ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • しふく弁当ききみみ堂

    Posted by ブクログ

    とても素敵な話でした。
    依頼主にとってだけじゃなくその人と贈りたい人の間のストーリーをお弁当に落とし込む。
    しかも隙間なくたっぷりと。
    こんなお弁当屋さんがあったらいいなぁ、と思うとともに私もそんなお弁当を作りたい。

    0
    2026年02月15日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    丸く輪になって異動する転移、人や動物の心と繋がる同化、念じて空中を飛ぶ力などSFらしい発想も効果的で単純な物語の中にある夢や希望が、窮屈な人生の中で見る、小さな夢の物語になっていた。
    ラゴスは北に向かって旅に出る。その途中の出来事や目的地についてからの生活などがやはり愉快な筒井SFだった。

    彼の旅の目的は、北の大陸に先人たちが残した文化が、膨大な書物になって盆地の建物に眠っているということを学校で習い、それを読むことが目的だった。

    今ある転移、同化、予知などの能力は先人が滅びた後に獲得した人々の智恵だった、そうした力を使いながら北の大陸に向かう。途中に出会う壁抜け男や、似顔絵書き、時には盗

    0
    2026年02月15日
  • キネマの神様

    Posted by ブクログ

    題名が嬉しい。出てくる名画がいい。まず「カッコーの巣の上で」「ニューシネマパラダイス」「ライフイズビューティフル」と抵抗がないラインナップから。
    生活者としては落第に近い父はギャンブルにのめりこみ借金を作っている。そしてしっかり者の母、そこに前途洋々に見えた会社を辞めた私が、ビルの管理室で両親と同居を始める。
    名画を守り、儲からない映画館を二本立てにして、細々と経営する館主がいる。始まりはこういうところから。

    父が心臓病で入院、バイパス手術をした。
    父は強運である。たまたま名医にあたり無事退院した。

    管理人室で仕事を手伝っていて、父親のノートを見つける、ビル管理の日誌だったか、映画の感想も

    0
    2026年02月15日
  • すべての美しい馬

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    少年たちの旅の中で、美しい馬が旅に寄り添い慰め、より美しく輝いている。 全米図書賞。 全米書評家協会賞受賞作。
    コーマック・マッカーシーの世界はグロテスクで残酷だ。が、国境三部作といわれる第一作のこれは、ストーリー性が豊かでエンタメ小説の趣もあり読みやすかった。

    故郷のテキサスからメキシコに不法入国するいきさつや、つねに寄り添っている馬、行動を共にする友人も、少年というより未成年、未成熟な年頃の、精いっぱい運命に向かう姿が痛々しくもありどことなく危うい。
    16歳の少年の(アメリカだからもう充分大人だけれど)青春、成長譚だ。
    コーマックのドライで区切りの少ない独特の筆は、ユニークではあるが読み

    0
    2026年02月15日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    日本の芸術、文学が出てきて他の作品とは異なる印象。特に絵画に触れるのは春樹にしては珍しいと思った。
    まだ全ては始まりにすぎない。免色のことは嫌いじゃない。

    0
    2026年02月15日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(下)―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    村上春樹の芸術感が前面に現れ始めている、起承転結の承の部分。
    小説を書くことが自己回復の手段である村上春樹と、絵を描くことで自身の深層にある暴力性と向きあう主人公。深層に向き合うきっかけとなった雨田の『騎士団長殺し』。
    様々な角度から自己に向き合う村上春樹の試行錯誤を感じ取れる。

    0
    2026年02月15日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ねじまき鳥クロニクル、海辺のカフカと大きな流れは似ている。
    「caveat emptor。カウェアト・エンプトル。ラテン語で『買い手責任』のことである。」

