あらすじ
その文章、「自分のため」に書いていませんか?
「伝える」ではない、「伝わる」言葉を、文章を生み出すために、小説家はいつも何を考えているのかーー?
『ゲームの王国』『地図と拳』『君のクイズ』『火星の女王』
祝デビュー10周年! 時代を席巻する直木賞作家・小川哲が、「執筆時の思考の過程(=企業秘密)」をおしみなく開陳!
どうやって自分の脳内にあるものを言語化するかを言語化した、目からウロコの思考術!
☆☆☆小説の改稿をめぐる短編「エデンの東」も収録☆☆☆
小説ーーそれは、作者と読者のコミュニケーション。
誰が読むのかを理解すること。相手があなたのことを知らないという前提に立つこと。
抽象化と個別化、情報の順番、「どこに連れていくか」を明らかにする……etc.
小説家が実践する、「技術」ではない、「考え方」の解体新書。
この本を読んだからといって、「小説の書き方」がわかるわけではない。小説家が小説について考えてきたことを人生にどう活かすか、あなた自身で見つけてくれれば言うことはない。ーー小川 哲
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
小川さん本当に言語化がお上手で…うわそうかも、そのパターンわたしですね、の連続。自分の癖とか譲れないルールは何なんだろうと改めて考えるきっかけになった。あと典型的なプロット書かない人間なので"「書いちゃったところ」から広げる"を強く推して下さったことがとても勇気になる…。
小説の書き方ではないって冒頭で念押ししてるけど、いや言うてこれ書き方にモロ直結する話だよな?と個人的には思った。
Posted by ブクログ
小川哲氏の小説を3冊読んだ。どんな感じで小説を組み立てているのだろうと言う関心があってこの本を読み始めた。
この本を読んだからといって、小説の書き方がわかるわけではないという。それはそうだろうがそうしたこともちょっとは期待したりして読み進める。
群像という純文学の雑誌を読むことはほとんどないが、そこに連載されていた文章を集めた本書は大変面白く、もし自分がその雑誌を買っていたら毎号次が楽しみとなっていただろう。
例えば文体とは何か、という項はとても納得感があった。その他の章も非常に納得感のある話が多い。小説を書くというのはコミュニケーションであるという考え方もとてもよくわかる。でもそれが簡単にできないから、プロの小説家という人達がいることもわかった。自分は小川哲氏が想定する読者というモデルに自分が割と近いのだろうか、といったこともこの本を読みながら考えてしまう。
多くの読者を獲得する作品の文章は、視点人物と読者の情報量の差を最小化する戦略によって書かれていることが多いように感じるとあるが、小川氏の例で言うと自分は情報量の差が大きいところから入っていく方が好きかもしれない。でも伏線回収は期待してしまう。そんなものは意味がないと否定されるかもしれないけど。
小説家に必要な想像力は物語を想像するためのものではなく、顔の見えない読者を想定するもの、という話もなるほどと思う。やはり自分は小説を書けそうにない。という感想をいつもとは少し違う気分で書いていることに気付かされる。
Posted by ブクログ
存在は知っていたが、なんとなく読む気にならなかった。
だが、最近少しずつ、小説の力、物語の力を感じるようになり、それについて描かれた本書が気になり始めた。
しばらく積読の期間があったが、ちょうどタイミングよく目に留まったので、読み始めた。やはり本は目につくところに置いておくのが良い。(先週ブックスタンドをいくつか購入して目につくところにまだ読んでいない本を並べるようにしたのだ)
で、本書。小説を書くときの具体的な思考のプロセスを描いていて、タイトル通りの内容であった。
そして、それは最近自分が小説に注目しているところをまさに表現していた。つまり、小説という具体的な物語を表現することで、著者の中にある問題意識を提示するのだ。
物書きには、書くテーマや問題意識がある。その裏には著者自身が虐げられた過去についての怒りの感情があるかもしれない。
そういう感情の発露として物語を描くのだ。
そしてその感情には読者も共感することができる。全く同じ経験ではないかもしれないが、同種の経験や感情が見出せれば、心に染み渡る作品となる。
物語自体は、フィクションかもしれないが、その裏にある抽象的な表現したいことや情動そのものは本当のことであり、読者と分かち合うことができる。
だから小説は、必要なのだ。
Posted by ブクログ
言語化してくれてありがとうございます。と言いたい。小説読みたくなった。
それと同時に言語化によって切り落とされてしまう物もあるという話を聞いて、救われた気持ちにもなった。
これだから読書はやめられない。
Posted by ブクログ
私はこの本の「小説」を「音楽」と変換しながら読んでいました。
まず、「小説国の法律」。
「音楽国」にも「法律」がありますね。「ある特定のコード進行複数使用罪」などがそれ。私の国では、1回は使ってもいいが、2回やったら重罪。でも、それが犯罪ではなく、国家をあげて推奨される場合もあるだろうからな。
「小説から発生した小説は、小説を超えることができない」。
「音楽から発生した音楽は、音楽を超えることはできない」とも、言い換えることができるなあ。
物事の本質を言い表すと、様々なことに当てはまるんですね。
いちばん笑ったのは、便サンのボツ。
Posted by ブクログ
小説家は脳みその使い方がうますぎるとわかった。
と思ったら帯で朝井リョウさんが「そんなん出来るのアンタだけや!」とツッコミを入れているが、「超わかる!」とも言っているのでこの人も脳みその使い方がうますぎる一味である。朝井リョウさんの小説は読んだことがあるので、なんとなくわかる。
小説を書いてみたくてこの本を手に取ったが、思ったより大変だ。まずは日常に小説を探してみよう。
Posted by ブクログ
小川哲って理屈っぽくて面倒くさそうだけど、ユーモアあってめちゃくちゃ面白い人ですね!!
