あらすじ
妻の病名は、致死性脳劣化症候群。複雑な思考をすればするほど脳が劣化し、やがて死に至る不治の病。生きたければ、作家という仕事を辞めるしかない。医師に宣告された夫は妻に言った。「どんなひどいことになっても俺がいる。だから家に帰ろう」。妻は小説を書かない人生を選べるのか。極限に追い詰められた夫婦を描く、心震えるストーリー。
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「致死性脳劣化症候群」という、複雑な思考をすればするほど脳が劣化し、やがて死に至るという不治の病に冒された妻。小説家という職業は、この病気と最も相性の悪いものだった。妻は書かない人生を選べるのか、現実に追い立てられる夫婦の行く末とは……
本作は、不治の病にかかった妻の物語であるside:Aと、side:Aを受けて描かれたside:Bの2部構成となっています。Side:BはSide:Aを描いた小説家のストーリーになっているのですが、最後まで読み進めると、Side:Aをフィクションとは思わせないような構成と、綺麗ごとでは片付けられないような現実の描写の生々しさが読者を引き込んできます。「実は作者の実体験で、ノンフィクションなのではないか」と思わせるほどの構成は圧巻です。何度も読み直したくなります。
有川浩先生の入門編としては少し重めかもしれませんが、面白いので是非読んでいただきたい作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ずるい。ずるすぎる。
学生時代に出会って、もう5度目の完読。
何度読んでも、必ず泣いてしまう。
展開は分かっているのに。
描写も分かっているのに。
ずるい。本当にずるい。
有川浩先生はどうしてこうも人を泣かせることが上手いのか。
植物図鑑も旅猫リポートもレインツリーの国も泣いたぞ?
どうしてくれるんだ。
次は何を読もう。
次こそは泣かないぞ。
Posted by ブクログ
「余命3000字」という名前に興味を持ち、手に取った作品。3000字とは彼女に残された文字数。思考すればするほど死に近づく病を患った作家の女性とその読者で書くことが苦手な男性の姿を描く。sideA とsideB 、2つのストーリーからなるこの作品だがその2つが合わさって1つの意味を持つ。そんな、涙なしでは見られない感動の物語。
Posted by ブクログ
とにかく、めちゃ良かった!
一作目の話が特に。
主人公の女性の、小説を書くことに対する態度や信念が、自分が哲学をするものと重なりました。
はじめから流れるような文章に身を任せて完読しました!
優しくも力強い愛を感じる本です^_^
Posted by ブクログ
旦那と妻のニ視点で物語が進んでいくなかで、どちらからも愛をたくさん感じたし、結局なにが本当でなにがフィクションなのかわからないところも面白かった。
side:Bがすき。わがままを聞くのが生き甲斐ってところにすごく愛を感じた。
Posted by ブクログ
中学生の時に図書室で読んだのが初めて。
本屋で見かけて久しぶりに読んだけどやっぱりすきだ。ぶっ通しで読んでしまった。
aもbも両方素敵なんだよ
大切な人との時間は大切にしていきたい。
Posted by ブクログ
普段本を読まない妻からすすめられた。予想通り当人はまだ読んでいないらしい。借りたその日に読み終え感想を求められた。
「途中サイコ系かと思ったけど、良い裏切り方をさせられたよ。」
「何言ってんのかわからないけど、好きなインフルエンサーがおすすめしてたから買っちゃった。」
そういうとこだ。結局君は読むのかい?
