小説・文芸の高評価レビュー
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三内丸山遺跡に行ってから縄文時代に対する興味が湧いてきた。それで縄文時代を背景とする小説を探していて、本作品を見つけた。やや舞台は東北あたりかと思われる。猪はイー、鹿はカァーなど普通名詞の呼び替えの言葉遊びも楽しい。著者なりに縄文人の精神生活に迫ろうとした努力が伺われる。アフリカの狩猟民族などの人類学の調査を見ると、狩猟民族は足跡を見ただけで、その獲物の状態がわかってしまったり、糞を見ただけで獲物の健康状態までわかるということなので、この小説で描かれる様に糞を触ったり嗅いだりしなくてももっとわかるはずだろう。また、服や足袋なども本人たちは快適だと思って着ていたと思われる。
また渡来人と縄文人の恋愛が描かれそうで大地の子エイラを思い出す。下巻も楽しみだ。 -
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ネタバレマチネの終わりに
平野啓一朗
何気なく手に取った本が今年最高の1冊だった。
男女のすれ違い恋愛の話。生きること、愛すること、出会うこと、別れること……今自分がこうして生きてる理由は?問いと気づきが多くて感動。読み切れてよかった。
とにかく文章が素敵。こんな表現できるんだ、演奏の様子とか心情とか。自分では普段使わない単語がたくさんでてきた。
平野さんの表現力の高さ、ホントすごいなぁ。
あと一歩違ってたら死んでた、すれ違ってたから今一緒にいない、どうして出会ったんだろう?
人生て不思議だね。今こうして生きてる意味、考え出したら壮大だ。
パートナーを大事にしようと思った。 -
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奏者水滸伝 阿羅漢集結
物語は北海道の超自然児でデカいけど身のこなしは
野獣のピアニスト古丹
沖縄の天才格闘家、羅漢拳の使い手ドラマーの比嘉
京都の茶道の家元の跡継ぎの美男子で空間を操る能力を持つベーシスト遠田
東京の学者でキリマンジャロコーヒーを飲むと感覚が研ぎ澄まされ予知に近いことが可能になる伝説のサックスプレイヤー猿沢
この四人が不思議な僧侶木喰の導きで集結し、ジャズバンドを組むというお話
多彩なキャラクターたちが集結し、音楽と超能力を駆使して悪に立ち向かうストーリーは圧巻です。全くジャズを知らなくても気持ちが高ぶる演奏が描写されており自然と元気になります。次作も楽しみです。 -
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六の物語からなる短編集。
六の中の『あなた』が気に入った。
娘を出産するまでは夫の転勤に一緒について行った妻の妙子。娘を妊娠してからは、夫の哲郎は単身赴任することに。定年を四年後に控え夫は戻ってきた。
裸眼の夫を見た瞬間、妙子は違和感に襲われた。両目の目じりと目頭。不自然に切れ込んで、薄ピンク色の粘膜が覗いていた。この人、前からこんな目してたっけ。
夫への整形疑惑が浮上する。でも直接聞くことができない。
「あなた整形した」と聞けば良いのだけれど、離れていた時間の長さがストレートに聞くことを躊躇させる。そんな妙子のもやもやした気持ちが、手に取るように伝わってくるところが読んでいて楽しかった。
最後に書かれている妙子の気持ちを表した『ああわたし、この人にずっと会いたかったんだわ、とその時やっと思い出した。』この一文にたぶん、恋しい という気持ちが表れているように思った。
六の物語どれも『たぶん、恋しい』というたぶん感が表現されていて、敬服しながら楽しく読みました。 -
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ページをめくるたび、そこで生きるしかなかった人々の生々しい息遣いと、その時代の溢れんばかりの活気や臨場感がダイレクトに伝わってきます。
人生の歯車が思わぬところで噛み合い、視点を変えるだけでガラリと景色が変わる――そんな物語の妙に圧倒されました。
世間からの過酷なバッシングを受けながらも、並大抵ではない覚悟で自身と向き合い、泥臭く回復(リカバリー)を続けてその第一線で発信している高知東生さん。
