あらすじ
NHKでドラマ放送スタート!(出演・林遣都、波岡一喜、門脇麦)
第一五三回芥川賞を受賞し、二〇一五年の話題をさらった「火花」が文庫化。
受賞記念エッセイ「芥川龍之介への手紙」を併録。
売れない芸人の徳永は、天才肌の先輩芸人・神谷と出会い、師と仰ぐ。
神谷の伝記を書くことを乞われ、共に過ごす時間が増えるが、やがて二人は別の道を歩むことになる。
笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説。
第一五三回芥川賞を受賞し、累計発行部数283万部を誇る傑作が待望の文庫化!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
芥川賞受賞作品の中でも人気の高い「火花」、とても面白かったです。漫才を通じて、勝ち負けやクリエイティブな才能が求められる世界で生きる勇気ある人達が直面する人生の厳しさ、辛さ、そして喜びが短いストーリーのなかで無駄なく表現されていて、感動しました。
Posted by ブクログ
序盤に出てくる「幻のように鮮やかな花火が夜空一面に咲いて、残滓を煌めかせながら時間をかけて消えた。」という一節がとても美しい。
この一節はストーリーの根幹にある「売れた芸人の華々しさと売れずに散っていた芸人の儚さ」を暗示しているようにも思われ、そう考えるとより味わい深い。
Posted by ブクログ
すばらしかった、熱、熱だ
熱海の花火で始まり、熱海の花火で終わる。なんとなく、タイトル「火花」を想起してしまう。そんな構成も文体もずっと素晴らしく美しいものだった。関西弁の、甘美な響きがうらやましい。
Posted by ブクログ
本当に面白かった。読んで良かった。
お笑いの世界は厳しくて泥臭いと思った。
身近にお笑い芸人を目指す人がいたが、こんな世界であることをもっと早く知りたかった。
そうしたらもっと理解してあげられたのにと思う。
徳永と神谷はお互いに無い感性や考えを持っている。だから惹かれあったのだと思う。
想像も出来ないほどの覚悟を持って、売れるかも分からない中、表現を続ける。
2人の生き方はかっこいい。
人に見せるものである以上、世間と切り離すことが出来ないし、面白さだけで表現をしてはいけない。
私たちは常にルールの中で生きていて、その中で何をするのか、考えなければならないのだと思う。
お笑いは特にその難しさが現れる部分だと思った。
自分の生き方についても考えさせられた。
私はこれでいいんだろうか。もっとやりたいことに全力を注いでみてもいいんじゃないか。何度でも読み返したい、心を震わせてくれる小説だった。
Posted by ブクログ
純真で不自由な男と、彼を師匠と仰ぐ男の、売れない芸人達が生きる人生の話。
お笑いの舞台や、仕事の話をするものだと勝手に想像していたが、どちらかというと何気ない日常から主人公が得たもの、失ったものを描いていた。
ベンチに引き戻されるくだりはベタなのに、笑ってはいけないのに、描写のうまさと不意を突かれた驚きで、声に出して笑った。
ラストの違和感のところは流石にやりすぎだけど、素朴で純粋な気持ちが、見る人によっては差別になることに気付かされる。何気ない会話でも気にするのに、世界に向けて発信する芸人さんは難しいだろうなあ。
Posted by ブクログ
若手芸人の主人公・徳永は、先輩芸人である神谷と電撃的な出会いをして、師匠と呼び慕うようになる。神谷は生粋の"芸人"だった。
「面白い」というのは感覚なので、受け手の趣味嗜好や価値観やらに左右されて、明確な正解というのがない。そう考えると、人を笑わせるというのがどれだけ難しいことか。
神谷の「面白さ」を、世間の多くの者は受け入れなかった。認められないものは淘汰されていき、どんどん落ちぶれていくその様が痛々しく描かれる。
それでも神谷は自分が面白いということをただ信じていた。というより、それしか知らないのだとも思う。芸人として生まれ、芸人として生きていく。悲しいほど健気に。
時が経ち、芸人の道を諦めて不動産の仕事に就いていた徳永の元に神谷から電話が来る。
久しぶりに会った神谷は、今も変わらなかった。
愛しいほどに、純粋に生きていた。
生きている限りバッドエンドはない。
近年では特にM-1などで、芸人のカッコよさがフィーチャーされることが多い。
そこで描かれる"芸人"のカッコよさとはなんだろうかと考える。
ふざけたりおちゃらけたりして一見「カッコいい」とは遠い位置にありそうではあるが、その距離がむしろ哀愁を生んでいるのではないかと感じた。
びっくり
警察ものの小説ばかり読み漁っており、気分転換にと本書を購入。当初は期待していなかったが、良い意味で裏切られた。
主人公の心情、描写、構成も優れていると思う。
話題になった作品
