【感想・ネタバレ】旅のラゴス(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

旅を続けないといけない人っていうのは、こういう人なんだと思った。
いろんな分野の本を読みたくなった。読むだけで終わるんじゃなくて、実践することに価値があるとも思った。実践する人がいないと技術は失われてしまうから。知識があるだけの人にはならないようにしようと思う。

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2025年12月13日

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わー何これ、めっちゃ素晴らしかった!!!ラゴスかっこよ!ラスト素敵!人生で読んでおきたい10冊に入る!大好き 大好き 大好き!

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

読書好きSNS界隈で何度も見かけるので、初めましての筒井康隆作品。結論、とても面白かった。
SFだからかもしれないけど、昭和61年に刊行されたとは思えない、古さを感じない文章だった。
風景描写が鮮明で、人間模様も細かく描かれてるので、SFは日頃全く読まない私でもすっと馴染めた。
七瀬シリーズにも手を出そうか検討中。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

大好きな小説の一つ
主人公の知識欲、学ぶ姿勢にあこがれを抱いた。
私がモデルとする人物像に大きく影響しているね

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2025年11月09日

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読んでいてワクワクする。何をしたいのか、何を目的としているのか。はたまたいっときの興味で行動してみるのか。関わってきた過去に対してのしがらみがある中で、無数にある選択肢を何をもって選ぶのか。愚直でいたいなと感じる一作。本をたくさん読むと王様になれる夢のような流れが好き。定期的に読み返したい。

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

人生という名の旅。
さまざな人間に出会い、自身の道を自身で決める。自分で選んだ道や生き方には誰も責任は取れないだろうが、その分、生を感じられるのだと思う。旅路の爽快感、喪失感、昂揚感すべてが伝わってくるようで、旅好きな私には最高の作品でした。

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2025年10月15日

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とにかくモテる旅好きラゴスさん。どこに行っても、いくつになっても、旅ゆく先々でモテまくります。しまいには、旧ドラクエV天空の花嫁のビアンカとフローラのように、かつて子供たちを苦しめた“究極の二択”に対して、反則まがいの“第三の選択肢”をズバッと選び、なおかつ自分の大好きな「読書最優先生活スタイル」は崩さないという、傍若無人ぶりを見せつけてくれます。

こんなラゴスさんの一生を、嫉妬を覚えるどころか憧れのまなざしで一気に読み切れたのは、良質な短編集のような構成のうまさと、ラゴスさんが自由を求めて自分のしたいことを存分にしながらも、極力まわりに迷惑をかけないという、僕の理想の生き方を体現してくれていたからだと思います。

少し悲しいというか寂しかったのは、このページ数の中で一気に人の一生を見せられるため、どんどん老いていくラゴスさんに対して「なんでもいいから、元気なうちにデーデと再会してくれ!」という気持ちになってしまったことです。でも、デーデと再会してしまったら旅が終わってしまうかもしれませんし、難しいですよね。

ちなみに舞台のイメージ、特にキチの村のあたりは、大好きな『トライガン』的な風景を想像していたので、それも楽しく読み進められた要因です。
あー、面白かった。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

『旅のラゴス』は、表面的にはSF(超能力・失われた文明・異空間の移動)を題材としながらも、
その実体は人生そのものを描いた寓話です。

ラゴスは、文明が崩壊した世界で生まれ、常に「知」を求めながら旅を続けます。
しかしその旅の果てにあるのは、文明の再興でも、絶対的な真理でもない。
そこにあるのは――「歩み続けること」自体が意味になるという発見です。



人は、生涯をかけて“何かを求めて歩く”。
だが、目的地にたどり着くことよりも、その過程で何を感じ、どう変わるかこそが生きる意味である。



この思想は、
「結果を重視する社会」への批評でありながら、同時に人間の存在への肯定でもあります。
筒井康隆が描いたラゴスの姿には、現代人が忘れがちな「歩み続ける勇気」と「探求の尊さ」が込められています。



つまり、
『旅のラゴス』はSFの形を借りた“人生の寓話”であり、
ラゴスの旅は人間の生そのものを象徴している

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2025年10月05日

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 傑作。個人的に筒井康隆のベストは、短編は「薬菜飯店」で、長編はこれ。
 前半の転移とか読心術とか壁抜けのあたりは、まあ普通のファンタジーでもこれぐらいはあるよなって感じだけど、「王国への道」と「氷の女王」を読んでるときの高揚感は、最高のSFを読んでるときと同じもの。これがSFかといわれるとちょっと自信ないけど。
 「顎」では著者の虚構に関するこだわりみたいなものが感じ取れるし、「赤い蝶」や「氷の女王」を読んでいる時の切ない感じもいい。たった200ページちょっとの小説だけど、きっちり物語を構築しちゃってて、この密度の高さはちょっとすごい。

