【感想・ネタバレ】言語化するための小説思考のレビュー

あらすじ

その文章、「自分のため」に書いていませんか?

「伝える」ではない、「伝わる」言葉を、文章を生み出すために、小説家はいつも何を考えているのかーー?

『ゲームの王国』『地図と拳』『君のクイズ』『火星の女王』
祝デビュー10周年! 時代を席巻する直木賞作家・小川哲が、「執筆時の思考の過程(=企業秘密)」をおしみなく開陳!
どうやって自分の脳内にあるものを言語化するかを言語化した、目からウロコの思考術!
☆☆☆小説の改稿をめぐる短編「エデンの東」も収録☆☆☆


小説ーーそれは、作者と読者のコミュニケーション。
誰が読むのかを理解すること。相手があなたのことを知らないという前提に立つこと。
抽象化と個別化、情報の順番、「どこに連れていくか」を明らかにする……etc.
小説家が実践する、「技術」ではない、「考え方」の解体新書。


この本を読んだからといって、「小説の書き方」がわかるわけではない。小説家が小説について考えてきたことを人生にどう活かすか、あなた自身で見つけてくれれば言うことはない。ーー小川 哲

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Posted by ブクログ

小説を書きたいと思ったこともないし、
これから書こうとも思ってはいません。
あれ、なんでこれ読みたいって思ったんだろう。
感想に書くためにこれからメモします!

論理的に言語化されていて本当にすごい。
取り入れたいけど全く真似できません。

小説を書くのは、文章を書くことは
本当に大変なことなんだろうなと感じました。

久々にまたいつかもう一度読みたいと思った!
そして小川哲さんの本を他にも読んでみたいです♩

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2026年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分が作品を通じて何を表現したいのか、それは問いから始まる、答えられる問いは問いではない、作品を通じてその問いの答えを探す
相手の求めているものは何かは作品を評価されフィードバックされることで得られる、作品を作ることが大事
象徴的で影響力のある出来事とその暗示を書く、文章が一意的では書く意味がない
仕事に通じる部分が多い、プレゼンを小説を書くように

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2026年10月10日

Posted by ブクログ

やっぱり小川哲好きだなと思える本
読者はこの文章構成綺麗だなあ、腑に落ちるなあ位にしか思わないで、なんとなく読んでいる部分をめちゃくちゃ言語化してくれている気がする。

自分の中の小説法は、"ご都合主義は断罪すべき"



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2026年10月03日

Posted by ブクログ

まーじで文章うますぎて好き

1.法律
くそわかる。自分の場合は非合理罪を設けている気がする。与えられたシチュエーションに対して合理的でない行動を取られると(感情で動くのも良い、その感情に至る合理性があるならば)読む気が失せる。
小説ではないが、プリズンブレイクとかワンピースとかHUNTER×HUNTERとか、非現実のなかで各登場人物が自分の目的達成のために都度合理的に動いてて好きなんだよね。

3.知らない世界
すごい。君が手にするはずだった黄金について、がまさにこれよね。会社員してると間違ったこと書いちゃいけないて強迫観念が強まって、自分のこと以外書けないかも。

4.文体
すげーー。情報の順序という観点気にしたことなかったけど確かにな。あと、情報量の差をあえて作るか埋めるかの話も。あえて差を作って回収する話し方できる人でかっこいい。

5.どこから何者どこへ
なんとなく行く先を知ったうえで進みたいという気持ちもありつつ、自分は映画も本も絶対ネタバレとか感想とか読まないので、相対的には自分で考えたい部類だろうな。
ちなみに小川哲には、観点、視点の提供を期待しながら読んでる、この本のような。