火花は芸人のピースというコンビの又吉さんが書いた小説で芥川賞も受賞し一昨年話題となった作品。主人公は芸人であり、尊敬する先輩との物語となっている。人間の感情をかなり細かく表現していて、読みながら自分が持っている普段は人に恥ずかしくて言えない感情と重ね合わせられとても面白かった。あー、こういうの分かるという感じ。繊細な心の人に是非読んでほしい作品。きっと共感できることや、こうゆう風に考えてしまうのは自分だけではないのかと安心できると思う。本読むスピードが遅い自分も夢中になってしまいあっという間に読み終えてしまった。また又吉さんの書く作品を読んでみたい。
Posted by ブクログ
神谷さんと徳永の友情を超えた愛みたいなものが読者側からは分かりながら淡々と進んでいく感じがよかった。
最後の漫才が最高だった。
神谷さんが心のままに動きながらもそれが合っているのか分からなくなってしまうシーンが何とも言えなかった。
これから、お笑い番組で自分にとっては笑えないネタだとしてもその芸人さんのことは絶対馬鹿にしてはいけないと思った。
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「誰かには届いていたのだ。少なくとも誰かにとって、僕たちは漫才師だったのだ。 」みんなに伝わらなくていい。純真な阿呆になって自分を追い求め続ければそれはきっと誰かには届く。
Posted by ブクログ
徳永と神谷が出会い、師弟関係を結ぶところから始まる小説。
徳永が又吉さんと被り、リアルな芸人の世界を垣間見た気持ちになった。
思わず笑ってしまう場面も多々あり、どこまでが実話でどこからがフィクションなのかも気になりつつ、楽しく読めた。
スポンサーが大金を出した花火のような大きな成果は出せずとも、自分の信念に真っ直ぐいきていく神谷先輩の姿はかっこよかった。実際にそれで社会に溶け込んで生活していくには難しいけど、なかなか出来ることではない。
難しい言葉も出てきたり、深いなぁと感じる文章も沢山あって、流し読みはできないタイプの本。
再読したら更に好きになりそう。
Posted by ブクログ
特に何かを成し遂げたわけでもない。
その人たちの人生を知らない人からしたら
時間の無駄という言葉で片付けられてしまう努力を
ここまで鮮明に書いてくれたのは
芸人の苦労をした人の特権なのか。
Posted by ブクログ
序盤は流し読みしていたら全く意味が入ってこなくて何度も戻って読み返してしまったけど、終盤が最高だった。スパークスの解散前のライブで、言いたいことと逆のことを言ったら伝わりやすくなるみたいな理屈で暴言吐いていくところが本当に感動で目がうるうるした。相方やお客さんに感謝してるけど改まって口にするのが照れくさいからこそ、よく分からない理屈を唱えて伝えたその不器用さが泣かせにきてた。あと、結果が出るか分からないことに時間を費やすことの恐怖、みたいな語りのところ刺さった本当にその通り過ぎて。スパークスは芸人の頂点に立った訳ではなくほんの一瞬だけテレビとか出演したわけだからまさに火花というタイトルが相応しいと感じた。
Posted by ブクログ
なぜ秋は憂鬱な気配を孕んでいるのかと言うことについて、己の見解を熱心に聞かせてくれた。昔は人間も動物と同様に冬を超えるのは命がけだった。多くの生物が冬の間に死んだ。その名残で冬の入り口に対する恐怖があるのだと言う事だった。その説明は理に叶うのかもしれないが、1年を通して慢性的に憂鬱な状態である。僕は話の導入部分からうまく入っていくことができなかった。
路上で漫然と無表情で謎の楽器を演奏するお兄さん
「ちゃんとやれや!」
「お前に言うとんねん!」
「お前がやってんのは表現やろ。家で誰にも見られへんようにやってるんやったらそれでええねん。でも外でやろうと思ったんやろ?俺はそんな楽器初めて見た。めっちゃかっこいいと思った。だからどんな音がすんのか聴きたかったんや。せやのに、なんで、そんな意地悪すんねん。聴かせろや!」
「美しい世界を、鮮やかな世界をいかに台無しにするかが肝心なんや」
そうすれば、おのずと現実を超越した圧倒的に美しい世界があらわれる
Posted by ブクログ
組んでる相方が違っていたら?一緒にいた女性がもし違っていたら?生まれる時代が違っていたら?様々な偶然や要素が重なりぶつかりあってその時代のスターは輝きを得るのだろう。その陰にもまた本作に出てくる芸人のように全力でぶつかり火花を散らし刹那的な輝きを放ち消えていく者たちがいる。又吉さんだから書ける下積み芸人の苦悩やクスッと笑える言葉が散りばめられていて読んでて楽しかったし、苦難を乗り越えて成功というよくある美談ではなく妙にリアルで悲哀に満ちたストーリーに心動かされた。
まさか豊胸オチがあるとは思わなかった笑
Posted by ブクログ
面白かった。
芸人の師弟関係のかっこよさやダサさが、詰まっていた。神谷の芸人はずっと芸人で、1度でも舞台に立った物は他のものに影響を与えて、それがトップの人にも繋がるというのが共感できた。
最後のオチがなんとも言えない哀しい気持ちになり、芸人の狂気を感じた。
