ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 透明な夜の香り

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    嗅覚が鋭すぎて、匂いからあらゆる情報を、時には嘘や秘密もを聞き(嗅ぎ)取る朔。
    そして、匂いは永遠に記憶となり遺る。
    膨大な雑音に囲まれて朔が抱える心の内は誰にもはかりえることはできない。

    幼馴染の新城や源さんですらそうであろう。

    家政婦兼事務員として働くようになった一香も心に抱える何かがある。

    朔の研究所への依頼人が持ち込む出来事に巻き込まれながら、一香と朔が出会うことで起こる反応や変化。そして戸惑い。
    ある意味純愛なのだろうか
    この二人のその後を、朔の変化を見続けたいと思った。

    夜のシーンとした空気感が漂う物語

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    2026年06月01日
  • カフネ

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    不妊治療、流産、旦那に離婚を切り出される上、世界で1番大切な弟に先に逝かれ、ボロボロになる薫子と、薫子を取り巻く環境。

    弟の元恋人だといわれるせつな。
    この作品を通してせつなに対する印象が180度変わった。
    最初は礼儀がなくて、冷たくて、自分勝手な嫌なやつという印象。でも、彼女が作る料理にはその人に対するメッセージが込められていて、自分の芯がしっかりある。伝えるって言葉だけじゃない。むしろ、言葉よりも簡単に伝えられないものがある。

    せつな自身も本当は思いっきり泣いたり、誰かを頼りたいと思ってる。
    それがわかった瞬間、とてつもなく愛おしく感じる。

    自分に子供ができた時にまた読みたい

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    2026年06月01日
  • エピクロスの処方箋

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    マチ先生の言葉が良くて感動する。

    死ぬまでに何をするべきか改めて考えさせられる。

    中将先生が南先生に言った言葉
    「人にはね、いろんな役割があるの。私みたいに社会に出て必死で働くっていう役割もあれば、その人の帰ってくる場所をつくったり、子どもを見守ったりする役割もある。本当は両方とも同じくらい大事なのに、一方が『活躍すること』で、もう一方が『活躍できない』っていう考え方そのものが、古い男社会の価値観だって話よ。女が男のように振る舞えば、男女平等になるわけじゃない。大事なことは、それぞれの役割に敬意を払うってこと」
    とても印象的だった

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    2026年05月31日
  • 時をかけるゆとり

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    浅井さんの本屋大賞受賞時のインスタの文がめちゃくちゃ面白くて、エッセイ読んでみたいな〜と思ったから買ってみたんだけど、めーっちゃ面白かった!
    ラフな文体で読みやすくて、しかもボケまくりなので電車やバスで何度も声出して笑いそうになりました笑

    浅井さんはいつも面白い小説を書く人だなーと思ってたけど、普通の大学生の日常もこんなに面白く書けるのか!と驚き
    日々こんなに面白いことや変なことが起こり、それをこんなに面白く文章に出来たら楽しいだろうな〜!


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    2026年05月31日
  • 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima

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    なんだかとても切なかった。
    理系研究室の温度感がとてもリアルで、喜嶋先生のエコな生活は頷けた。私生活最悪なのもそうなりますよね。研究者の理想、でもそれが最後立ち行かなくなったと感じられたのが悲しかった。

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    2026年05月31日
  • 裂神

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    ネタバレ

    面白かった!最初から面に呼ばれていたのか、運命は決まっていたのか、恐るべき怪異。巧妙に仕組んでくる面の怪異。残念な結末……。回避する方法見つけられたら良かったのに……。

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    2026年05月31日
  • 変な地図

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    話に引き込まれて一気に読めた。
    雨穴さん作品を読むのは「変な家」に引き続き2冊目だったけど、
    やっぱり面白い!

