小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ⭐︎4.5
面白かったーーー。上下巻でかなりのボリュームなのに、読むのがまっったく苦じゃなく、村田沙耶香ワールドにどっぷり浸かれて幸せだった。
下巻ではピョコルンが性欲を引き受け、妊娠や出産も人に代わってできるという衝撃の進化を遂げている。このとんでも設定のなかでじわじわと自分や世界の常識が"ぶっ壊されていく"感じが凄まじかった。ディストピアだけど、ディストピアとは言えないような、何なら現実より現実感があって、それが恐ろしかった。なんて世界に生きているんだろうとも思うし、この世界で平然と生活する自分たちにもゾッとしてしまうような怖さがあったし、それがこの本の面白さでもあった -
Posted by ブクログ
⭐︎4.5
すごい、としか言えない。村田沙耶香さんの言葉って、何でこんなに面白いんだろう。強烈な言葉、表現から、村田さんの繊細で優しい人柄が伝わってくるという不思議な感覚。
空子と同じように、自分含め大抵の人が色んな世界を持っているんだと思う。世界①と世界②の自分はまるで別人、なんて普通だと思う。そういう誰もが経験したことがあったり感じたことのある微妙な感覚をこんな風に言語化して壮大なディストピア小説にしてしまうなんて。この物語はすべてが強烈でとんでもない世界だけど、現実の世界とかけ離れてるとは言えない。差別も偏見も現実世界でだって溢れていて、そういう世界に「呼応」してしまうことも誰しもないと -
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渡良瀬川の河川敷にて、立て続けにふたりの女性の全裸死体が発見された。その状況は十年前に同じく渡良瀬川河川敷で起こった連続殺人と酷似していて、それは容疑者を逮捕しながらも検察が不起訴にしたことで迷宮入りとなっていた栃木、群馬県警にとって無念を抱える事件でもあった。今回の事件の犯人は、前回と同じ犯人か、それとも別に犯人がいるのか。十年の時を隔てて、様々な人間の思惑が入り乱れていく――。
ということで本書は、ひとつの事件を巡って、複数人の視点が絡み合って展開していく群像劇ミステリの大作で、かなり多くの人物が登場するのですが、印象に残るキャラクターが多いので、(群像劇って複雑だからすこし苦手とい -
購入済み
面白かった! 最初は、取っつき難い作品ではないか、何か訳が分からないと思われます。やっぱり翻訳物は解り難いと思っていましたが、読み進めば、目が離せなくなります。私は、後半は一気読みでした。
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購入済み
納棺師達を主人公とした小説です。
小説だけでなく、テレビドラマや映画等で、葬祭に関わる人達を主人公とした作品が多く出ていますので、どうしてもその中の一つで時代の流れに乗った作品の様に思えますが、主人公の納棺師達自身が色々と抱えている人達で、その心の襞が現れた作品です。
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Posted by ブクログ
ずっと読みたくて発売日に買っておいた本。
読み終わることがもったいなく思えて、ずっと読めなかった。
でも、映像化の話を聞いて、他の形から先に知りたくないと思って、覚悟を決めて読んだ。
私の言語能力では太刀打ちできない、今の気持ち。
でも、残しておきたいこの気持ちはどうしたら良いのかと途方に暮れる位、身体に染み渡った。
自分の人生を自分で生きるために必要な言葉をこの本から教えてくれる。生きられない悲しみや美しい不器用さも教えてくれる。
私も、自分を生きていくために懸命に生きよう。
その気持ちが薄れたら、この本を読もう。
何度も読み返したい、いや今は読めない
でもまた読みたいと、葛藤し続ける -
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ネタバレいわゆる推し活に限らず、この世の全てのコミュニティにはその中の人たちだけが共有する信念があって、宗教的な側面を含んでいるんだと思う。
自分から視野を狭めて、この間違いを犯すと決めないと行動に移せないし、そうやって「自分を使い果たして」いないと心から楽しめない。
視野を広めることはあらゆる間違いに気づいてしまうことだから縛りを自分で増やすことになる。
そんな視点が描かれていた。
外から見たら「ヤバい団体」だけど、中の人たちは本当に生き生きしてるし人生を楽しんでいる。
バランスを保って楽しめるのが1番だしそういう人が大半なんだろうけど、ストーリーに気持ちを動かされる感受性豊かな人は気付かぬうち -
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働く女性たちの葛藤や本音を丁寧に描いた作品です。
働く女子の気持ちがすごく鮮明に描かれてて、かっこいいなあ、こんな女性になりたいなぁって思わせてくれる物語でした。
元気がなくなったらこの本の女(ガール)に会いに来たくなると思うほど、登場人物たちは魅力的です。
かっこいい男前な女がいます。
女の子じゃなくて、女です。
立場はちがっても女同士は合わせ鏡だという言葉から、婚歴や子どもの有無などで線を引くのではなく、一人の人間として向き合ってほしいという思いが訴えられているように、どの作品からもそう感じました。
また何歳になっても好きな服を着て、好きな自分でいたいと思いました。
オバサンや若作りとい -
Posted by ブクログ
物語を語っているのは何者なのか?
生きた者なのかそれとも死んだ者の記憶が語っているのだろうか?
物語はピレネーの山にある小さな廃村の話だ。
しかし、はじめのうちは何が書かれているのかを手探りのように読み進めていくことになる。
必然的にじっくりと辛抱強く読むことになるのだが、やがてその内に少しずつその背景が、全貌が明らかになってくる。
村からは人々が消え去り、自らの子どもや妻さえも。そこで、老人はただひとり、唯一の友である雌犬とともに記憶と時間の中をさまよいながら過ごすのだ。
圧倒的な哀しみのテンションで書き綴られ、ラテン文学の特徴なのか、時間が行ったり来たりして迷宮をさま -
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ネタバレ事件のトリック自体は込み入ったものではないので、その気になれば気づける。この本が読者の印象に残っているのはそちらではなく、もう一方の方。
まんまと作者に騙されたあとに読み返したが、一つだけこの仕掛けに気づける証拠を見つけた。
途中アマチュア無線でSOSを呼ぶシーン、清太郎くんは自分のコールサインを「JH2WXF」としている。
このコールサインは作者が実際に取得しているものをそのまま持ってきているのだが、アマチュア無線の頭2桁はプリフィックスコードと言って、枯渇するとアルファベットが新しくなっていく。
「JH」は1970年代に枯渇しているので、仮に事件の舞台をこのシリーズの設定である1998年 -
Posted by ブクログ
三軒茶屋という街のイメージが変わった作品。
裏社会の一部を知ってしまったような気持ちで、いろいろ衝撃的だった。
虐待や貧困、当たり前のように罪を犯す子どもたち。
「どうやってまともな世界でまともに生きていく資格を手に入れたのか」
「どうやってそっちの世界の人間になれたのか、わたしは誰かに教えて欲しかった」
これらの花の思考が辛かった。
私は当たり前のように何の努力もなしに、花のいうところの「そっちの世界の人間」になれている。
子どもにとってとりまく環境が全てなのだと改めて実感する小説だった。
きっと日本には花のような少女がたくさんいるのだろう。
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