【感想・ネタバレ】怪談のレビュー

あらすじ

「聞いていただこう、ホーイチ・ジ・イヤーレスの物語を──」円城塔

作家・円城塔が、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」を直訳!

ダン・ノ・ウラの戦いの物語を──最も悲哀の深いくだりであるから(「ミミ・ナシ・ホーイチの物語」)
オ・ジョチューは振り返り、そうして袖を下ろすと手で顔を撫でてみせ──(「ムジナ」)
スライド式のスクリーンを開け、そうして彼は見たのだったが、ランタンの光に照らし出された五人の寝姿には──首がなかった!(「ロクロ・クビ」)

日本という未知の国の物語を、英語読者に向けて語るハーンの流儀を再現すると、日本の言葉はただのアルファベットの連なりで得体のしれない音となり、読み手の前に呪文のように放り出され、全てが説明されるわけでもない。当然これは、英語読者にとって「読みやすい物語」ではなく「驚異の書」として受け止められたことだろう。(「訳者あとがき」)

1904年に英・米国で発表された「KWAIDAN」には、遥かかなたの異国「JAPAN」の物語が描かれた。
当時、本書を手にした読者は何を感じたのだろうか。
円城塔が白日の下に晒す、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」の真の姿。
待望の文庫化

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Posted by ブクログ

ラフカディオ・ハーンの名著を、鬼才円城塔が翻訳。当時、英語で紡がれ、英語人が受け取ったであろう得体の知れぬ異国の怪異譚を、英語人が受け取ったであろう印象と感興を日本の読者に想い起こさせるよう直訳。それは日本の昔話ではなく、異様不可思議な物語だった。併録の「虫の研究」、最終の「蟻」に至るや、驚愕。ハーン先生はこのような思想を持つ人物だったのか。僕にはついていけない。それにしても円城塔は日本語の達人!

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

日本人としては聞いたことのあるはずの定番の怪談話が日本語で書いてあるにも関わらず、読みながらどこの国の話だよと自然と思ってしまうような異質さを確かに感じられた。日本語訳された英文学を読んでいるときに内容を理解するのに一枚戸が隔たっているような感覚と同じと気がついた。この直訳調の翻訳は新しく、かなり面白い。もっとカタカナ語を増やしたらより面白そうである。(もっとも、そうなってしまったらもはやニンジャ・スレイヤーの世界であるが。)

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2025年11月13日

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