6.コミュニケーション
知らない何十万者もの他人に伝わる文章てすげーよな。会社内でもうまく伝わらんのに。

7.伏線
小説中で銃が登場したら使われないといけないという格言?があるが、まさに。意味のない描写をしてはいけないよなあ。

8.何故友人が小説を書けないか
これはあんまわからんかった。

9.アイデア
意味のある分析などほとんどない。行動を正解にしてってアイデアになるんや的な自己啓発を勝手ながらした。

11.小説の見つけ方
これはすごい。答えがあるものは小説じゃない、てね。5why大事。やりすぎると人に話しが伝わらなくなるが。

12.本気で小説を。
4章に近しいが、小説はリアルよりも情報の次元が落ちるが、それを強みに変えられるかて観点まじでおもろいな。

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2026年09月29日

Posted by ブクログ

小説の書き方の本ではなく、思考の本。
小説には法律がある
や
情報の順番など考えてもみなかった内容で、思考しながら本を読む書くに繋がりそう。
知らない世界の話について堂々と語る方法は
読んだことない本について堂々と語る方法のオマージュなんだろうか

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2026年09月21日

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ネタバレ

読み終わりました。

冒頭に「小説とはやり直しのできる飲み会である」という一節がありますが、わたしには「終わってしまったランチ会の大反省会」みたいな本でした。

「文学とは、ある人間の認知を言語に圧縮したものである」という一節も途中にありましたけど、これは、小説だけの話じゃない、まるで日常生活を大人として生きるための倫理の話みたいに聞こえてしまいました。

読後、自分警察に逮捕・告訴されて、終身刑になりましたが、拘置所に逃れさせてはもらえずに、現実社会で更生しなさいってことで放免されて反省しながら生きている感じがしてます。

時々、読み返しますー

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2026年09月13日

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自分も小説を書いてみたくなった。特に小説は、自分の主張からではなく、問いから書いていくという考え方は大いに共感できた。

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2026年09月12日

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小説家ってやっぱり魔法使いだ!!!

自分で一から物語を紡ぐなんて魔法使いみたいな所業を成し遂げる小説家が、いちばんかっこよくて尊敬できる人達だと昔から思っており、小説家の頭を覗きたいなあという私の願望に見事にマッチした作品。

小説の書き方を、できるだけ方法論的に纏めようとアルゴリズムを記していただいたわけだけど、こんなの実践できない!すごすぎる!という、結局魔法使いなんだという感想に落ち着いてしまった(笑)
小川哲とは何をやるか分からないという契約を見事に結んでしまってたので、すごい人だなあと改めて唸らされた。

私自身、なんでこんなに小説が好きなんだろうかと答えを見つけられないまま小説を読み貪ってきたけれど、その答えは正しくこの本に書いてあったような気がしました。
小説でしか味わえないコミュニケーションが大好きです。
読み手起点でコミュニケーションを取ろうと試行錯誤して、長い時間をかけて綴られた素晴らしい小説たちを読者として読めるのがなんと贅沢なことか。
改めて小説の良さに気付かされる1冊だった。

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2026年09月12日

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肩の力の抜けた、ユーモラスな
小説創作論だが
社会人全般に必要とされる
コミュニケーション術の
ヒントにもなる。
小説より、先にこちらを手にしたが、著者の小説も読んでみたい。

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2026年09月06日

Posted by ブクログ

サクサク読めて面白かった。作家による小説論を読んでも小説を書けるようになるわけはないが、好きな作家のこの手の本を読んで、「あの小説はこういう手法で書かれていたのかな?」と想像したりするのは楽しい。
小説国の法律、あるあるで笑った。世評が高い小説を楽しめなくてもやもやすることがよくあるので、「必要以上に深く考えず、小説法の違いだと割り切」った方ががいい、自分と小説法の一致する著者を見つけることが重要、というアドバイスは有益だった。
私はミステリ小説の伏線らしき文章にいつも気を取られて、全てを疑った挙句騙されてしまうことが多いが、「今のところ何の暗示にもなっていない文章」に注目するのが、犯人を見破るコツらしい。今度やってみます。
小川さんはプロットを作らずに小説を書いているという。すごい。普通の人には真似しようと思って出来るものじゃない。
巻末の「エデンの東」の小笠原先生、面白すぎる。阿部くんと甲斐くんがどうなったのか気になりすぎるので改稿版を読ませてください。

