あらすじ
北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。
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Posted by ブクログ
いつも読まないジャンルだが人に勧められて手にとった。
どの旅もワクワクして先が気になり一気に読んだ。全く違う世界の話と思いきや、会う人やラゴスの正直で素直な会話を聞いていると、自分の求めるものや冒険心や生き方についてとても考えさせられた。何度も読み返したい本。
好きなところ
最初の転移。愛を伝えて故郷を想う。想像力には笑顔と信頼が重要。
似顔絵描きのザムラ。理想的なおれの顔。理想やこうあらねばならぬという気持ちに触れられて、どきっとした。それをデーデにわたそうとするラゴスが可愛い
***
人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればそれでいい筈だ。
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文明が失われ、いわゆる超能力を得た人々が暮らす世界を旅するラゴスの半生。
夢中で読み切った。
作中、超能力や架空の生物が出てくるのに何故かどこかで見聞きしたことがあるように情景が浮かぶ。
ラゴスの体験した夏の暑さ、砂漠の砂埃、淹れたての熱いマテ茶、先々で出会う女性たち、スカシウマの手触り、そしてデーデの笑顔。
過度な筆致ではないのにまざまざと感じることができた。ラゴスの旅は最後の最後まで素晴らしい。
筒井康隆は作者自身のイメージが強過ぎて今までちゃんと著作を読んだことがなかったのだけれど、得難い読書体験だった。
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ラゴスの旅、旅のラゴス。
世界やラゴスの旅の目的について小さな説明のみで話が進んでいく。他の惑星から人類が来たが文明は失われたようだ。ラゴスが膨大な人類の蔵書を読み進めるにあたっての工夫も面白かった。哲学や詩などを理解することは難しいということ、歴史を土台として人文的な理解を深めていったこと。
また、最後、死出の旅に出るであろうラゴスへの呼びかけで終わり、氷の国の有無も定かではない、最期まで旅人であったろうラゴスの人生を思い、大きな余韻を残し実際に鳥肌が立つほどであった。
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壮大な旅の物語。とても良かった。主人公の半生を描く旅。そこにはSFっぽい奇想天外で想像力を掻き分ける物語もあれば、より現実的な旧時代を旅しているような苦労さ楽しさがある。
現代から見たらどうなのか?旅はどこへと続くのか?そんな答えが分からないからこそ感慨深い。
知識は薬にも毒にもなる。そうとも感じられた。
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場面展開が多い割には劇的な展開があるわけではないけど、その単調さに味がある作品。難しいとも思うけれどスラスラ読める。異能も多くはフォーカスされていないから、SFやファンタジー要素に挑戦したい人の入門に良いかも。
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すごく面白いどんでん返しがあるわけじゃないけど、ずっと手元に置いておきたい本1位。紛失したり引っ越したりして計4冊は購入している。
ドラクエ5を思い出す。主人公の数十年間がこの本に詰まっていて、私は応援せず軽蔑せず追いかけるだけ。
あ!約10年手元に置き続けるくらいこの本を愛しているいちばん大きな理由は、ラゴスが知を追い求めるからだと思う!やっぱり学ぶっていいよね。ラゴスが感情で動くところは筋通ってなくない?って思うけど、その矛盾が人生における寄り道だったりするのかなー
皆も、自分にとって唯一の本があるのかな。
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めっちゃ面白い。ラストも希望もあるし、切なさもあるし良い。筒井康隆の世界に連れて行く文章力が◯。旅物短編集だけど、そうじゃなくて、ちゃんとストーリーとしてラゴスの人生が、この小説の世界への影響が絵が描かれている。もう少しこの世界に浸りたかった
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「旅することが人生に与えられた役目」遊牧民生活と集団転移から始まる。現代文明滅後、人類は古い時代に逆戻り,不便さを超能力でカバー。「王国への道」ラゴスは廃宇宙船の本を収めたポロ盆地で本を読破。故郷で叡智を人々に授けた後も旅は続く。愛蔵書。
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筒井康隆を感じた。読みやすくはないのに、ノリ出したらグンと引き込まれた。
連作長編だから、一話一話の終わり方があっさりめで、次の話ではラゴスはもう旅立ってるので、少し寂しい気持ちになった。しかも出会った人が割と死ぬ。また少し悲しい。ザムラ、ウンバロ、泊めてくれた女の人(名前忘れた)、奴隷も辛い。七年長い。悲しい話が多い。
最後、終わり?!って思うくらいラゴスの先行きが見えないままだったけど、それこそ旅物語なのかもな。それが旅で、人生なのかな。
面白かった!
