【感想・ネタバレ】未来のだるまちゃんへのレビュー

あらすじ

すべての親子への応援歌!
『だるまちゃんとてんぐちゃん』で知られる著者の歩んできた道のりとは?

19歳で敗戦を迎え、態度を変えた大人に失望した著者は
「子供たちのために役に立ちたい」と、セツルメント活動に励むようになる。
そこでは、絵本創作の原点となる子供たちとの出会いがあった――。
90歳の国民的絵本作家から、未来への希望のメッセージ。

解説・中川李枝子(『ぐりとぐら』)

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Posted by ブクログ

こんなにひとつのことに邁進できるのか。こんなにも人間の可能性と意味を信じられるのか。ここまでも長く情熱を持ち続けられるのか。そしてここまで利他に徹することができるのか。
ページを繰るたび感動し、心に迫るシンプルなメッセージが生み出されてきた理由に納得がいった。

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2025年11月14日

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「終戦から80年経った今だからこそ、読んでほしい1作だと感じた。

多種多様な生き物たちが互いに様々な問題を抱えながら生きているこの時代だからこそ、読んでほしい。

私たちは一体、何のために歴史を学ぶのか?
もし、まだ何も知らない小さな子どもにそんな問いをかけられたら、私は間違いなくこの本の話をする
"かこさとし"という有名な日本人絵本作家のことを話す。彼が生まれ落ちてから亡くなるまでに見てきたもの、感じてきたもの、伝えたかったことを私は、後世にも繋げたい。」

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2025年08月20日

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工学博士で昭和電工の技師も勤めた絵本作家による、「こども」をテーマに書かれた半生記のような絵本論のようなメッセージ

ご自身の感覚に合わせながらこども達を物凄く観察していて、こどもに対する感覚を改めさせてくれる
終戦で価値観が変わったことやその後の日本の様子がうかがえて興味深い
私自身子供の頃この方の絵本が大好きであった。その後も色々書かれていることを知れた。是非読んでみようと思う

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2025年03月17日

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子どもと関わる大人として、背筋が伸びるような読後感。からすのぱんやさんしか知らなかったわたしが数年前かこさとし展に行ったときに、「なんてかわいい絵!」「科学絵本ってすごい…!」「なんて真剣に子どもと向き合って絵本を描く人なんだろう!」とひとしきり感動していたのだけど…
かこさとしさんの生き様をもっともっと深く知れて、より憧れや尊敬の気持ちが強くなった。子どもをよく観察し、子どもから教わる。凄い人ですね。

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2024年10月28日

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生い立ちや戦前戦後の中で生き抜くストーリーに惹きつけられる。こういう人から生み出されたんだ。だるまちゃんやからすちゃん

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2024年02月10日

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すごく良かった。
絵本作家のかこさとしさんのエッセイなんだけど、ですます調で書かれていて堅苦しくなく、人柄もでてとても優しい文体。
一章と二章のかこさんの少年時代や青年時代の話が面白かった。
子供を語る大人って、子供を神聖視してるというか、純粋無垢な存在だと言う人が多くて私はいつも違和感を感じてたんだけど、かこさん曰く「『子どもっていうのは、純粋無垢の天使だ』なんて言い出す方がいると、だから、もうゾッとしちゃうんですね。」と。めちゃくちゃ頷いてしまった!
子供って結構残酷だし、嘘つきでずるい。
でもそう言う悪いことをして失敗して自分で考えて善悪を分かっていくんだと。
かこさんは本当に子どもが好きなんだな。
なのに自分の子どもとは全然遊んでやらなかったらしく、そこは残念だったな。笑
今度久しぶりにかこさんの絵本読んでみよう。からすのパン屋さん懐かしいな。
このエッセイはずっと手元に置いて置きたい本になった。

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2024年01月25日

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ネタバレ

かこさとしさん、なんて大きな温かい視点で、絵本を書いていらしたのでしょう。
命をかけた人々の思いを胸に、戦後の全ての変化から、迷いながら大切なものを自分の視点で考え、子どもたちの未来に行きついたこと。仕事も、絵本作家としても、人生そのものに妥協せずに、誠実に生きていらしたこと。どの絵本も子どもたちから学んだことを隅々にまで気を配り、よく考え考え、作り上げてきたこと。

特に科学絵本を書く際に、子どもたちに向けて責任を持って「見取り図を描く」姿勢には頭が下がる。
戦争に深く後悔されたかこさんだからこそ、非戦の絵本を読んでみたかったとしみじみ思う。