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2026年09月05日

Posted by ブクログ

面白かった。
小川哲さんの思考を自由に書き散らしている。
(本当は「自由に」ではないかもしれない)

エッセイの要素もあって、そのエピソードに笑ってしまう。

初っ端の「小説国の法律について」がまずめちゃくちゃ面白かった。
小川哲さんは、小説を読む時に共感を求めないらしい。
そして、小説を書く時に、緻密なプロットをたてていないことに驚いた。
この本を読んで、小川哲さんの小説が面白い理由は何なんだろと結論みたいなことを考えたけれど、結局何が面白いのか言語化できない。

苦手な本についてはいくらでもダメ出しできるのに(作家の皆様申し訳ありません。最近では『罪と罰』のダメ出しをしてしまいました。ドストエフスキーさんごめんなさい。個人の感想です)、好きな本についてはどこがどのように好きかうまく伝えられない。言語化は難しい。
好きな本をもっと世の中に広めたいのに。

小川哲さんといえば、SF作家なのか?
『君のクイズ』はSFじゃないと思うけれど?SF?
ミステリ作家といわれるとミステリしか書けなくなる葛藤みたいなところも書かれていて、確かにと思った。「この作家ならば、こういう作風」を期待して読むことはよくある。
(私は未だに何が純文学で、何がSFで、何がミステリなのか小説の分類の定義がわかっていない。なので、胸を張って「SFが好きです!」などと言えないところが悩み。たぶん、SFが好き)

小説が売れるかどうかは、小説家にいかに有能な編集者が付くかが大事だということがわかった。
(もちろん、小説が売れるためには、それ以外の要因の方が大きいけれど。そもそもの話が面白くなければ、どんな素晴らしい編集者が付いても意味はない)
『PRIZE/村山由佳』が参考となる。
編集者は強靭なメンタルと才能が必要だ。

小説編集者人気ランキングで検索してみたけど、そんなランキングは見当たらなかった。何人か編集者の名前は浮かぶから、本当は、業界内では人気編集者っているんだろうな。推しの編集者を見つけてみるのも面白いかもしれない。

小川哲さんの小説は「まずは『地図と拳』を読む!」と意気込んでいたのに、なぜか『地図と拳』だけ読んでない状態に至りつつある。
だいぶ『地図と拳』への期待があがってしまって、期待を裏切られたくないという感情から、なかなか読めないでいる。

この勢いで『地図と拳』を買ってみようかな。こうやって、買ったはいいけれど期待が大きすぎるが故に積読入りする本が増えていく。

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2026年08月30日

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小川哲がどういうことを考えて小説を書いているかを知ることができて、とてもおもしろい。
小説の書き方をレクチャーするような本とは、ちょっと趣が違う。
私は小川哲が好きだし、それより前提に文章が上手くなりたいと日頃思っているので、この本は驚いた上に眉唾ものだった。よくある小説の書き方本とは違うが、「小説がどのように成り立っているのか」「どのような小説が評価されて多くの人に読まれるのか」「小説の面白さとは一体何なのか」とか、「小川哲は伏線が嫌いなこと」とか知ることができて、中にはクスッと笑える例文があったりして、小川哲全開でとても良かった!

