あらすじ
妻の病名は、致死性脳劣化症候群。複雑な思考をすればするほど脳が劣化し、やがて死に至る不治の病。生きたければ、作家という仕事を辞めるしかない。医師に宣告された夫は妻に言った。「どんなひどいことになっても俺がいる。だから家に帰ろう」。妻は小説を書かない人生を選べるのか。極限に追い詰められた夫婦を描く、心震えるストーリー。
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「致死性脳劣化症候群」という、複雑な思考をすればするほど脳が劣化し、やがて死に至るという不治の病に冒された妻。小説家という職業は、この病気と最も相性の悪いものだった。妻は書かない人生を選べるのか、現実に追い立てられる夫婦の行く末とは……
本作は、不治の病にかかった妻の物語であるside:Aと、side:Aを受けて描かれたside:Bの2部構成となっています。Side:BはSide:Aを描いた小説家のストーリーになっているのですが、最後まで読み進めると、Side:Aをフィクションとは思わせないような構成と、綺麗ごとでは片付けられないような現実の描写の生々しさが読者を引き込んできます。「実は作者の実体験で、ノンフィクションなのではないか」と思わせるほどの構成は圧巻です。何度も読み直したくなります。
有川浩先生の入門編としては少し重めかもしれませんが、面白いので是非読んでいただきたい作品です。
感情タグBEST3
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小説家のストーリー。
小説だからフィクションだと分かっているはずなのに、読んでいくうちにどこまでが本当でどこから創作なのか曖昧になっていき、それが心地良かった。
"猫、剥げかけ"
"あたしのために彼が生きろと祈る"
この2つの表現がすごく印象に残った。
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本棚整理中につき再読 168
新井素子の中期の著作を彷彿させる。
そう言えば著者は新井素子のファンでしたね。
私にとってはホラーでした。度が過ぎる愛は狂気。
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柄でもないので、恋愛小説はこれまで選択肢に入ってませんでしたが、薦められて読んでみました。
SideAは思考すると死に至る奇病を患った女性作家の話。
SideBはふとしたきっかけで出会った自身の熱烈なファンを夫に持つ女性作家の話。
SideA:夫との出会いをきっかけに小説家として羽ばたいていくシンデレラストーリーと纏わりつく不運と不遇の狭間で壊れていく彼女の心…執筆を続ける=思考する、死を受け入れて小説を書くのは誰のためなのか。そしてそれを受け止める夫の気持ちに目頭が熱くなりました。
SideB:ふとしたきっかけで出会った自分のファンだと言う男性との出会い。好意を持ちつつも、小説家としての自分が好きなのでは…?と不安な彼女。そんな不安もさらっと打ち消してしまう彼の包容力に惹かれない女性はいないかな。そんな彼に襲った病魔。彼が少しでも長生きできるようにと気遣う彼女に「君を甘やかすのが人生の目標」だと死の淵に立ってもなお、彼女を愛する言葉にこれまた目頭が熱くなりました。
猫、剥げかけ
君に会う前から君が別格だった
なかなかこんな恋愛はできないなぁ、と小説ならではの世界観を堪能しました。
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これどこまでが彼女が書いた物語なんだろう。一つ目の話と二つ目の話は全くの別物の話だと思っていたけど、一つ目の話は二つ目の話の主人公の‘’彼女”が書いた物語で、その対になる物語が二つ目の物語だけどどこまでホントなんだろうか。これは有川浩さんが読者を騙しに来てる。こういう私たち読者が困惑しているのを有川さんは「してやったり」というリアクションをとっているに違いない。
とにかく二つの物語に出てくる女性たちの執念や執着が凄まじかった。二人とも控えめな性格ではあるけれど、芯が強くて譲れないものがあって、好きなことには曲げられないものがある。大事なもののためなら多少の犠牲は厭わないし、大切な人のことを悪くいうのであれば、元々の性格なのか、豹変したのか、別人のように怒り狂う始末。パートナーに対してあんなにむき出しの愛を向けられるものかと。度を超えて依存にも見えてくる。パートナーが危篤の状態だと誰しもこうなるのかな。見開き1ページの呪いのような文面は恐ろしかった。
