あらすじ
その文章、「自分のため」に書いていませんか?
「伝える」ではない、「伝わる」言葉を、文章を生み出すために、小説家はいつも何を考えているのかーー?
『ゲームの王国』『地図と拳』『君のクイズ』『火星の女王』
祝デビュー10周年! 時代を席巻する直木賞作家・小川哲が、「執筆時の思考の過程(=企業秘密)」をおしみなく開陳!
どうやって自分の脳内にあるものを言語化するかを言語化した、目からウロコの思考術!
☆☆☆小説の改稿をめぐる短編「エデンの東」も収録☆☆☆
小説ーーそれは、作者と読者のコミュニケーション。
誰が読むのかを理解すること。相手があなたのことを知らないという前提に立つこと。
抽象化と個別化、情報の順番、「どこに連れていくか」を明らかにする……etc.
小説家が実践する、「技術」ではない、「考え方」の解体新書。
この本を読んだからといって、「小説の書き方」がわかるわけではない。小説家が小説について考えてきたことを人生にどう活かすか、あなた自身で見つけてくれれば言うことはない。ーー小川 哲
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Posted by ブクログ
小川さんがどんなふうに考えて小説を書いているか分かって、しかもその目の付け所がいわゆる一般的な枠にはまらず、非常に新鮮だった。ちょっと森博嗣さんの考え方にも似ているなあとも。また、序盤の「実際にあったことのように書きつつもフィクションである」という展開のせいで、章を読み進めても「どこまで本当の話なのだろう」と身構えながら読む、エキサイティングな読書体験が得られた。小川さんの小説はほとんど読んだことがないので、近々どれか読んでみたいけれど、どれもボリュームがありそうなので少し気後れしている。
Posted by ブクログ
各章が5分強で読み終わる長さであり、説教じみている感じもないのに、小説家の思考の過程を垣間見ることができる貴重な一冊。
難しい言葉遣いや、抽象的な表現も少ないため、「言葉を使うこと」や「考えること」に興味を持つ学生、また読書習慣のあまりない方にもおすすめしたい。
Posted by ブクログ
小説家の方どのようなことを考えて小説を書いているかに触れることができた気がする。
読んでいてスッと情景が浮かぶような文には色んな工夫がなされているのだと感じた。
説明がすぎると冗長になってしまうし、
書かない部分を読者が想像できるだけの内容を含ませるのにも技術がいるんだろうな...
作者が表現したいことというのは明確にあっても、読者が受け取ることは良くも悪くも様々。
大変な仕事だなと思いつつ、心を豊かにしてくれる小説家の方には日々感謝です!
Posted by ブクログ
目から鱗の連続。小説というものを構造的に考えるとこういうことになるんだだったり、小説国の法律という言語化に膝を打ったり、こんな風にして小川哲さんは小説を生み出しているのかと思うとその視点で読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
これはね、面白いですよ。君のクイズの著書が小説とその構造を教えくれる。売れる小説、でも自分が面白くないもの。それを学ぶことが小説という行為である。みたいなことを言っていたような。まあ誤読は自由なんで
Posted by ブクログ
すごい面白かった。
小説ゾンビの小川さんが、問いの立て方や思考の掘り下げ方、抽象化、メタ認知とは何かを教えてくれます。
帯にある東大生・京大生の感想も読み応えありすぎて、めちゃめちゃ楽しめました(ちなみに小川さんも東大生)。
Posted by ブクログ
面白〜〜まえがきを読んで絶対面白いじゃんと読み進めたらやっぱり面白かった。自分が面白いと感じるアイデア・問から出発して、面白いと感じる展開を「視力」でつなげていって(「書いてしまったこと」から逆算して)ひとつのストーリーとして仕上げる、という内容が最近の実体験での発見と近かったので興奮した。
「小説ゾンビ」の章はかなり笑った。ところどころに出てくる毒も好き。「便所サンダルを履いているやつは全員ゴミ」の件もかなり笑った。
Posted by ブクログ
小川さん本当に言語化がお上手で……うわそうかも、そのパターンわたしですね、の連続。自分の癖とか譲れないルールは何なんだろうと改めて考えるきっかけになった。あと典型的なプロット書かない人間なので"「書いちゃったところ」から広げる"を強く推して下さったことがとても勇気になる。