いちいち例文が面白い。
小川流、桃太郎、めちゃくちゃ笑った。
伏線についても、そもそも小説は「伏線」「回収」だらけなわけで、それをあえて伏線回収がどうのこうのは嫌いだと。
「曲がり角でパンをくわえた見覚えのない女性と衝突すること」は、「その女性が転校生として自分のクラスに加わること」の伏線!
「必殺技で倒れた敵の横で必要以上に喜ぶこと」は、「その敵が起き上がって逆襲してくること」の伏線!
その通り!と納得するも、元も子もない話すぎて、小川さんの言いくるめ力に心底感動。
大学で便所サンダルが流行った件について、もっともらしい見解を述べて結論を導き、「便所サンダルを履いているやつは全員ゴミ」とゴミ扱いして切り捨てるのが可笑しい。この話、もともとなんだっけ?偏見の話からなんでこうなったんだ?笑
それで脳内で美容室と便所サンダルの小説を思考するも、リアリティさに納得いかない部分があり、全ボツにする、という小川さんの脳内の言語化!!
どんなことでも小川さんなりの価値観で分析を繰り広げてくれて、感覚派で思考の浅い私からすると、(どうでもいい)物事を深く考えることが新鮮でした。
この人ほんと面白い。大好き。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて手に取る。
「他者と関わりたくないから小説を書いたのに小説を書くためには他者のことを考えなければならない」
「この世の中の多くの原理は抽象化していくと似た構造に突き当たる」
冒頭のこの2文が刺さりすぎた。
小説を読むときの知見が増えた感覚、文章を書くときの態度についての発見があり、満足度の高い読書だった。
さすがは小説家というか、ビジネス書や教養書とは違う文章に浸る楽しさもあった。
著者の小説は以前から興味はありつつも手を出していなかったので読みたい気持ちが強くなった。
Posted by ブクログ
面白すぎる、、、楽しすぎる、、、頭の中に今まで無かった栄養素が染みて目がカッと開く、、、!そんな感覚になる読後感でした!
批評や誤読、本から与えられるものと自ら取りに行くもの、今まではこのあたりの関係性をうっすらと感じていながらも自分の中でしっかりと認識し言葉にしたり出来ていなかったんだなぁ、、、。
感心!!!
私は読書初心者なので、本の中に自分が分からない事があれば調べたりすることが楽しく、その分からなかった事を理解してから再読するのが真底好き!
"考えること"に関して自分の中に色んな道具が増えていくことが楽しく、読書の心理ってそういう所なんだ!と勝手に思っていたんだなぁ、、、とも思ったりしたぁ、、。
書き手の話なのかなぁ、と思いきや、読む側の話でもあり、個人の話なのかなぁ、、と思いきや、全体の話でもある!
小川哲さん(ごめんなさい、読む前までテツさんと思っていました)の最初に読む作品が、本書で良かったと思いました。
これから小川さんの作品をどんどん読んでいきたい!
Posted by ブクログ
とあるYoutubeを見て、小川哲さんの思考が気になり読みました。笑
小説を書く際に考えていることを、ここまで一般人にもわかるように解説してもらえるなんて、、、うっかり小説書けちゃいそうな気になってしまいます。困るー笑笑
おもしろいと判断する基準について、読者それぞれに法律があって、それが一致する、もしくは近い作家さんを探し当てることができれば、おもしろい作品に出会いやすくなる(ニュアンス)という件が非常に腑に落ちたところです。
普段読みながら「ないわー」と思ったり「都合が良すぎるー」って思ってしまうのは、その物語がおもしろくないからではなく、自分の小説法を違反してるからなんだなと納得しました。
でも人はそれを「面白くない」と表現してしまう。
本という媒体になっているわけだから、単純に「面白くない」わけないんですよ。
つまり「面白くない」に出会ったときは、自分の小説法に気づくチャンスでもあるわけですよね。
おもしろーい。
こんな感じで「おもしろーい」と各所でうなづきながら最後まで読み終わって気づいたこと。わたし小川哲さんの小説読んだことない(笑)
読みます。すぐ読みます!!
