あらすじ
知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人捜しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだったが──いったい春風は何に巻き込まれたのか? 『パラ・スター』『カフネ』の俊英が、〈犯罪と私たち〉を切実に描き上げた、いま読まれるべき傑作長編。/解説=瀧井朝世
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Posted by ブクログ
12/30に読み始め、結構ページ数もあったので、年跨ぎになると思っていたが、あまりの面白さに大晦日の内に読み終えてしまった。
知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風が、その場にいた高校生の錬とともに犯人を追いかけるも、もう少しというところで取り逃がす。しかし、犯人が落としたストラップに見憶えがあって…という出だし。
二日間だけの探偵コンビを組むことになった春風と錬の距離感も好ましい、爽やかな学園ミステリーと見えたお話だったが、もう一人の主要人物・理緒が登場する段になっていきなり緊迫感を増した。
そこから二つの話が結びつくまで、いや結びついてからも、思いもかけない展開が続き、また、要所要所で明かされる登場人物たちの過去がそれぞれの個性を際立たせ、その二面性が物語の深みを増す。
どのように収束するのだろうとドキドキしながら最後まで楽しめた。
重たい話ではあったが、昏い世界に飲み込まれなかった主人公たちの姿に読後感は良い。舞台となった札幌の街の情景もよいアクセントだった。
Posted by ブクログ
カフネに続いて、裏切らない面白さありました。
最初カフネと同じトーンで飽きてくるかなって思ったけど、悪人も主人公もやっぱりいい人ばっかり、そしてハッピーエンドの阿部暁子のストーリーは好きでした。
兄妹、家族がテーマ。
Posted by ブクログ
一文字たりとも読み飛ばせない、濃度の高い小説なのに登場人物の軽やかさ、リズムの良さがあり、重さ、クドさ、押し付けがましさは感じられませんでした。続編はあるのかな?
カフネから
入ってきました
本屋さん大賞はホントにいい企画だと思います。
登場人物はダークなのに全員にそう思わせない
フォローの文面が入り著者さんの優しさが
溢れています
巻末の解説の方も書かれている様に
決して読者を裏切らない安心して読める作品
なのでは?
Posted by ブクログ
2025年本屋大賞「カフネ」著者 阿部暁子氏の長編ミステリ。
カフネにはあまり関心がないままなのだけどこちらはミステリで興味津々。
ティーンエイジャーの心の機微の言語化が上手い。そんな感動を覚えた序盤から、加速し緊迫する中盤、正義感の強い主人公 春風・異彩を放つ高校生 錬・ヤングケアラー 理緒、三者三様の思惑で正体不明の詐欺師カガヤに迫る展開は読む手が止まらない。
不遇だからこそたとえ虚勢でも強く賢く、そうあるしかなかった彼らの満身創痍の生き様は読者の半生で感想が変わる作品。禍々しき過去を糧に幸福を手に入れてほしい。
またタイトルも良い。震える。
Posted by ブクログ
謎解きミステリー仕立てで展開が読めず最後まで飽きない。
前半と後半の雰囲気が変わるのも面白かった。
主人公二人のウィットに富んだ会話が面白い。
詐欺グループのやり方は興味深かった。
Posted by ブクログ
ひったくり現場に居合わせた二人が二日間だけのコンビを組み犯人を見つけるだけの話と、、、思っていたら、、、もっと深い闇が
前半は軽く読んでいたのが後半は重い物語に
人の見えない部分の闇、葛藤、嘘、罪、
誰かを騙して生きるその先とは、
単純な物語ではなかった
あと、舞台は北海道の札幌で個人的には馴染み深い場所もあり、いろんな面で楽しめた
Posted by ブクログ
audibleで。世の中の明暗をあやふやにするような小説に思えた。ストーリー自体は面白くて、次々に露わになる事実関係に引き込まれる。単純に元気な大学生と思われた春風の過去の事件や、高校生の錬の秘めた思いが、このひったくり犯探しのストーリーに緊迫感を添えていく。
読み終えて思ったのは、子どもが家族を守ろうと、身を削って必死になるようなことはあってはならないなと。そして、あちら側とこちら側の境目は、実はそんなに高い塀で区切られているわけではないのだなと。お金は必要だが、毒でもある。お金がないと辛いな。