世の中には上手く生きられずに迷う人が大勢いて、そして誰かを強く叩いてしまう側の人もまた、どこかに生きづらさや病みを抱えているのかもしれない。想像を絶する道のりを歩んできた彼だからこそ、どちらの立場も等しく温かな眼差しで見つめられるのだと感じます。
誰かの生き方を「善悪」でジャッジするのではなく、すべてをありのままにまるごと抱きしめてくれるような優しさがこの本にはあります。一人の人間としての深みと、小説家としての確かな手腕が生み出した素晴らしい一冊。読み終えたあと、世界が少しだけ優しく見える、ずっと大切にしたい物語です。 -
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ネタバレ傲慢であることと善良であることは同時に存在している、誰もが意識せずとも持っている感覚なのだと思った。自分の場合はどうだろうと何回も考えさせられる作品だった。''ピンとこない''の正体をこんなにも解像度高く表現されていて、すごい腑に落ちたし、その背景にある心理も詳細に描かれててそれが傲慢であったり善良であったりするところがおもしろかった。朝井リョウさんの解説が面白かった。自分の意思で決めるべきだというけれど、純粋な自分の意思はどこから現れ、果たしてそんなもの存在するのか。この世に自分の意思がある人はどれだけいるのだろう。長かったけど面白かった。
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ネットで見たヨルダンの本屋がかわいかったので突然メールしてOKもらい、1か月書店員しましたという22歳女性の実体験記。
本の紙も良く写真もイラストも映える!
同僚も街の人もみんな優しくて最高!
私もヨルダンに行ってみたくなりました。
(現在外務省の安全情報では不要不急の渡航は止めてくださいなので行けません)
ただし、アラビア語が全く読めない話せないのに書店員?
知らない人の所にOKの一言だけで押しかける?
砂漠へヒッチハイク?
本人の性格の良さと行動力が回りの優しさを引き出したのだろうけど、下手したら事件になっていてもおかしくない状況です。
家族なら全力で止めます!
こんなワーキングホリデーが普通にある世の中になると良いよね。 -
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10月も中旬になり、日中はまだ暑さが残っていても朝晩はずいぶん過ごしやすくなってきた。気が付けば日が暮れるのも早くなり、夏の終わりと秋の始まりを感じる季節だし、今年は秋の長雨が多いのでなおさらだ。
昔から「読書の秋」と言われているが、本当にのんびりと秋の夜長に読書を楽しむのはもう少し先の話。しかし、暑い夏が終わって一息つけるこの時期も読書が楽しめる時期でもあるので、東京地方のシルバーウィーク前半は天候に恵まれないこともあり、好きな本をゆっくり開いて物語の世界に浸るのも良いかもしれない。
新潮文庫から発売されたアンソロジー「プレゼント」は、伊坂幸太郎さん、江國香織さん、恩田陸さん、梨木香歩さん、町田そのこさん、宮部みゆきさん、米澤穂信さんという豪華な作家陣による短編集。現代を代表する作家7人が「夏」をテーマに書き下ろした作品が収められている。収録作品はミステリーあり、青春小説あり、不思議な物語ありと実にさまざまで、同じ夏というテーマでありながら、作家ごとにまったく異なる内容の短編集だ。読んでいるうちに、自分自身の学生時代の夏や忘れていた思い出がふと頭をよぎることもあった。
アンソロジーの魅力は、一冊で複数の作家の世界観を楽しめることだろう。この一冊もそれぞれの作品は短編ながら読み応えがあり、読み終えた後にしばらく余韻が残る。季節はすでに秋へと向かっているが、この本の中には楽しかった夏、切ない夏、不思議な夏、少し怖い夏などさまざまな夏が詰まっている。そんな夏の記憶を振り返りながら読むのにぴったりの一冊なので、秋の夜長一歩手前に読む本として手に取ってみてはいかがだろうか。
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