることができ、本当にせいせいした。
この本にも同じ様なことが書いてあり、私だけではないのだと、妙に安心したわけです。(*´ 艸`)
だって家で母に怒られ、先生にも怒られ、泣いてばかりの記憶しかないですもの。
しかし、そこまで嫌いだったピアノなのに、人生何が起こるかわからない。
ふとした事で、どうしてもピアノが弾きたくなり、大人になってから再開しそこからさらに12年。計22年レッスンに通っていました。
実家から懐かしきアップライトピアノを引き取り、芸大院ピアノ科卒の近所のお兄さんに習うことに。4人の子育てをしながら2週間に1度日曜の夜に1時間レッスンに通った。
子供の頃いやいや弾いていたので、最後に弾いたのはモーツァルトのソナタ程度。
新しい先生のところに通うようになり、命じられたのは、メトードローズ ブルグミュラー25の練習曲 バッハ小品集 チェルニー30番など。
この本にも書いてあるが、結局難しい曲を弾くためには、基礎をしっかり学ばないとヾ( -`д´-
この先生のところに通って衝撃だったのは
「アップライトピアノはおもちゃみたいなもの」
と言われたこと。(;・∀・)
そしてお弟子さんは全員グランドピアノでした。^^; まぁそんないきさつで、私も中古のグランドピアノを買うはめになったのです。大汗
そしてかなり初心者コースに戻り、再開すること12年。
最後の発表会では、ショパンエチュード25-2
バッハフランス組曲アルマンドとジーグを東京の市ヶ谷ルーテルセンター(ピアノはスタインウェイ)で弾いた。周りは皆、音大を目指すお嬢様方ばかりである。:(´◦ω◦`):カタカタ
教会のようなホールと素晴らしいピアノのおかげで、つっかえることもなく、間違えることもなく弾き終えたことは、私の中では宝物になっている。
まぁ音楽的にどうかと問えば、うーんだけどね。
でも人前で弾くというのは、本当に大変なことなのです。この本を読んで、それを再確認したし、何より、とても良い事が山ほど書いてあって、20年ぶりに再開した私のこれからのピアノライフに、なんと言っても、強い後押しを感じた。
今はレッスンに通ってないけど、ハノン(指の練習)チェルニー30番 バッハインベンション ブルグミュラー25番を1からさらっています。
この本では、弾きたい曲で練習しているけど、やはり途中で限界が来たり、指を壊しているんだよね。地道な練習をしたくないのはわかるけど、結局上手くなるには、泥臭い練習が必要なのだと、読んでて納得でした。
私は大人になって異常なほど練習好きになったので、今も苦もなく弾いています。( *´艸`)
目標は、今のところシューマンの飛翔です!
自分のこれからの人生、ピアノと共に生きていこう。そう強く感じ、励みとなりました。
もし、ピアノをこれからやり直そうと思っている方がいたら是非読んで欲しいと思います。
そうじゃない方でも、ピアノだけでなくこれからの人生をどう生きていくかという観点から、読んでみると大変為になると思いますし面白く笑いながら(でも泣ける)読める本だと思います(*^^*)
最後に
亡くなってしまった母に習わせてくれて本当にありがとうと感謝したいです。
Posted by ブクログ
私も50になり、ピアノを再開した。 60歳までの10年間でどのくらい楽しんで演奏できるかをこれからいろんなところで試してみたいです。 20代で始めたので譜読みはできない。 音間もない。 楽譜見ないで暗譜で何とか演奏するスタイルを辞めたいので、色々模索中です!
Posted by ブクログ
思えば幼少期からずっと何かしらの音楽に触れていた。
幼稚園のオルガン、小学生のピアノ、中高生のコーラス、成人してからは昔をなぞるようにもう一度学び直し。
でも仕事の忙しさを言い訳にどれも中途半端で辞めていた過去。
この度生活環境が変わったことをきっかけに、不思議なご縁も加わって再々度学び直すことにした馴染みある楽器。
そんな私の前にジャストなタイミングで現れたのがこの「老後とピアノ」だった。
音楽雑誌に掲載されていた、稲垣さんのピアノ練習所感を時系列にまとめたものです。
歳をとってから何かにチャレンジする時って、若い頃と違って不思議とこの言葉が頭の中に響いてくる。
今更そんなこと始めてどうするの?
この本はその問いに全て答えてくれている。
作者の稲垣さん自身にその問いがあり、そして答えを見つけ出すまでのエッセイ(日記)。
たぶんそろそろ人生の折り返し地点...と意識し始めた方達全員の胸を打つ一冊です。
私は何度も泣きました
Posted by ブクログ
ピアノではありませんが、私も大人になってから楽器を再開しました。
共感しまくりです!
