ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 二千七百の夏と冬 : 上

    Posted by ブクログ


    三内丸山遺跡に行ってから縄文時代に対する興味が湧いてきた。それで縄文時代を背景とする小説を探していて、本作品を見つけた。やや舞台は東北あたりかと思われる。猪はイー、鹿はカァーなど普通名詞の呼び替えの言葉遊びも楽しい。著者なりに縄文人の精神生活に迫ろうとした努力が伺われる。アフリカの狩猟民族などの人類学の調査を見ると、狩猟民族は足跡を見ただけで、その獲物の状態がわかってしまったり、糞を見ただけで獲物の健康状態までわかるということなので、この小説で描かれる様に糞を触ったり嗅いだりしなくてももっとわかるはずだろう。また、服や足袋なども本人たちは快適だと思って着ていたと思われる。
     また渡来人と縄文人の恋愛が描かれそうで大地の子エイラを思い出す。下巻も楽しみだ。

    0
    2026年10月12日
  • シュレディンガーの密室

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最後まで読めない展開と、まさかのどんでん返しに驚きました。面白さは今年一番かもしれません。理系ミステリーは普段あまり読まない私でも、理解し、するすると読みこんでいけるのに、内容には厚みがきちんとあって、本当に面白かったです。買わない理由がない作品でした。最高です。

    0
    2026年10月12日
  • ブラッディダイスの殺人 下

    Posted by ブクログ

    下巻も1日で読み終わった、、もっと読んでいたかったくらい。疑ってかかれたものの、やはり真相は底知れず、クレイプン氏の発想に唸らされます。7作目にしてこれ。ステージ変わるであろう8作目も期待せずにはいられません。思わず前作読み返してしまった彼女。あんなこと監視の目をくぐり抜けてできるものか?とはおもいましたね。マットタイラーが好みなので、ぜひまた登場してほしいです。

    0
    2026年10月12日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    マチネの終わりに
    平野啓一朗

    何気なく手に取った本が今年最高の1冊だった。
    男女のすれ違い恋愛の話。生きること、愛すること、出会うこと、別れること……今自分がこうして生きてる理由は?問いと気づきが多くて感動。読み切れてよかった。

    とにかく文章が素敵。こんな表現できるんだ、演奏の様子とか心情とか。自分では普段使わない単語がたくさんでてきた。
    平野さんの表現力の高さ、ホントすごいなぁ。

    あと一歩違ってたら死んでた、すれ違ってたから今一緒にいない、どうして出会ったんだろう?
    人生て不思議だね。今こうして生きてる意味、考え出したら壮大だ。
    パートナーを大事にしようと思った。

    0
    2026年10月12日
  • 成瀬は天下を取りにいく(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ☑︎ わたしはお笑いではなく成瀬に熱いのだ。
    ☑︎"わたしが思うに、これまで二百歳まで生きた人がいないのは、ほとんどの人が二百歳まで生きようと思っていないからだと思うんだ。"
    ☑︎そばにいなくなっても、ともに過ごした歴史は残る。
    ☑︎"緊張することに慣れただけ。"
    ☑︎ どんなに孤立や軋轢を経験しても、成瀬はまわりの人々への、彼女なりの興味や思いやりを失わない。とことん自分なりの流儀をつらぬきながら、それと同時に、この世界をより良いものにしようという努力を止めないのである。

    0
    2026年10月12日
  • 流砂

    Posted by ブクログ

    いつも、この方の本の厚さに、ゲッとなるのだが、完徹したくなるほど夢中になってしまう。
    この作品も面白かった。

    0
    2026年10月12日
  • 奏者水滸伝 阿羅漢集結

    Posted by ブクログ

    奏者水滸伝 阿羅漢集結

    物語は北海道の超自然児でデカいけど身のこなしは
    野獣のピアニスト古丹
    沖縄の天才格闘家、羅漢拳の使い手ドラマーの比嘉
    京都の茶道の家元の跡継ぎの美男子で空間を操る能力を持つベーシスト遠田
    東京の学者でキリマンジャロコーヒーを飲むと感覚が研ぎ澄まされ予知に近いことが可能になる伝説のサックスプレイヤー猿沢
    この四人が不思議な僧侶木喰の導きで集結し、ジャズバンドを組むというお話
    多彩なキャラクターたちが集結し、音楽と超能力を駆使して悪に立ち向かうストーリーは圧巻です。全くジャズを知らなくても気持ちが高ぶる演奏が描写されており自然と元気になります。次作も楽しみです。