    0
    2026年02月15日
  • 万延元年のフットボール

    Posted by ブクログ

    自己処罰の欲求は本質的に「罪悪感(恥)」に関わる。そこに多少の前後関係はあろうとも、一方は他方を必要とし、他方は一方なしには生きられない。その意味で、主人公が暴力的な子供たちの前に片目を失ったのは、後に来る「罪悪感(恥)」に対する自己処罰の前払いのような物であったと言えよう。
    自己処罰は欲求であり、手段である。原因は罪悪感(恥)にある。つまり、我々は罪悪感(恥)から逃れるために進んで自己処罰を欲求するのであり、それはさながら、亡者が永遠の地獄の業火に包まれ、金棒を手にした鬼に殴られながらも、そこに相互関係を見出し、鬼に親しみを覚え、業火に心地よさを感じるようなものである。

    0
    2026年02月15日
  • ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択

    Posted by ブクログ

     あるキリスト教系団体の村で起きた大量レイプ事件。最年少の被害者は3歳の少女。それは「悪魔の仕業」「作り話」とされたが、実は身内の8人の男による犯行だった。彼らを保釈させようと村の男たちが外出する2日間。女たちは子どもを守るために未来を選ばねばならない。何もしないか、闘うか、村を出ていくか。文字の読めない女たちの会議(ウーマン・トーキング)が始まる。

     2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を元に描かれている。彼等はメノナイトという集団で暮らしており、自らの規律で生活できる土地を求めて放浪していた。ボリビアは熟練の農夫たちとして彼等を受け入れ、教育や福祉、自治体、紛争解決、財産

    0
    2026年02月15日
  • 女王さまの休日 マカン・マラン ボヤージュ

    Posted by ブクログ

    大好きな『マカン・マラン』シリーズ5作目。
    楽しみながら読んでる間に、自分のやりたい事が、あれもこれもと出てきて背中を押される。
    ほんの少し視点をかえつつ、自分を肯定して、ポジティブな気持ちになる。
    自分軸、自分のタイミングで行こうと思う。
    そして、物事の上辺だけではなく、よく知り、自分を取り巻くすべての人の幸せを願う。
    お手軽で大切な幸せをひとつひとつ心に刻もう。

    0
    2026年02月15日
  • ほんのかすかな光でも

    Posted by ブクログ

    社会問題、特に韓国女性が人生の中で直面することになる問題を話に組み込み、結末としては作者があとがきに言うように諦めを伴ったものもあるが一部ではシスターフッド的連帯を描いており、話の流れとしても不自然でなく、日本(人女性)でもほぼ同様の問題を抱えているため共感を覚えながら読んだ。本書は背景にフェミニズムの思想があり大層力強い作品で素晴らしい。しかしながら同様の問題を抱える日本国内でこのような作品を描ける作家がどれほどいるだろうかと考えると虚しさを覚える。日本人女性も韓国女性のような自律性と力強さを身につけるべきであろう。

    0
    2026年02月15日
  • きまぐれな夜食カフェ マカン・マラン みたび

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「みたび」って書いてあるのに何も疑わずに一作目だと思って読んでた…
    最後に本の紹介があって「三作目」っていう意味だと知る……

    三作目からだったけど問題なく読める連作短編集。
    登場人物たちの悩みや感情が心にグサグサ刺さる。
    わたしとは全く境遇が違うのに自分のことのようで、登場人物と同じように気持ちが沈んでいくんだけど、マカン・マランで前向きな気持ちや清々しい気持ちに変わる。
    本当にこういうカフェがあればいいのに。
    と思うけど、必要としている人にはすでに縁があるのかもしれない。

    ちゃんと一作目から読もうと思う。

    0
    2026年02月15日
  • 新装版 ブラックペアン1988【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    天才外科医が使う新兵器「スナイプAZ1988」が登場。ライバル同士に散る火花、バックボーンにある医師の使命感など盛り込まれ、シリーズに親しんできた故の親密感が戻ってきて、楽しみながら読んだ。
    東城大学総合外科教室は今回も大荒れです。

    成長した医師たちの活躍は、もう田口・白鳥のシリーズで読んでいるが、今回は田口さんもまだ学部の二年生、同期の速水、島津とともに研修に来る。おお速水さん田口さんは同期だったの、と改めてびっくり。

