小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
夜の時間だけ空いてる洋菓子店。
猫に導かれて、色んな思いを抱えて来る人。
分かる…分かるわぁ…と最初のお話から、いくつものお話で分かり過ぎる…って事が多くて、共感しまくりました。
そして、文字だけなんだけど、そのケーキたちを想像して読書をする夜中にとんでもなくケーキが食べたくなってます笑
甘いものって、目でも口でも、鼻でも、心からほぐされて、癒されますよね…
沢山考えながら周りを見ながら生きていかなければいけない世界で、自分の気持ちは自分だけのものって言葉は響きました。
でも、今いる自分の環境、小さなことに幸せを感じれるようになれたのも環境や自分自身の心境の変化だと思います。
それに気づけるのも自分自身。
明日ケーキ買いに行こうかな…! -
Posted by ブクログ
ネタバレえぐい小説だった。と思った。
ここまで踏み込んだテーマを扱えるのか。
しかも書き方が普通に上手い。ただそれだけでは人気になりきれない。
この小説が人気であることは、これが時代にとても即しているからというのがひとつの大きな要因だと思う。これを受け入れる人が増えているという時代の変化を感じる。
佳道、夏月、大也たちに感情移入させられる。
そして後半になるにつれ八重子がおめでたくて正義感に浮かされているやつだと思ってしまう。
そうやって印象の高低もコントロールされていたと思う。けれど八重子の人生では八重子が正しいんだと思う。というか、手の上で転がされるように主人公たちを正しい、八重子は浅はかだと思わされるのが癪なだけかもしれない。
人は皆違う。
では、その人の個性、生まれ、そして欲は、どこからは「正」しくて、どこからは「犯罪」なんでしょうか。
社会に「犯罪」だと線を引かれた人は、どうやって生きていき、どうやってその欲を解消すればいいんでしょうか。
多様性、ジェンダー論という言葉を聞くようになった時代で色々な存在がrevealされてきた。そうした人たちと現行の法律の折り合いの悪さ……いや、恐らく昔からその時代に生きていた全ての人が納得できる善悪の定規や法律など無かったはずで、それは時代やメインな価値観が変われば後から悪かったことにされたり可哀想だったことにされたりする(隠れキリシタンや、戦時に平和を願った人など)。
授業で一度だけ聞いたことがあった。
小児性愛者が、自分の欲を叶えるのは社会的にいけないことだから、必死に抑えていて苦しいのだというインタビュー。
でも多分そのインタビューは多くの人は知らなくて、ネットでは「ぺド」と略され絶対的な悪とされている。
でも、そう呼んでいる人たちは、自分が時代の価値観に合わない側になった時にどうするんでしょうか。
そして呼ばれている人は、それを正しいと信じているのか、それとも社会の側と同じく悪だと「把握」しているのか。それを考えたことはあるのでしょうか。
私は幸い大学で触れたことのあるテーマが多少絡んでいたけれど、このような題材と出会いが無かった人が呼んだらショッキングかもしれないね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ舞台はナチス下のドイツだけど、現代的なテーマだなと思った。今も昔も多様な人がいて、勝手に他人のことをわかった気になるなというメッセージを感じた。
スタンド・バイ・ミーのような青春冒険譚で、線路の先に何があるのかを探しに行く徒歩の旅はワクワクした。後半の冒険の目的が四者四様で、特にヴェルナーの「生きたいように生きるには、強制収容所の存在が不快である」という、正義感や綺麗事じゃない素直な行動の動機がとても良かった。ドクトルの言う爆弾の例えも良かった。彼だけは例えではなく爆弾そのものだったけど…。
読み終えた後に冒頭の現代パートを読み返すと、最初に読んだ時と思ったことが全然違うことに驚いた。人はだれも悪者になりたくないし、都合の悪い歴史は伝わりづらいものなんだな、とレオやドクトルを想って悲しくなった。
戦前も戦後もいい人であり続けるホルンガッハー先生は、安全圏から見ると嫌な人にも見えてしまうけど、同じような状況だったらどうするのかを想像すると安易に責めるのは違うとも思う。
自分がどう生きるべきか、どう生きたいのか、自分できちんと指針を持てるようになりたいと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
読み始めて冒頭で「彼が犯人だ」と確信する。その後、どんな描写があろうとも、それは疑うことなく読み進めた。
主人公と倉敷が「僕のこと覚えていますか?」と話しているシーン(P78あたり)で、万が一彼が犯人でなければ倉敷が犯人だとそれも確信した。
倉敷が犯人だったらこの話しは面白くない、しかし倉敷犯人説で確定のような最後の展開。
頭を抱えた。この本を「ぜひ!」と貸してくれた大好きな先輩に何と言って返却すればいいのか。
残りのページ数を恐る恐る確認しながら、ラストシーンを読み込む。これであとがきや、解説があるならば、この物語はここで終わりだ。
、、しかし!きた!美濃部の言っていることがグダグダだ!