    0
    2026年10月12日
  • たぶん、恋しい

    Posted by ブクログ

    六の物語からなる短編集。

    六の中の『あなた』が気に入った。

    娘を出産するまでは夫の転勤に一緒について行った妻の妙子。娘を妊娠してからは、夫の哲郎は単身赴任することに。定年を四年後に控え夫は戻ってきた。
    裸眼の夫を見た瞬間、妙子は違和感に襲われた。両目の目じりと目頭。不自然に切れ込んで、薄ピンク色の粘膜が覗いていた。この人、前からこんな目してたっけ。
    夫への整形疑惑が浮上する。でも直接聞くことができない。

    「あなた整形した」と聞けば良いのだけれど、離れていた時間の長さがストレートに聞くことを躊躇させる。そんな妙子のもやもやした気持ちが、手に取るように伝わってくるところが読んでいて楽しかった。
    最後に書かれている妙子の気持ちを表した『ああわたし、この人にずっと会いたかったんだわ、とその時やっと思い出した。』この一文にたぶん、恋しい という気持ちが表れているように思った。

    六の物語どれも『たぶん、恋しい』というたぶん感が表現されていて、敬服しながら楽しく読みました。

    0
    2026年10月12日
  • 幻夏

    Posted by ブクログ

    犯罪者の主人公達が出ていると言う理由で読み始めたが、話もとても面白かった

    この作者さんの本にハズレなし!

    0
    2026年10月12日
  • なぜ働いていると本が読めなくなるのか

    Posted by ブクログ

    ・読書というテーマから日本の労働史を学ぶことができた。意外と興味のある分野なのだと気付かされた。
    ・自分を振り返ってみると、確かに全身を労働に捧げているなと。言われてみて気づいた。
    ・著者の提言にあるように、半身でいられる社会としていくことが、自分のメンタルを守ること、ひいては日本が持続していくことにつながると感じる。

    0
    2026年10月12日
  • 土竜

    Posted by ブクログ

    ページをめくるたび、そこで生きるしかなかった人々の生々しい息遣いと、その時代の溢れんばかりの活気や臨場感がダイレクトに伝わってきます。
    人生の歯車が思わぬところで噛み合い、視点を変えるだけでガラリと景色が変わる――そんな物語の妙に圧倒されました。

    世間からの過酷なバッシングを受けながらも、並大抵ではない覚悟で自身と向き合い、泥臭く回復(リカバリー)を続けてその第一線で発信している高知東生さん。
    世の中には上手く生きられずに迷う人が大勢いて、そして誰かを強く叩いてしまう側の人もまた、どこかに生きづらさや病みを抱えているのかもしれない。想像を絶する道のりを歩んできた彼だからこそ、どちらの立場も等しく温かな眼差しで見つめられるのだと感じます。

    誰かの生き方を「善悪」でジャッジするのではなく、すべてをありのままにまるごと抱きしめてくれるような優しさがこの本にはあります。一人の人間としての深みと、小説家としての確かな手腕が生み出した素晴らしい一冊。読み終えたあと、世界が少しだけ優しく見える、ずっと大切にしたい物語です。

    0
    2026年10月12日
  • 52ヘルツのクジラたち【特典付き】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み終わるとすごく温かく優しい気持ちになれた。心が癒された。一方で、読んでいるとしんどくなる場面も多かった。そこまで読者の心に寄り添った作品なのだと感動した。きっと耳を済ませると52ヘルツのクジラたちはたくさんいるんだろうなと思った。声を届けられる人より、届けたい声を届けられない人の方が多いのかもしれない。そんな人たちの声を受け止めれる人になりたい。人の痛みとか苦しみに、小さな助けてを気付ける人になりたい。

    0
    2026年10月12日
  • 珊瑚

    Posted by ブクログ

    『珊瑚』新田次郎著

    五島の本屋てるてるさんにオススメされて読んだけど、ホント良い作品だった!

    作品の時代背景が丁寧に描かれていて、なぜ危険な珊瑚漁に行かなければならなかったのか、珊瑚漁の詳細、取り憑かれる魅力が溢れていて、読み応えが凄まじい。

    この本に出会えて良かったです!

    てるてるさん作のわかりやすいキャプションもらったので本に貼り付けてます

    0
    2026年10月12日
  • 傲慢と善良

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    傲慢であることと善良であることは同時に存在している、誰もが意識せずとも持っている感覚なのだと思った。自分の場合はどうだろうと何回も考えさせられる作品だった。''ピンとこない''の正体をこんなにも解像度高く表現されていて、すごい腑に落ちたし、その背景にある心理も詳細に描かれててそれが傲慢であったり善良であったりするところがおもしろかった。朝井リョウさんの解説が面白かった。自分の意思で決めるべきだというけれど、純粋な自分の意思はどこから現れ、果たしてそんなもの存在するのか。この世に自分の意思がある人はどれだけいるのだろう。長かったけど面白かった。

    0
    2026年10月12日
  • ブティック

    Posted by ブクログ

    ランパス東京というアドバイザリー専門のMA会社が舞台。
    東京中央銀行の悪役や投資会社に対峙していく主人公。
    臨場感あふれる描写で物語に引き込まれた。
    期待通りの池井戸作品でした。