ストーリーに引き込まれる朗読だったが、本で読んだら、自分の春風のイメージは少し違ったかもしれないなと感じたのは、ちょっと残念ポイント。反対に錬のお母さんは、自分ではイメージしきれなかったかもしれない。
読んで損は無い一冊かなとおもう。
Posted by ブクログ
阿部暁子さん著「金環日食」
著者の作品は2025年本屋大賞「カフネ」以来2作品目。文庫化されていたので購読。
物語は振り込み詐欺絡みの人情物語。
設定はベタでよくある設定ではあるものの面白さは最後まで途切れなかった。
引っ掛かったのが高校生設定の錬、これは流石にないだろう…ちょっと無理があるかな?という設定でどうも馴染めない。
主人公が高校生や舞台が学園ベースの物語が好みではないため途中から詐欺事件絡みの進行はよかったのだが、彼の行動力がどうしても高校生の範疇を越えた立ち振舞いに思えてしまう。こんな高校生いないだろう?とどうしてもリアルさが自分には感じられず引っ掛かってばかりだった。
「カフネ」「金環日食」と著者の人気作品を読んでみて共通する暖かさに似た温もりはいたるところに感じられた。それが著者の作品が人気たる根源なのだろう。言葉が上手なのだと感じる。
次作、また別作を読んでみたい。できれば無理のない設定の物語が読みたい。
Posted by ブクログ
ひったくり事件を追う大学生の 春風 と高校生の 錬、そしてもう一人の主人公ともいえる 理緒 の物語。最初は「ちょっと変わった探偵コンビものかな?」と思って読み始めましたが、進むほどに、犯罪が人の人生と家族をどう壊していくのかが見えてきて、どんどん重くなっていきます。
錬の父・加々谷潤 は、家族にとっては優しい父親でありながら、裏では詐欺に関わった人物です。世間から見れば「詐欺師」ですが、家族からすればただの“お父さん”でもある。そのギャップに、「親は選べない」「犯罪者の家族というだけで、世間から偏見の目で見られてしまう」という理不尽さを強く感じました。
一方、理緒 は、家族を支えるヤングケアラーで、お金のために特殊詐欺の名簿を「こする」仕事に手を染めてしまいます。悪いことだと分かっていながら、他に道がないと追い詰められていく姿がつらいとこ、、、
皆、完璧な悪人でも聖人でもなく、「弱さ」と「純粋さ」を両方抱えているように見えます。錬の父も、根っこには家族を思う気持ちがあったからこそ、逆に間違った方向へ転んでしまったのではないか、とも思えてきます。
親や家の過去は変えられないけれど、その中で自分はどう生きるかを選び直そうとする春風・錬・理緒の姿に、暗い話の中にもかすかな希望を感じる1冊です。
春風と錬の名コンビはいつかいい感じになってほしいなぁ~って
Posted by ブクログ
中盤頃から展開が気になり、ページを捲る手が止まりませんでした。
金環日蝕の意味や、登場人物の心情がとてもよく描かれていたと思いました。
カフネ同様、素晴らしい作品です。
誰もが裏の顔を持っていて、嘘をついている。
この世の中、詐欺はなくならないね、とほんとそう思いました。
Posted by ブクログ
Audibleにて。
カフネは自分の好みではないか、と思いスルーしていた。
同じ作者でミステリーだからとなんとなく。
めちゃくちゃ面白かったし、ものすごくストーリーがよく練られていると思った。
筆者は人の気持ちを描写するのが得意なのかな。痛みが隣にいるみたいにリアルに感じる。
ストーリーが途中から2転3転するので、Audibleで聴くには、かなり集中力が必要かも。
大学と北海道の風景も頭に浮かんで、さわやかな読後感。
カフネも絶対読む❗
Posted by ブクログ
2025.11.30
登場人物のなかで1番の部外者に思える人物を主人公に据えたところに良さがあるというべきか、どうかが評価の別れるポイントなのではなかろうか。主人公の判断基準と他の登場人物のそれとが微妙にずれている感が拭えないのが印象に残る。
Posted by ブクログ
2025/11/15 オーディブル
後半からそっちかーとなった後にやっぱりこっち?え?あっちなの?と自分の予想と違って楽しかった。夕飯はすき焼きにしました。
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率直に言って面白かった。
オセロのように二転三転するストーリーに、個性的な登場人物たち。コメディのようなテンポの良い掛け合いがあるかと思ったら、暗く重く話が織り交ぜられ、感情が忙しい。