    教育指導に指名された世良は、国家試験前で結果待ち。
    看護師の藤原婦長も若い、空き場所を探して昼寝をする変わらない猫田、初々しい新人の花房もいる。
    新人の三名はまず手洗いか

    0
    2026年02月15日
  • 鬼の跫音

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これはじわじわ不気味さが入り込んで、そこから恐ろしい出来事が展開する。道尾さんらしく負担がなく軽い、面白い作品だった。
    鈴虫
    大学時代のこと、ずっと好きだった杏子は友人のSと付き合いだした。私は嫉妬した。壁の薄い隣の部屋でSは杏子と会っていたが、違う女の声も混じるようになった。崖から落ちたSを河原に埋めたのは私だ。そばで鈴虫が見ていた。Sが死んで杏子と結婚した。息子が学校から鈴虫をもらってきた。籠を覗くと鈴虫が私を見て何か呟いた。秋が来て鈴虫は死んだ。メスはオスを食い殺すと息子にも教えてやった。11年ぶりにSの死体が見つかった。死体にかけた私の背広には学生証も財布も入ったままだった。刑事の質問

    0
    2026年02月15日
  • 国宝 下 花道篇

    Posted by ブクログ

    【感想】

    歌舞伎は華やかなものであるけど、それに関わる人々や事情は決して綺麗なことばかりではない。
    話中の出来事にも責任や血縁、因縁、憎しみ、恨み、後悔を感じさせるものが多く、一つ一つ重みを感じる。
    喜びと苦しみが1:9の作品である。

    【印象的なセリフ】
    喜久雄が自身の出自について語るシーン
    「そこで生まれ育ちましたから、悪く言いたくない気持ちはあります。ただ、そこで生まれ育ったからこそ言えますのは、あそこが決して美しい場所ではないということでございます」

    0
    2026年02月15日
  • 国宝 上 青春篇

    Posted by ブクログ

    【感想】

    歌舞伎は華やかなものであるけど、それに関わる人々や事情は決して綺麗なことばかりではない。
    話中の出来事にも責任や血縁、因縁、憎しみ、恨み、後悔を感じさせるものが多く、一つ一つ重みを感じる。
    喜びと苦しみが1:9の作品である。

    【印象的なセリフ】

    2代目花井半二郎「喜久雄。アンタ、うちに来て何年や?五年になるやろ。そのあいだ、一日でも稽古休んだことがあるか?ないはずや。この「道成寺』かて、誰よりも稽古してきたんやろ。せやったら、なんの心配もいらん。アンタが舞台で振り忘れても、アンタの体が勝手に踊ってくれるはずや」

    0
    2026年02月15日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ面白かった!最後止まらなく泣きながら読んだ(笑)
    改めて読み終わると分かる。まんまそうなんだよなぁと。
    毎日が楽しめない人におすすめの一冊

    0
    2026年02月15日
  • 金環日蝕

    Posted by ブクログ

    冒頭はあまり動きがなく、読むのをやめようかと考えた時もありましたが、後半一気に物語が動きます。
    あまりの面白さに、続きが気になって少しでも時間ができると聴いていました。
    次々と伏線が回収されると同時に、それぞれの登場人物から見える景色が様々であることに気づかされました。自分が見えている景色はあくまで「私が見ている景色」であって、真実ではないのだと感じました。

    0
    2026年02月15日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    頂上を目がける闘争ただそれだけで、人間の心をみたすのに充分たりるのだ。いまや、シーシュポスは幸福なのだと想わねばならぬ。

    0
    2026年02月15日
  • カフカ寓話集

    Posted by ブクログ

    カフカが宇宙全体に対して行う激烈な訴訟〔審判〕の果てにぼくが見いだすのは、まさにこのごまかしの道なのだ。そして、かれの下す信じがたい判決とは、もぐらまでが鼻をつっこんできて彼岸への希望をいだきたがるこの醜態で衝撃的な世界なのだ。
    ──アルベール・カミュ

    0
    2026年02月15日