【感想・ネタバレ】暁星のレビュー

あらすじ

「ただ、星を守りたかっただけ――」
現役の文部科学大臣で文壇の大御所作家でもある清水義之が全国高校生総合文化祭の式典の最中、舞台袖から飛び出してきた男に刺されて死亡する事件がおきた。逮捕された男の名前は永瀬暁、37歳。永瀬は逮捕されたのち、週刊誌に手記を発表しはじめる。そこには、清水が深く関わっているとされる新興宗教に対する恨みが綴られていた。また、式典に出席していた作家は、永瀬の事件を小説として描く。ノンフィクションとフィクション、ふたつの物語が合わさったとき見える景色とは!?

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Posted by ブクログ

湊かなえさんの文章に引き込まれて一気読み。壮大な愛の物語でした。キーワードは「半分こ」。読後、胸がいっぱいになり、しばらく呆然としました。私自身の普段の心配ごとや不安な気持ちも、この「暁星」という物語に支えられて乗り越えられるような気がします。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まで読んだ湊かなえの作品の中で、間違いなく一番面白かった。前半の「暁闇」はノンフィクションという体裁で進み、怪しい宗教団体に搾取され続けた青年が、どうして教団の幹部を殺すという絶望的な選択に至ったのかが描かれる。読んでいて胸が苦しくなるような、救いのない物語だと思っていた。

しかし、後半の「金星」を読み進めていくと、前半で語られた出来事がそのままの“悲劇”ではないことが分かる。暁の物語にも実は深い愛情があり、どれほど厳しい環境でも互いを想う気持ちが確かに存在していたことが明かされる展開が本当に良かった。
ノンフィクションとフィクションという二つの形を使い分けながら、一つの真実に収束していく構成も見事で、読み終えた時には作品全体がきれいにつながっていく感覚があった。

結末は決して「完全な救い」があるわけではない。でも、2人にとっては確かに未来へつながる終わり方だったと思うし、読後感としてはどこか温かさが残る愛の物語だと感じた。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

安倍元首相事件をモチーフに書かれた作品。
宗教二世の復讐劇という点まで同じ。
シンプルなストーリーで読みやすく、それでいて飽きさせないように二段構えで技巧的な構成で綺麗にまとめた手腕はお見事。とても面白かったです。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

読み終えても、ずっとこの作品の中にいる。
心に溢れている感情を、私には言葉にすることができない。

ただ、星を守りたかっただけ

その言葉がすべてだった。

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2025年11月28日

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今の時代を切り取ったような話です。まさに似たような事件があったので、関心が高い人も多いのではないでしょうか。湊かなえ曰く『日本を震撼させた事件をおもしろおかしく書いたのではありません。自分の人生にもそちらへ続く分かれ道があったからこそ、誰にでも起こり得ることではないかと、どんな反響も受け止める覚悟を持って書きました』と言っています。

物語の前半は、主人公である永瀬暁の「手記」となっており、暁の目線で描かれます。暁は文部科学大臣を刃物で襲い殺害。その動機は、母親が多額の献金をしていた愛光教会に恨みがあり、大臣がその教会と深い関わりがあると判断したためです。
物語の後半は、白金星賀という小説家の「小説」になっています。前半のノンフィクションと後半のフィクション、このふたつから一体何が見えてくるのでしょうか。

暁の手記と金星の小説では、暁に対する印象が変わってきます。暁の手記で隠されていたものは、深い⚪︎でした。一面からでは到底理解することができない人間というものが、湊かなえの言葉のピースで組み立てられていきました。社会的に苦しい内容ですが、その⚪︎の深さに震えています。(⚪︎は、ぜひ読んでご自身で感じてください!)