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ラゴスの旅を書いたSF小説。未来の設定みたいな感じやけど、現代の技術とかは失ったような感じ。そのかわりに今で言う超能力的な力を持ってる人が出てくる。ラゴスの旅は波瀾万丈で、捕まって何年も奴隷になったり、ある街では王様になったり、なんか旅をするのはいろんな刺激があるしいいよなぁと思った。
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260821再読。
ラゴスの旅行紀のような物語。奴隷になったり、王になったり、学者になったり、ラゴスが旅をしていく中でいろんな社会的立場を経験する。旅の物語にしては割とあっさりと事件を綴っていて、ラゴス自身もそこまで焦っていないのが印象的。現実とは違う世界ではあるが、どこか全く違うものとは思えない。遠い未来の話と言われても腑に落ちる。ラゴスはある種の神のような振る舞いをしていて、この物語が神話チックにも感じられた。
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旅のラゴスは、物語の王道である「主人公が旅に出て、何かを得て、帰還して愛する人と添い遂げる」という筋書きから外れたお話だったと思う。最愛の人には会えず、持ち帰ろうとした書物は捨てられて…最後は定かでない最愛の人に会いに、死への旅に出る。でも、主人公が持って帰ってきた知識は、たとえ書物が奪われても人が伝え続ければ、決して失われない。また主人公が苦心した、大昔の失われた文明の知識をどうやったら今の世界に溶け込ませられるかという視点。知識や技術も扱う人の人間性に依るのだ、と感じた。
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読んでて何度も旅をしてみたくなった!
ロマンの詰まった壮大なSF物語。
ラゴスという男の旅を通して描かれる人生。
高度な文明を失った代償として、人々が特殊な能力を獲得した世界。旅先で遭遇する集団転移や壁抜けなどといった、奇想天外な発想に読んでて飽きさせない。ワクワクした!
時には奴隷、時には王様といった、老いを感じさせないラゴスさんの生き様っぷりに圧倒された。
何にも執着せず縛られないラゴスさんの生き方には憧れる。
旅の一冊として持って行きたいと思った!
Posted by ブクログ
単行本は1986年刊。もとは「SFアドベンチャー」連載(84.4~86.6)。12話からなる。
読ませるが、筒井康隆にしては古典的だし、定型的過ぎないか。古典的・定型的というのは、「遍歴」小説風という意味で。後年のほかの作家の作品群(たとえば時雨沢恵一の連作『キノの旅』など)は、まったくもってこの路線だもん。
新潮文庫の解説は、筒井と同世代の、科学史の村上陽一郎(執筆時は東大教授)。一種のビルドゥングス・ロマンととらえている(ありゃ、「遍歴」小説じゃん)。そういえば、村上先生は、漱石の『三四郎』もビルドゥングス・ロマンと言っていたような。
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なんとなく古本屋で100円コーナーにあったので読んでみた本。
筒井康隆らしい、現実と虚構が上手いバランスで混じり合った話で、SF感もあり楽しめた。
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論理的に構築されたファンタジーの世界観を背景に、ラゴスの人生における複数の転機を短編的に繋ぐ形式。各章で数年単位の時間経過を重ねることで、人生という長い旅の重さと変化を表現している。様々な環境での決断や出会いを通じて、人間の道徳的判断と人生の選択肢が問われる感じ。穏やかで落ち着いた文体で語られながらも、ときに考えさせられることもある構成。一方で、今だったらこんなん書かれんだろうなーって描写もあり、そこには違和感を覚えることもあった。全体的には、人生における「旅」と「帰還」、そして最終的な「決別」へ向かう過程を静寂の中に描いた作品。人間の本質と時間の流れを感じさせられる読後感がある。
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七瀬シリーズの旅行版に感じた
これは無限に読めるぞ
幾度か、何年も経過してしまうシーンがあり、なんとなく残念になったほど
終わり方だけが好みではなかったが(七瀬もなんだよなあ)さすがは御大といったところか
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旅人ラゴスの物語。\n舞台は高度文明が滅び、文明と引き換えに人類が超能力を発現させている世界である。\n旅人ラゴスの青年期から老齢期までの旅行記のようであり、ラゴスの女性遍歴でもあり、その世界の人類の歴史でもある。\n筒井康隆の真骨頂であるSFとエスパーと少女が揃っているが、予想通りの面白さだった。\n一章一章が綺麗に終わるのではなく、あえて最後まで書ききらないことで、行間を読者に想像させるように出来ており、それは最後まで変わらない。\n読み出したら一気に世界に引き込まれ、次が気になって仕方がない良書であった。\nまた旅心を誘われた時にでも読むと良いかもしれない。
