あらすじ
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
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Posted by ブクログ
夏休みの頃になると読みたくなる。
なんて魅力的な「魔女」なんだろう。
学校や教室、友達関係が少し苦しくなる時は、きっと誰にでも一度はある。そんな時に、こんなに素敵な「魔女」のもとで魔女の修行ができたら、苦しさはやわらぐはず。
「魔女」は言う。
「本当に、大丈夫。悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。」
そうして、主人公のまいは魔女の修行を始める。
翻って、私は魔女になれただろうか。自分で決めたことをやり遂げただろうか。
この本にであったのは、大学生の頃だった。その頃は(年齢はだいぶ離れていたが)まいの視点で読んだ。それがいつの間にか、まいの母の視点で読んでいる。ただ、不思議なのは、まいの視線も共存していること。いつかは「魔女」=おばちゃん+まいの視点で読む日がくるんだろうか。
立場がかわっても、時代が変わっても、世の中が変わっても、生きるうえで普遍的に大切なことを教えてくれる。
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【作品に感じた印象】
絵本のような小説
まいが大好きなおばあちゃんと過ごした1ヶ月。
それはまるで「絵本」を読んでいるかのように、鮮やかな情景と温もりが感じられるものだった。
また、幼い頃、母が「絵本」を読んでくれた時のような安心感やぬくもり、懐かしさを呼び覚ましてくれた。
【感想】
近所の本屋さんで平積みにされていたので、いつも目にはしていた。しかし、手に取ったことは一度もなかった。おそらく、「〜死んだ」のタイトルから、悲劇的なものを感じて、無意識に避けてしまっていたのだろう。
だが、夏の文庫フェアの一冊として並んでいるのを見たら、ようやく装丁の美しさに気づき、購入することに決めた。また、優しい色合いの装丁とタイトルにギャップを感じ、その違和感に興味を持った。
装丁だけ見れば「死」なんて一切感じられないのが不思議だった。
でも、読み終えると、これ以外は考えられないほど、作品の世界観にピッタリの装丁だと思えた。この装丁で正解だったのだ。
さて、魔女といえば、どんな姿をイメージするだろうか。黒い服、夜、魔法・・・といったダークなものが私の頭には浮かんでくる。だが、この小説の魔女は、全く逆のイメージ、存在であった。
また、幻想的というよりは現実的な作品であった。ほうきで飛び回ったり、魔法が飛び交うといったファンタジー要素は全くない。
しかし、この作品を読むと、丁寧な暮らし、美しい自然、何気ない日常が、特別なものに感じてきた。それは、魔法にかけられたように、キラキラと色鮮やかに輝いて見えてくる。
ありふれた日常に、これほどまでの奇跡や魔法が溢れていることに気付かされるのだ。
そして、「魔女修行」と称して、規則正しい生活の大切さ、自分のことは自分で決め、それをやり遂げることの大切さを教えられる。言葉にすると簡単に聞こえるが、このごく当たり前のことや日常の積み重ねが、まいを少しずつ成長させていったのだ。その変化は魔法のようであった。
内容としては、思春期女子の悩みに焦点が当てられた作品ではあるが、年齢関係なく大人になってからも心に響く作品だと思う。
学校や会社、社会では教えてくれない生きるためのヒントがたくさん散りばめられている。また、おばあちゃんの教えが背中を押してくれるから、壁にぶつかったり、何もかも疲れた時に読み返したいと思う。
そしてこの作品を通して、自分の祖母のこと、祖母の作ってくれたご飯のこと、大好きだった祖母の笑顔が思い出され、とても懐かしく、心がジーンと温かくなった。祖母を強く感じる時、毎年お盆の時期や年末にも読み返したいなぁと思う。
【心に残った言葉】
魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。 . . . まいは、そんな簡単なことって言いますけど、そういう簡単なことが、まいにとっていちばん難しいことではないかしら(p.70)
Posted by ブクログ
学校に行きたくなくなった主人公まいが、休養のためおばあちゃんちで過ごした1ヶ月間のお話。
おばあちゃんは魔女で、魔女になるためにまいも修行を積むことを決意する。
魔女になるためには、
・自分で決めること
・決めたことをやり遂げること
・早寝早起き、規則正しい生活をすること
・感情に流されないこと
・外的な刺客に反応しないこと
日々の生活を送る上で大切なことを教えてくれる本でした。
Posted by ブクログ
自然と共に生きるおばあちゃんとの生活に、まいと一緒に自分も癒されていった。文章がなめらかで丁寧で、おばあちゃんの丁寧な暮らしがありありと目に浮かんだ。魔女の修行と言いつつも、強く生きるための修行だった。人生一度転んでも、終わりじゃないんだなと思えた。魔女との美しい別れに涙。
