小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ天才調香師 小川朔、香りシリーズの2作目
今回は赤い月に囚われた男の子が洋館で働くことになり、様々な悩みや欲望を持った客が朔の元に現れる。今作では加害された人、加害した人、加害していた人達の記憶を象徴する香りが多い。ただ、嗅覚と記憶は密接に関係しているからと言って、同じ香りでも同じ記憶を共有できる訳ではない。そして加害を愛として執着する人間もいるようだ。
1作目後半で一香は朔の仕事部屋に並ぶ香料瓶になりたいと願望を意識する。ガラス瓶に閉じ込められて朔の目に晒されたいという欲望を。
2作目で朔さんは一香を想って香料瓶に洋館の庭の香りを詰め、一香の書いたラベルを貼り付け並べて、きっと眺めている。部分的に一香の願いは叶えられていることに気づいた時、彼女はどう動くんだろうか。
今作も五感を刺激するお話だった。 -
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紀元前500年頃のピュタゴラスから影響を受けた、17世紀頃のフェルマーが証明したとされる定理を、三世紀半をかけて証明される。
多くの天才が一歩ずつ様々な研究を進め、その点と点を繋げて、完全証明に至るまで、凄く壮大でロマンがある物語だった。
証明したワイルズだけの半生でも、読み応えがあるが、三世紀半の間に関わった一人一人の歩みや人生についても細く書かれている。
算数レベルしか分からないが、出てくる定理等は補遺を交えて細く説明されている。「なるほど」と分かる事もあれば、何となくも分からない内容もあった…ただ細かな理論が分からなくても十分に楽しめた。 -
Posted by ブクログ
とても優しい物語だった。
なんて優しい話なんだろう。
心が豊かになるようなほっこりしたお話。
本の中では、小説や詩集、絵本、長編集、楽譜までを題材に、深海とよばれる古書店で読書会で出会った5人+店主が、課題図書をみんなで感想を話し合うストーリー。
開催は0時から2時。
友達でもなく、知り合いより心が通うようなそんな存在。
深海で出会った人が、未来に向かって歩むような、前向きな話だった。
ドキドキとかハラハラとかはないが、しっかりと気持ちよく自分に入ってくる。
作者岩井圭也さんの2作目として読んだ。
1作目は文身 涙が止まらず、すごい作品に出会ったと震えた。
好きな作家さんになりました! -
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ネタバレ常に日本ならではの趣深いものに対する胸の締め付けられるような感動と隣り合わせになりながら読み進めていた。綴られている文章から温かみと自然の美しさ、目の前に広がる風景の細やかな描写に読み手である私もその場にいるような気持ちになる。
読みながら何度か胸がグッと詰まるような、感動では収まらないような思いを抱きながら、涙ぐんでしまう場面もあった。
途中で(恐らくこの物語は叔父が旅を終えたあとに書いているものなのだろう)と気づいた。そして、ラストの数ページにかけて(そんな書き方をされるとまるで亜美ちゃんが死んでしまったみたいじゃないか)と思ってしまったが、まさか本当にそうだとは思わず。こんな終わり方だなんて思っておらず、しかし、どこか温かみの中に感じる切なさはそれゆえなのだろうかとも思う。どこか淡い、しかしながらに鮮やかで美しい記憶なのだろうと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレノルウェーの二大作家による合作シリーズ。
ヨルン・リーエル・ホルストは刑事ヴィスティングシリーズでお馴染み。ヤン=エーリク・フィエルはおそらく紹介されたことがない作家。
ポッドキャスト「クライムキャスト」を運営するマルクス・ヘーゲルの下に、女性記者からのコンタクトがある。何年も前に投稿し、最後まで配信することができなかった少女誘拐事件について、地元紙に特集を組みたいとのことらしいが…
北欧らしく起きてる事件は陰惨なのだが、どこか静かに淡々とストーリーが紡がれる。雰囲気は刑事ヴィスティングシリーズそのものだが、ポッドキャスターが主役なので割と強引な捜査もあり、警察小説ではできないアプローチの描写が魅力。
過去の事件を掘り返すあたりは、邦訳されたヴィスティングシリーズが好きな人に刺さると思う。
次作以降に持ち越された展開もあり、日本ではあまりみない有名作家たちの共作シリーズ。ぜひ邦訳を続けてほしい…という気持ちもありつつ。ヴィスティングシリーズも大好きなので、そちらも邦訳されないかなぁ……
ちなみに一番驚いた点は、こいつとのバディじゃないんかい!というね。いや、良い意味で裏切られました。
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