    0
    2026年10月12日
  • 僕には鳥の言葉がわかる

    Posted by ブクログ

    童謡「ことりのうた」

    ことりは とっても うたが すき
    かあさん よぶのも うたで よぶ
    ピピピピピ
    チチチチチ
    ピチクリ ピイ♪

    この本を読んで、思い出した歌です。

    でも、シジュウカラの鳴き声はこんなものではない。
    雛鳥に対して、危険の種類別に行動を指示する。混群の仲間に餌の場所を知らせ危険の接近をも伝える。

    この本は、シジュウカラ達の鳴き声による複雑な意思疎通を実験と観察により解き明かした努力と試行錯誤。汗と涙と笑いがふんだんに詰まったものでした。

    研究の大変さもさることながら、それを凌ぐほどの愛を感じて、いや~本当に面白かった。

    0
    2026年10月12日
  • ヨルダンの本屋に住んでみた

    Posted by ブクログ

    ネットで見たヨルダンの本屋がかわいかったので突然メールしてOKもらい、1か月書店員しましたという22歳女性の実体験記。
    本の紙も良く写真もイラストも映える!
    同僚も街の人もみんな優しくて最高!
    私もヨルダンに行ってみたくなりました。
    (現在外務省の安全情報では不要不急の渡航は止めてくださいなので行けません)

    ただし、アラビア語が全く読めない話せないのに書店員?
    知らない人の所にOKの一言だけで押しかける?
    砂漠へヒッチハイク?
    本人の性格の良さと行動力が回りの優しさを引き出したのだろうけど、下手したら事件になっていてもおかしくない状況です。
    家族なら全力で止めます!

    こんなワーキングホリデーが普通にある世の中になると良いよね。

    0
    2026年10月12日
  • 宙ごはん

    Posted by ブクログ

    涙が溢れて溢れて、そして時に笑って。
    最後は温かい気持ちになった。
    町田そのこさんの小説は最後はいつも温かい気持ちをくれるのはわかってるけど、やっちゃんが亡くなった時にはエッ❗️ってなり、一瞬いつもと違う、、と思ってしまいましたが、ささくれ立つ気持ちが最後は涙で洗い流されておりました。
    そして、人は気持ちのこもった美味しい物を食べることがとても大切なんだと思いました。
    良い小説でした。

    0
    2026年10月12日
  • 新世界より(上)

    Posted by ブクログ

    世界観がまず面白くてグッと引っ張られる。この新世界よりの不思議な植物や動物たち、未来だというのに前時代的な生活になぜなっているかということ、そしてこの世界の地下に流れるゾワゾワとした定めや掟がちょっとずつ明らかになってきて、それがまた主人公を取り巻く生活にガッと取り憑いて離さず、ちょっとやばい目に遭い始める感じがドキドキして中巻へとページを捲る手を急がせる。

    0
    2026年10月12日
  • プレゼント(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    10月も中旬になり、日中はまだ暑さが残っていても朝晩はずいぶん過ごしやすくなってきた。気が付けば日が暮れるのも早くなり、夏の終わりと秋の始まりを感じる季節だし、今年は秋の長雨が多いのでなおさらだ。
    昔から「読書の秋」と言われているが、本当にのんびりと秋の夜長に読書を楽しむのはもう少し先の話。しかし、暑い夏が終わって一息つけるこの時期も読書が楽しめる時期でもあるので、東京地方のシルバーウィーク前半は天候に恵まれないこともあり、好きな本をゆっくり開いて物語の世界に浸るのも良いかもしれない。

    新潮文庫から発売されたアンソロジー「プレゼント」は、伊坂幸太郎さん、江國香織さん、恩田陸さん、梨木香歩さん、町田そのこさん、宮部みゆきさん、米澤穂信さんという豪華な作家陣による短編集。現代を代表する作家7人が「夏」をテーマに書き下ろした作品が収められている。収録作品はミステリーあり、青春小説あり、不思議な物語ありと実にさまざまで、同じ夏というテーマでありながら、作家ごとにまったく異なる内容の短編集だ。読んでいるうちに、自分自身の学生時代の夏や忘れていた思い出がふと頭をよぎることもあった。
    アンソロジーの魅力は、一冊で複数の作家の世界観を楽しめることだろう。この一冊もそれぞれの作品は短編ながら読み応えがあり、読み終えた後にしばらく余韻が残る。季節はすでに秋へと向かっているが、この本の中には楽しかった夏、切ない夏、不思議な夏、少し怖い夏などさまざまな夏が詰まっている。そんな夏の記憶を振り返りながら読むのにぴったりの一冊なので、秋の夜長一歩手前に読む本として手に取ってみてはいかがだろうか。

    0
    2026年10月12日