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不登校のまいがおばあちゃんの家でさまざまな事を教わりながら生活していく様子が描かれている。
風景や状況が細かく書かれているので想像しやすい内容でした。
Posted by ブクログ
自然の描写や、一つひとつの気持ちを棚下ろしして、それを噛み砕いて、どう生きるのがいいのか、何か一つの答えを出すわけではなくて、答えのうちの一つとして伝えてくれるおばあちゃんの言葉がすごく優しくてあったかかった。 だからこそ、とても悲しかったし、最後の言葉には涙が出て余韻が残っている。
あのおばあちゃんにあのお母さんという性格もわかるが、何より朗らかで素直で優しいお父さんに救われた。おばあちゃんとマイの一夏の日常の出来事を垣間見る中で、他の世界線にも触れてみたいと思った。おじいちゃんとおばあちゃんが出会った頃の話や、おばあちゃんやおじいちゃんが子供の頃の話などにも触れてみたい。それぞれの目線で感じ、過ごしてきた時間を覗いてみたい。それくらい、世界の美しさを事細かに描写されていた。
田舎の草むらや田んぼや山に囲まれたところで育った人間として、草木の雨によって匂いが変わる瞬間や、カラッと気持ちよく晴れた天気の中で生き生きと生い茂る木々など。幼い頃に見ていた景色がこの本を読んでいると、頭の中に再現されてそれがすごく心地よかった。
Posted by ブクログ
よくおすすめされているので一度読んでみたかった。
児童文学のようでいてそうでない。
その時はわからなかったけど、後でわかって後悔することは大人の日常でもよくある。ずっと心にひっかかる後悔への癒しや、大切にしたいことがわかるお話。
疲れた時でもすーっと読めます。
Posted by ブクログ
小さい時に聞いた物語の世界に生かされていたり。もう思い出すことはできない記憶に支えられていたり。人生はいろんな奇跡のせいで、続いている気がする。
Posted by ブクログ
色々なところでオススメされている本書、何となく手が出ないでいたのですが、ようやく読んでみました。なるほど読んで良かった素晴らしい本でした!まさか泣かされることになるとは。主人公と同じくらいの中高生に是非是非読んで欲しいです。
Posted by ブクログ
面白すぎる。
小学生に裏庭を読んだきり、梨木さんの作品は読んでなく、大学生の今、今作を読んだ。
文体があまりに綺麗。背伸びをしている表現がなく、ただ綺麗なものがスーッと身体を過ぎていく感覚が実際に風が吹いているようで気持ちがいい。
涙あり、笑あいありの傑作。
Posted by ブクログ
中学生の時に初めて読んでから、ふと思い出して読み返す度に心にじんわり温もりをくれる。思春期にこの本に出会えてよかった。
忙しない日常に息が詰まってきたときに読み返したい大好きな一冊。
Posted by ブクログ
児童文学とのことですが、大人になった自分も救われました
魔女修行とのフレーズから、ファンタジーな物語を想像していましたが
現実を生きるためのコツやヒント、生き物として大切なことを、まいと共に教わった気持ちです
いちばん印象的だったのは、
直感は大切だが、その直感に取り憑かれてはいけないということ
直感がやがて妄想となり、支配されてしまうということ
そして自身を滅ぼしてしまうこともあると
身に覚えがありすぎて、肝に銘じました
又、精神力、意思の弱さは地道に努力することで鍛えることができるということも忘れたくないです
不安や疑心で身動きがとれなくなったとき、臆病になってしまったとき、
おばあちゃんの教えを思いだし、堂々と前にすすめるように
毎日の生活を規則正しく整え、自分の選択に責任をもち、一人前の魔女になれるよう精進したいと思います
Posted by ブクログ
いつでも帰ってこられる安らげる居場所を差し出してくれる物語だった。おばあちゃんの自信に裏打ちされた気遣い、自然に囲まれた淡々といて安らかな生活。まいとおばあちゃんの距離感が愛おしく素敵で、見えないけれどひっそりと交わされ続ける愛情の受け渡しに心が癒された。何かに迷った時、休みたい時、ただ休まることがどれだけ大切かを温かく考えさせてくれる物語だった。お守りみたいに本棚にしまっておきたい作品。
Posted by ブクログ
まいとおばあちゃんとの温かい生活の後、事件のわだかまりがあるままタイトルを思い出す構成で、胸がつかえる感覚のまま、泣いた。ただ、そのつかえがちゃんと取り払われる魔女の在り方で、やはり泣いた。自然の描写が丁寧で、心が安らぐ文章だった。
Posted by ブクログ
昔このタイトルを見た時は怖い話?なんて思ってたけど全然そんなことなくてすごく心が温まる作品だった。電車で読んでて危なく泣くところだった。なにかから逃げたくなった時、ぜひ読んで見てほしい。
Posted by ブクログ
心が疲れた時に読みたい本。丁寧な暮らし。今の社会って忙しくて暇だよね。便利になりすぎて。心を休ませて、日々自分の私生活を忙しくさせたい。今日もジャムを作らなきゃ。
