無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
日頃はもっとマンガっぽいミステリ(名探偵が出てくる本格ものっていうか)ばかり読んでいるのですが、たまにはこういうのもいいかなと何気なく手に取ったところ、夢中で読みました。
群像劇なので何か特定の人物の視点に立って読むわけではなく、ドキュメンタリーのようにも見えました。
集英社のサイト掲載のインタビューで、作者は「映画『ゾディアック』と、『殺人の追憶』からヒントを得てこういうのを書きたいと思って」といったことを述べてました。『ゾディアック』は観てますが、納得です。
私は日頃から割と合わない作品を「合わない」とか「嫌い」と言っちゃうんですが、この作品は、どこかが自分にブッ刺さって大好きというよりも、「文句を言う部分が見当たらない」ため★5です。
人物の描写が全般的に少々保守的というかファッショナブルではない印象を受けましたが、作品の質を損なうことはありませんし、むしろ作品に合った適切な描写とも言えます。
オススメできない要素はありません。
ぜひ、読んでみてください。
Posted by ブクログ
怒涛の展開と結末へのラストスパート。
じりじりと被疑者を追い詰めていく刑事たちの執念、真実を伝えることに賭ける記者たちの信念、みなまでは言いませんがサイドストーリーに漂う緊迫感。
どの物語をとっても読者を引き込む魅力が備わっている、奥田英朗の描く刑事たちの執念、真実を報道するという記者たちの信念、みなまでは言いませんがサイドストーリーの緊迫感。どの物語をとっても読者を引き込む魅力が備わっている、奥田英朗作品のリーダビリティに脱帽。
読みごたえの肝は、事件の顛末を事細かに描写しているところだと思う。事件関係者同士の心が通う瞬間、一つ一つ物的証拠を積み上げていくことの高揚感、反対に停滞しているときの焦燥感。そういった心情表現のディテールがすごい。何食わぬやり取りにちりばめられているのです。そういった場面の積み重ねにより、物語の現場に引き込まれる臨場感を生み出している。ページ数の多さなど気にせず読む手が止まりませんな。
エンタメ小説は意気込んで何かを学ぶ読書ではなく、読書を通じて気持ちをリフレッシュとか心を揺さぶることが主目的である、と思う。本作品は心をぶるぶるっと揺り動かされましたよ。すっきり。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
群馬県と栃木県を跨ぐ渡良瀬川の河川敷において、女性の遺体が立て続けに発見された。臨場した捜査員達の胸に去来するのは、十年前に発生した未解決連続殺人事件。これは十年の沈黙を破る殺人鬼の蠢動か、それとも悪質な模倣犯か、強烈な「後悔」を胸に群馬・栃木両県警が事件に立ち向かう。
事件解決に心血を注ぐ刑事達。未解決事件に囚われた警察OB。娘の「復讐」を誓う父。初めての大事件に臨む新聞記者。容疑者と親交を結ぶクラブのママ。
様々な人間の思惑が絡み合うなか、事件は思わぬ展開を見せていきーー。
【短評】
緻密な筆致が印象に残る良作である。
じわじわと真相に迫る手応えを感じつつ、群像劇の妙味である細やかなザッピングにより「一番良いところ」を見せてもらえるため、終始飽きが来ない。上下巻のボリューミィな作品ながら、二、三日で読み切ることが出来た。
警察小説の醍醐味は地道な捜査にあると思う。立件に足る確たる物証を集めていく道程。遅々とした歩みのなかに覗く刑事の矜持。私が警察小説において観たい諸々の景色が丁寧に描かれており、非常に好感が持てた。個人的には齋藤一馬(さいとうかずま)が好きである。他方、松岡などは殆ど狂人であり、好きにはなれなかった。だが、奥田英朗は、こういう思い込みが激しい人間を描くのが上手いとも思う。
さて。徹頭徹尾じわじわずるずると進んでくれれば良かったのだが、最終盤の展開はかなり駆け足気味である。読みながら「これ頁足りる?」となったが、個人的には「やはり足りなかったか…」という感想が先行してしまった。「足りたねえ」と嘆息したかっただけに少々残念。容疑者が徐々に絞られていく興奮と、ある容疑者に拘泥することへの危機感が同居したスリリングな展開だっただけに、肩透かしを喰らった感が強い。
刑事たちがかなり優秀なので、状況証拠は揃っているが、「物証」と「動機」が分からない。通読した限りにおいて、読者の興味は後者に寄ると思う。しかしながら。
頁が足りない。知りたいことが開示されない。すっきりしない。
この興味の持っていき処をどうしてくれようか!!となってしまう訳だ。
序盤中盤はかなり好きだが、終盤がソードマスターヤマトになってしまったことが残念でならない。さりとて良作の部類ではあるため、じっくりと腰を据え、勘を働かせながら読むことをお勧めしたい。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。