小説の書き方ではないって冒頭で念押ししてるけど、いや言うてこれ書き方にモロ直結する話だよな?と個人的には思った。
Posted by ブクログ
芸術創作系の中で、最も知りたかったことが書かれてしまっている名著。
後半で端的に述べられる、表現活動とは何か?と、それに則った小説の技法は、全クリエイター必読かつ即実践すべき内容の嵐(まったくの異分野な私も、今日から早速活用させて頂いている)。
それにしても、著者は何者なのか。小説家の書いた本でありながら、「面白い」の古今東西を専門研究する分析哲学者なんでは?と思えるほど、様々な視点から、小説、いや商業クリエイティブも含むあらゆる表現サービスの所要を解体的に露わにして、その本質を浮かび上がらせてくる。
全くの異分野の人間だが、「ユーザーとは何か?面白いとは何か?」を日々探求しているという意味で同業者な小川さんから、いろいろな教えをこうべく、語らってみたい。それぐらい魅力的な一冊だった。ご馳走様でした。
Posted by ブクログ
小説家にもいろいろなタイプがあるのだろうなと当たり前な感想を持った。
"僕は「自分の作品の感想」ではなく、「自分の作品をどういう人がどういう経緯で手に取ったのか」という点を気にしている。" 74ページ
この部分が印象的だった。へー、そうなんだと思った。
著者ご本人が、こういうサイトを読まれるとか全く意識しないで好き放題書いているので、ちょっと反省というか、なんというか…
他の読者の方(全著者の全読者)はそういうことも意識して書かれているのだろうか。
読者に媚びないで好きなように書いて欲しいと願うのは、なんか違うのか。
せっかく書いたのだから、たくさんの人に読まれたいと思うのは当たり前なのか。
売れないと生活していけないから仕方ないのか。
Posted by ブクログ
小説の書き方レクチャーするものではない(本文中で著者がそう明言しているとおり)。「小説思考を言語化したもの」というのが自分のイメージ。一度読んだだけでは分かりにくい(読めば理解はできるが頭にスッと馴染まない)ところもあるのでまた読みたい。
Posted by ブクログ
小説家が小説を書く思考を初めて知ることが出来ました。小説家ではない私ですが、他人に何かを伝える際の参考になりました。
・現実は多次元、小説は1次元
現実では私以外にも出来事が起こり、あらゆることが同時並行的に発生している。一方で小説は1次元でしか表現できない。なので、表現する順番で聞き手の理解や疑問は大きく変わる。
・抽象と具体の使い分け
どんな事象でも抽象化すれば共通項も導くことは出来る。一方で共通化できない項目も実在する。抽象と具体を使い分けることで聞き手の理解を深めたり、自分の論点に繋げることも出来る。
Posted by ブクログ
誤読の話、情報量の差を埋めていく話、抽象化と個別化の話、創作の過程で生まれるディテールの話、偶然目の前に転がってきたアイデアを掴み取る話。どれも面白く読めた。
「アイデアは生み出すものではなく、面白くなる瞬間を見逃さない視力である」
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知らない世界の話について堂々と語るには抽象化と個別化すること
読者がこの小説は私について書かれていると感じる時、小説家は自分の体験を抽象化して、抽象化した構造を個別化する作業に成功しているのだ。
マッチングアプリで知り合った大学生の女性と会社の面接会場で面接官と就活生という形で再会してしまった。私と目が合うとみっちーはにっこりと微笑んだ…
すごく気になる書き出し。
情報量の差から始まりミステリー的な構造でコミニュケーションで謎解きをしていき、情報量の差が埋まった時にカタルシスになる、ウミガメのスープ構造
情報量の差を最小化してサスペンス的な構造にする。古畑任三郎構造
文脈は前後の文章と繋がっている。小説とは文脈をコントロールする技術。作者と読者の関係性を読者が理解するからこそどこに向かうのかを理解して電車に乗り込むことができる
行き先のわからない電車に乗っていると多くの人は不安に感じるようだ
小説を読むとは一度も会ったことのない顔も知らない相手の話を聞くという非日常的な行為だ