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2026年09月28日

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筆者が「小説」の正体を分解しながら探していく、解説本でありながら、「どのように小説を書いているのか」という小説家の思考を覗けるエッセイとも感じる一冊でした!
読み終えて一番に感じたのは、もっといろいろな小説を読んで、味わってみたいということ。
そして、こうして小説についてあれこれ考えを巡らせていること自体が、筆者の述べていた「自分が考えたいことを考えるツールとしての小説」という考え方を、まさに体現しているようにも思いました。

筆者の小説は「君のクイズ」しか読んだことがないのですが、同様に無駄の無い構成で200ページほどに収め、本書にあたっては巻末に早速短編を収録するなど、筆者なりの「読者へのおもてなし」要素を見つけたような気がします。

個人的に好きなのはあとがきです。
出版までの製作コストと、小説としての完成度や質のジレンマに触れるところに、筆者自身が「小説」を大事にしようとして、だからこそその本質を追い求めていることを感じられました。

「小説の正解はまだAIにわかっていない」
ここには小説家としての矜恃を感じました。
最近、文学賞の公募にAIが生成した作品が大量に応募されたことも話題になりましたが、AIっぽい文章はやっぱり違和感が拭えないし、小説に限らず、映像作品やアートも、考えたいこと、伝えたいことが軸にある作品はやはり人のものでないと意味が無いということを実感していたいですね。

筆者も述べているように、本書は小説を書くテクニック本ではありませんが、一方で小説を書き始める入口、小説が成り立つための要素を学べる側面もあります。
例えば、小説(に限らずビジネス本などにも当てはまるかも)を書くうえで、読者にいかに「この小説は私について書かれている」と感じさせられるか。
(本書では直接的には書かれていませんが、)実体験と実体験の共通項を探し、抽象化して結びつけるというテクニックが不可欠だといえます。
そして多くの読者にそう感じさせることが、「普遍性」へとつながる反面、個々人の経験や解釈の幅が広がることから、「誤読」を誘発するということ。

小説を、最初から「何かを伝えるための手段」として使うのではなく、「自分が何について考えたいのか」を探るための手段として使う、という考え方もなるほどなぁと思いました。
書き手自身がテーマについて考えながら物語を膨らませていく。その結果、読者にとっても同じテーマについて考えるきっかけとなり、結果的に何かを伝えることにつながることもある。
純文学こそ真の文学だ、という声を未だに聞くこともあるのですが、作品を通じて考えるという側面は、ほかのエンタメ作品(映像や漫画など)と共通するものを感じます。

また、少し視点は変わりますが、小説は芸術やエンタメの分野の中でも、少し異色な存在だと感じました。
例えば、芸術分野の美術や音楽、エンタメ分野の映像や芸能には、専門的な知識や技術を学べる学校があります。
どの分野も個人の才能や努力が欠かせず、生み出されたものが「作品」と呼ばれる点では共通しています。
それなのに、小説の書き方を専門的に学べる学校は、あまり聞いたことがありません。もちろん、文学を学問として研究する大学などはありますが、それとは少し違う話です。
そう考えると、小説はほかの創作分野と比べて、技術を体系的に学ぶというイメージが薄いのか…

最後に、作品(1次作品)に対する批評(二次作品)、作品の読み筋を与え方向づけをする批評が機能している小説はぜひ読んでみたいです…!

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2026年10月11日

Posted by ブクログ

小説を書きたいと思ったことがなかったから、どう書くかや何を書くかという悩みも持ったこともなく。そういう悩みがあればなるほど!となるのかも、、
とはいえ、小説を書く人ってこういうこと考えながら描いてるんだふーん、と勉強にはなった。

最後、巻末の書き下ろし「エデンの東」に全て持って行かれた。小説すごい。

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2026年10月09日

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小説が作られていく思考過程が少しわかって面白かった。
まだ小川哲さんの小説は読んだことがないので、近いうちに読んでみようとおもう。

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2026年10月08日

Posted by ブクログ

単なる文章を並べるのではなく、どう理解してもらえるような並べ方をする必要がある。そしてそれは小手先のわかりやすい文章なのではなく、読みたいと思わせる動機づけなのだ。小説を自分で書くことはとても難しいと思っているが、作家の視線、姿勢が感じられて、非常に参考になった。

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2026年09月30日

Posted by ブクログ

小川哲が「小説とは何か」について考えていることを言語化したもの。
実に興味深い。うん、確かに私にも小説法があるなと感じたり。

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2026年09月28日

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美容院での会話のくだりは実体験として感じていたことだから、日々の生活から小説はあるんだと思った。

