【感想・ネタバレ】ほんのかすかな光でものレビュー

あらすじ

『ショウコの微笑』『わたしに無害なひと』などで人気を博し、数々の賞を受賞してきた実力派作家の最新短編集!

手をのばし、すれ違う、
二人に差しこむひとすじの光。
人間関係の感情の機微を卓抜した力で描くチェ・ウニョン。
〈書くこと〉を使命とする強い意志。問い直される女性への差別。


【収録作】
大学で研究者を目指す私と女性講師を描く、表題作/基地村での女性殺害問題と校内誌編集部を描く、「役割」/雇用形態の異なる二人の車中での会話を描いた、「一年」/DV問題を扱った、「返信」/「夫と妻と子ども」という「一般家族」を超えた繋がりを描く、「種まき」「伯母さんへ」「消える、消えない」

2018年から2023年までに書かれた中短編全7編。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

韓国人の女性作家の短編集って、どれも良くて大好きです。チェ・ウニョンさんも大好きな作家さん。
女性たちの生きる苦しみや悲しみが描かれていて、胸が締め付けられました。
あんまり日本人作家はここまでやり切れないような悲しみを書く人は少ない気がします。どこかに希望を残したり、ほっこりするような結末が多いような。韓国人作家さんはそこを厳しくも温かく見つめて描いてくれる。どちらが良いという訳ではないですし、どちらも好きですが。

どこにも持っていきようのない気持ちをすくい上げて悲しみに寄り添ってくれるような小説でした。本書を読んで救われた気持ちになりました。自分の苦しみを知っていてくれる人が世の中にいるということが何よりの救いなのかもな…と思いました。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とてつもなく繊細な心の機微を描いている。私の気持ちを言葉にしてくれたと感じられる場面も、そういう世界の捉え方があるのかと学んだ場面も多くある。
弱い人たちが生きていくにはあまりにも痛みを感じさせてしまう世界。平凡な人々が、どれだけ傷ついても、自分にしかない人生を必死に生きている。

「人生とは仕方なく受ける罰のようなものだと捉えることが多かった」「欠乏感を抱きしめ、それを必要以上に憎んだり、哀れんだりすることもなく、ただ一日一日を生きていく」
なんでこんなにも、人生を言葉として表現できるのだろう。作家の言葉が体中に沁みわたり、涙を堪えながら読んだ。

「日本の読者の皆さんへ」を読むだけでも、今日を生きようとできる人がいるのではないだろうか。
平凡な人間だからこそ、生きる支えになる言葉が詰まっている。ここには書ききれないほど、哀しく、素直で、素敵な言葉たちが。
抱えているものを隠し、取り繕いながらも、「毎日生きることを選択する人たち」がいる。たくさんの「私たち」となら、もう少し、生きていけるかもしれない。

0
2025年11月19日

Posted by ブクログ


初めてチェウニョンさん作品。K-BOOKフェスでサイン本が売ってたから買おっかなと思ったらけど、まだ文章を読む前にサイン本を手に入れるのは憚られてとりあえず最新作を読んでみた。

血縁だけに限らず「仕方ない縁」みたいなものがついて回る感覚で、迎合してないけどこびりついたまま生きていく薄暗さを感じた

この暗さは嫌いじゃないから、他の作品も読んでみたい。

・心の奥では理解しているのに、言葉で表現できずにいた数々が言語化されると幸せを感じた(略)

・生まれたときに貧しいのは罪じゃないけど、死ぬときに貧しいのは本人の罪だろ。

・記憶することは、愛する人たちの魂を、自身の魂を証明する行為だと。

・すでにこの世から消滅してしまった人や、彼らの頭の中に描かれていた世界のほうが、自分が生きている世界よりも、いつも身近に感じられる。そういうときは広がった傷に光が差しこんでくる気がした、

・どこに向かうのかはわからないけれど、少なくとも消えずに進み続けることはできると教えてくれる、そんな光を追いたかったのかもしれない。

・冬は人間の息が目に見える唯一の季節だから。

・がっかりという感情には暴力的なところがあるから。お前は私の思いどおりに反応するべきだという心。

・ダヒの傷を、自分の視点で釈明したくはなかった。

・誰ひとり、苦しいかとは尋ねてくれなかったからだろうか。だから自分自身にも苦しいかとは訊けなかったのだろうか。

・記録しないと毎日が同じ日に、一つの塊になっていっぺんに消えてしまいそうな不安に襲われるの。

・私は大人で、もう保護者が必要な年齢ではなかったけれど、だからって自分で自分を守れるわけでもなかった。

・結局は破り捨てるのに手紙をしたためるという思いも、この世には存在するんだね。

0
2025年12月17日

「小説」ランキング