小説はしばしば誤読を生み出す。作者は読者が何を感じるかを完全にコントロールすることはできない。読者はしばしば作者が想定しなかった要素と自分の人生を結びつけて文章の意味を過剰に読み取ってしまい、そこに存在しなかったはずの意味を呼び起こされることがある。作者の物語が読者の物語として転換され物語が読者の豊かな人生と結びつき本来のポテンシャルを超えて受容されていく現象。
小説とは歴史の教科書は似ている。物語の展開を暗示する伏線が記載されている。地球で起こった無数の事象のうちとりわけ象徴的で影響力の大きい出来事を恣意的に選びまとめたものである。
プロットを敢えて書かずに小説を書くことができるのは書いた文章をいかにして伏線にするかという倒錯した発想で物語を描いているからに他ならない。小説が象徴的で影響力のある大きな出来事と、象徴的で影響力の大きな出来事の伏線で成立していることを逆手にとって出来事そのものを作品内で構築していくことで小説を書く
大事なのは答えではなく問いである。小説の面白さは執筆の過程で必ず生まれる。創作の上で気をつけなくてはならないのは過程で生まれたディテールに宿る面白さの種を逃さないことだ。
小説のアイデアに必要なのは発想力ではなく偶然目の前に転がってきたアイデアをしっかり摘みあげる能力ではないか?一人の人が机の上で考える事には限界があるが執筆の過程で様々な偶然が待ち受けていてその偶然を拾い上げれば一人の人間の脳内という限界を越える事ができる。
無自覚に内面化している「不動産業界の常識」の話の方がずっと面白い。
主張したいことを主張するだけのために作られた小説はどうしても説教くさくなってしまう。
あらゆる創作物で商業的に成功するのは
もともと他者と同じ物差しを内面化している人
なるべく他者の物差しに合うように自分の物差しを調整した人
(業界の特殊な構造とマッチングした人
圧倒的な才能で他者の物差しそのものを変えてしまう人)
アイデアは生み出すものではなく、面白くなる瞬間を見逃さない視力である
視野狭窄は小説を最もつまらなく凡庸なものにする
やばい時ほどアイデアが誕生するチャンスだ
小説の面白さは元々表現しようとしていたある人間の認知の質(何を書くべきか)とそれを圧縮する技術(どう書くべきか)の掛け算によって決まる
コミュニケーションは、過不足なくなるべく正確に、無駄な時間を取らせないように端的に、相手が自分のことに対して一切興味がないという前提で、と言うのが自分のやり方と自分の言葉を見つけるための一つの手段になる。
Posted by ブクログ
8万部突破の帯を読んでるけど「?」が浮かぶ。いや書籍の内容自体は面白かったし別にどんな感想を抱くのも勝手だし、書いてある感想も前向きなもので同意をするんだけど。前書きに「小説家は大したことないんだな」と思ってほしいとある読み物にこの帯は、、うまく言葉にできない違和がある。いやそんな一文ただの謙遜で、ホントは「小川さんすげー!!」って思われたいから書いてるってのは別にわかってるんだが、それを覆して万歳して、その様子を販売使うっていうのが、なんというか、構図として可笑しみを生んでいる。謙遜という姿勢を真正面から無視して騒ぎ立てており作者を立てる機知がない。
本文の感想がまだだった。感想は「小説家って別に大したことないんだな。」です。
別のAI小説入門なんかも読んだけど、やはり多かれ少なかれみんな意識してるんだな。その本に書いてあったジェノバの夜、書きたいと思うことの原体験、みたいなことが結構心に残っていて、そういうの思い当たる節がなかったから、自分は小説を書くことはできないのかもしれない、と思ったものだけど。どちらかといえば小川さんは書きたいことより明かしたいことが多いらしい。それなら自分も結構あるな。やっぱり小説を書けるのかも。なんて気持ちになったり。小説を「探した」ことはあまりないから訓練が必要なんだろうな。
文体の定義なんかは結構新しかったように思う。伏線は結構過激派っぽいかな。ふと読み返すことがある予感のする、良いエッセイでした。
Posted by ブクログ
★思考の技術論★自分の価値観でモノを作り出すが、評価するのは他人の価値観。どの表現分野にも通底するねじれだ。どう乗り越えるかの考え方を探る。
特になるほどと思ったのは以下の点。矢印以下は感想。
・小説法を理解する。純文学の読者に比べてエンタメ読者は「ご都合主義」「クリシェ使用」に寛容だが、「起承転結逃亡」には厳しい。筆者が気をつけるのは、自らが厳しい分野についてはギリギリ違反するが、判断が甘い部分には厳格に対応する。読者と小説法が一致しないと、それだけでつまらないと思われてしまうから