ここからはもう私の理想通りのフィナーレ。
事件の経緯も腑に落ちるし、動機もただのサイコではない(と私は理解した)。
主人公には申し訳ないが、最高に気持ちの良い終わり方だった。 -
Posted by ブクログ
初美の引力、圧倒的。ここまで明確に自分の思想を持つ人に対して、空虚さを抱えた人間ほど強く惹かれてしまう感じ、すごくよく分かる。
徳山も厭世主義のような側面を持っていたけど、初美ほどに徹底的に磨かれてはいなかった。徳山にとって初美との結婚は唯一の希望で、彼女と同化する手段でもあった。
でも初美が徳山の在日であるという背景を理由に結婚を断る。初美がどんな気持ちで、どんな意図で断ったのか、明確には描かれていないけど、私の解釈では、結婚して幸せになるというイマジネーションも、初美にとっては馬鹿馬鹿しいものだったのでは?と思った
徳山は彼女に同化しようとしたけど、その同化のための手段(=結婚)は彼女の思想(=厭世家)の立場によって否定される。つまり、結婚という儀式は、彼女と共にあることではなくて、彼女の思想に同化することを意味していて、結果的に拒絶される構図となっているの皮肉すぎる
私も、厭世主義の思想は若干あるけど、なぜかあの圧倒的な初美との同化に向かうというより、むしろ初美とは対極の形岡側の思想を志向するような謎の感覚が味わえた。
「深刻な事こそが常にリアルだなんて、思わないで。」
「人生を平穏に無事生き残っていくためには、吊り橋を渡っている時みたいに、あんまり下を見ない事。
前だけ向いて一歩一歩歩く事。そうしたら意外と遠くまで来ていた、なんて事がある。」
この辺の文章に心惹かれた。死んだら全てがクリアになるという予感、希望にはすごく共感する一方で初美の思想の徹底ぶりに思わず萎縮させられた。
圧倒的に振り切った物語に触れることで、むしろその対極へと向かうエネルギーが自分の中に生まれるというような貴重な読書体験。 -
Posted by ブクログ
最近読んだ本の中だとかなり好き!!
一見、嫌だなっていう登場人物もいるんだけど、嫌な面だけではなくて、その人たちそれぞれの事情とか書いてあるから、嫌な気持ちにならずに読めた
主人公、人を故意に傷つけたりはしないけど飄々としていて軸があって、言うべきことははっきり言うところがめちゃくちゃ好き
朔は確かにできないことも沢山あって、いわゆる学習障害があるのかもしれないけど、この本の中ではそれを病気や障害と表さず描き続けているのも良かった
妹も最初はひどいなって思ってたけど、主人公としっかり話せて良かった!
妹の名前の由来のシーンのところめちゃくちゃ泣きそうになってしまった
子どもが出来てまた読んだら、感じ方も違いそう!
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