何気ない夫婦のやりとりが微笑ましく感じた。
そんな作品だ。
Posted by ブクログ
自分自身が化学療法しか方法のない病気をしたことがあるので、SideBはなかなかリアルに胸が押しつぶされそうになりました。
自分のときは自分で検査に行き、自分で医師から告知され、すべて自分で決めたので、配偶者は言われたようにするだけ。だったので、ここまで寄り添ってもらえるのは少し羨ましかったりした。
Posted by ブクログ
本を読む手を止めるのが惜しかった
読み終わったあとに「この話ってどこまで本当なんですか?」と真っ先に浮かんできた。そのくらい境界線が曖昧になったところが引き込まれた
Posted by ブクログ
小説家の妻と夫の二つの話。夫婦愛、家族愛がテーマな作品。
どこまでがリアルなこの夫婦の物語なのか、妻の作品の物語なのか個人的にはあまり分からなかった。そこは少しもやもやした。しかし、そんなことはあまり気にならないほどこの作品には感動できる。妻の小説家としての葛藤、推しである作家でもあり大好きな妻を支える夫。2人の日々のやりとりや絆などに心が洗われる。
有川浩さんの作品は本当に読みやすく、感情移入しやすく書かれていると思う。日々の生活が忙しく家族との関係が疎かになっている人も多くいると思う。私自身も学業やバイトを理由にあまり帰省しなくなった。どちらかというと夫婦愛のほうが強い作品ではあるが、この本を読んで改めて家族の良さを再確認してみてはどうでしょう。
Posted by ブクログ
2024/8/31
普段読まないタイプの作品だが、有川浩先生とあって手に取った。
夫の優しさと妻の優しさそれぞれを感じるとともに、人が恋をし、愛を与えることの根底を知ることができた。
人生で読む事が出来て良かった作品の一つ
何故か、「やられたぁ」感が
ヤッパリ有川浩さんのお話は面白い。
死と直面しているのに、フッと吹き出したくなるセリフが飛び出したりして、読後も軽やかさだけが残り、まだ続きがありそうな気さえしました。
共感。
たしか、どこかのHPでなける作品ということでお勧めされたいたので、買ったものだった。
たしかに、じわっとくるが、どっちもだんなが完璧すぎて、あんな男がどこに転がっているものか、不思議に思う。
恋愛どうのというよりも、2話目の旦那の会社での浮きっぷりとか、それでもいいと割り切っている感じが自分と似ていて共感が持てた。
だんなが入院して事故の対応を第三者に丸投げしてることを親族から非難されても、その理由を親族に真実を告げなかったことも。
最近、それに似たことが身近であって、私も同じことを思って、同じことをした。
だから、貪欲に痛みも苦悩も自分たちだけのものにする、その屈折した気持ちがものすごく理解できた。
物語の締め方に脱帽
サイドAで涙が溢れてくる物語に心を掴まれ、サイドBにてさらにその意味に深みが含まれ、そしてあの終わり方。完全に物語に魅了されました。まさに、本書に書かれているように有川さんは『書く』才能をもった作者というしかありません。この作品を『読む』読者として関われて良かったです。
Posted by ブクログ
小説家の奥さんとそれを支える旦那さんが平和に暮らしている中で余命わずかの病気に罹る話。
「こういう話を書いたよ」というのがマトリョーシカのように続くイメージ。
フィクションと分かっていてもSide:Aでは涙腺が緩んだ。電車の中だったのに危ない。
言葉選びが綺麗で読みやすく感動する内容だったが、何か少し物足りなさがある。短編だから入り込む前に終わってしまうからか?
Posted by ブクログ
SideAとSideB
2篇からなる作家の妻を支える夫のストーリーで両方とも良かった。
誰かを好きになる瞬間は、正気じゃない。正気じゃないから気の迷いもたくさん生まれる。(P185)
「阪急電車」以来の有川先生。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ久しぶりに読み返した一冊。
昔読んだ時には感じなかった感動と熱さに、とても「やられた」!
もう内容も忘れていたけれど、あれは良い作品だったよなぁといつまでも思っていた自分に、ほらやっぱりそうだろ?と言いたくなるくらい、切ないけど本当にささる!!
Posted by ブクログ
夫婦の絆にしんみりくる。
一つ目のお話は妻が亡くなり、2つ目のお話は夫が亡くなる。
お互いがお互いを愛し、心の深いところで繋がっていているのが文章からひしひしと伝わってくる。
切なさもあるけど、人に優しくなれるお話でもある。
どこからが本当なのか、明らかにならないまま終わるのも印象的。
不思議な読書体験ができた。
Posted by ブクログ
泣ける泣けると言われすぎて泣けなかった…
マトリョーシカのような構成なので
どこまでが事実でどこまでが小説か見失いかけた。
2篇目の方が好み。
温かみがありながらも寂しく、
恋愛で弱った部分を寸分違わず刺してくるような
そんな鋭い一言に出会えるところが
有川浩さんの小説の魅力なのかなと感じる。
Posted by ブクログ
作中で「読むのが好きだったら、一回くらい書いてみたいと思うだろ」というセリフが引っかかりました。
わたしは小説を読むのが趣味になってもうすぐ2年経ちますが、まだ書いてみたいと思ったことがありません。
読書が好きな方は書きたくなるのが普通なのでしょうか…?
わたしはなんとなく書けない側の人間のような気がしますが(・ω・`)
そしてもしこの先、書いてみたい気持ちが芽生えて、運良く賞を取れたとしても、親族や旧友にはバレないように覆面作家としてデビューしようと心に決めました。
Posted by ブクログ
side Aとside Bからなる夫婦の物語
side Bの作家の作品がAなのかな?