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2025年11月27日

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オーディブル先行で2回聴きました。文庫本も買いたい。タイトルの意味がひしひしと伝わる素晴らしい作品でした。

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2025年11月26日

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ネタバレ

Audibleにて。元総理の襲撃と〇教会の事件は、未だに記憶に残っているが、その事件をベースにした「設定」を犯人の手記(ノンフィクション)と小説家(フィクション)の2つの視点で描いた作品。親がはまった宗教団体との確執の描き方がすごく迫力と現実味があって、読み応えがある。結局、手記と小説は2つで1つの作品となり、その集約の仕方に感動する。湊さんはこれまで多くの作品が直木賞候補までだったが、今回は狙えるのではないかと思った。イヤミスでもない、実録のようなこの事件がどう影響するかはわからないけど。おすすめ。

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2025年11月25日

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誰もが連想する現実の事件。フィクションとわかりつつ、心の中は現実の事件の裏側的な感じで読み進めてしまう。確かに犯人側にも事情があったであろう。しかし殺人なのだ。なにをどう言おうと弁解の余地はない。まずは当たり前にそう思う。半分を過ぎた頃には、この美しい心の持ち主が何故?とは確かに思う。もっと違う解決方法はなかったのかと。とても残念だと。でもあと半分また別視点でなにを語るのか?もう事件は語り尽くされたのでは?

予想外の展開

暁の空に輝く金星。星型のクッキー。
彼はただ星を守りたいだけだった。

夜明け前が1番暗い。ただ陽は必ず昇る。
暁と金星の元に陽が昇る日を待たずにはいられない。

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2025年11月22日

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終始、暗雲が垂れこめたような暗さを感じていたが、読み終わった後の満足感は高い作品だった

さすが湊かなえ作品

全てを読み終えて、全てが繋がってから、もう一度読み返したくなる

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2025年11月18日

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Audibleにて。
実際の事件を思い浮かべて聞き始めたが、
さすがの湊かなえさんでした。
男性パートの後の見方を変えた女性パートに話は移り、切ない答え合わせをしているようで引き込まれました。
宗教2世の子供達は親に振り回され、頑張って自分の力で自分の幸せを掴もうとするのだけど、ことごとく振り回され続けてしまう展開に苦しくなる。
聞き終わったあとにもう一度答え合わせがしたくてもう一回聞き始めました。書籍の方でもしっかり読んでみたくなります。

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2025年11月17日

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オーディブルで聴きました。
湊かなえ氏自身、一番好きな作品と言っているので、期待大で聴き始めた。現在、山上被告の裁判が進行中ということで、ここに合わせたのかな、被害者側のストーリーを伝える社会派作品なのかな⋯などと思っていたら。。違った。パワフル。むちゃむちゃ凄い作品。

女性側のストーリーになってからの伏線回収、答え合わせが怒涛。なるほど、膝ポン!というのではなく、そうだったんだ⋯、だからあの時⋯涙。

毎度、湊かなえ氏の作品を読む度に、この人の毒親描写が上手すぎて、彼女は毒親のもとで育ったのではないかと思わされる。今回の毒母は群を抜いて毒性が強く、聴くのが辛かった。

文壇の世界にも様々な圧力がかかって、純粋に作品の内容で受賞が決められているわけじゃないらしいとは思っていたけれど、もっと悪意があって生々しいものなのだと確信。どの世界もそうなのだろうけれど。

聴いているだけでは漢字がわからなくて、これは紙の本でも読まなくては、と思ったら、まだ出ていないではないか。オーディブルすごい。
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もう一度聴くと、切なさが指数的に加速。もう初っ端からウルウルしてしまった。ドライアイの人にお勧めします。

最初は気に止めてなかったけれど、終章のところで、「金星を聴いた後で聴くことをお勧めします。」と言っているではないか!

