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「致死性脳劣化症候群」という、複雑な思考をすればするほど脳が劣化し、やがて死に至るという不治の病に冒された妻。小説家という職業は、この病気と最も相性の悪いものだった。妻は書かない人生を選べるのか、現実に追い立てられる夫婦の行く末とは……
本作は、不治の病にかかった妻の物語であるside:Aと、side:Aを受けて描かれたside:Bの2部構成となっています。Side:BはSide:Aを描いた小説家のストーリーになっているのですが、最後まで読み進めると、Side:Aをフィクションとは思わせないような構成と、綺麗ごとでは片付けられないような現実の描写の生々しさが読者を引き込んできます。「実は作者の実体験で、ノンフィクションなのではないか」と思わせるほどの構成は圧巻です。何度も読み直したくなります。
有川浩先生の入門編としては少し重めかもしれませんが、面白いので是非読んでいただきたい作品です。
Posted by ブクログ
これどこまでが彼女が書いた物語なんだろう。一つ目の話と二つ目の話は全くの別物の話だと思っていたけど、一つ目の話は二つ目の話の主人公の‘’彼女”が書いた物語で、その対になる物語が二つ目の物語だけどどこまでホントなんだろうか。これは有川浩さんが読者を騙しに来てる。こういう私たち読者が困惑しているのを有川さんは「してやったり」というリアクションをとっているに違いない。
とにかく二つの物語に出てくる女性たちの執念や執着が凄まじかった。二人とも控えめな性格ではあるけれど、芯が強くて譲れないものがあって、好きなことには曲げられないものがある。大事なもののためなら多少の犠牲は厭わないし、大切な人のことを悪くいうのであれば、元々の性格なのか、豹変したのか、別人のように怒り狂う始末。パートナーに対してあんなにむき出しの愛を向けられるものかと。度を超えて依存にも見えてくる。パートナーが危篤の状態だと誰しもこうなるのかな。見開き1ページの呪いのような文面は恐ろしかった。
何故か、「やられたぁ」感が
ヤッパリ有川浩さんのお話は面白い。
死と直面しているのに、フッと吹き出したくなるセリフが飛び出したりして、読後も軽やかさだけが残り、まだ続きがありそうな気さえしました。
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