ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 犯罪者 上

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    刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけてきていただけあり、読んでいて映像があり、ありと浮かんで来てスピード感のある描写が続く。
    東京郊外のとある駅前で起きた。無差別殺人事件のように見えて、その背景にある隠蔽された企業の秘密が絡んでいる。それに加えて産業廃棄物の問題も絡み、社会問題も見え隠れする。
    とにかく先が気になって読むことが止められないくらい面白かった。下巻は、この犯罪と企業の隠蔽体質をどのように暴露するのか、もしくはどうにもならない社会構造に失望させられるのか、続きが気になってしょうがない。

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    2026年09月27日
  • 透明な夜の香り 赤い月の香り

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    ネタバレ

    天才調香師 小川朔、香りシリーズの2作目
    今回は赤い月に囚われた男の子が洋館で働くことになり、様々な悩みや欲望を持った客が朔の元に現れる。今作では加害された人、加害した人、加害していた人達の記憶を象徴する香りが多い。ただ、嗅覚と記憶は密接に関係しているからと言って、同じ香りでも同じ記憶を共有できる訳ではない。そして加害を愛として執着する人間もいるようだ。

    1作目後半で一香は朔の仕事部屋に並ぶ香料瓶になりたいと願望を意識する。ガラス瓶に閉じ込められて朔の目に晒されたいという欲望を。
    2作目で朔さんは一香を想って香料瓶に洋館の庭の香りを詰め、一香の書いたラベルを貼り付け並べて、きっと眺めている。部分的に一香の願いは叶えられていることに気づいた時、彼女はどう動くんだろうか。

    今作も五感を刺激するお話だった。

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    2026年09月27日
  • 泣くな研修医

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    私も医療職に就いているだけに、なかなか心がギュッとなる場面がいくつもあった。主人公の言うこともすごく理解できる、でも、周りの現実的な意見も正しいことの一つなのだ。もどかしいけれど、人の命を救うことには綺麗事だけでは解決できない悔しさ、助けたい思いだけではぶち当たる壁がたくさんある。この本を胸に抱いて、私も人と向き合っていきたい。

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    2026年09月27日
  • 風に恋う

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    いやぁなんと青春なんでしょう。少女漫画読んでるみたい。思わず2日で読み切れた。(私の中ではだいぶ早い)自分が高校生に戻ったぐらい、まさに文中にある人が言う「眩しい」がわかる。
    思わず、涙が出てしまうシーンもあったなぁ。

    諦めない心、負けず嫌い、嫉妬、とか色んな色んな感情に揺さぶられた。リアルに描かれてたが故に感情移入していく。
    なかなか音楽を文字にするのは難しいのに、なぜか想像できるそんな語彙力にも拍手したくなる。
    あぁこんなに必死に「今を生きる」って素晴らしいし何にも変え難いものなんだな、と思わせられた作品。

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    2026年09月27日
  • フェルマーの最終定理

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    紀元前500年頃のピュタゴラスから影響を受けた、17世紀頃のフェルマーが証明したとされる定理を、三世紀半をかけて証明される。
    多くの天才が一歩ずつ様々な研究を進め、その点と点を繋げて、完全証明に至るまで、凄く壮大でロマンがある物語だった。

    証明したワイルズだけの半生でも、読み応えがあるが、三世紀半の間に関わった一人一人の歩みや人生についても細く書かれている。

    算数レベルしか分からないが、出てくる定理等は補遺を交えて細く説明されている。「なるほど」と分かる事もあれば、何となくも分からない内容もあった…ただ細かな理論が分からなくても十分に楽しめた。

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    2026年09月27日
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読んだ後に心地良かった。読みながら、緑や木の匂いが香ってくるような作品。窓に魔女からのメッセージがあるシーンで泣いた。

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    2026年09月27日
  • 十角館の殺人〈新装改訂版〉

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    衝撃の一行がシンプルなのに衝撃的すぎた。まさかすぎた。序盤の頃はカタカナ名が覚えにくくて少し難しく感じた。面白くて一気読み。再読必須

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    2026年09月27日
  • 時をかけるゆとり

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    正直朝井リョウさんの著作はどれもピンと来なくてうーんと思っていたのだけど、エッセイの評判を聞いて読んでみた。
    本当に久しぶりに文章で笑った。

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    2026年09月27日
  • きこえる

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    聞くことで真相が分かるという取り組みは面白い。
    音の小さいところがあるので、ヘッドホンある方が楽しめる。

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    2026年09月27日
  • 赤目四十八瀧心中未遂

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    前半と後半で雰囲気が変わり、後半は耽美な幻想文学に思えました。とても美しく儚い。

    私小説の有名作ということだけ知ってたので、身の回りのことを細々とぼやいてる暗い作品なのかなと思って読み出して、最初はそのイメージにあってましたが、カフカ的な雰囲気を感じたり、異界の幻想文学のようで、とても感じ入りました。傑作。

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    2026年09月27日
  • 時をかけるゆとり

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    いい意味で、イン・ザ・メガチャーチと同じ作者と思えない笑
    吹き出すから電車で読めないと言われていて、男子学生の話なんて共感できるか?と半信半疑だったけど、エピソードが強すぎる。
    免許を切り刻んでいたお母さんの話が1番好きだった。意味がわからない。笑

    終始ふざけてるかと思いきや、本気のエッセイもあって表現力に心を打たれる。

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    2026年09月27日
  • 小説のように家を建てる

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    家を建てるにあたり、環境にも配慮して、デザインも大事に、という普通と言えば普通な話。
    でも、うまい。笑えるエピソードがあちこちにあって楽しめる。小説は読んだことないが、読んでみようと思う