もし映像化されるなら(本もまだ刊行されてないけど)、ちゃんと作って欲しい。キャストにお金かけすぎて、プロット端折るとか無しでお願いします。

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2025年11月18日

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モデルとなった事件が有名すぎるためか、そのイメージに引っ張られてしまい、本編に集中できなかった感はある。

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2025年11月30日

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あの事件思い出す。
そして、宗教二世の苦悩。幸せになれないふたり。
希望はあったけど辛いお話だった。

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2025年11月30日

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audible⭐︎
宗教2世の苦痛、弱者からお金を吸い上げる宗教団体の怖さ。人の目の怖さ。とにかく怖い、痛いと感じた。これはフィクションではないか⁇

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2025年11月27日

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ネタバレ

最初からは想像できない結末。さすが湊かなえ。読めば読むほど暁のことが好きになっていった。暁目線と星香目線でひとつのストーリーが語られる。6回しか会ってない2人だが、大事なのは回数ではなく、濃さ。宗教に翻弄された2人だが、この2人が出会えて良かった。辛いことが多かったが、こういう存在がいて、暗闇ばかりではなかったのだとほっとした。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

前半には想像もしなかった後半の表現が重なることで、繊細な世界が見えるようになる。
素晴らしい。
audibleで2人のナレーションがあることが珍しいと,感じていたのだけど納得。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

 オーディブルで聴いたのだが、とても良かった。最近の湊かなえはイマイチと思っていたのだが、これはノンフィクションの題材を得て、とてもいいフィクションになっている。なんだか現代文学としてもいい感じだ。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

467
Audible
読書会宿題本。1回聴いただけでは内容は理解できなかった。心に残った言葉「夜明け前が1番暗い」瀬尾まいこさんの“夜明けのすぜて”が思い浮かんだ。みんなはどうだったのか気になる。

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2025年11月21日

Posted by ブクログ

誰もが驚愕したあの出来事を湊かなえワールドへ
事件の裏には幸せになれない悲しい男女2人の物語が、、、

宗教二世はいつまでも逃れることができなくて、当たり前の生活も当たり前ではなく、普通の幸せってなんでしょ?って辛くなる。ことあるごとに母親が出てきてお金お金お金

犯人の手記からガラっと真相へと読みごたえ満載でした。

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2025年11月19日

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読んだ人全員があの事件を思い出すであろう出だしだが、中身は湊かなえ
犯人として捕まった青年の手記
事件を起こした理由や方法

ガラリと変わるのは2章から
せつない

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

物語の始まり、主軸となる事件は、日本を震撼させたあの事件にそっくりな殺人事件。
その事件に至るまでの経緯を2人の人物の手記をそれぞれ読み進めていく形で紐解いていきます。
最初はあまりにも実際の事件に酷似していて「こんなにそっくりで大丈夫なのかな?」と、驚きと不安であまり話が入って来ませんでした笑
れくらい似ています。
ただ、物語が進むにつれて予想外の展開や広がりにどんどんと引き込まれていきました。
救いようのない絶望感…
この道を選ばざるを得なかった主人公の人生を思うと、暗澹とした思いになりました。
そこで納得したはずなのに、次の人物の手記を読み進めていくと全く違った角度から事件を知る事になります。
同じ事件のはずなのに、全く違った印象や意味合いを持っていきます。
散々知って分かった気になっていたのに…
真実とは一体何を指すのだろうか。
実際の事件もこういった事がたくさんあるのかもしれない。
そして見方を変えれば自分の側にも気が付いていないだけで、この物語のような事があるのかもしれない…。
深く考えさせられました。

この手記の2人にも、暁星、金星のように、小さな光が宿っていてくれますように。
そう思わずにはいられないお話でした。

それにしても、湊先生は本当に毒親の解像度が高い笑
今回出てくる毒親達も読んでいて本当にリアルで、腹が立つ程酷かったです。
こんな思いをする子が1人でも減ってくれますように。
親の偏った信仰により、不遇な状況に置かれた子どもが1人でも減ってくれますように。
そう願わずにはいられません。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

安倍首相暗殺事件をモチーフにした宗教と有名人殺人の話。あんまおもんなかった、のか、難しすぎてあわなかった。

実行犯の男は大作家の息子。次男は心臓の病で長く生きられないと言われてた。母親が入信して弟は生き延びる。父親は直木賞的な賞が取れずに狂う。主人公が励まそうと書斎に入ったらワープロの電源コード抜いてしまい、右耳が聞こえなくなるまで殴られる。
翌朝、生まれ変わったような良い父親になり、首を吊る。長男が発見。宗教に毒された家庭になる。