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2023年09月14日

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大好きな絵本作家のかこさとしさんの著書。
私は子どもの頃まさに「子どもは大人が考えている以上に物事を考え、感じ、理解している」のに、語彙力や表現力がないためにそれを理解してもらえず子どもながらに侮られてると感じたことがあった。
その思いが文章として綴られていて強く共感し、嬉しくなった。
この本を読んでこどもを1人の人間として尊重することを大切さが改めて身に染みた。

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2023年06月13日

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かこさんが亡くなられて数年。かこさんは今頃、どこかで今の日本を見ておられるのだろうか?どんなことを危惧し、どんなことを思っておられるのだろう。

「子どもは子どもなりに持っているもの、考えていることが必ずあるはず」という一文。子どもを見る上忘れてはいけない。侮ってはいけない。子どもは「小さい人」だ。

最後の数ページは特に胸に響いた。
「生きるということは、本当は、喜びです。
生きていくというのは、本当はとても、うんと面白いこと、楽しいことです。」
それを多くの子どもに感じて、知ってもらいたい。
戦前に生まれ、敗戦ですべてのことがひっくり返り、戦後を生きてきたかこさんの言葉は重かった。

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2023年05月29日

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子供がかこさとしの絵本が大好きなので読んでみた。すごくいい本だったので、夫にも読んでもらった。とにかく一読の価値あり。

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2023年02月26日

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かこさんの絵本が大好きで、展覧会でこの本の一節が紹介されていたことがきっかけで本書を手に取りました。

かこさんの幼少時代から絵本作りに至るまでの経緯等、かこさんの人間性に触れられた気がして温かい気持ちになりました。

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2022年11月20日

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 かこさとしさんの絵本は子どもの頃というより、娘が生まれてからふれるようになった。昔からある絵本だが、今読んでもとても面白いなと思っていたが、かこさんが亡くなった後にでた「みずとはなんじゃ」という絵本で、かこさんの人となりを知った。今回この本を読んで、さらにかこさんの知り、さまざまなことを考えさせられた。まだ読んだことのない本も読んで、かこさんの思いを考えたいなと思った。

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2022年09月03日

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本屋にてしばらく前に購入、昨日読み終えた。
「だるまちゃんとてんぐちゃん」の作者のかこさとしさんの自伝。自伝というかインタビューを起こしたものか。
「だるまちゃん〜」は子供の頃に大好きだった絵本。
かこさんの子供に対峙する時の真剣さがあの絵本の原点にはあるのだなぁ、と思い知らされる。
けっして思いつきだけでできた絵本ではないのだ。
表紙のだるまちゃんも可愛い。

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2022年05月14日

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沢山の人々の子供時代に色を添えてくれたかこさとしさんが伝える今を生きる私たちへのメッセージ、子供時代にかこさとしさんの絵本を読んだことがある大人になった私たちの人生に色を添えてくれる、、!!

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2022年03月14日

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このお方が二足の草鞋で絵本作家をやっていたことを知りびっくり。世の中の酸いも甘いも知った上で子どもたちと誠心誠意ぶつかっていくかこさとしさんに感動を覚えました。私も子どもたちに対してそういう大人でありたい。

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2022年03月07日

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絵本作家かこさとしの自伝。

「だるまちゃんとてんぐちゃん」、「おたまじゃくしの101ちゃん」、「どろぼうがっこう」、「からすのパン屋さん」、「とこちゃんはどこ」…幼少期に夢中になった絵本はみんな、かこさとしさんの作品だった。

戦前、戦中に少年時代を過ごし、理系の技術者をしながら工場地帯の子どもたちのために紙芝居や絵本を描き続けた。

振り返れば、かこさんの作品には自然への愛、家族や友達、仲間への愛、子どもの無邪気さへの愛など、戦争や大人の嘘を嫌悪するヒューマニズムがあふれていた。
そんな人となりがよくわかる本。


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2021年08月31日

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かこさんの考えに迫りたくて購読。2019年の、いやこれまでに読んだ本の、5本の指に入る名著だ。
閉店間際の本屋でよくぞ手に取った。私。