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    2026年05月31日
  • ブティック

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    辞書のような厚さなのに、読み始めたらあっという間でした。池井戸潤さんはよほど銀行に恨みがあるのかなあ(笑)銀行員さん曰く、半沢直樹も花咲舞もこの本も然り、主人公格は銀行にいないけど、周りの登場人物は似たような方がいる〜気がするとのこと。令和の時代になって、利益はモラルに優先するなんて悪人は減っているとは思いたいな。最後は人を思いやれる正義が勝つのだ。

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    2026年05月31日
  • ありか

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    子供は未来そのもので、子供は幸せを見つける天才だ。
    そんな眩しく尊い娘、ひかりから強さと優しさを得ていく大人たちの物語。

    ひかりの言動やぐずり、ときになんとか彼女なりに納得しようとする機微の描写が素晴らしい。
    Audibleの朗読(石川由依)、とてもおすすめです。

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    2026年05月31日
  • ループ

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    ネタバレ

    本当に素晴らしい作品だった。ただ、完全なるSF。

    『リング』『らせん』から続けて読んだが、映画版『リング』とはほぼ別物と言っていい。むしろこちらの方が断然面白い。
    「この世界は仮想現実なのではないか」という、オカルトやSF好きなら一度は考えたことがあるテーマを、壮大で濃厚なストーリーとともに描ききっている。
    ループが発売された当時の時代に、この発想と完成度で作品を世に出した鈴木光司先生は本当に天才だと思う。
    ホラー作家というイメージが強かったけど、この作品で「素晴らしいSF作家」という印象に完全に変わった。
    特に印象的だったのは、リングウィルスを世界に広めるために『リング』という物語自体が小

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    2026年05月31日
  • モスクワの伯爵 下

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    ソフィアとの会話やゲームをする伯爵が大人気ない感じで微笑ましいなと思いながらもカテリーナから親友ミーシカが編纂した本を受け取ったシーンやソフィアとの最後の晩餐のシーンが切なくて印象的だった。

    映画「カサブランカ」は観てないけど、自由を求めてアメリカを目指す姿が本作と重なったり、本作も戦争や政治の混乱が背景にあって、この2作品が響き合っていることが分かる。

    伯爵の貴族然とした優雅な振舞いや会話のユーモアは本作のテーマである境遇の主人であるからこそできることであって、どんな環境であっても朗らかであれとエンカレッジする本作は多くの人に読んでもらいたいと思う作品。

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    2026年05月31日
  • 悪の教典(上)

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    ネタバレ

    最初はとても生徒のことをよく考えている先生。
    それが段々目的はわからないものの、
    不穏なカタチになり始め過去も出てきたあたりから自分のためだけの殺人も選択肢にはいるような思考、
    そして実際に実行するようになり…。
    と言うところでの上巻終了。
    今後の展開がどうなるのか?
    全く読めない状態ですが、
    下巻楽しみに読んでいきます。
    面白いです。

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    2026年05月31日
  • 成瀬は都を駆け抜ける

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    ネタバレ

    ここまで三冊目を読んでいる時点で読者は成瀬の姿が見たくて何をしているか知りたい西浦くん(あるいはみらいちゃん)なので評価なんか甘くなるんですよ。

    やすらぎハムエッグ:京大編開始。早田くんという無口な男子と一緒の学校に行きたかったのに早田くんが普通に東大に行ってしまった坪井さんの話。成瀬に対して全部持ってるから趣味ガチャを提案して料理をはじめて、ああ、京都で生きていくんだなぁと納得していく過程が丁寧。早田くんと縁が繋がらないのもまた良い。
    実家が北白川:なんか森見登美彦みたいだなと冒頭から思ったら森見登美彦オタクサークルの話だった。この本を好きな奴は森見登美彦を読んでるだろうという謎の信頼がお

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    2026年05月31日
  • 時雨の記〈新装版〉