詐欺師たちも本当に根っから悪い人間ではなく、この境遇だったらそうなっても仕方ないと思わせる人物の背景が描かれており、各キャラクターに感情移入した。
唯一、双子の言動にちょっと違和感というか現実味が感じられず星ひとつマイナスにしたが、それは好みなだけな気もする。
著者の他の本も読んでみようと思うほど、面白かった。
Posted by ブクログ
札幌を舞台に描かれた、阿部暁子さんの作品ということで気になり購入しました。
1章、2章と異なる人物の話で、彼らがこれからどう交わっていくんだろうと思っていたら、3章に思わぬ展開が待っていて、そこからはスピード感を持って読み進めていきました。
読む前はもう少しライトな作品かと思いきや、登場人物達が過去に辛い経験をしていたり、詐欺だったり、次々と事実が明らかになる度に苦しくなったりしましたが、奈緒が最後私の予想を良い方に裏切ってくれたのが救いでした。
また阿部さんは岩手県在住なのに、札幌の景色、秋から冬にかけての空気感もすごくリアルに描かれていて、ちょうど小説内の時期と同時期に読めて良かったです。
Posted by ブクログ
女子大生と男子高校生がたまたま遭遇した引ったくり事件が予想もつかない一大詐欺事件へと変貌していく。正義感にまつわる探偵ごっこだったのが次第に手に負えない事件へと繋がっていく流れは見事でリーダビリティも高く、半分に差し掛かった時点で事件の概要や主人公との血縁関係もあらかた読めたと思いきや、主人公の隠してた嘘が明らかになるなどストーリーの方向性が急角度で変わったりと意外と読めない部分も多く、中弛みすることなく最後まで楽しく読み終えることができた。
途中に出てくるモブのキャラクターがややラノベチックではあるものの、キャラクターのバックボーンは犯罪加害者遺族に性犯罪被害者と青春ミステリにしては意外と重い。それらの悲痛な過去がしんしんと雪の降り積もる北海道のロケーションと噛み合っており、タイトルである金環日食という輝く闇にも符合しており雰囲気作りも秀逸であったと思う。
最後の幕の引き方は完全解決というわけではないものの、一介の女子大生と男子高校生が取れる行動の限界と落とし所を考えれば納得しかなく、むしろ解決しきったと言えないからこそ、真犯人の語る「あっち側」の世界への適性が嫌な余韻となって残る。それでも登場人物たちの「折り合い」をつける意味ではいい幕引きであると同時に、このビターな読後感こそまさに青春ミステリであると思う。
Posted by ブクログ
積ん読本。
Audibleで聴きながら散歩していたが、先が気になって。
積ん読から引きずり出す。
おかげで金曜日の午後休みが瞑れた(笑)
春風と練の話が続くのかと思いきゃ、思いっきり貧困、格差、
それに繋がる詐欺の話になり、闇深く。
とくに、理緒姉妹のお話は辛い。
でもまさか、練が。。
とか、春風の過去が。。
とか驚きの連続で。
練の母が「何があっても愛してる」と。最大の言葉をかける。
練とともに救われた
このお話に出てくるみんな、いろんな事あるけど希望は持って歩んで欲しい。
側に居てくれる人を大切にして。
後書きに阿部さんは安易な綺麗事は書かないが、読者に絶望はさせないと書いてありましたがまさにそうだなと。
Posted by ブクログ
タイトル買い。
何度も訪れた札幌の地名、北大などの名前が出てきてそれだけで身近に感じられて入り込めた。
春風サイドの探偵物語が進んでいくと思いきや、理緒サイドのダークな話が始まって意表を突かれた。
本作は両サイドの繋がりが明示されるのは後の方だけど、こういう一つの出来事を軸に違う視点の話が進んでいくスタイルは結構ワクワクする。
タイトルについて語られる場面は僅かだけど、作品の扱うテーマを暗喩しているようなタイトルも良い。
Posted by ブクログ
『カフカ』で本屋大賞をとった阿部暁子さんの推理小説。
ある日、春風は偶然ひったくり事件に遭遇し、仲居合わせた錬とともに犯人を追いますが、逃げられてしまいます。現場に落とされたストラップを手がかりに、春風と錬は調査を始めます。
二日間だけの“探偵コンビ”結成――春風と錬は「二日間だけ」協力して犯人捜しをすることに合意します。ふたりは大学内・周辺の購入者リストや当日の行動を洗い、ストラップ所有者の聞き取りを一軒ずつ進めていきます。聞き込みを通じて小さな糸口を拾って行きます。
やがて顕になるのは、単なる引ったくりという事件ではなく、大きな詐欺組織、そして社会事象でした。
春風、錬、理緒と言った愛らしい登場人物のそれぞれの過去や苦悩を通じて、犯罪と私たちを描いていきます。