Posted by ブクログ
最初から最後までずっと面白い。
小説を書いたり読んだりする時の考え方を真面目に語っているんだけど、ブラックユーモアを交えた尖った角度からの考察が笑える。そしてすごく腑に落ちるし、参考になる。
チープなテーマでも読者をうならせるストーリーを考えることもできるんだというのがよくわかった。
Posted by ブクログ
・「伝える」ではない、「伝わる」言葉を、文章を生み出すために、小説家はいつも何を考えているのかがわかる本。
・小説に限らず文章でなにかを伝えたい時、本書の観点は多くの場合で有用である。相手が誰、何を伝えたいか、どのように連れて行くのか、最後には認知させるのかを意識することが重要であると再認識させられた。
Posted by ブクログ
読み物としておもしれ〜!
実用書ってどうしても読み進めるのに体力がいるイメージだけど、めちゃくちゃするする読めた。分かりやすさと思考の面白さが好き。小川哲という作家との契約、私にとってはこれらになるのかも。
世界の捉え方が変わる読み物って素晴らしいんだなということを再認識した。同時にどんな物でもそうすることは出来るんだなということも認識。本当に面白い。
Posted by ブクログ
三宅かほさんがオススメしていて、面白そうだったので購入。
【ざっと内容】
直木賞作家の著者がどのような思考で小説を捉え、考え、書き、修正しているのか。彼の頭の中をギュッと書き下ろした一冊。
【こんな人にオススメ】
・小説を書くことに興味がある人
・脚本を書くことに興味がある人
・小説家の頭の中を除いてみたい人
【感想】
とっても面白かった。てっきり小説家の人は書く前から多層構造のプロットやアイデア設計があり、書きながらその点と点を繋いでいるものだと思っていたが、著者の頭の中は全く違うものであった。
あとがきでは、それまでに解剖された思考を前提に編集者との作品ブラッシュアップやりとりが生々しく描かれていて、これまた面白い。
自分も日常生活に小説を見出し、ちょっと筆を進めてみたくなるような一冊。
Posted by ブクログ
小説家が小説を書くときに、どうやって書いていくのか、そして内容をどのように言語化していくのか、とても興味があり、この本を手に取った。
私は小説家ではない。ただ本が好きで、そのとき気になった本をひたすら読んでいる。
この本では、私がなんとなく言葉にできないことを言語化してあった。
例えば、本は作家と読者のコミュニケーションである。と言う箇所だ。私は本を読むと作家と話をしたような気分になる。作家の物語りまたは考えを自分にインストールし、その世界観をずっと感じるのが好きだ。私は作家とコミュニケーションを取ることが楽しいんだなと、また自分の好きを見つけられた。
「分析」の質を上げるためには作品を発表することが1番の近道。というのも、あぁ、そうだなと感じた。昨日を発表するために、自分の納得のいくまで自問自答を繰り返して、あーでもない、こーでもないと試行錯誤することで、その時その時の良いものを書き記していく。私は絵を描くのですが、そうすることでどんどんと感性が研ぎ澄まされていく。
言語化されてしまうと、色んなことが削ぎ落とされてしまうという感覚。言語化されたものに固定化されてしまい、一言で済んでしまうのがなんだか勿体無いなと感じていた。全部伝えるには言葉が足りないし、要するに〜で済ましてしまうと伝えたいことは全部伝わらないし、どうすればいいんだろうと悩んでいた。
私が本を読むのは、その削ぎ落とされた部分を補いたくて読むんだろうなと感じた。それが、本とコミュニケーションをとるということなのかもと思った。
非常に面白かった。
また小川哲さんの本を読んでみたい。
楽しみにしています!
Posted by ブクログ
小説とは著者と読者のコミュニケーション。
読者との認識ギャップを埋めていくもの。
だから、小説を伏線と言い換えられる。
アイデアを生み出すのに必要なものは、発想力ではなく、見つける力、いわゆる視力という考え方も斬新だった。
誰に向けて、何をどのように書くか、は普段のコミュニケーショでも意識していきたい。
Posted by ブクログ
すらすらすらっと読んでしまった。あくまで「小説」という切り口は固定し言語化について語る本。読みやすいし、小説家(当たり前だけど人それぞれであることを前提に)が文章を織りなす際にどのような「思考」を通してアウトプットを出しているのか、その一端を垣間見た気がする。感性だけではなく、日々ブラッシュアップし改善し試行錯誤しながら書いているものなのだと知ることができた。
Posted by ブクログ
おもしろい!!いつも自分が無意識に小説に求めていることを言語化された上で、自分が物語をつくる側になったときにはどういうことを意識すればいいのかが書かれていた。自分の中の小説法、読みやすい情報量の格差、知らない世界のことについて分かったように書く方法、色々知れて、これから本を書くつもりとかはないけど、自分が面白いと思える本にもっと最短距離で出会えるようになる気がする。
Posted by ブクログ
これは、初めて小説を書くための指南書じゃなく(著者も語ってるが)
小説家がいかにして、読者を面白い小説を書くか?