この本を読んだ後には、小説ゾンビと化してしまうだろう。

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2026年09月27日

Posted by ブクログ

全12の小川さん流メソッドが記されている。最後の小説エデンの東は、12のメソッドのおさらいのような内容。あ、この展開はこのメソッド使われてるんだろうなぁ笑ってメタ的な視点で楽しめる。短編小説としても普通に面白い。笑える。多分この作家さんはすごい柔軟なんだろうなぁ。

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2026年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった点
•抽象化と個別化の往復
抽象化と個別化を行き来することで、知らない世界についても書くことができる。見えた世界を抽象化し、別の世界に置き換えて個別化する。
•情報の順番
文章で何かを表現するときは、順番をどうするか決める必要がある。そして、順番を決めること以上に重要な要素はない。情報の順番が、小説という空間の立ち上がり方を規定する。
読者の客観的な視点に寄り添った順番で描かれていると、わかりやすく読みやすい。しかし、読みやすいことと価値があることは同義ではない。むしろ、視点人物である「私」がどのように世界を認知したかという点がないがしろにされる。
エンタメ作品には、視点人物と読者の情報量の差を最小化する戦略が多い。つまりエンタメでは読みやすさが必要条件であり、こういったタイプの文章が求められている。
•読者との契約と「内輪」
小説は、作者と読者の間に関係値がない状態から始まる。あらかじめ契約が結ばれていないため、作品の中で契約を結ぶ必要がある。
文脈は文章から読み取られ、書かれた内容以上の情報を読者に与える。小説とは、いわば文脈をコントロールする技術でもある。顔の見えない読者を想定する想像力が必要で、小説家には特殊なコミュニケーション能力が求められている。
小説は内輪であればあるほど面白いとも言える。「この話の面白さは私にしか理解できない」という思いを強く与えることに成功すれば、読者は深く感動してくれる。どれだけ読者に「私に向けられた話だ」と思ってもらえるか。そこに文章技術の秘密が宿っているとも言えるだろう。小説の中で読者と内輪を形成し、伝えたい情報をより簡潔に、より深く知ってもらうために言葉を費やすのだ。
•伏線の定義
伏線は一般に、①その後の展開を暗示する描写、②意外な展開に対する違和感を減らすための描写、と定義できる。
しかし、小説の骨格そのものが「展開を暗示すること」と「暗示されていない意外な展開への違和感を減らすこと」の2つによって成立している。つまり、伏線という概念をわざわざ立てることにはあまり意味がない。
•答えではなく問いから書く
主張や設定から小説を書こうという発想は行き詰まる。主張や設定は後から考えるべきで、最初に考えるべきなのは、書いてみたいことや考えてみたいことだ。自分が小説という手段を通じて何を書き、何を考えてみたいのかを考える。言い換えれば、大事なのは答えではなく問いだ。
問い自体は陳腐で構わないし、その時点で自信がなくてもいい。小説の面白さは執筆の過程で必ず生まれてくる。創作をする上で気をつけなければならないのは、過程で生まれたディテールに宿る面白さの種を逃さないことだ。
•アイデアに必要な力
小説のアイデアに必要なのは、いわゆる発想力などではなく、偶然目の前に転がってきたアイデアをしっかりと積み上げる能力ではないか。
•他者の物差しと分析
小説に限らず、あらゆる創作物に共通する性質について。商業的に成功するのはおそらく2パターンしかない。①もともと読者(他者)の物差しを内面化している人、②なるべく読者(他者)の物差しに合うように自分の物差しを調整した人、のどちらかだ。
自分の物差しを調整するために必要なのは分析である。分析に意味がないわけではないが、分析は非常に難しく、マーケティングのように分析すればいいというものでもない。さまざまな仮説を立てつつ、最終的にまだ誰も立てたことのない問いを検証する地点まで到達しなければ、意味のある分析にはならない。
では分析の質を上げるにはどうすればいいか。実は、作品を発表することが一番の近道なのではないかとも思う。
•価値観を加えない
どの観点にも、自分の価値観を加えないことが大切である。
•第11章「小説の見つけ方」
実際に小説を書いているときの思考過程が書かれていて面白かった。小説は、作者が何を表現したかではなく、読者が何を受け取ったかによって価値が決まる。
•あとがきの後の短編
あとがきの後に収録されている小説は、まさに小説家の悩みについて、まるでノンフィクションのように書かれた短編だった。最後に読むと、より面白かった。

