あらすじ
選考委員瞠目! 第19回小説現代長編新人賞受賞作
今村翔吾さん「執念の如き力を感じた」
塩田武士さん「朝宮さんの『業』に、私は期待している」
中島京子さん「チャレンジングな作品」
凪良ゆうさん「著者にしか書けない光と闇」
宮内悠介さん「シンプルに心を動かされた」
薬丸岳さん「一番に推した」
5人の納棺師たちは全力を尽くす。遺された人々が、最後に顔を見てお別れを言えるように。
「どんなに考えても、探しても、人が死んだ理由なんて絶対に見つからないんだよ」
納棺師、遺品整理士、生花装飾技能士……葬儀関係のプロ集団「株式会社C・F・C」。
とりわけ損傷の激しい遺体を専門に扱う「二課」は、無残な状態から生前の面影を復元するのがミッション。
事故、事件、自殺ーー二課には毎日のように遺体が運ばれてくる。入学式を明日に控え線路に正座していた少年、ゴミ屋敷で餓死した男性、幼い我が子を残して事故に遭った母親、飛び降りる瞬間を動画配信していた少女ーー
二課の納棺師たちはその手で、失われた生前のおもかげを復元していく。
愛する人が突然この世を去った時、どうすれば立ち上がれるのか。あの人はなぜ命を絶ったのか。遺された者はどう生きればいいのか。
それぞれに「喪失」を抱えた納棺師たちもまた、明日を生きる微かな光を見出していく。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
納棺師の中でも 損傷の激しい遺体を復元する「二課」に勤める5人
章ごとに視点が変わり、あっという間に読み進めた
有明さん、入相さん、朝未、八宵、東雲くん
みんな大事なものを失い、もがいて、でも希望を捨てずに生きていて
読みながら「こんな言葉をかけられる人間になりたいなぁ」と思わされるセリフが幾度となくあった
「死」を感じさせる仕事だが、同時に「生き方」についても考えさせられる
読み終わりは「二課」の一員になったかのようなきもちだった
Posted by ブクログ
冠婚葬祭業に就いていた事があるので、その業界の世界観みたいなものは細かな描写で伝わればと思う。
突然大切なものをなくした喪失感から、気持ちの移り変わりを優しく表現されている作品。
Posted by ブクログ
ブク友の皆さんの本棚を眺めて、ずっと読みたかった本。
以前、テレビで納棺師のお仕事密着番組を見たことがあって、登場した納棺師さんはご自身のお母さんの葬儀のメイクで感じた違和感や寂しさがきっかけでこの仕事に就かれたと話されていた。特殊な仕事だけに自分の体験から…という人が多い職種なんだろうか。
この本の登場人物達も訳ありの人が多い。
それぞれが寂しさや後悔、生きづらさを感じながら、仕事にはプロとして向き合う姿が格好いい。同じ気持ちで働く仲間、そして仕事を通して見えてきた景色、そこに希望が感じられて、読み終える頃にはこちらまで前向きな気持ちになっていた。
遺体の描写がめちゃくちゃリアルだなと思ったら、著者の朝宮夕さんは元納棺師なのだそう。
遺体に日々接する彼女の「死後は無だと思うからこそ、生とは何なのかを考えさせられる」という言葉が重く響く。
Posted by ブクログ
大切な人が突然亡くなってしまう…
それは事故や事件、自殺かもしれない
それでも私なら顔を見て、触れて、お別れしたいと思うが、その場合きれいな姿とは限らないだろう。
この本には、損傷の激しいご遺体に復元処置や特殊メイクを施し、ご遺族が対面出来るようにする納棺師という職業が描かれている。
登場する五人の納棺師たちはそれぞれ、心に大きな喪失感や痛みを抱えて生きている者たちだ。
精神的にとてもハードな仕事だと想像するが、ご遺族がこれからを生きていくために必要で、大切な仕事なのだと思う。
おびのりさんのレビューで、登場人物たちの名前が薄明かりの時間を表す言葉だと知り、早速目次を確認した。
0 有明の月
1 朝未き
2 入相の鐘
3 宵の明星
4 東雲の空
日本語ってなんて豊かなんだろう( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
処置の場面は目を背けたくなる描写も多く、登場人物たちが心に抱えるものも重いけれど、希望の光が差す優しい物語になっている。