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お互いのことが狂おしいほど大好きだということが伝わってくる。なんて素敵な夫婦なんだろう。こんな人と夫婦になりたかった。
言葉使いが素敵で、話の展開も読みやすくて、すっと文章が頭に入ってくる。自分に合う作者さんなんだろうなと思った。
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自身の経験と重なる部分が多くて、side bでは特に常に涙をぼろぼろと零しながら読んでいた。登場人物の名前が出てこずにあたし、あなた、で物語が進んでいくのでそれも自分と重ねやすかったり、感情移入しやすかったりする理由だったと思う。愛だな〜、素敵だな〜と思う部分がたくさんあったから、将来またこれを読み返して、将来の自分にこの感覚を忘れずにいてほしいと思った。
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セラーというタイトルだけあって、読みやすい。最強でした。こんな夫婦になりたいなと思いました。いまからでも出来そうなことは今やるしかないと思いました。こんな生き方、最後の迎え方を目指したい。
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初めて最後まで集中して読んだ小説です。読み始めたら、有川さんの書く文章が好きすぎて止まらなかったです!!これから有川さんの本を全制覇したいと思いました!
作中作がいっぱいあったので、展開が全然読めなかったですwww
小説家の妻と夫の言葉の掛け合いが面白いのと、2人ともお互いに好きな人だけしか見えてないのが尊すぎた!!妻の性格がどストライクで好きです!
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すごく好きな文章で、読む手が止まらなかった。
普段はあまり作家で本を選ばないが、この作家さんの本は他のものも読みたいと思えるそんな素敵な本だった。
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ずるい。ずるすぎる。
学生時代に出会って、もう5度目の完読。
何度読んでも、必ず泣いてしまう。
展開は分かっているのに。
描写も分かっているのに。
ずるい。本当にずるい。
有川浩先生はどうしてこうも人を泣かせることが上手いのか。
植物図鑑も旅猫リポートもレインツリーの国も泣いたぞ?
どうしてくれるんだ。
次は何を読もう。
次こそは泣かないぞ。
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「余命3000字」という名前に興味を持ち、手に取った作品。3000字とは彼女に残された文字数。思考すればするほど死に近づく病を患った作家の女性とその読者で書くことが苦手な男性の姿を描く。sideA とsideB 、2つのストーリーからなるこの作品だがその2つが合わさって1つの意味を持つ。そんな、涙なしでは見られない感動の物語。
何故か、「やられたぁ」感が
ヤッパリ有川浩さんのお話は面白い。
死と直面しているのに、フッと吹き出したくなるセリフが飛び出したりして、読後も軽やかさだけが残り、まだ続きがありそうな気さえしました。
共感。
たしか、どこかのHPでなける作品ということでお勧めされたいたので、買ったものだった。
たしかに、じわっとくるが、どっちもだんなが完璧すぎて、あんな男がどこに転がっているものか、不思議に思う。
恋愛どうのというよりも、2話目の旦那の会社での浮きっぷりとか、それでもいいと割り切っている感じが自分と似ていて共感が持てた。
だんなが入院して事故の対応を第三者に丸投げしてることを親族から非難されても、その理由を親族に真実を告げなかったことも。
最近、それに似たことが身近であって、私も同じことを思って、同じことをした。
だから、貪欲に痛みも苦悩も自分たちだけのものにする、その屈折した気持ちがものすごく理解できた。
物語の締め方に脱帽
サイドAで涙が溢れてくる物語に心を掴まれ、サイドBにてさらにその意味に深みが含まれ、そしてあの終わり方。完全に物語に魅了されました。まさに、本書に書かれているように有川さんは『書く』才能をもった作者というしかありません。この作品を『読む』読者として関われて良かったです。
Posted by ブクログ
読み終えた瞬間、世界が180度ガラリと変わり、全身に鳥肌が立った。
単なる闘病記だと思い読み進めていたけど、まんまと著者の巧みな罠にはまってしまった。
