あらすじ
渡良瀬川の河川敷で相次いで発生した死体遺棄事件。十年前の未解決連続殺人事件の手口に、悔恨を繰り返すまいと群馬・栃木両県警は必死の捜査を続け、三人の容疑者のうち一人について事件との関連が強く疑われる事実が判明する。しかし、ほか二人の容疑者の周辺にも怪しい動きが・・・・・・。容疑者の恋人、独自に動く元刑事、被害者遺族――人々の想いの果てに見える真実とは。人間の業と情を抉る無上の群像劇×緊迫感溢れる圧巻の犯罪小説。下巻。
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Posted by ブクログ
怒涛の展開と結末へのラストスパート。
じりじりと被疑者を追い詰めていく刑事たちの執念、真実を伝えることに賭ける記者たちの信念、みなまでは言いませんがサイドストーリーに漂う緊迫感。
どの物語をとっても読者を引き込む魅力が備わっている、奥田英朗のいく刑事たちの執念、真実を報道するという記者たちの信念、みなまでは言いませんがサイドストーリーの緊迫感。どの物語をとっても読者を引き込む魅力が備わっている、奥田英朗作品のリーダビリティに脱帽。
読みごたえの肝は、事件の顛末を事細かに描写しているところだと思う。事件関係者同士の心が通う瞬間、一つ一つ物的証拠を積み上げていくことの高揚感、反対に停滞しているときの焦燥感。そういった心情表現のディテールがすごい。何食わぬやり取りにちりばめられているのです。そういった場面の積み重ねにより、物語の現場に引き込まれる臨場感を生み出している。ページ数の多さなど気にせず読む手が止まりませんな。
エンタメ小説は意気込んで何かを学ぶ読書ではなく、読書を通じて気持ちをリフレッシュとか心を揺さぶることが主目的である、と思う。本作品は心をぶるぶるっと揺り動かされましたよ。すっきり。
Posted by ブクログ
連続殺人・死体遺棄事件の参考人のうち、一人はふっつりと姿を消してしまった。一人は多重人格で入院中。最後の一人の刈谷を警察は別件逮捕で引っ張るが、完全黙秘を貫き自白に持ち越せない。証拠品も揃っていないと地検に言われてしまい、勾留期間を過ぎてしまって、結局釈放せざるを得なくなった。
警察は逮捕起訴できるのか?行方不明になっていた池田もどういうわけか娑婆に帰って来ている。誰が犯人がというところに、3件目、前回の事件を加えれば5件目の殺人・死体遺棄事件が起きる。
Posted by ブクログ
いつも思うが、奥田英朗さんの小説は映画のスクリーンを見ているようだ。ちょっと粒子が粗く、薄暗い感じの・・・。とは言え、随所にユーモアが散りばめられて、思わず笑ってしまうのも良い。
登場人物は犯人も含めて、なんだか嫌いになれない。今回はスナックのママ、明菜が素敵。
Posted by ブクログ
容疑者3人。様々な証拠があがり、次第に絶対こいつが犯人だと1人にしぼられた頃に新たな事実。
犯人は黙秘を貫き、物語の最後まで心情が語られることはなかったけれどそれが良かった。
簡単には語ることの出来ない動機、言葉にするにはあまりにも辛いものだったのではないかと想像します。
Posted by ブクログ
渡良瀬川女性連続殺人事件の被疑者として,刈谷が別件逮捕される。
10年前の事件も刈谷なのか⁇
刈谷は黙秘を続ける…
被疑者のひとり、池田は行方不明となり、元刑事・滝本は池田の行方を追う…
もうひとりの被疑者・健太郎は多重人格障害であり、別の人格の存在が明らかに…
10年前に娘を殺害された松岡は執念で犯人を追い続ける…
誰が犯人なのか…
刈谷が犯人であることは間違いないはず…
ずっと黙秘を続ける刈谷。
どんな精神状態なのか…
別件逮捕も釈放、任意で取調べを受け続ける…
普通に生活を続ける刈谷。
どんな精神状態なのか…
逃げもしない…
逃げれるわけもないのだが…
何が刈谷をそうさせるのか…
結局、母親に対する嫌悪が刈谷を駆り立てたのか…
それが知りたかった…
すべてが明らかにならず、モヤモヤ感も残る…
結局、3人とも事件に関わっていたんだけれど…
Posted by ブクログ
完結編
刈谷の取り調べに対する平然とした態度に、彼は何かを隠しているのかなんて思ったりしましたが、最後まで心の底がわからない怖さを感じました。
容疑者のひとりの池田も、分かりやすい性格と思う一方で、追い続けてきた元刑事の執念が実った瞬間は良かったです。
最後まで刈谷を信じ続けたスナックのママの女性心は、わかる様な分からない様な。
警察にコネもない一人の記者が事件記者として成長していく姿を見て、なぁなぁの綺麗事じゃ仕事はできないのだなと。
最後は一応、大円団で終了
Posted by ブクログ
群馬県と栃木県で起きた連続殺人事件を追う刑事、被害者の父、新聞記者などを中心に、その周辺の人物を描く群像劇。
群像劇は筆者の得意とするところであり、本書でもその手腕が遺憾無く発揮されている。
事件は3人の容疑者のうち誰が真犯人なのか、といった視点から語られており、犯人を徐々に追い詰めていく流れについつい引き込まれていく。
登場人物が多いため読み始めは誰が誰だか少し分かり難かったが、最後にはそれぞれの人物の複雑な感情もしっかり感じながら読むことができた。
Posted by ブクログ