この作品が実写で、どのような作品になっているのか興味が出てきたため、いつか映画を見てみたいと思う。
Posted by ブクログ
読みやすい 文章も読みやすく、サラッと楽しめた。
芸人のラジオを聞いたりするのが好きなら、間違いなく楽しめる。
芸人を目指す人の日常、人生を知れる、それだけでも読む価値があった。
読みやすさに配慮してあったように感じるし、それでも楽しめる仕掛けはいくつもあり中だるみしないのは、ネタを日々書いている芸人さんならではだと感じた。受け取り手への心遣いが、素直に上手い。
スリリングな物語を好む人には、おすすめできない。
芥川賞受賞作だったので。
お笑い芸人、漫才師のお話です。作中に登場するのは又吉さんそのまま当てはめて読みました。日常の様子を小説にした内容ですか、ある登場人物のおかげで、平凡から、非凡で常識外れな世界が見れました。ラストは意外な展開とまだ続きがあると思わせる文で、女性が読むと、男性の友人関係のサッパリさに、やや物足りなさを感じます。
宿命
想像していたよりもずっと繊細で,苦しくて,衝撃的。
自伝ではないものの,又吉さんの人間性がにじみ出ていた。
命を削って心を削って人を笑わせる,人に笑われる仕事。
生まれてから死ぬまで,まわりの人を笑顔にし続ける宿命。
人間描写が鮮明で実生活と重なる
実際に会話として噛み合っていない掛け合いすら笑いとなる芸人の世界感を感じることが出来、自由な発想を持って生きて良いのだと改めて思わせられる作品でした。誰もが実生活で経験する人間描写が鮮明でイメージしやすく想像を搔き立てられました。
1日で読みました
仕事の休憩中に少し読んで(お姉ちゃんのピアノの話まで)、面白かったのでその日の夜には全部読んでしまいました。
神谷は良い人物であるし決してイキっていてイカレている訳ではないんだけど…、、というのがしっかり表現出来るオチで、素直に凄いと思いましたw
あと家を出ていくシーンは、それぞれのキャラクターが「自分ではない誰かの為に」振る舞っていて、いいシーンです。それぞれ怒り出してもいい筈なのに。
純文学がどうこうはわかりませんが、面白かったですよ。
人の惨めさや情けなさを上手に表現しつつも胸糞感があっさりしてて(個人的には「夜と霧」以来…)、又吉直樹、良い書き手だと思いました。
Posted by ブクログ
芥川賞作品は色々と読んでみたいと思っているので、いつか読もうと思っていた作品。
当時世間が思っていた(と肌で感じているが私だけだろうか?)そのように、芸人がネームバリューで獲った賞でしょ〜?と思っていた。
Youtubeで読書系のチャンネルをよく見るのだが、著者が文学が好きだと知り、偏見じみた評価を改めた。
文字で見るお笑いって面白いのか?関西弁って馴染みがなくて変な感じがするなあ、など感じていたが、しっかり面白かった。荷物を取りに行く場面は声を出して笑った。
文体も好きだった。楽しい気持ちと同居する孤独感や、感情が制御できずに態度に出てしまうもどかしさ、そういった場面が印象的だった。わかるなあと感じる要素がある読書は楽しい。
先輩芸人の神谷さん、変な人なのに嫌いになれない人物だ……。
『まほろ』の行天、『永遠も半ばを』の相川、『砂漠』の西嶋など、癖があるけど芯のあるような人が好きだ。
オチは好きじゃなかった。まあしかし、予想外ではあった。無理やりいい話に仕立ててしまうご都合主義な展開は好きじゃないし、この辺りは難しい。
この話は『劇場』に続くんだろうか。前情報なしでそっちも手にとってみたい。
Posted by ブクログ
現実や打算ではなく自分の理想や感性を大切にしたおじさんの話だった。
おじさんはめちゃくちゃな人生だけど、かっこつけずに芯がぶれない生き方は人を惹きつけるものがあるなと思った。めちゃくちゃではあるけど。
打算的に動いたり、失敗しないように「それなり」に落ち着こうとする自分の生き方がちょっと恥ずかしくなった。でもきっとこのまま生きていくけど。
無理やり「いい話」「オチのある話」にしようとしていない(ように受け取った)話の展開が心地よかった。
Posted by ブクログ
あれ、感想書いてなかった。夏頃に読んだ。
お笑い芸人がお笑い芸人の物語を書くことでやけにリアリティがあったのに、現実的すぎてつまらない訳でもなくちゃんと物語として面白い。そこはさすが、ピース又吉!である。
自分が個人的に好きな先輩が周りから嫌われているのは悲しい。自分は、自分だけはしっかりと勇姿を見ていたいと思う。
Posted by ブクログ
おもしろいです。又吉先生。
お笑い芸人の熱い話です。
the芸人で独特の世界観、我が道を行く天才神谷と、神谷に憧れながらもそうはなれない徳永の話。
人としてかっこいいし、芸人の中ではおもしろいのに、世間ウケは良くないから売れない。
だからといって、ウケを狙うために自分のやり方は変えたくない。
ウケるとかではなく、自分がおもしろいと思うことを信じてやる。
こういう人好きです。
この話のモデルとなった芸人さんとかいるのかな?