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2025年09月19日

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「旅することが人生に与えられた役目」
現代文明滅後、人類は古い時代に逆戻りした不便さを超能力でカバー。小説は遊牧民の生活と集団転移から始まる。「王国への道」ラゴスは廃宇宙船の本を収めたポロ盆地で本を読破。故郷に帰り叡智を人々に授けた後も旅は続く。愛蔵書。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ラゴスの生涯をかけたひとり旅。
ラゴスの何事にも囚われず自由な生き方、好奇心の探求は誰もが羨ましく感じるのでないだろうか。
そんな自分の心に正直に生きたラゴスの半自叙伝的な物語。

物語は突然高度な文明を失った代償として、人々が超能力を獲得しだした世界。
ラゴスの生涯をかけた旅の目的はなにか?という話。

旅先での出会いや別れ、特別な体験は退屈な日常から解放されスリリングで魅力的だ。
二度も奴隷になったり、一国の王様になったりと波瀾万丈でジェットコースターのよう。
羨ましいことに行く先々で女性から好意を寄せられる。奴隷は羨ましくないけれど。
旅先での面白いというか哀れなエピソードは壁抜けの能力を持った男の話だ。
女性の部屋に忍び込もうとした男が全裸のまま壁と同化したままになってしまうなんとも滑稽で想像すると思わず笑ってしまう。
いろいろな能力がでてくるのも楽しみのひとつ。
ラゴスの凄いところは、自分の好奇心のためなら王様の地位を躊躇いもなく捨ててしまうところ。
私だったら、間違いなく綺麗な嫁二人もいて、贅沢が出来て、将来が安定している王様をとるだろう。
そしてラストははっきり描かれていない。
なぜなら、ラゴスの旅は続く、ラゴスは自由だから。

誰もが会社や家庭、お金という見えない鎖に繋がれている。
ラゴスの自由な人生には正直憧れてしまう一面がある。
でもその自由な生き方の裏には残された家族や子供の犠牲がある。
ラゴスの生き方はこんな自由な生き方もあるよとifの世界を見せてくれる。
まぁ好きな事をして生活できれば一番良いのだけれど、なかなか難しい。
現実味はないけれど、特に月曜日の朝は満員電車に揺られながら「このまま旅にでてしまおうか」なんて心のなかで呟くのだろう。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

ラノベ。
こんな優しい感じの物語を筒井康隆さんが書いたことに驚きました。
いい意味でらしくない作品です。

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2025年11月29日

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最終章まで読み進め、読み終わる=旅が終わるのを寂しく思った。
世界について多くは語られていないところがよい。想像の余地があり、広がりがある。
スカシウマが崖から〇〇する章が一番ワクワクした。
転移、動物と心を通わせる、といった力が出てくるが、魔法のようではなく、一種の得意分野のように描かれているのが印象的。
過酷だが美しいのだろうな、と思われる世界。読み耽った。

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2025年11月22日

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最初は掴みにくい話だとと思ったが、話が進むにつれ一気に読めた。
巨大な宇宙船がある町に辿り着いてからが面白くなった。
時代もあるのかもしれないが、ラゴスの女性遍歴がちょっと気になった。

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2025年11月05日

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SFファンタジー面白かったー!
主人公が万能すぎかつモテまくってるところはなんかこう…なろう系に近いものを感じたけど
でも想像力を掻き立てられてワクワクする世界観で面白かった!

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

RPGの世界に入ったような感覚。
不思議な国で不思議な人たちと出会う。
男なら憧れる設定だ。
特にラゴスがモテすぎるのもいい。

是非、アニメ化してほしいものだ。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

読み始めて、よくある綺談かという感じでやめようかと思った。ーーが、読み進めると引き込まれる。
終わってみれば、さすが筒井康隆!

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2025年10月17日

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おもしろかった
とても読みやすかった。
ラゴスの何かに執着せず、飄々と各地をゆくさまにはとても惹かれた。

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2025年10月11日

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ファンタジックでサイエンティフィックなフィクション。読んでいて楽しかった。ドキドキしたしハラハラしたし、辛かったし思わず息を呑んだ。スカシウマを見てみたいあまりに生成AIに画像を作らせてみた(アウトプットは透明な馬で期待はずれだったが)。空想って楽しい、と脳みそが喜んだ一冊。

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2025年09月20日

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青年から老いて尚旅を続けるラゴスの人生讃歌。出会いと別れを繰り返し最終的に原点であるデーデへの想いに回帰し、旅を続ける構成がとても綺麗で、様々な女とのロマンスと別れを経験した事で数日しか共にしていないデーデという少女の神秘性が更に高まってるなと。旅する知識人はそりゃモテますわな。
彼自身でも語り悩む、自身が研究者でなく知識人である事に正直こちらもあまり乗れない部分があったのだが、彼のアイデンティティは人と人とを繋ぐ旅人である事なので納得。彼が向かう最後の旅は短い時間を共にした1人の女性を追い求める旅。旅の目的はなんでもいい、たとえ死であろうとも、それが人生。
ストレートな言葉であっても、共に旅をして聞く言葉だとこうも響くものなんだなと。

