あらすじ
知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人捜しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだったが──いったい春風は何に巻き込まれたのか? 『パラ・スター』『カフネ』の俊英が、〈犯罪と私たち〉を切実に描き上げた、いま読まれるべき傑作長編。/解説=瀧井朝世
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Posted by ブクログ
なんで、こんなにリアルなの。
理緒が最初はムカつくやつなんだけど、次第に惹き込まれていきます。犯罪に巻き込まれていく様がリアルでした。
犯罪の一端に加担する感じ…紙一重のところにいるかもしれない自分。
『カフネ』に続いて泣かされました。
主人公はいい子ちゃんなので、私のイチオシは理緒ちゃん(と錬くん)。ドラマ化など、ぜひ!
以下はお気に入りの文の引用です。
「彼らは、励ますことはしても、実際に手をのばして何かしてくれることはないのだ。たぶん、世の中は、そういうものなのだ。」
「口を。閉じて。三分間。」
「事件とは無関係の可能性も同等にある。身近な人間の信頼を損なわせるようなことはできない。」
「彼の手に自分の指を絡めたい衝動がこみあげて、でも、できなかった。恋しすぎてふれるのとすらためらわれる、そんな気持ちがあるんだということを、彼に会って初めて知った。」
「この人といられるなら、地獄にだって堕ちていく。」
「世の中には、毎日を生きることに必死で、役所に行って手続きをすることがままならない人もいる。」
「きっと、親を一度も憎んだことのない子供も、子供を一度も疎んだことのない親も、この世にはいないと思う」
「命や人生というものは綱渡りのような偶然の上に成り立っている」
「私は、私も含めて、人間がわからない。私を誘拐した犯人がいる一方で、私を助けてくれた人がいる。」
「弱く脆い人間が、その弱さと脆さによって、立ち上がることができると私は信じる。」
Posted by ブクログ
正直冒頭はかなりなめてて、「あ〜男女がただ謎解いてく感じね」と思っていたら、途端にひっくり返った。
まさにオセロの白が黒に塗り替えられていくような体験だった!
詐欺だけじゃなくて、犯罪って加害者も被害者みたいだよな〜と思った。
Posted by ブクログ
カフネに続いて、裏切らない面白さありました。
最初カフネと同じトーンで飽きてくるかなって思ったけど、悪人も主人公もやっぱりいい人ばっかり、そしてハッピーエンドの阿部暁子のストーリーは好きでした。
兄妹、家族がテーマ。
Posted by ブクログ
序盤から伏線が散りばめられていて楽しい
金環日食の意味が平面的に見るとわかる
人間の矛盾について精緻に描写されている
どうしようもない悪意に晒されてその被害者になることは往々にしてあることだけどその逆もあるという矛盾が面白いという観点に気づかせられる
登場人物が生き生きしてていい
映像化に向く作品なのではと思う!
イケメンは得だなと思った