西の魔女が教えてくれた『いちばん大切なのは意志の力。自分で決める力。自分で決めた事をやり遂げる力。』は大切な生きる指針になるなと思った。そして生き方も様々で良いのだなと。
Posted by ブクログ
読み始めた後、大切に読みたくなり、
長く持ち歩いていた本。
子供の頃の気持ちが蘇って少し苦味。
皆似たようなことを考えていたのかな。
魔女修行します。
バイブル。
Posted by ブクログ
『魔女との修行』を通して、少女は生きる力を身につける。
厳しくも篤い愛情をもって包んでくれた西の魔女との夏。
生きることの楽しさと自立する勇気をもらえる作品。
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共通点も多く、祖母を思い出しながら読んだ。あの時間は幸せだったんだなと思えた。
そして自分の中にある後悔に胸が締め付けられた。
また読み返したい。
Posted by ブクログ
自分も不登校で、保健室登校や別室登校も経験。
少し現実逃避しようかなと思い調べた時に『西の魔女が死んだ』を見つけて購入。
ずっとそばに置いておきたい一冊。
Posted by ブクログ
規則正しい生活
シンプルで加工の少ない食事
自然の中で過ごす事
シンプルで良いと分かっているのに
こんなに難しい事は無い。
心の健康は体の健康が整っていないと
いけないのだとわかる。
主人公まいの抱えるものを
自分の力でクリアして行けるように
サポートする西の魔女。
まいの心の動きや子供らしい未熟さ、
後悔は今の私でも共感出来るものだった。
ラストは涙が溢れた。
Posted by ブクログ
西の魔女の住まいの様子が手に取るように描かれていて同じ空間に居て同じ空気を吸っているように読み進められた。
誰もが魔女の修行をしていけば世界は平和になるのだろうと思う。西の魔女の生死観には共感が持てた。うちにも確かに魔女が居たと思えた一冊
Posted by ブクログ
青春時代の不自由さを自然の美しさと理解者である祖母が少しずつ癒してくれる話だと思いながら読みました。
でも、残念なことに青春時代をとうに過ぎてしまった私にはそれほど心を動かされることがありませんでした。
是非中学生や高校生のうちに読んでもらいたい本だと思います。
Posted by ブクログ
中学生の時に感じる周りからの疎外感や孤独、輪に入れない時の不安などを主に描いた作品。
自分もそんな時期あったなぁとは思うものの社会人になるとほんまに感じなくなる。
それは自分なりの幸せとか自信とかが結びついてるのかも?
おばあちゃんの、『人の注目をあびるのは幸せなのでしょうか?』
これは本当にそうで必ずしも目立つことが1番ではないと、子供に教えてあげたくなるなぁ
Posted by ブクログ
最近、10代、20代のときに読めなかった本をもう一度読むことをしている。太宰の人間失格は、ばっちりお気に入りの本になった。その流れで、本作も読んだ。あのときなぜ挫折したかは覚えていない。今回は最後まで読むことができた。けど、やはり時間が経っているのもあって、どことなく時代が古い印象が漂ってきたのが否めない(たまごっち、とか、テトリス、とか物質として古いものが出てきているわけではない)。実際に、主人公が前より一人でできることができるようになり自負心を覚えたときに「一人前の主婦になったような気分」とあり、う~んと思った。
設定としては、おばあちゃんがイギリス人で、ママがハーフ、という少し現実から離れたものになっているので、その時点で、読者にとっては一種現実逃避できる設定になっているのだと思う。でも、そこで魂や死という身近な存在を登場人物たちに語らせることで、読者は自分ともかかわりのある世界だと感じることができるようになっているのだと思う。
超能力を持つ家系
切り株のところが自分の居場所になった「わたしはここが好きだ」(p64)
むかし超能力を持つ人は、排斥される運命だった
「悪魔」は、他人の思考・ノイズのことかな「この世には、悪魔がうようよしています。瞑想などで意識が朦朧となった、しかも精神力の弱い人間を乗っ取ろうと、いつでも目を光らせているのですよ」(p68)
おかゆ(ライスミルク)を作ってしまったエピソードが面白い
Posted by ブクログ
中高生で読めばまた感じ方が違ったのかな。
学校にうまく馴染めない主人公が、おばあちゃん家で過ごした1ヶ月で、主人公は自然、動物、おばあちゃんの持つ価値観に触れて成長していくという物語。自然と触れ合い豊かになっていく姿はとてもよかった。とくに、魂と身体の関係については興味深かった。身体は死んだらなくなるけれど、魂はその後も旅を続けている。死んでまた身体を持つ必要があるのか、という問いに対して、「身体があるからこそ、見たり、聞いたり、感動したりすることができるのだ」という趣旨の話をおばあちゃんがしていて、魂を成長させ続けていくことは、自分が死んだあとにもきっと繋がる何かがあるのだろうなぁと感じた。
便利な世の中になり、楽しようと思えばいくらでも楽な道を選べる中で、このおばあちゃんのように、自分の五感で歓びを感じながら、自分と向き合いながら生きていけるような、そんな歳のとり方をしたいなと思った。