物語の登場人物たちは皆、「闇の中」に生きています。彼らは皆、人生の「太陽」を闇(=罪や嘘、悲しみ)に覆い隠されています。
でも完全な“皆既日食”ではなく、どんなに闇が深くても、わずかに残る光=希望や人間らしさがある。この“消えない光の輪”が、「金環日食」というタイトルに込められている、そんな風に感じました。
ちょっと話は入り組んでいて、わかりづらかったかな。
Posted by ブクログ
オーディブルにて。
「カフネ」が面白かったので他の作品も読んでみたく。
カフネの時にもうっすら、これは私の苦手なライトノベルかな…?と思いながらギリギリ大丈夫なラインだったのだけれど、こちらの方がライトノベル感があっていまいちだった。読後感が良いのは変わらず。
Posted by ブクログ
Audibleにて。
騙していると思っている人が実は騙されていたり、陰のないと思っていた人に陰があったり。嘘で誰かを騙すという行為もどこからが犯罪になるのか。明確に分かれているようで実は曖昧で見る人、見る角度によっても見え方が変わる。それでも、それだからこそ真っ当に生きることの難しさ、尊さを感じることができた
Posted by ブクログ
最後がちょっと説明くさかったかなぁ。
早々に半分くらいのネタが解き明かされ、後半で全容がわかるけど、それぞれの人物の深掘りと、今後が少しでも描かれているエンディングが良かった。
全体的にちょっとインパクトに欠ける仕上がりで、もっと面白くできそうだった印象。
Posted by ブクログ
最初はラノベっぽくてサクサク読みましたが後半どんどん重く、どんどん面白く、一気読み。
面白い構成だなと思いました。
表紙、私ならこれにしないなーなどと素人考え。
Posted by ブクログ
キャラが濃すぎてアニメチック。
登場人物がごちゃごちゃしてる。
というので、面白いかも〜!と、ちょっと私の好みでないかも、、の振り幅があり評価が難しい、、
ひったくり犯見つける、から詐欺?!にはワクワクしたけど、
お兄ちゃん大好きな男女の双子の中学生登場で、一気に現実味がなくなり。小学生ならわかるけども中学生って。お兄ちゃんの命令は絶対で、直立!と言われたらはい!となる双子とは。すごくアニメっぽい。
あとは加賀谷潤のふりをしたカガヤはかつて「良い子」と言われていた社員のはずなのに、
「謎めいた色男」というあだ名がつけられるという変貌ぶり。頭でうまく思い描けない。。
どんでん返しのためには色々ミスリードが必要なのは分かるけど、ちょっと無理やりすぎてついていけず。
種明かしより、途中までの
こことここが繋がって〜これを追って〜
くらいの時が面白かった!
Posted by ブクログ
ひったくり犯人を追うことで出会った
女子大生と高校生男子
ひょんな出会いの後ふたりが追う事件とは…
青春ミステリーもの?
と思いきや…
思ったより闇は深い
本来守られるべき対象、老人、女性、子供、に
当たり前のように牙を剥く輩が存在する
狙われたら最後、どうすることもできないのか
嫌悪感、いや、憤りを感じると同時に
息苦しさや悪寒さえ感じてしまう
圧倒的な力を前にしたら?
そして頼りにできる人間が周りにいなければ?
自分はどれだけ正しくいられるのか?
ちょっと考えさせられた
一方でメインキャラたちのやり取りは軽妙で
ワキキャラの双子たちも良いキャラ
この点が1番良かった一方で
悪キャラは本当に嫌なヤツで(それが正しいのか…笑)イラっとさせられたのに、鉄槌は下せないのか…とモヤモヤしたし、
最後の伏線回収もダラ〜と長かったわりには
スカッとせず、自分的には不完全燃焼
Posted by ブクログ
女子大生と男子高校生がひったくり犯を追うところからはじまるこのお話。
ひったくり犯がわかってもまたそこからはじまる不穏な感じ。
特殊詐欺って案外近いところにあるんだなぁと怖くなる。騙されるだけでなく、騙しているほうだったり。
最初は軽めな感じのひったくり犯探しのミステリーかぁと読み始めたが、そんなことでは終わらない。もうなんか犯罪盛りだくさんでちょっとお腹いっぱい。みんないろいろ背負いすぎだし、時系列途中わかんなくなってきたり...読み終わり疲れたー。
Posted by ブクログ
最初はつまらないなーと思った。
特に会話が、私たちこんなウィットに富んだトークもできるのよ、と見せつけられてるような…
アニメっぽい?ライトノベルっぽい?感じ。苦手。
理央の章に入ってから雰囲気ががらりと変わり、ミステリぽさが出てきてよかった!
闇バイト、性犯罪、特殊詐欺、誘拐、貧困世帯などの社会問題を絡めながら、前向きに綺麗にまとまっていた。