かこさんの生い立ち、なぜ子どもの絵本を描くようになったかが、よく分かった。
そこには、戦争を境に掌を返すように態度を変えた大人への不信があった。

以下、特に心に残った言葉
・幼少期には、自然に触れて生活するのがいい。 それも大自然というより小自然、子どもの力で何とか処理できる程度の。
・これまでの僕は昭和20年で死んだのだ。ここから先は余生である。自らの誤りを償わなければならない。
・子どもは、世界の実体、成り立ちを知りたがっている。でもその糸口を見つけられずにいる。
・君が持っている、ものすごい鉱脈はそれだよ。とその子の生態を見極め、先達としてうまく導いてあげられないか。
・自分がどんな場所に生きているかを抜きにして、人間が描けるのだろうか。
・子どもからは、無言でこう問われているのだ「これから自分はどうやって生きていったらいいのだろう。お前はそれを知っているのか。少しぐらいは伝えてくれ。」
・見取り図を描くこと。子どもたちに、物事をどう理解していくかの手がかりとなるものを手渡す。

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2019年12月08日

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絵本作家かこさとしさんの自伝のような本。軍人を目指したが叶わず、終戦とともに失望したかこさんは、同じ失敗を子供達が繰り返さないように、川崎のセツルメントで活動を始める。子供たちと触れ合う中で、多くのことを子供たちから教わる…。

会社員として仕事には全く手を抜かず、絵本作りにも本気で取り組むキャパシティの大きさ、決意の強さに感銘を受ける。

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2025年02月15日

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 かとさとし先生の絵本にはもちろんお世話になっていたし、だるまちゃんも大好きだったけど、こどもの頃は作者という概念もなかった。長じてから、あれもこれも同じ人が描いていたのかとやっと気づかれるのが絵本作家というものだろう。
 大人になったあとも、絵本作家の大御所くらいにしか認識していなかったし、特別ファンというわけでもなかったが、表紙のだるまちゃんが懐かしくて手にとった。初めて訪れた駅でたまたま立ち寄った小さな本屋の品ぞろえが気に入って、応援したい気持ちもあって購入した。
 かこさとしは、終戦を19歳で迎える。軍国主義から手のひらを返したように態度を変えた大人に絶望し、未来を子どもたちにみた。東大を出て、会社員として働きながら、セツルメント活動、絵本や劇の創作、研究や論文執筆(博士号取得)に取組んでいたという。こんな人だとは全く知らなかった、専業の絵本作家だと思っていたし、科学的な絵本も手掛けているのはなんとなく知っていたけど、依頼を受けて何でも描いていたのだろうくらいに思っていた。
 本書ではどんな意志をもって、仕事に子どもに人生に向き合っていたかが本人の言葉で語られている。セツルメント活動への情熱、子どもの文化や人格に対する敬意が印象的だった。また、自身の家族のことはほぼ放っておいたらしく、家庭人としては落第だったと素直に吐露されている。ご家族以外は知る由もないが、昭和の男性の働き方や家庭との関わりを考えると、それを自伝に書けるのが正直なお人柄を語っていると思うが、そもそも「こどもは自分で遊ぶものだ」「自分にはやらねばならぬことがあるのだから、たとえ暇があっても遊ばない」という主義だったそう。
 最近の子どもを見ると、学校や学童保育、習い事で常に大人に管理されると感じる。少子化や生活時間の違いのせいかもしれないけど、街をぶらぶら歩いている子どもとか自転車で群れをなしている子どもを全然見かけない。私が子どもの頃は学校が終わったら友だちと公園で遊んで、チャイムが鳴れば家に帰って親の帰宅を待っていた。かぎっ子だって珍しくなくて、寂しいと思ったことすらなかった。心細く感じることもあったけど、そういう子どもの心理をあらわした児童文学もたくさんあった気がする。大人なのに、子どものそういう気持ちを描ける作家さんたちは本当にすごいと思うし、時代が変わってもちゃんと子どもに支持されていて感慨深い。

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2025年02月01日

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友人がSNSで紹介していたのを機に購入。お名前は知っていたが、なぜか絵本に触れることもなく過ごしてきた。しかし、一読して、素晴らしい表現者であることに唸らされた。覚悟もやり方も、表現も、とても簡単に真似できるようなシロモノではない。けれど、物語を書くものとしてハッとさせられる箇所、学びを得る箇所はたくさんあって、なにより「正直」に居たいと痛感した。
(24.7.30.奥さんのことを書かない作家はちょっとな、という自分流分類を思い出し星ひとつ減)