こちらも思わず人生がワクワクしてしまうような、そんな旅小説。

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2025年09月09日

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まさかSFだと思わずに読み始めたもんだから、最初から転移とか、世界観が分からずで困ったのも束の間、不思議な世界なのに、なぜか想像できる…この感じはなんだったのだろう?
時間の流れが早くて、ラゴスはどんどん歳を取って…
あっという間に読み終わってしまった。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

歳をとるのは悲しく虚しいことですね。
正確には歳をとること自体よりも、それにより自分の能力の衰えることが怖い

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2025年06月20日

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本の読み方に影響を受けた。  これを読んだ後、人類の歴史を追体験しようと思った。そこだ、歴史小説を読んで時代の雰囲気を感じ、その当時にどんな発明・発見があったのか確認して次の時代に進むという時間旅行的な読み方をするようになった。

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2025年12月07日

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過去に高度な文明を失ってしまった
不思議な能力の存在する世界
その世界を人生をかけて旅するラゴスのお話

そこまでのいい人、魅力的な人には思えなかったが
旅の行程で出会う人に好かれ頼られ行かないでくれと
しょっちゅう言われるラゴス
でもラゴスは自分のやりたい事以外には
さほど情や思い入れが湧かないタイプの男子のようで
旅情に誘われ旅をする

物語は淡々と紡がれリフレイン的な盛りあがりや
一転二転するような展開は少ないが
飽きずにページが進みます

結局ラゴスさんは一箇所にはとどまれない
旅の刺激や冒険に取り憑かれてしまった
ロマン大好き男子なんでしょうね

彼が羨ましい人は現代にだって
多いのだろうと思いました

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少し難しかった 私にはね
しかし文明の原始化とか時代や場所を想像しながら読めたけど 別れが意外にエグい

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

知らない土地の風景を見る。知らない土地の風俗を体験する。そして知らない文化で育った未知の人と交流をする。旅は擦り切れた日常をアップデートする有効な手段のひとつだ。ラゴスはそんなつもりで旅に出たわけではないかもしれないけど、もしかしたら何かを変えること、何かが変わることを求めて旅に出たのかもしれない。
もし退屈さやかわり映えのなさが日常の主導権を握っていたら、ひとは旅の途中で目にするひとつひとつ光景に驚いたり心を動かされることに懐かしさや新鮮さを感じるのかもしれない。振幅が大きいほど、これまでの埃をかぶっていた日常が綺麗に磨かれる気がするものだ。もしラゴスにインタビューする機会があれば、是非そのへんの本音を聞きたいものです。って小説の内容に関係ないことばかりベラベラ喋ってしまいました。すいません。

そういえば前半部分は、なんだかガルシア・マルケスの『百年の孤独』に似たマジックリアリズムを感じていた。少なからず影響を受けてこの小説世界を作り上げたのかもしれない、と思いながら読んでいたが、後半になるにつれて雰囲気が変わってしまった。意図的なのか、それとも知らずに本道を逸れてしまったのか。真意は分からないが、だんだん私の興味が薄れていったと言わないわけにはいかない。出会い、別れ、愛情、友情、怒り、惑いなど、人の本性についてはよく描かれているとは思ったが、冗漫な部分もあり読み進めるのが億劫になった。

最後までマジックリアリズムを押し通す力技を見たかったというのが本音。だが作者は一本調子になることを避けたかったのかもしれないとも思う。何が正解かは分からない。きっと正解なんてないんだとも言えそうだ。いつか近いうちに(いや、そのうちに)違う作品も読んでみよう。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

少しだけ現実世界と違う世界、各地を旅する主人公は各地で色々な出会いやアクシデントに遭遇しながら、目的地を目指す。
子供の頃にトムソーヤを読んだときのようなワクワク感を大人になってから再び味わう事ができた。
主人公の聡明さ、人と向き合う姿勢には学ぶべきものがある。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

ラゴスの旅日記というか手記みたいな感じで読んでると面白い。超能力のある世界ながらあまり目立ちすぎることもなく、世界観によく馴染んでいる感じがする。
ストーリー性はあまり求めない方がいいかも。あと最後はここまで来て書かないんかい!ってなった。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★★★☆☆期待が膨らみすぎたのか。絶賛される理由がわからなかった。ラゴスの旅の目的は何なのか。壮大な旅が淡々とあっさり語られドップリ世界観に浸るまでもなかった。 奴隷から王様まで幅広い。何年もそこで過ごしちゃうの!と心配になった。何年も快適な部屋で閉じこもって本ばっかり読みたいなー

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったけど、物語後半になるにつれて難しい内容が増えるから集中力がいる。思ったよりラストが地味だった。壮大な物語だったのに、ラストに向けて盛り上がりが減った気がする。でも最初の得体の知れない感じはドキドキして楽しかった。私が思っていたSFではなかった。時間の流れがはやすぎでびっくりする。

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2025年08月11日

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