昭和のレッスンを思い出し、ビビりながら再開したレッスンで、先生が優しいことに驚き、
YouTubeでいろんな人の演奏が聴けることに驚き、
自分で曲を選んでいいんですよ?と言われて驚き、
あの作曲家、なんでこんな曲を書いたんだー!?と作曲家の検索魔になり…
いつも頭の中にあるのは、理想のあの人の、あのCDの演奏!…なのに、自分の演奏との違いに凹んだり、
先生の見本演奏に惚れ惚れしたり、自分と同じ人間だというのにあまりにも演奏の違いに凹んだり…先生の演奏なんだからそりゃそうだけど(苦笑)
もう、何度『ほんとそれ!!』と思ったことか。
そして発表会のくだりでは「ここまで言語化してくださってありがとうございます!!」という気持ちになりました。私はやっぱり緊張しましたけども。
拙い演奏でも、大人の生徒仲間の演奏って、それぞれの人生が垣間見えて感動するんですよね。
そして、毎日どっぷりピアノ沼にハマって練習頑張っていらっしゃる稲垣さんに尊敬です。
Posted by ブクログ
若い頃ピアノを(嫌々)習っていて、かなりのブランクを経て、ひょんなキッカケにより恐る恐るピアノを再開する‥
そんな私と似たようなシチュエーションに、共感度大!の本に出会えましたー
ノウハウもあるのだが、悪戦苦闘・自問自答・試行錯誤を著者のユーモアたっぷりに語る中身。
これはもう一種の哲学というか深いピアノ愛の本ですね。
読んでいて、自分自身のピアノ熱がますます高くなっていくのを感じました。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて買いました。著者は、50歳で朝日新聞を退職して、その後の時間をピアノと向き合うことにした女性。かねてから、子どものころに成し遂げられなかった「ピアノを上手に弾く」ということを、大人になった今ならちゃんと練習して成し遂げられるのではないかと目論んでおり、偶然の出会いに恵まれて、ピアノを持ってもいないのに行きつけのカフェでピアノを貸してもらい、プロの先生に教えてもらうことになったのだ。
さて、実は私もほぼ同じことをしている。著者は小学生まででピアノをやめてしまって心残りだった。私の場合、子どもの頃エレクトーンを習っていたのだが、実はその頃から本当はピアノが弾きたかった。大人になった今なら、もう一度ピアノにチャレンジしたら今度こそ「上手く」弾けるのではないか、と夢想する。
私は我が子が小学生になったのを機に、家に本物のピアノを購入し、「娘と一緒に私も弾く!」「娘のレッスンのときに先生に頼んでちょっとだけ教えてもらう」ということをしている。
するとどうだろう、本当にさまざまな「気づき」が生まれるのである。
私が日々体感しているその「気づき」を、プロの文筆家である著者が言葉にしてくれている、私にとってはそのようなエッセイです。
大人になってピアノを弾く(それに挑戦する)ということがいかに素晴らしいか、いかに難しいか、いかに悩ましいか、いかに迷走するか。そのたびに、悩み、苦しみ、自分はどこへ行こうとしているんか自問自答する。だけど、どんなに下手でも、人前で弾くには緊張しても、ピアノの前に座ることは喜びである。
あぁ、分かる。心から共感します。
私も、必死で練習すればいつかはインスタやYouTubeで見るような人を魅了するような演奏ができるのではないかと夢見て練習を重ねるけど、多分、そんな日はこない。分かっているけど、でも来るような気がしてひたすら練習する。この年になってもし「そこそこに」ピアノが弾けるようになったからって、何になるのかと言えば、何にもなりはしない。家族も迷惑してるかもしれない。っていうか、夫はいつもうるさそうにしている笑。
でもピアノを弾くという行為は、なんとも奥が深いのです。
あと、正直に言うと、楽譜を読んで両手を動かし、音楽を奏でるのだから、きっと脳に良いに違いない、50を前にした今からピアノを始めてそれをライフワークにすれば、きっとぼけ防止になる!なんてことも思ったのですが、この脳との関係についても著者も書いていました。参考文献の「ピアニストの脳を科学する」も読んでみたいと思います。
私が今すごく気になっているのは、今、家族から「テレビのじゃま」「うるさい」と思われながらも練習しているけれど、それでもママが毎日ピアノ弾いていて少しは上手くなってる、くらいには思ってくれているのではないかと思うけど、もし子どもたちが独立して、夫が先に死んで(←先に死ぬ前提笑)家の中がシーンとなっても私はピアノを楽しむことができるだろうか?ということ。家の中にだれもいなくなったら、私はピアノを弾くのがさみしくて仕方がないのではないだろうか。
今からそんなこと心配してもしょうがないんだけど。
Posted by ブクログ
軽やかな文体で楽しく読めた。
ピアノの話と思いきや(そうなんだけど)、どう生きていくかという人生後半に向けての哲学的な話で、とても響いた。
歳を重ねるの悪くないな!と思える本。
あとやってみたかったけどやってなかったこととか、どんどんやってこうって気持ちになる。
Posted by ブクログ
この本大好き!