彼女が命を削ってまで小説を書いたのは、単なる作家の業だけではないだろう。自分を忘れてほしくない、夫の心に永遠に住み続けたいという切実な願い。そして、最高の読者である夫への「究極の贈り物」だったのではないか。
私の家族も病を患っているため、「共白髪まで一緒にいたい」という言葉や、「人間が無条件に優しくなれるのは、相手の死が目の前にぶら下がってから」という一節が、残酷なほど心に突き刺さった。当たり前だと思っていた日常や未来が崩れ去っていく痛みは、他人事とは思えず、読んでいて苦しく目頭が熱くなった。
ページを埋め尽くす「あなたが好き」「覆れ」という言葉の羅列は、運命を呪う叫びであり、同時に、愛する人を守りたいという祈りや願いそのものだったのではないだろうか。
そして、sideBのラスト。タイトルの意味が明かされる台詞に、ブルブルっと鳥肌が立つほど驚かされた。。虚構と現実、そのすべてが繋がった瞬間、彼女の強い思いが容赦なく心に飛び込んでくる。
命を扱う重いテーマでありながら、不思議とあたたかい余韻が心に残った。ベタだけど真っ直ぐな愛情が心地よく、とても良い本に巡りあえた。\(^o^)/
Posted by ブクログ
どこからが物語でどこからが現実なのか、その境界が曖昧で、読みながら何度も揺さぶられた。作り話のはずなのに現実のように感じられ、何度も涙がこぼれたのは、そこに込められた想いがあまりにも真っ直ぐだったからだと思う。
タイトルの「ストーリー・セラー」は“物語を売る人”という意味だが、単なる作家だけでなく、語る人・受け取る人すべてを指しているように感じた。物語は受け取る側が信じた瞬間に“本当”になる。
だからこそ、この作品では現実とフィクションの境界が揺らぐのだと思う。
ラストの言葉も、それが物語だけのものなのか現実にも通じるのかは明かされない。その余白があるからこそ、読後もずっと考えさせられる。タイトルと物語が見事に重なった、構成の巧さが印象的な一冊だった。
Posted by ブクログ
小説を隠れて書いていた女性と偶然それを読んでしまった男性のお話。
物語を書いた経験のある身として共感できる部分が多かった。自分が書いた物語を心の準備もできずに読まれるのは最大級の恥辱という意見には頷くしかない。そして、自分しか読まない小説と、世間に向けた小説では精神的負担が全く違うということも一貫して描かれていた。
女性が家族から苦しめられていたのが印象的。仕打ちが理不尽すぎて逆に不自然に感じてしまい、あまり作品に没入できなかったのが悔しい。
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自身が親の介護に向き合ってることからキツい描写のあるside Aはしんどかった
BもAに劣らず「喪失感」がすごい
対になった二つの「小説」を愛した者たちのお話
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全体を通してSideAの方が面白かった。読んでいて、文体というか表現というか、内容よりも文章に価値があるような本だった。
またSideBでは、女性が夫を看取るのを避けたい気持ちから、落ちたら大変な怪我を追うような階段をわざと手すりを使わずに降りていく様子がとても印象に残った。自分も、大切な人が自分より先に無くなる状況に陥ったときに、後追いをしないで生きていけるのかと考えさせられる内容だった。
さらに知恵袋の解説で、ストーリー・セラーは、「もしかして有川浩の夫も...」と匂わせる形で二重の作中作を描いているという考察を目にした。これが本当に衝撃的だった。ここがいちばん面白いと思う。今のところネット上に有川浩さんの夫婦間にストーリーセラーのような事実は公開されていないが、本当のことを読者に匂わせるだけで、現実と小説の曖昧さが強調される最後の一文が衝撃的だった。
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小説なのですが、リアリティを残す締め方が気持ちをぐっと引き寄せますね。Aside、Bside共に、主人公と関わる人への愛情と憎悪の振れ幅もあって面白かったです。
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小説家の奥さんとそれを支える旦那さんが平和に暮らしている中で余命わずかの病気に罹る話。
「こういう話を書いたよ」というのがマトリョーシカのように続くイメージ。
フィクションと分かっていてもSide:Aでは涙腺が緩んだ。電車の中だったのに危ない。
言葉選びが綺麗で読みやすく感動する内容だったが、何か少し物足りなさがある。短編だから入り込む前に終わってしまうからか?