余談だが、戦中から戦後の「手のひら返し」は、皆川博子さんの幻想短編集「蝶」や、ドナルド・キーン氏の「日本人の戦争 作家の日記を読む」中の永井荷風らの著述にて、文人の目にはやはりそらぞらしかったことが述べられている。

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2024年07月12日

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優しく微笑むだるまちゃんの表紙にヤラれ、購入。先生の絵本で育ちました。ありがとうございました、合掌。

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2024年07月05日

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子供の頃から大好きでお世話になっているかこさとしさん
御自身の子供の頃のお話から、子どもに対する接し方までどうして絵本作家になったのか、子どもとどう付き合うべきか、かこさんの思いや考えがたくさん詰まってた

子供の頃は何の気なしに読んでいたけどあそこまで深く考えて絵本を作られていたとは
私も子供心を忘れずに子育てしていきたい

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2023年12月13日

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かこさとしさんを「文章が上手い」という視点で読んだことがなかった。こんなに上手いとは。実体験だからこそ重みのある、それでいて軽やかな文章。実の娘さんについての記述はガンジーや井上ひさしを思い出した。複雑。そして、かこさんの経済から体系立てられた「戦争」の絵本、読みたかった…。

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2023年02月23日

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かこさんのバックボーン、創作秘話などがわかる。
子どもと接する活動から多くを学び、創作にそれが活きていることがわかりました。
子どもを決して侮らずに接しています。

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2022年10月29日

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レコードのジャケ買いは聞いたことがありますが小説のジャケ買いは初めてしました。子供の頃大好きだっただるまちゃんとてんぐちゃん!好きだった人はジャケ買いすると思います(笑)大好きだったどろぼう学校もかこさとしさんが書かれてたとは知りませんでした。子供の目線とは子供の輪に実際にはいって遊んで仲間になることから創りだされるものなんだなぁと感服しました。だるまちゃんのお願いをかなえてくれるだるまどんと不肖の父の重ね合わせは心にしみます。

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2022年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

絵本作家として有名なかこさとし氏の半生と、未来の子供たちへの想いが綴られた本作。
前半は朝ドラを楽しんでいる感覚で、後半は子どもを育てていく大人のための参考書として読ませてもらった。

著者は絵本作家だが、工学部出身で、50代半ばまで一般企業の研究員として働いていたということに驚かされた。
幼いころから絵が好きで、親の目を盗んで風呂沸かししながら絵の練習をしていたこと、学生時代には工学を学びながら、文学や演習の勉強をしていたこと、社会人になってからは仕事と子どもとの交流や作品作りを2足のわらじを履きながら続けてきたこと…常に生活とバランスをとりながら絵本作家としての自身を築き上げてこられてきた。
純粋にすごいバイタリティだと思うし、人間本当にやりたいことであれば置かれた環境を言い訳にせずに、どれだけでも打ち込めるものだと思い知らされた。

また、専攻してきた学問の知識や、社会人としての経験が、作品を作る上での基本的な哲学になっているのも感じた。子ども騙しの見かけのみの演出だけではなく物事の本質に迫ろうとする姿勢が、何世代にも渡って子どもの心を掴み続けてきたのだと思う。

自分も幼少期に愛読していたカラスのパン屋さんなどのあの好きなページに隠された作者の考えなども知れてよかった。自分の子どもにもぜひ読み聞かせしてあげたいと思う。

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2022年02月01日

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まずは2足のわらじでここまでの作品を世に出していたということにびっくり。
とても生きる姿勢に共感する。

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2021年11月28日

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「興味の対象を追いかけるうち、世界の端っこに出てしまって、ぽつんとひとりでいる子ども(p239)」そんな風に、筆者の暖かいまなざしの絵本に自分もまた守られていた。かこさとしさんの絵本はいつも、迷子になった自分に帰る場所をちゃんと教えてくれた。

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2021年07月21日

Posted by ブクログ

「だるまちゃんとてんぐちゃん」、「からすのパンやさん」は、本当に何度も何度も読んだ絵本。
優しく、温かくワクワクする絵本はどうして生まれたのか。
かこさとし先生の覚悟と生き方を少し覗かせてもらいました。
自分で考えて選択すること。大事にしていきたい。

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2024年03月06日

Posted by ブクログ

かこさとしさんが、自分より若い人たちへ充てて書いた、本です。
いろんなことを、丁寧な語り口で。 
この本を読んでほんとうによかったです。

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2021年09月14日

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