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    2026年09月27日
  • 夜更けより静かな場所

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    とても優しい物語だった。
    なんて優しい話なんだろう。
    心が豊かになるようなほっこりしたお話。
    本の中では、小説や詩集、絵本、長編集、楽譜までを題材に、深海とよばれる古書店で読書会で出会った5人+店主が、課題図書をみんなで感想を話し合うストーリー。
    開催は0時から2時。
    友達でもなく、知り合いより心が通うようなそんな存在。
    深海で出会った人が、未来に向かって歩むような、前向きな話だった。
    ドキドキとかハラハラとかはないが、しっかりと気持ちよく自分に入ってくる。

    作者岩井圭也さんの2作目として読んだ。
    1作目は文身 涙が止まらず、すごい作品に出会ったと震えた。
    好きな作家さんになりました!

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    2026年09月27日
  • あなただけに許す距離

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    ネタバレ

    「谷底の蝶々」の音也。コールドブリューを家に飲みにって誘う男。いかにもダメ男なのに惹かれる気持ち。いい旦那が家にいるのにね。「卵とキウイ…」の柊介、婚姻後も親しい女性との付き合いを認めろって。でもないがしろにされる訳でもない、金銭面も心配無く子どもが産まれたらもう一つの手になる人って考えようによってはいいのかも。「星」の海恩、こんな身近に気の利く素敵な高校生が居たら好きになるわ。恋愛が遠くなり本を通してドキドキできるのは幸せだった。

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    2026年09月27日
  • 旅する練習

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    ネタバレ

    常に日本ならではの趣深いものに対する胸の締め付けられるような感動と隣り合わせになりながら読み進めていた。綴られている文章から温かみと自然の美しさ、目の前に広がる風景の細やかな描写に読み手である私もその場にいるような気持ちになる。
    読みながら何度か胸がグッと詰まるような、感動では収まらないような思いを抱きながら、涙ぐんでしまう場面もあった。
    途中で(恐らくこの物語は叔父が旅を終えたあとに書いているものなのだろう)と気づいた。そして、ラストの数ページにかけて(そんな書き方をされるとまるで亜美ちゃんが死んでしまったみたいじゃないか)と思ってしまったが、まさか本当にそうだとは思わず。こんな終わり方だなんて思っておらず、しかし、どこか温かみの中に感じる切なさはそれゆえなのだろうかとも思う。どこか淡い、しかしながらに鮮やかで美しい記憶なのだろうと。

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    2026年09月27日
  • ひとりずもう

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    さくらももこの青春時代からエッセイを書き始めるまでが綴られている。
    読みやすく、思わず笑ってしまう作品。

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    2026年09月27日
  • 御成敗式目の殺人

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    第二話あたりまでは特に面白いとは感じず、まぁ普通…?みたいな感じだった。
    鎌倉殿の13人のキャストで読んでいたのでまぁ最後まで読むかくらいの気持ちだったのが、途中からどんどん登場人物がイキイキしだして、わかりやすい伏線がはってあったりして、え?これどう使うの?みたいな感じで進んで最後はスッキリ。
    坂口健太郎と瀬戸康史のキャスティングがぴったりすぎて、脳内で完全に固定されてしまった。
    そのままドラマ化できそう。

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    2026年09月27日
  • 名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―(新潮文庫)

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    とんでもなく面白かった。

    冒頭の事件から込みで、あの部分とかあの部分とか、全て意味があったのかと思わせる犯人だったり、幾度も繰り返される探偵の推理、その多重解決の意味合い、更にその先に待ち受ける結末とタイトル回収…
    そりゃあ何か色々1位になるのも納得だわな内容。

    また読み返したく思う。

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    2026年09月27日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    アイラ島に行ってみたい。
    ウィスキー好きではないが、本著を読んで、本場で飲んでみたくなった。

    旅の仕方も参考になる。
    現地を題材にした映画や本を、旅の前に観たり、旅しながら読んだりすることで、さらに現地に自分が溶け込める。

    アイラ島に行くときは本著を持っていこう。

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    2026年09月27日
  • クライムキャスト ~Vol.1 届かなかった叫び~

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    ネタバレ

    ノルウェーの二大作家による合作シリーズ。
    ヨルン・リーエル・ホルストは刑事ヴィスティングシリーズでお馴染み。ヤン=エーリク・フィエルはおそらく紹介されたことがない作家。

    ポッドキャスト「クライムキャスト」を運営するマルクス・ヘーゲルの下に、女性記者からのコンタクトがある。何年も前に投稿し、最後まで配信することができなかった少女誘拐事件について、地元紙に特集を組みたいとのことらしいが…

    北欧らしく起きてる事件は陰惨なのだが、どこか静かに淡々とストーリーが紡がれる。雰囲気は刑事ヴィスティングシリーズそのものだが、ポッドキャスターが主役なので割と強引な捜査もあり、警察小説ではできないアプローチの描写が魅力。
    過去の事件を掘り返すあたりは、邦訳されたヴィスティングシリーズが好きな人に刺さると思う。

    次作以降に持ち越された展開もあり、日本ではあまりみない有名作家たちの共作シリーズ。ぜひ邦訳を続けてほしい…という気持ちもありつつ。ヴィスティングシリーズも大好きなので、そちらも邦訳されないかなぁ……

    ちなみに一番驚いた点は、こいつとのバディじゃないんかい!というね。いや、良い意味で裏切られました。


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    2026年09月27日