Posted by ブクログ
初見では芯があって器用そうな神谷のとてつもなく不器用な所がみるみる露見されて、すごく愛おしいキャラだと思った。
言葉選びがくどく感じる事もあったけど、人を魅了的に描くのが上手で良かった。
Posted by ブクログ
神谷と徳永の掛け合いが既に漫才になっている
神谷は一見粗野で傍若無人だが
笑いに対しても人生に対しても美学を持っている不思議な魅力がある。
「お笑いは真っ当な阿呆にしかできん」と後輩に息巻きつつ
ベージュのコーデュロイパンツをコッソリ隠すのである。
すごく人間味がある。
でも芸人の師匠ってこんなちょっと間の抜けた、愛嬌ある人が多そうだよね。
最後に豊胸するところが
ちょっと非現実的すぎて面食らってしまった
借金してお金に困ってたのに、そこにお金掛けるかっていう...
でもそれだけ真っ直ぐに狂ってる人だったんだろう。
「夢破れた芸人や去っていった芸人達も
お互い舞台で鎬を削った仲間なのだから、全員でお笑いを作り上げている
だから誰一人として芸人を志して意味のなかった奴はいない」
この言葉に全てのお笑い芸人(引退した人も含む)が救われたのでは?と思う
Posted by ブクログ
現役の漫才師が書いた小説。
登場する漫才師の破滅的な行動には、哀しさを感じるし、少し嘘くさい。
ホンマに、芥川賞ってマチマチやねぇ。考えたら「新人賞」なんやから、仕方ないのか。
又吉さんの別な作品を読まなければと思うけど、まだ機会がない。キャラクターは好ましいのですけどね。
Posted by ブクログ
評価されないけど凄い人ってのはどこにもいる、評価っていうのも誰にもできることでは無いからみんなに認められてる人はみんなにも理解できる範囲内の人でしかないのかもしれない。
Posted by ブクログ
才能もあり面倒見も良い先輩と慕う後輩。相方も恋人も親も自分も時間は過ぎ歳をとる、後輩が活躍していく、そんな中での売れない芸人、想像するだけで残酷な世界。何にすがればよいか分からなくなってしまった先輩の現在地もリアルで哀しい。
今年のM-1はリスペクト忘れずに観よう笑
Posted by ブクログ
神谷という極限まで純粋な人物と主人公の交流を通して、お笑いという道で生きることの厳しさと喜びを描いている。
花火の一瞬の輝きが人の記憶に残り続けるように、草臥れたお笑い芸人の人生も誰かの記憶に残り続ける。「花火」がお笑いというコンテンツ全体を示すのであれば、花火を構成する「火花」は芸人自身であるといえる。芸人の立場だからこそ分かる苦悩・青春が存分に詰め込まれている作品だった。
ラストの、観客・神谷・スパークスの誰もが泣きながらの漫才はグッときた。
全体的に平易な文章で、とても読みやすい。ボリューム的にも内容的にも、純文学の入門書的存在。
信じれないくらいの売上を記録し、純文学(小説)というコンテンツを大衆に行き届けた功績は大きすぎる。
Posted by ブクログ
又吉直樹の処女作
主人公にとって芸人とは、神谷そのものだったのだろう。笑いから理想、現実、孤独、人間関係を学び、神谷とともに走った年月だった。最後の漫才が全てを物語っていたのだろう。なぜか豊胸して、素で謝っている神谷には笑った。
読んで良かった!
文章は文学的で最初読みづらいかな?と思ったが、一気に読めた。内容は全体的に暗く、芸人のお笑い哲学というのがわかりやすく描かれてはいるが、映像のほうが感情移入しやすいのかなぁ、と思ってしまった。まだ映像は見ていないのですが。最後のオチが酷い!しかし時間が経つとじわじわ笑える気もする。悲しいお笑いという感じかな。