今後、小説の読み方が変わってきそうだ。
26/05/09
Posted by ブクログ
「小説とはやり直しのできる飲み会である」という表現で小川哲さんを好きになった笑。
小川哲さんの本はまだ読んだことがなかったけど、本書を読んで小川哲さんの小説を是非読みたいと思った!
私が小説を好きなのは、これは私の話だ…!と思ってしまうところだと思っていたので、それは作者がある体験とか事実を抽象化して個別化しているのか〜ととても腑に落ちた。
また、自分が言いたい主張ではなく、自分が考えたい問いを見つけて書き始めて、その過程で偶然を拾い上げる、という話は目から鱗だった。
小川さんの、自分の信念を貫きすぎるでもなく世間に迎合するでもなく分析と試行錯誤をし続けていることにとても好感を抱いた。
Posted by ブクログ
本屋にたくさん並んでいたので手に取った。小説は好きなので物語や、それができるまでの思考法を一緒に体験できた気持ちでよかった
伏線の話は面白かった。自分の会話は伏線ではなくて自分が伝えたい情報が混じっていて話がごちゃつくときがあるなあと思った
Posted by ブクログ
小川哲さん、すごいことを考えながら書いているのだと感心しました。
作家になりたいわけではないですが、小説は好きなので勉強になりました。
小説は説明しすぎてもダメ、相手を無視した予備知識無しの文章もダメと難しいですねー…
私は単純なので、読みやすい方が好きですが…
『伏線は存在しない』は、目から鱗でした。
これは是非読んでください!
Posted by ブクログ
作者は自分が読者とどのような契約を結んでいるか、という点まで把握した上で、その期待を超える作品を書かなければならない。(P63)
小説を書く上で小川さんが何をどう考えているのか、が読める一冊。ハウツー本ではなくもっと奥底のことが書かれている。
エンタメ本を書きたい人向けの内容かなぁ。
「伏線」という言葉が嫌いで全身を掻き毟りたくなる、という小川さん。作品は未読なので読んでみたいなと思いました。
Posted by ブクログ
小川 哲さんの小説は、「君のクイズ」を以前読んだことがありました。
今回は、小説家の頭の中を覗ける感じでした。こんなに論理的に考えられるって…羨ましいと思いつつ、楽しく読むことができました。
Posted by ブクログ
小説を書く時こんなことを考えているんだ、というのがロジカルな説明で分かりやすかった。小説家という自分にとっては遠い存在が少し近く感じた。
最近、三宅香帆の『考察する若者たち』を読んだばかりだったので、続けて読んだことで感じたことがいくつかあった。
⬛︎私たち読者が作者の頭の中を考える(考察する)のと同じくらい、作者も読者の頭の中を考えている。
「小説はコミュニケーション」
「小説は作者が何を表現したか、ではなく読者が何を受け取ったか、によって価値が決まる」
⬛︎批評と誤読
「考察する若者たち」の中で出てくる「批評」は、本をもとに読者が正解など気にせず自由に考える、という意味だった。「正解じゃなくたっていいじゃないか」という心の声も私たち読者の背中を押してくれる。
この本で出てくる「誤読」も似た意味だと思った。
「作者の物語が読者の物語に転換され、作品が読者の人生と結びつき本来のポテンシャルを超えて受容されていく」
批評ができるのも、誤読が生まれるのも、読んでいるのが私だから。
この本の感想も『考察する若者たち』を読んだ直後だったから。
この本で伝えていた、私という一人の読者が自分なりの解釈をすることで本の価値が上がるなら、読み手にとってもそれは嬉しいこと。
Posted by ブクログ
圧倒的小説メタ認知論!
これを書かれてしまってはたまったもんじゃないと思われても仕方ないんじゃないか。とても面白かった。
3章の「知らない世界の話について堂々と語る方法」には思わず舌を巻いた。徹底的な抽象化、内面化、具体化。また小川哲の作品を読み返したら、違う視点になってしまいそう。
Posted by ブクログ
技術論とかは抜きにして、
小説家がひたすらに「小説」について考察する。
面白さとは、問いとは、小説とは。
さすが小説家、思考の過程をなぞる
その文章そのものが面白い。