フィクション性が強いAもいいけど、Bの愛する人がいなくなる現実感が感じられる方が好きだった
AとBで好み分かれそう
Posted by ブクログ
ずっと気になっていてやっと買えた。嬉しくて、本の中身も読みやすくて6時間ぶっ通しで読んでしまった。
あらすじを1つも見ずに読んだから、1つ目のお話を読んだ時に、かなり大ダメージ喰らいました。初めて本を読んで泣いたよ。2つ目のお話を読む時も身構えていたけれど、やっぱり少し泣いてしまった。
私の大切な人がずっと傍にいるなんて思い込みしないで毎時間毎秒大切に使って過ごしていこうと思えた本です。
Posted by ブクログ
SideAとSideB
ある夫婦を描いたストーリー。
Aが作家の奥さんが致死性脳劣化症候群という難病、脳で考えると寿命が縮まってしまう病と作家で有りながら最後まで闘病する姿を描き、Bでは旦那さんが交通事故での入院時に膵臓癌が見つかり闘病する姿が描かれている。
どちらも凄く愛を感じる事ができる。奥さんは最後まで旦那さんを愛し、旦那さんも最後まで奥さんを愛す。
最後のページでストーリーセラーに対になる話はこれで終わり。
査収して下さい。と編集者から、先生、旦那さん、最近事故に遭われました?
作者にやられた。作者らしい作風で幕を閉じる。
しかし、夫婦の愛情には想うものがあった。
Posted by ブクログ
私の好きなタイプど真ん中の男の人が出てくる話。理想が無駄に具体化してしまうからこういう話に出会いたくなかった気もする。
恋愛小説だから相手を好きになる動機とか、惚れ直す所とか出てくるのだけど、その度に同感でしかなくてびっくりした。幼少期の大半を有川浩の小説が占めてただけに、知らぬ間に価値観が染められてしまってたみたいだった。
Posted by ブクログ
本書の大きなテーマが「近い将来に身内が死ぬ」だと思う。夫婦や恋人、それに近しい魂の繋がりがある関係の人が死を宣告されたとき、自分はどう苦悩するのか。病気の進行を抑えられないもどかしさに苦悩し、死んだ後に声も顔もおぼろげになっていくことを想像して悲しくなると思う。
他人の死は自分の死より受け入れづらいことだと思う。自分が死ぬことは覚悟できるが、他人が死ぬことを許容できないのはどうしてだろう。現実味がないからだろうか。
AサイドもBサイドも幸せに最後を精一杯に生きていたと思う。病気にならなければと幸せな時間がもっと続いてはいたが、それはもしもの話である。2人は死を覚悟し、幸せに生き抜いたと思う。
Posted by ブクログ
見返りを求めずに尽くすことの難しさ、その優しさに応える謙虚さや感謝の言葉。お互いがお互いを大切に思っている気持ちがビシビシと伝わった。
見返りを求めず、相手の喜ぶ顔が見たいなんて思える相手は、同性であっても異性であってもなかなかいないからこそ、そこまで思える相手に出会いたいし、あわよくば相手にも自分のことを思ってほしいなと思った。
side Aは息がつまるほどに悲しく、愛情あふれる話。本当に読んでいる間は息が止まったかのように夢中になっていた。深い愛情があるからこそ、物語は切なさや悲しさがより一層増し増しだった。正直、あまりに悲しすぎてside Bを読むのに気が引けて、なかなか Bが読めずにいたくらいだった。
ただ、私は結末を読者に投げるタイプのラストはあまり好きじゃないなと思ったので☆は4つ!
Posted by ブクログ
最後の方分からなくなっちゃったからもう一度読みたい‼️でも本当に面白かったし泣けました。途中の同じ文字だらけのページとかはびっくりした!本当に有川浩さんのすごさがわかりました。
Posted by ブクログ
ずっと前に短編集か何かに収録されていて、感動したのを覚えていたものの、単行本化されてから読もう読もうとは思いつつ、読めていなかった作品。
Side AにしろBにしろ、それに出てくる夫に深く共感した。
話自体は、昔ほど感動できなかったのはなぜだろう。。
ただ有川ひろさんの作品をまた読みたくなった。
Posted by ブクログ
小説家の妻と読書家の夫という一組の夫婦を主人公にSideAとSideBで設定を180℃変えて綴られる涙腺崩壊必須の恋愛小説。SideAは妻がSideBは夫が病気で死に直面しながらどちらの立場でもお互い真摯に向き合い最後まで心から相手を愛しぬく姿が苦しいほど美しい。
私は全く内容を知らずに表紙に青いリボンをかけられてプレゼントみたいでキレイだったからという所謂ジャケ買いでこの小説を読むことになったけど実は私の彼はまさに奥様の病気が原因で死別していて読みながら私の知らない彼と彼の奥様の物語に置き換えてしまってなお一層色々な意味で胸が苦しかった。
私も人生の最後の時はこれほど愛してくれる人に側にいてほしいし逆の場合でも全く同じ気持ちで彼を看取ってあげたい。どこまでがリアルでどこまでがフィクションなのかが曖昧になっていてそこが作者の上手さでもあるわけだけど願わくばすべてがフィクションであってほしいと願わずにはいられない作品。