面白すぎる!
共感と分かりみしかない!
大人になってからピアノ始める方って意外と多いのよね。
でテキストに花丸付けてあげると物凄く喜んでくれるの。
確かに大人になったら花丸なんてもらう機会なくなるものね。
この本読んで大人の生徒さんの心の内がよーく分かった。
しかし…この方元々子供の頃結構弾ける子だったんじゃないかしら。
40年ぶりの最初の一曲目が、きらきら星変奏曲からってなかなかよ?
確かに大人になってからのピアノは好きな曲から始められるけど、弾いてきた曲の数々に驚いた。
Posted by ブクログ
いや〜最高!
私も最近、ピアノを再開したから、めっちゃタイムリーだった。
えみこさんの文章は自由でいいな。
新聞社で養われた文章力なのでしょうか。
それでいうと、鴨居羊子も同じだね。
Posted by ブクログ
経験に基づくエピソードとその時々の思いや情緒を自虐しながら鋭く描写していると思います。自分も定年後にピアノを始めた身として通じるところとストイック過ぎて通じないところがありましたが総じてニヤけながら読んでました。
Posted by ブクログ
「ピアノは私にとって、老いかたのレッスンなのかもしれない。どれだけ衰えても、駄目になっても、今この瞬間を楽しみながら努力することができるかどうかが試されているのだ。」
この本は単に老後の趣味を綴ったエッセイではありますが、結果として、現代を生きるわたしたちに、時間的な豊かさ、つまり暇とどのように付き合っていけば良いのか。努力せずとも生存できる私たちに、それでも努力する意味を、どうすれば努力できるかを教えてくれます。
感化され、稲垣さんが最初に挑戦したという「きらきら星変奏曲」を聴いてみました。私にもできるだろうかと。全然無理そうでした。この人、思ったより昔取った杵柄がすごい。全然初心者ではない。この本では全然駄目な私でも調だったので、ちょっと裏切られた気持ちになりました。もっと簡単なやつから挑戦してみます。
Posted by ブクログ
趣味の本質を的確に表現していてすごく腑に落ちた。人によくみられたい、やるからには上手くなって成果を上げるべき、という考え方から開放し、今を生き、できるようになることに目を向けて、自分が美しいと思うこと、やりたいことの今に没頭する。先生はじめ様々な人との関わりの中で、生涯を共にする本当の趣味の見つけ方の試行錯誤とそのヒントがすごく参考になる
Posted by ブクログ
53歳からピアノを再開した著者
プロのピアニストに習い、毎日2時間練習に励む。
歳をとってからだろ色んなハンデがあり難しそうではあるが、相当熱心に取り組んでいる。
2018年から2021年までの話なので、今はレパートリーも増えているのだろうか。
Posted by ブクログ
自分がピアノを弾く意味に気づかせてくれる本。
自分が好きな曲を、あのメロディーを自分の力で鳴らしたいというのは自分がピアノを弾くモチベーションなんだけど、詰まる箇所があったりで1曲通して弾けなくて、ピアノを弾くこと自体投げ出すときがよくある。
でも、片手だけのメロディーでも4小説でも、なんなら1音でも気持ちよかったのをこの本を読むと思い出せる。
あと、詰まる箇所を片手づつだったり、力を抜いたり、ゆっくり弾いてみたりすれば上手くなれるかもという希望も感じることができる。
この本を読んでまたピアノを再開できた。メンタルが弱いのでまたくじけると思うけど、その度にパラパラとこの本を読みたいと思う。
Posted by ブクログ
あいかわらず率直な言葉が心に飛び込んできます。稲垣さん2冊目。
ピアノ?私も習ってた。練習が嫌で中3で転校を機にやめた。でも、大人になってからのピアノが楽しいのわかる!しばらくやめてた楽器を再開し、新しくウクレレを始めた時に思った、オトナの習い事は、昔とは違う!って。
ところが稲垣さんは楽しいだけでは終わらなかった。とことん目指すものを追求する。挑んだ曲がショパンにベートーヴェン、リスト、ブラームス…昔やってた人が再開する時の選曲じゃないし‼️最低2時間⁉️朝晩練習⁉️手を痛めるまで⁉️稲垣さん、行き過ぎです。
剣道では「驚懼疑惑」(きょうくぎわく)驚いて動揺し、恐れ、どんな技を出すのか疑い、迷い…これを「四病」としているそう。人前でピアノを弾く時の私そのものと、稲垣さんは言う。