上下巻と長い小説だが、長さを感じられないお話。河川敷で連続殺人事件が起こり、10年前に2件、10年経ってから3件と発生。果たして同一犯か?模倣犯か?というお話。刑事を退官後も一般人として捜査を続ける誠司の執念には頭が下がった。また本筋とは関係ない描写「死体発見者が定年退職後の男性で、毎朝犬を散歩させながら体力づくりに励んでおり、いきつけのマッサージ師に筋肉が増えてきましたね、と言われて喜ぶ」などのくだりは、なかなか共感するものがあった。ちょっとした描写にもちょっとした物語が隠れているのが、読んでいて楽しかった。おすすめ
Posted by ブクログ
渡良瀬川の河川敷で発生した連続殺人事件。刑事、新聞記者、10年前の被害者遺族、刑事OBなど様々な視点で進展していく。それぞれの事件に対する執念を感じながら読み進めるが、前半は捜査の進展がなく刺激が少なかったが、下巻の後半から面白くなっできた。最後どんでん返しはなかったのが寂しいが、群像劇としてはまあまあ楽しめた。
Posted by ブクログ
渡良瀬川河川敷の未解決連続殺人事件
容疑者は3人に絞られた
元ヤクザ「池田清」
期間工「刈谷」
議員の息子「平塚健太郎」
一方で容疑者を追う
被害者の父「松岡芳邦」
元刑事「滝本誠司」
中央新聞社「千野今日子」
最後まで目が離せない展開に
やられたと思ってしまう結末。是非堪能下さい
Posted by ブクログ
被害者父親の行動がもはやストーカーレベルでぶっ飛んでたりと
面白くて一日で読み終わってしまいました。
ただ、欲を言うなら最後はもっと犯罪に至るまでの
動機等を知りたかった。
Posted by ブクログ
長さを感じさせないまま、あっという間に読み終えた。いつの間にかページが残り少なくなっているという、不思議な感覚。それくらい没入できる一冊だった。
それぞれの視点で事件と向き合い、そのつながりによって事件解決への道筋が少しずつ見えてくる。警察だけでなく、元刑事や遺族は凄まじい執念で事件を追う。そして、事件発生から逮捕までの警察の地道な捜査。先が見えず、本当に犯人なのか疑いがあるまま、ただただ事件解決のために全力で走る姿には尊敬の念しかない。普段ニュースで見る事件の裏には、想像以上に多くの人間が、事件解決に向けて時間と力を尽くしてくれているのだろう。
続きが気になる結末だった。被疑者となった三人の心情、そして今後の裁判はどう進むのか。事件の真相を追う長い道のりをリアルに描いた一冊だった。
Posted by ブクログ
奥田英朗『リバー 下』集英社文庫。
下巻に突入。
北関東連続幼女誘拐殺人事件をモデルにしたような陰惨な事件に翻弄される人びとを描いた犯罪小説である。もっとも本作では被害者は若い成人女性になっているようだ。
北関東連続幼女誘拐殺人事件を扱った作品には、清水潔のノンフィクション『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』 、柚月裕子『慈雨』などがあるが、この下巻を読み終えた限りでは、そこまでのレベルではなかった。
3人の容疑者がそれぞれ十分に怪しいのだが、そんなことがあるのかと思うような欲張り過ぎた真相が良くなかった。そして、歯切れの悪い結末も良くなかった。これでは10年前に娘を殺害された父親と10年前に容疑者を逮捕出来なかった元刑事の執念も全く無駄だったことになる。
群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで若い女性の全裸遺体が発見される。それは10年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口で、警察内部では10年前の事案を含めた渡良瀬川連続殺人事案を『リバー事案』と呼んでいた。
桐生市で見付かった被害者は23歳の安藤麻衣子、足利市で見付かった被害者は21歳の渡辺沙也加で、2人とも事件直前にマッチングアプリで知り合った男性と援助交際でホテルに入っていたことが判明し、被害者以外にも、マッチングアプリで知り合った男性とホテルに向かう女性が正体不明の男に尾行されたという証言も見付かった。
栃木県警と群馬県警の共同捜査により捜査線上に浮上したのは、10年前の事件でも疑われた45歳の池田清、解離性同一性障害の引きこもり31歳の平塚健太郎、32歳になる工場で期間工として働く刈谷文彦の3人のの容疑者であった。
かつて容疑をかけられた池田清を取り調べ、証拠不十分で釈放した悔しさを忘れない元刑事の滝本誠司は警察に協力しながら、独自捜査で池田清の周辺を洗うと、新たな事件の影が見えて来た。
2人目の容疑者、解離性同一性障害の引きこもり31歳の平塚健太郎は、自宅で凶暴な別人格が出現し、自宅を飛び出してしまう。
3人目の容疑者、期間工の32歳の刈谷文彦は工場で3交替のトラック運転手を務めていたが、10年前にも同じ工場で期間工として働いていたこと、事件現場近くで刈谷が運転している4tトラックと似た車両が度々目撃されるなど、怪しい点が次々と見付かる。
しかし、刈谷は殆ど何も語らず、証拠不十分で釈放され、警察はさらに焦りを見せる。そんな警察を嘲笑うかのように渡良瀬川で若い女性の遺体が発見される。被害者は松坂絵里という20歳の女性で、刈谷が出入りしていたスナック『リオ』のホステスだった。
本体価格840円
★★★★