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SideAとSideB
2篇からなる作家の妻を支える夫のストーリーで両方とも良かった。
誰かを好きになる瞬間は、正気じゃない。正気じゃないから気の迷いもたくさん生まれる。(P185)
「阪急電車」以来の有川先生。
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これも素敵なの。
二つの物語が一つになっていて、結末は同じだけど登場人物と属性が違うだけでこれだけ物語が変化してしまうのかと頭を抱えてしまった。
有川浩さんの凄さを実感した一冊。
本は読むことはできても書くことはできない。その事実に嫉妬してしまう人たちがいる。作家さんって本当にすごいんだと思ったし、妬み僻みの恐ろしさを実感した。
ちょっとだけ、私も書ける側の人間だったらな、と想像してしまった。
そんな一冊です。
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よい 大切な人の死に直面した二人の物語。
一本目は作者、二本目は配偶者がそれぞれ対象。
一本目のほうが好きかな。二本目は叙述が凝っていて、少し考えさせる構成になっていて、それはそれで面白い。
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闘病生活について描く上で、互いの心の内を考えながら進む繊細な動きがとても好きでした。
sideAとsideBのつながりに関しては1冊に収まることがとても似合う構成となっており、中編2つって珍しいけど素敵だなと思いました。
Posted by ブクログ
SideA:小説家である妻が不治の病に侵される話
SideB:女性小説家の夫が病に侵される話
正直なところ、どこまでがフィクションかよく分からなかった。
Aで妻が亡くなってるのは描写されているが、
Posted by ブクログ
おもしろかったです?Side:Aが作り話で、Side:Bが本当の話?よく分からないながらも、ふつうに読みやすくて、楽しめました。結局、Side:Bがどこまで本当でどこまで作家の想像なのか。なーんて話をしちゃうと、小説すべてが作家の想像の賜物なんですが。私たちは本当か嘘かなんて関係なく、作家の描く文字の海を泳ぐのです。彼女の想像力があれば、Side:Bの結末が現実だとしても、きっと問題なんてないんでしょう。ノンフィクションに「これはフィクションかもしれません」と書かれているような心地です。結論、分からん。
Posted by ブクログ
自分の死の代償に物語を書く。脳を使えば使うほど、生命維持が劣化していって寿命が縮まってしまう。しかし、自分を好きになってくれた夫は、私の本の大ファン。こんな状況で人間はどんな決断を下すのか。
日々、死というものが目前に迫りつつある中で、ただボーッと過ごすだけの延命を望むのか、それとも作家として自分らしく生きるのか。
Posted by ブクログ
これは…どう解釈すればいいのか…⁇ 作家の妻のキャラクターが作者そのもののように思えます。side:Aの妻が複雑な思考をするほど死に近づく病になってしまう話は作家の妻による小説だと思うのですが、side:Bの夫が病に倒れる話は読者によって解釈が変わると思いました。私は作家の妻が自らの身に起こった、夫との出会いから彼が交通事故にあって病が発覚したことまで全部本当のことを、物語という形にしたのだと思いました。そして物語の方で明言を避けた夫の死という結末を避けるために逆夢を起こそうとしているのだと…。
Posted by ブクログ
小説家の妻とその夫 sideAとsideBで展開。小説家として、夫婦として。ただひたすらの純愛で、ある単語だけで埋まるページの真相を知ったときはとても切なくなりました。
どこまでが現実で、誰の物語なのか。最後の最後まで惹き込まれました。