→読み手との関係性では、この話がどこに向かおうとしているかを早めに示した小説の方が売れている、にも通じる話
・小説の見つけ方とは問い。それも答えが簡単には出ず、皆が取り上げない問い。具体的なことから、普遍へと吸い上げる。その上で別の切り口の独自の具体例へと落とし込む。知らない世界のことを堂々と書くためには、普遍化できることと、してはいけないことを切り分ける
・小説はリニアに進むのでどの順番で情報を伝えるかこそが文体。登場人物が知っている情報と、読者が得る情報の差が文体。エンタメでは差を最小化(共感)させる戦略が多い
→分かりやすさと、あえての違和感のバランスは永遠の課題で、自分のなかでロジックが必要なのだろう。映像の方が戻れない(戻らない)点でよりリニアな気がするが、逃げられない映画といつでもやめられるストリーミングでは文法がまた変わっているだろう
・小説の文章はすべて伏線。誰のために、何のために存在するか。自分のためではいけない。現実の会話や情景の劣化版にならないように工夫するのが技術
Posted by ブクログ
小川哲という人が、おもしろいな。
まだ読んでない作品を読まなくては。
小説とは、なんぞやと、いろんな切り口から、理屈っぽく書かれている笑
小説国の法律、伏線回収に対する意見などなど
途中出てくる例文も、シュールなオチがあったりして面白すぎました!便所サンダルの話も、笑ってしまいました。おもてなしありがとう。
Posted by ブクログ
ラランドのニシダがお勧めしていたから読んだ。
小川智さんって読んだことなかったなあ、でもこの本を通じてこの人の小説との向き合い方が非常に面白い視点だなと感じたから読んでみたい。
どの視点も、解説も、非常に興味深いものだったけど中でも恋リア等がなぜ流行っているかの考察が面白かった。
あれは作品があって、それを見るMCがいて、コメントして、そのコメントまでを含めて全体の「作品」になっている。なぜその型が流行っているのか。
これは現代人が「人の意見」を求めているからだと。
自分の意見に自信がなく、他の人がどう思うか確認して安心する。自分の考えは正しいのか確認する、擦り合わせる。同意見でホッとする。
だからエゴサーチする。他人の言葉が気になる。
もしくは自分の考えを誰かに導いてほしい、意見にのせたい。
すごくしっくりきた。
確かに私も映画見たあとに考察サイトとかみるもんね。
自分の意見や考えが正しいのか、そこまでを提供してくれる作品は確かに安心して観れるし共有しやすい。
また、一方でみんな「共感」を求めてるんだなとも思った。日本人らしいというか、なんというか。現代と日本とどっちが色濃く出てるんだろうか。
何事も構造に落とし込んで考える小川さん、とても面白かった。
16
クリシェ
26カタルシス
50
とはいえ、「読みやすい」ことは「価値がある」ことと同義でない。
59
新人賞の応募原稿を読むときに何より苦労するのは、「作者が描こうとしているもの」を把握することだ。
72
小説家は常に、「読者は何を知っているか」「どこまで書けば理解してくれるか」「これ以上書くと、もともと知っている人にとっては野暮な説明になってしまうのではないか」という点に頭を悩ませながら文章を書いている。
105
小説を書くために必要なのは、価値のある「問い」なのだが、その「問い」を見つけるためにはまず作品を発表する必要がある。
108
新しさとは「書いてしまったこと」から逆算的に見つける方が簡単だし、理にかなっている。
110
僕の経験上、「ヤバい」ときほどアイデアが誕生するチャンスだ。
142
文学とは、ある人間の認知を言語に圧縮したものである。
143
これは文学に限った話ではないと思う。あらゆる表現活動は、「ある人間の認知」を、なんらかの手段で圧縮したものだ。何を圧縮したか。そしてどう圧縮したか。その二つの質によって、表現の質が決まる。
170
私は小説家だ。行間に滲んだ感情くらいよくわかるよ。
Posted by ブクログ
小説というものを構造化するとどういうことになるのかを書いている。
小説は具体と抽象を行き来することで、作者の伝えたいものを書いているのだとしているのだと感じた。
Posted by ブクログ