そして最終的に悟ったことは「上手く」ひくことではないと。曲への瑞々しい愛をいくつになっても持ち続けることだと。「どこかへ行く」ことではなく今のこの場所この瞬間を楽しめばよいのだと!もうピアノではなく人生について語っているのである。
50を過ぎて習い事をしている私、共感できることがたくさんありそうだと選んだこの本ですが、共感をはるかに通り越してもう宇宙だと感じました。
Posted by ブクログ
学校以外で楽器を習ったことないから気持ちは多分わからないけど、弾けたら楽しいだろうなとはずっと思う。五十を過ぎて、誰に干渉されることなく楽しいピアノライフ❤️かと思ってたら違うのね。体が無駄に力み過ぎるのはよく分かる。力抜けってものすごく難しいよね。確実に人生は折り返しに入っていて、残りどれくらいなのかは誰にもわからないし、ピアノの練習になんか人生重ねちゃってしんどくなってるけど。老いたピアニストの演奏の聴き方がとても素敵。音楽聴いてこんな風に思いたい。世界はいつだって美しくて力強いものに溢れてる。だから大丈夫。このくだりがじわじわ染みてくる。ありがとう、さようならって人生終われたら素晴らしい。
稲垣さんと同世代の私
幼い頃のピアノレッスンの話が
まさしく私と同じだったので
共感しながら読んだ
私も40代の頃
山下達郎さんのライブを観て感動し、
音楽をやりたいと
衝動的に電子ピアノを購入
だが上手く弾けずに挫折した
過去あり
家族からはもう弾かないの?と
言われながらも仕事や家事が
忙しいのでリタイアしたらやる!
と言い訳しつつやってない訳である
だから稲垣さんのピアノにのめり込む
様に、
私のピアノへの思いは生半可だった
と反省した
つまづいてもあきらめない
50過ぎてから始めた
先人の知恵と工夫をこの本で拝借して
勇気と希望をもらった
さっそく弾いてみたくなる本である
巻末に稲垣さんが挑んだ曲一覧あり
Spotifyで検索しリストを作り
聴きながら読んだ
ただひとつ気になったのは
53歳で老後はちと早すぎないか?
会社をリタイアしたといっても
まだ現役世代でしょ
減っていく年金
負担が増える医療費
自身の衰えに親の介護
問題は多々あるが
時間とお金さえ許せば
何かに挑戦することのできる世代
それが老後である
Posted by ブクログ
老後〜と謳ってる割に稲垣さん自身は50代。しかも、まるっきりの素人ではなく、子ども時代ある程度基本を身につけられた方でした。しかも、今をときめくイケメン先生に教わっていて…タダで使えるピアノもあって、なんかずる~い。そりゃショパンもドビッシーも弾けるようになりますよ。
読む前に思っていたのは老境に達した何にも恵まれない人が趣味としてピアノにさわってみて、ちょっと奏でられて自己満足。ぐらいの感じでした。
稲垣さんの練習時間の半端なさや積み重ねてきた努力は十分理解できましたが。
Posted by ブクログ
ピアノが弾けるって羨ましいな~
でもやっぱり練習練習の毎日で急に弾けるものでもないし。
努力の結晶の本ですね。
エピローグのお話、面白かったです。
Posted by ブクログ
良かった。自分もピアノが弾きたくなった。
毎日5分でも触る。
拡大コピーする。
最後良かった。
「若者は目標を高く持ち、そこに向かって進んでいけばよし。でも老人は違う。遠くに目標を持たず、今目の前にあるミクロのことに全力をかける。野望を持たず、今を楽しむ。自分を信じて、人を信じて、世界を信じて、今は遊ぶ。そこに思いもよらない。美しいものが現れるのである。それをただただ楽しめば良いのではないだろうか。老人は今にすべてをかけるのだ。」
Posted by ブクログ
20年強のブランク
50手前で「老後とピアノ」のタイトルが気になった
。ピアノは好きだし弾けたらいいなと思う曲もある。電子ピアノもあるしいつでも弾ける環境にありながら、長く弾かないでいると指も動かないし、ハノンから再開するのかと気が重かったが、そんなのをすっ飛ばして好きな曲を弾くこと、自分が奏でた音に感動する事、作曲家を知る事など誰に文句も言われず死ぬまで楽しめそうだと感じました。
新年早々久しぶりに電源を入れていきなり平均律を弾いてみた。指は勿論動かないし、楽譜は見えにくい。でも運指は指が覚えていて驚き!