全体を通して

小説について書いてはいるものの、基本的にはコミュニケーションや情報の提示の仕方というところに帰結しており、その点でも勉強になる内容だった。

特に、言ってしまえば「結論ファーストで伝える」といった内容や、「相手にどう受け止められるかが全て」というような受け手目線の考え方は、あらゆる現場で共通するものだし、分野を横断して大事な考え方だと思う。

つまり「自分本位であってはいけない」ということ。小説家が語る創作論でよく出てくる、一番コテコテの内容が結局書いてあったようにも思う。ただ、その「自分本位になってはいけない」という短い言葉を細かく分析し、どのように考えていくべきか、実際はどうなのかという方法論まで書いているのが面白かった。

自分で買った本ではなかったので、未知との遭遇のような形で楽しめた。自分ではこういった本は買わないだろうから。

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2026年09月16日

Posted by ブクログ

相手に何を伝えたいかを明確にする。
端的に、シンプルに伝える。
これも相手に合わせてコミュニケーションをとること

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2026年09月15日

Posted by ブクログ

子供の頃小説家になりたいと思っていたことを思い出し、タイトルに惹かれて購入。
物語を創作するプロセスについて根本的なところから解説しているものを見たことがなかったので新鮮だった。
小手先のテクニックではなく、自分が経験していない人生をどう書くか、アイデアはどう出すのか、情報の順番や伏線について等、自分がこれまで分かっていなかった創作の仕組みについて教えてもらえたと思う。

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2026年09月12日

Posted by ブクログ

面白い小説とは何かを追究する姿勢から
小説への深い愛情と、読者に面白いものを届けたいという強い思いが伝わってきました
時折ちらっと顔を覗かせる
葛藤や苦悩など人間臭い部分にほっとしつつ
小説の読み手としてこれまでとは違った視点から小説を読む楽しさを知って
世界が広がったような読書体験でした

純文学とエンタメ小説
それぞれの読み手が何を求めているのかという考察が興味深かった
自分の内面を満たしたいのか
知的好奇心を満たしたいのか
そのとき自分が何を求めているかによって
読みたい本が変わっていることに気づきました

近い将来、AIが書いた小説が台頭してきても
「人間が書いた唯一無二の小説が最高!」
と言えるような
成熟した読み手でありたいとも思いました

最後に掲載された
小説「エデンの東」
「一緒に面白い小説を作っていこうよ!」
と著者から私たち読者に向かって
呼びかけられているような気がしました

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2026年09月09日

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どういう考えで小説が書かれているか考えたこともなかったので、大変興味深かった。その後、小説からテレビドラマ化された番組を見て、小説とテレビは別物であると納得した。

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2026年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ラランドのニシダがお勧めしていたから読んだ。
小川哲さんって読んだことなかったなあ、でもこの本を通じてこの人の小説との向き合い方が非常に面白い視点だなと感じたから読んでみたい。

どの視点も、解説も、非常に興味深いものだったけど中でも恋リア等がなぜ流行っているかの考察が面白かった。
あれは作品があって、それを見るMCがいて、コメントして、そのコメントまでを含めて全体の「作品」になっている。なぜその型が流行っているのか。
これは現代人が「人の意見」を求めているからだと。
自分の意見に自信がなく、他の人がどう思うか確認して安心する。自分の考えは正しいのか確認する、擦り合わせる。同意見でホッとする。
だからエゴサーチする。他人の言葉が気になる。
もしくは自分の考えを誰かに導いてほしい、意見にのせたい。