長男は消防士になるもイジメで脱退、町工場に働く。父親を受賞させなかった文部科学大臣の元作家。ソイツも宗教のボス。なので高校での表彰式で刺し殺した。その話を獄中から出す手記の形式で書くのが前半戦。

後半は、その長男と同い年で同じ宗教の母親を持つ屋敷の娘が主人公。フィクションとして描かれて名前も少し違う。娘の母親も宗教にどっぷりハマる。おかげでいじねられたり散々な人生だが、長男と出会って逃避行するなどして救われる。文部科学大臣殺害を計画するも、長男が先に実行して自分は救われる。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

宗教2世の話ってこうも悲しくて辛い。

親が悪質な宗教にハマってしまうと親のエゴで物事が決まってしまう。自分にはもっと違う未来が選択出来たのではないか?自由が利かない子供達。
そして子供達は学校や社会で自分が歪な存在だと知ってしまう。
それでも家族を見棄てることができない、、
ことごとく悪質な宗教は人を孤立させる。

あの事件をモデルにした物語であるため後味は悪いし、決して人を殺すことは許されないことである。
それでも弱者の叫びを世間がやっと認識できた事件でもある。

こんなにも宗教の闇は根深いものだったのか。
この闇に立ち向かい、努力して抜け出そうとする主人公たちの金星が綺麗だった。
フィクションではあるが彼が守りたかったもの。
半分この意味。

もっと弱者が報われる世の中になりますように。
悲しいが考えさせられる本でした。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

11/29皆さん使ってらっしゃるからAudibleデビュー。漫画読みながら聞いてたら全然展開についていけなかった(全部自分が悪い)。正直、夢中になれなかったからもあると思う。女性のパートに入ってちょっとして脱落。本で読むと違うのだろうか。機会があれば本で読もうと思った。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

誰もが3年前の事件を思い出すくらいそのままの内容だったから、正直複雑な気持ち。宗教に大金を費やす母親と苦悩する二世達。前半は男性側からの視点で後半は女性。後半からは深みが増すので、序盤の答え合わせに胸が締め付けられる場面もあった。宗教でもなんでも誰かに、何かに依存しないと生きていけない人は破滅してしまう。怖い、悲しい。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実際の事件とこの物語を混同してはいけないと思いつつも、宗教に人生を翻弄される苦しみや憤りを物語を通じて目の当たりにしたら、犯人に同情してしまう…
犯人の手記と、作家が紡ぐフィクションが合わさることで完成する構成に、最後まで惹きつけられました。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

久しぶりの湊作品。
物語はちょうど裁判が始まりましたが、安◯総理殺害事件をモチーフに宗教団体に傾倒する親を持つ男女がそれぞれ主人公となり、それぞれの視点で宗教との関係、事件に至るまでの経緯、お互いへの想いが描かれる。
事件自体よりも宗教に傾倒した親のもとで育つ子にスポットライトが当たり、その苦しむ心情が切ない。
スッキリはしないけど、スイスイ読めるお話。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

なるほど面白い。要所要所であの事件をモチーフにしているとは言え、内容はオリジナル。とは言え、これだけ多種多様な問題が同時並行で総攻撃を仕掛けてくるようなストーリーを描け、かつ、読めてしまうのは、あの事件が現実として存在したからこそなんじゃないかと思う。事実は小説より奇なり、とはよく言ったもので。
行した時間軸が完全に章を分けて書かれているので、ある程度一気読みしないと面白さが半減しそう。読み手が先に読んだ章を覚えていることが前提。小説を映像化して読む人の方が有利だろう。時間軸が重なったとき、映像は合成できるからね。
途中、ほんと吐き気がするほどしんどくなる場面も多々あるが、最終的にはちゃんとトニックで終止する感じ。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

どこかで聞いた事件の話。
ベースはそうなのだが、湊かなえさんらしい物語。
イヤミスは薄めだが、引き込まれる作品だった。

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2025年11月14日

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