古い楽譜の書き込みも懐かしく、やれヘンレ版だのパデレフスキー版だの両親に金銭的な負担もかけたな〜など思いがけず感謝の気持ちも湧いてきたり。
良いきっかけを頂きました。
Posted by ブクログ
娘のピアノの発表会では、なぜか全員連弾があり、お父さんやお母さんが連弾する。
なので、私も去年と今年とピアノを少しだけ弾いている。
確かに楽しい。
この本読んで私もちゃんとピアノを習おうかなーと思ってしまった。
Posted by ブクログ
何かをはじめて続けることが難しいと思う日々。作者はすごい熱量で取り組んでいる。生きるということ、何か物事に取り組む時年齢を重ねるとき、捉え方が、取り組み度など変わってくるのが普通だ。それを自分事としてきちんと向き合うことができる人だからこそ書かれたエッセイだと思った。まだまだその境地には至らず。
本文で気になった文章
p.256
「これからは手放していく。目標も、野望も。そして小さな一瞬にかける。今にかけう。そこで初めて、生の自分が出てくる。思いもよらぬ自分が自分から出てくる。それを自分で認めてやれば良いのだ。
若者は目標を高く持ち、そこに向かって進んでいけばよし。でも老人は違う。遠くに目標は持たず、今目の前にあるミクロのことに全力をかける。野望を持たず、今を楽しむ。自分を信じて、人を信じて、世界を信じて、今を選ぶ。そこに思いもよらない美しい物が現れるのである。それをただただ楽しめば良いのではないだろうか。」
p.268
「人の一生は限られたものだけれど、私のようなヘボから素晴らしいプロまで、すべての人がリレーのように音楽をつなぎ、育て、そして今があるのだ。つまり私がピアノを弾くとき、私は時間も空間も肉体も超え、偉大な人類の歴史とつながっているのである。その大いなる流れのなかに、会長も、そして私もいるのだ。
そう思うと、苦しいことばかりで意味のないように見える人生にも、ちゃんと意味があるのだと思えてくる。死んでいくことも怖くなくなってくる。人は生きている間に精一杯生きればそれでよいのだ。それを幸福と言うのである。私はそのことをピアノに教わったのである。」
私にとっては読書が偉大な人類の歴史とつながっていると思えるといいな。
Posted by ブクログ
子供の頃にやっていたピアノと、大人になってからやるピアノとでは全く別物ということだ。子供の頃はピアノと言えば「やらされる」ものであった。つまらない地道な練習に耐えねばその先はないのだと思い、いつになったら「その先」が来るのかよくわからぬまま、兎にも角にも恐ろしい先生に見張られながらびくびくと練習するしかないというものであった。
というか先生の時間も無駄にしてしまった。今にして思えば申し訳ないことこの上ない。
大人の武器は「努力すれば報われると知っている」ことである。
評価されるとか何とかじゃなくて、 曲を自分のものにするために人前で引く。ですと?なるほど そんな考え方があったのか! それなら、たとえ 緊張して失敗してもそれも、自分のため、 曲のためのに必要な過程なのだと思えば、致命的な心の傷を負うことなく、めげずに 次もチャレンジしそうしようと思え そうだ。
世界的ピアニストのリサイタルとなれば、驚くべき テクニックを易々と 観客に見せつけるものと 当然のように思っていた。心のどこかで「老 ピアニスト 、お手並み拝見」と思っていないわけじゃなかったのだ。でもそんなもんじゃなかった。妙な言い方だが、バレンボイム氏は「一生懸命」弾いていた。
野望を持たず、今を楽しむ
いくら これから年を重ねて 体力 能力が衰えようとも、 ああちっとも上手くならないとか、前より下手になったとか、嘆いたり 挫折したりする 心配なんてこれっぽっちもない ということだ。だって、衰えたら 衰えた分だけ、練習の目標を低くすればいいのである 。4小節が無理なら、1小節、1小節が無理なら 1音、それも無理なら 片手だけ、、とどこまでも目標を「割って」いけば良いではないか。たった1音を、右手でポーンと、美しく弾く。それならば 90歳になろうが100歳になろうが絶対にできそうである。っていうか、たった1 音を美しく引きたいという情熱があることが 既にすごすぎる。そう最後は情熱の問題なのである。