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SF作品が初めてと言うこともあり、読み始めた当初は説明無しの世界観や登場人物の多さに苦戦し読み進めづらかった。
しかし、物語が進むにつれラゴスと旅をしているかのような疑似体験が感じられ、次第にこの世界観や旅の刺激的要素が掴めるようになり面白かった。また、各回の物語に奇想天外なアイデアも垣間見えるし、短絡的な物語が多いため読者にとっては読みやすい上に、目標としている到達点に行くまでの寄り道こそが旅の醍醐味であるかのように感じられる節がある。
加えて、題名を「ラゴスの旅」にするのではなく、「旅のラゴス」と表記することによって主人公ラゴスが旅と自分を一体化し、人生において旅の重要性を説いていたように感じた。
本書を通じて、旅の目的とは人生というもうひとつの旅の道筋を明確にするものであると考えた。常識化された世界から異空間に足を踏み出し、旅をすることでやがて常識化された世界に帰化した際に新たなる本筋がきっと見えるのではないだろうか。
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作中の世界は、読者側の世界よりも文明的には後進である。宇宙船のくだりで近未来であることがわかった。歴史は繰り返すというか、今、原始時代の状態から世界がもう一度始まるなら同じような歴史をなぞるのだろうと感じた。ここまでは歴史観について。
最後の氷の女王の章。物語のはじめの出会いがラゴスの最後に行き着くポイントなのだとロマンチックなラストだと思った。
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旅の日記の途中から途中までといった感じの物語。序盤は退屈な話であったが、中ほどの銀鉱での奴隷生活あたりは少し読み応えがあった気もする。ただ、文体も総じて外国語を日本語に翻訳したかのようなもので読みにくかった。私には合わなかったということだろうか。
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序盤は知らない地名や設定が多く、少し掴みにくさもあったが、読み進めるうちに作品の見え方が変わっていく面白さがあった。旅の途中で出会う出来事は、あっさり通り過ぎるものもあれば、人生を大きく変えるほど長く重く残るものもあり、その時間の扱いが独特だった。ファンタジーともSFとも言い切れない曖昧な世界観も魅力的で、淡々とした語りの中に、不思議な余韻が積み重なっていく。細かい挿話には少し物足りなさもあるが、その寄り道も含めて旅の広がりを感じさせる。読後には、長い旅そのものの手触りがじわじわ残った。
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旅こそが人生、学問を学ぶことでいろんな視点から物事を考えられる。
カタカナの登場人物、地名が多くて全然頭に入らないことがわかった、あまり自分には合わないのかもしれない
Posted by ブクログ
癖がなく読みやすいSF作品だった。悪く言えば大きな盛り上がりには欠けるが、旅する主人公ラゴスの冒険を最後まで楽しむことができる。
個人的に、この手の物語は主人公に好感を持てるかどうかが重要だと思う。ラゴスは現代人と変わらない感性を持つ善良な人物で、時には失敗もする等身大の人間として描かれている。
親しみやすさが魅力である一方、強い刺激や意外性は少なく、面白さを感じながらもどこか単調な印象を受けた。
Posted by ブクログ
10年くらい前に買って、一読したが内容をほとんど覚えていなかったので、再度読みました。ジャンルはSF、主人公はある都市から旅をして、いろんな土地を回って、終盤、故郷に戻り再び旅をする、言ってみればかなりスタンダードな構成だとおもう。でも、転移や壁抜け人間など、変わった人が出てきたり、主人公の手によって街を再興させてたり、この小説にしかない爽快感や面白さがあった。
Posted by ブクログ
旅こそが自らの人生で生きる意味。たとえその先に待つのが死だとしても。今よりも過酷な体験をすることとなっても。
ラゴスの旅こそが人生なのだ。奴隷の中で、豊かな暮らしが得られてもそれよりも学問への探究や冒険が抑えられない。
Posted by ブクログ
ラゴスは老いてなお旅に出て根っからの旅人なのだと感じた。それが羨ましいというか正直妬ましさを感じてしまった。
奥の細道の月日は百代の過客にして行きかふ年も旅人なりを思い出した。
社会に縛られている現代に旅人としてどれ程いいだろうかと思う。
SFチックが強く時折、設定が大仰に感じてしまう事があり戸惑った。女性に一つの章に一人程のペースで好かれており少しくどいと感じてしまった。
恐らく個人の好みの感じで自分は肌感合わなかったが面白いシーンもあったので中世ヨーロッパのファンタジーが好きな人はきっと面白いと思います。