これは確かに小説の書き方についての本なんだけど、もっと幅広く「面白い文章を書くには」「そもそも面白いとは何か」みたいなところまで突き詰められていた。私もせっかく文章を書くなら面白いと思ってもらえるものを書きたいな〜!途中に出てくる小説の具体例やあとがきの後も面白かった。
【読んだ目的・理由】小説家の書く「言語化」の本が気になったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.4
【一番好きな表現】一人の人間が机の上で考えることには限界があるけれど、執筆の過程にはさまざまな偶然が待ち受けていて、その偶然をきちんと拾いあげれば、「一人の人間の脳内」という限界を超えることができる。(本文から引用)
Posted by ブクログ
面白い小説とはどういうことなのか、自分自身がどういう小説を面白いと感じているのか、この作品を観ると相対的に理解することができると思う
書き手と読み手の前提条件や、視点の移りなどが合うと読みやすくなり、ストーリーに埋没していけるのだと思った
書き手が不特定多数である読み手をどれだけ想像して書いているのか、ということを知ることが出来た
最終章の短編小説では、小説家と編集者が読みやすさみたいなものを獲得するために、右往左往するストーリーが楽しかった
実際に編集の現場ではこのような試行錯誤がされているのだろう
実際に同じストーリーであっても、書き方によっては全く違う印象を受けることを体感した
Posted by ブクログ
面白い小説とは何か?
色んな視点で物事を見る、考える、その楽しさが詰まっていた。
自分の想いを伝えること。
気持ちを言葉にすることの難しさ。
きっと言葉は、届ける側だけじゃなく、
受け取る側の想像力によっても完成するのだと思う。
Posted by ブクログ
小説も芸術も、AIに乗っ取られる時代はやって来ないだろうと私も常日頃思っていたが、それを再確認出来た一冊。
人間は、外の世界で起きた事象を自分の思考や心のフィルターを通し、消化し濾過し、取り入れながら自身をバージョンアップさせる。
そしてその思考を、再度外の世界に発信しようとした時、それは独りよがりではなく相手に分かりやすく伝えることで、共感をもたらすことが出来るのも人間にしか出来ないことで、それが人の心を揺さぶる影響力を与える作品になるのだろうと思う。
面白い小説とは何か?という答えの出ない問いに対して挑み続けることが、対不特定多数との複雑なコミュニケーションを確立させる必須条件なのだろう。
Posted by ブクログ
「小説家ってそこまで考えて書いてるの!?」と何度も驚いた一冊。
同じ出来事でも、どの情報を先に出すか、何を隠すか、どんな言葉を選ぶかで、読書の感情が見事に操られていていく。舞台裏をのぞき見しているようで、まんまと作者の掌の上で踊らされていた。
これを読むと、小説を今までと同じ気持ちで読めなくなります(笑)
Posted by ブクログ
究極の客観性だと感じた。
特に、アイデアは生み出すものではなく見つけるもの、というのは目から鱗で、
とにかく自分の思いついたことに対して
自分はなぜそう考えたのか、それってそもそもどういうことなのか、というように「なぜ?」を繰り返していく。
これは誰でも日常生活で活用できると感じた。
なんかこうやって書くと陳腐で当たり前のことのようになってしまうけど、本の中で具体例で出てくる、なぜ?の目の付け所の斬新さが印象に残っている。
確かに小説を読まない人も為になる、革命的思考術であった。
Posted by ブクログ
小説を書く時の著者の思考法が書かれている。その思考法だけでなく時折書かれる著者の価値観や性格がわかる記述も面白かった。
書きながら小説の展開を考えてるというのは驚きだった。
また、伏線回収という言葉を嫌悪されてる理由も納得。小説はすべてが伏線である。
小説家ってめちゃくちゃ難しいことをされてるんだなと、理解できた
Posted by ブクログ
ちょっとめんどくさそうな作者の考え方が垣間見られて興味深かった。目からウロコというほどでもないが流石に言語化はプロだなと。天性や感性で書いているのではなく、努力を重ねている事が伝わってくるのもいい。幅広い分野の作品がある作者で今後も注目していきたい。
Posted by ブクログ
もちろん選ばれし才能ある人が小説家にはなるのだが、小説家であり続けるには我々が仕事で同じ悩んだりコツコツやるのと変わらない。
ラストの短編小説を読むと、この本の役割が腑に落ちる「伏線回収」になっているのも流石。