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    ネタバレ

    今でいうセカンドパートナーなのかな。
    心は通じて居心地の良い二人。

    壬生は50代既婚者。多江は40代寡婦。

    この場合、壬生が家庭が地獄であるので、仕方ないよねって思う。
    どんなに法律的に妻は妻の権利があるとは言え、壬生の悪妻を誰が良いと思うだろうか。嫌悪感しかない。金はほしい、自由なことをする、わがままで壬生の意見は聞かない。そのくせ別れもしない。壬生が亡くなった後の、悪妻の行動もしつこくて、壬生が気の毒だったのが浮き彫りになっている。

    壬生と多江の二人の時間が幸福で安心感がある。
    気が合うとはこういうことか。
    短い期間だったけど、二人は出会えてよかったと思うな。
    一生のうちでよい出会い

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    2026年05月31日
  • ルームメイトと謎解きを

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    ネタバレ

    すげー。度肝を抜かれました。事件パート、捜査パート、解答パートに別れてて分かりやすいし消去法でどんどん犯人に近づくのは読んでてドキドキしますね。家政夫くんシリーズも好きだけどこっちも面白いです

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    2026年05月31日
  • 月の立つ林で

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    ポロポロと涙が出てきて、ぬくぬくと胸が暖かくなり、じーんと心に響く。
    青山美智子さんの作品はどれも一貫してそう思う。

    今日、たまたま夫と夜の散歩に出かけたら、とても綺麗な月だった。
    「月が綺麗」って自然に出た。
    持病の夫を過ごす日々の中で、イライラと怒りが出てしまう時がある。夫の存在が無味無臭にならぬよう、温かい心をもっていたいわ。
    周りにいる人へ敬意を込めて過ごしたい。

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    2026年05月31日
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)

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    ネタバレ

    歩美しかいないと思っていたので、はじめから少女の使者が出てきてびっくりした!
    1作目との関連はもちろんだけど、沢山あって面白かった。
    今回はどの心得も好きだけど、最後の「想い人の心得」は今までにない感じで特に好きだった◎
    少し淡白かなーと思ってた歩美が自分の恋にも踏み出していくところがあって嬉しい。
    シリーズ3も出て欲しい…!

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    2026年05月31日
  • 家族シアター

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    ネタバレ

    第一話の姉妹の話は涙が出た。兄弟って近すぎるので距離感で年齢によって感じ方が違う。自分の生き写しだったり、自慢だったり、嫌悪だったり。小さい頃は疎ましい存在、成人してからは尊敬できる存在。現在は家を支えるパートナー。
    タイムカプセルの話良かった。「父親としての黄金期は小学6年」というのはとても響いた。サッカーパパ会を思い出す。あの時の団結は強かったし、今も続いている。子供を影で支える存在でいたい。

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    2026年05月31日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    高校生の時の課題図書。当時は全く良さがわからなかったので、いつか再読してみたいと思っていたら高校生の息子が課題図書として持っていたので再読。

    当時意味のわからなかった主人公。日々の安らかな生活や欲望に忠実な人間らしさを備えている普通の人間にもかかわらず、母の死に対する悲しみや人への興味や愛情を対外的に示さなかっただけで、偶然の正当防衛とも言える殺人に対しても極刑をうけてしまう。誰しもが自分の感情や欲求を素直に現して生きることは難しく、人の目線や評判を気にして自己を曲げている中で、誰よりも自分に正直な主人公が裁かれることは、我々がいかに不条理な世界に生きているかを痛感させてくれる。SNSが盛ん

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    2026年05月31日
  • イン・ザ・メガチャーチ

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    信仰マーケティングは、とても興味深い内容だったし、推し活と合わせてストーリーを描くのは、さすが朝井リョウさんの着眼点でした。
    そして、ブルマイを通じて各キャラクターの心境の変化がとても面白かった。何より、幸せの定義を「出し切る」と言語化できたのもすごいと思いました。
    この出し切るっていう言葉、理解もできるし羨ましいと思う反面、客観視できる自分は絶対に必要と感じた。この描写をうまく表現できて、読者の納得を得られるのはほんまにさすが朝井リョウさん。

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    2026年05月31日