すごくしっくりきた。
確かに私も映画見たあとに考察サイトとかみるもんね。
自分の意見や考えが正しいのか、そこまでを提供してくれる作品は確かに安心して観れるし共有しやすい。
また、一方でみんな「共感」を求めてるんだなとも思った。日本人らしいというか、なんというか。現代と日本とどっちが色濃く出てるんだろうか。

何事も構造に落とし込んで考える小川さん、とても面白かった。


16
クリシェ

26カタルシス

50
とはいえ、「読みやすい」ことは「価値がある」ことと同義でない。

59
新人賞の応募原稿を読むときに何より苦労するのは、「作者が描こうとしているもの」を把握することだ。

72
小説家は常に、「読者は何を知っているか」「どこまで書けば理解してくれるか」「これ以上書くと、もともと知っている人にとっては野暮な説明になってしまうのではないか」という点に頭を悩ませながら文章を書いている。

105
小説を書くために必要なのは、価値のある「問い」なのだが、その「問い」を見つけるためにはまず作品を発表する必要がある。

108
新しさとは「書いてしまったこと」から逆算的に見つける方が簡単だし、理にかなっている。

110
僕の経験上、「ヤバい」ときほどアイデアが誕生するチャンスだ。

142
文学とは、ある人間の認知を言語に圧縮したものである。

143
これは文学に限った話ではないと思う。あらゆる表現活動は、「ある人間の認知」を、なんらかの手段で圧縮したものだ。何を圧縮したか。そしてどう圧縮したか。その二つの質によって、表現の質が決まる。

170
私は小説家だ。行間に滲んだ感情くらいよくわかるよ。

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2026年09月29日

Posted by ブクログ

◾️ページ数 P189

あんまりしっくりと読めなかったというか…あまり楽しめませんでした。作者さんごめんなさい。

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2026年09月24日

Posted by ブクログ

「大事なのは「答え」ではなく「問い」だ。」

小説に限らずあらゆる表現活動に当てはまる至言である。

ここまで小説家が手の内を見せてしまっていいのか、と心配になるが、それを超えた作品を生み出せる、という自信の表れか?

町田康の推薦文が最高!
「目から鱗が落ちまくって、視力が6.0になり、眼鏡を捨てた。膝を打ちすぎて膝が砕け、一歩も歩けない。」
これ以上ない褒め言葉である。

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2026年09月22日

Posted by ブクログ

小説がどういう要因の組み合わせでできているのかが分かりやすく書かれている。
アイデアと技術の両方で成り立っていることを再認識した。
書き手と読み手のコミュニケーションであるという点も納得。プレゼントを受け取ったと思って今後読んでみようかな。

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2026年09月21日

Posted by ブクログ

正直、理解できた部分は少ないと思う。
とても読みやすい本ではあったが、
気持ちよく読めたかと言われるとそうではないし、
内容をわかりやすく説明できる自信もない。

この筆者との相性は今のところあまり良くないみたいだが、
相性が悪い=嫌いではないので、相性が悪いなりに
歩み寄って次読む頃にはもう少し理解できるようにしたい。

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2026年09月06日

Posted by ブクログ

小説は「象徴的で影響力の大きな出来事」と「その伏線」である。その視点で読めばミステリは犯人当てができてしまうらしい...。
不定形な読者にささるためには、多くの人に「あなただけに向けた話」だと思わせることが重要であり、そのためには幅広く捉えられるような抽象化と、ほどほどに理解できる程度に文章の難易度調整が必要である。
実践出来そうなイメージは湧かないが、とても丁寧な文章で意味はわかりやすく面白かった。小説という訳ではないが、普段の文章作成でこんなにも受け手のことを考えたことはないな、と反省した。

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2026年09月05日

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