何気ない今日という日も、かけがえのない一瞬の積み重ねなんだと気付かされた。
人には優しさや思いやりの心があるからこそ、こうして生きていけるんだなぁ、と思う素敵な作品だった。
Posted by ブクログ
とても読みやすい文章、というのが第一印象。
かなりヘビーで生々しい描写が多かったにもかかかわらず嫌悪感を抱くことなく物語に没頭した。損傷の激しいご遺体に携わるだけではなく納棺師さん自身をも掘り下げたところに醍醐味があった。2課のスタッフの皆さんが抱えながらもお仕事に邁進する姿勢に頭が下がる思いだった。
個人的にはかなり上位にランクイン。今後の執筆にも注目していきたい。
Posted by ブクログ
人生の最後を考えるとき、家族に看取られながらとか、病院や介護施設で、とかを大抵想像する。突然の最後を迎える可能性もあるのだけど、想像するときにはその可能性を見ないようにしているかもしれない。
あんまり考えたくないから。
この物語は、特殊な状況で亡くなられた方を専門に扱う納棺師のお話である。
顔が欠けていたり、損傷が激しかったり、体が棺に納められないような形になっている方を、棺に納めて見せられるようなきれいな状態にしてご遺族にお渡しする。
納棺師といえば『おくりびと』という映画のイメージだったけど、亡くなり方も多種多様であればこういう処置が必要なのは当然。それなのに、そういうことを想像したこともなかった。
大変なお仕事だと思う。
尊敬と、考えもしなかったことに対しての少しの罪悪感のようなものを感じながら読んだ。
処置のシーンは、文章を読んでいるだけでも目をそむけたくなるような状況のはずなのに、淡々とその事実を受け入れられた。
文章の奥に、朝宮さんのご遺族に対しての敬意が感じられるからかなと思った。
納棺師たちも様々な事情を抱えている。
寄り添い、受け止める彼らの関係性が良くて、それぞれ少し前を向くことができたことに希望を感じた。
Posted by ブクログ
現実の職業にも関わらず、読んだらこんな異世界を体験ができるのかぁ。ただのお仕事小説ではない。五人の納棺師について丁寧に描かれているし、その関係性も◎。大和言葉がおくゆかしく、じわじわと高まる本。
Posted by ブクログ
また装丁だけで手にとった作品です。
オイラは救命救急センターの夜間受付を長くやっていました。
それも三次救急といって、最も重篤な患者さんの救命を試みるセンターでした。
いわゆる「力及ばず」という医師の言葉を何度も聞き、患者さんのご家族の号泣を何度も聞いてきました。
死亡診断書(死亡検案書)に何回公印を押し、ご家族にお渡ししたか…。
そして圧倒的に女性陣が多い職場で、エンゼルケアを終えたご遺体を冷凍庫に運び入れるお手伝いも、男性職員として何回したことか…。
この作品はそのことを思い出させる(忘れたことはないですが)内容でした。
なのでオイラの星5つの時の締めセリフは使うのは好ましくないと判断して、星は4つにしました。
この作品は多くの方にはフィクションでも、オイラにはノンフィクションでした。
この作品の内容と、救急救命のその後の橋渡しを多くしていたのだ。
そう感じた作品でした。
Posted by ブクログ
納棺師の仕事やそこで働いている人たちの裏事情など繊細に描かれていて、新人作家さんとは思えないくらいでした。
宗教的なことか分からないけど、何故こういった仕事をしている人たちを忌み嫌ったりするんでしょう。
誰しも死は訪れるものなのに。そして凄く厳しくて辛い仕事であると思うから、むしろ感謝しかないと思う。
Posted by ブクログ
闇を抱えた納棺師たちのお話
死を意識することは普段生活していくなかほぼないが、死ぬことの意味や、生きている意味を考えさせられた
話自体は重いので気分も重くなる描写はあるけれども、すこし生きていくことを頑張ろうと思える作品
Posted by ブクログ
ブクトモさんで読んでいないのが私だけになってきて、焦って本屋さんで新品購入しました^^;
探すのに苦労しました。そこそこの大きさの書店ですが、在庫一冊しかありませんでした(ー ー;)
損傷の激しい遺体を修復する納棺師たちの姿を描いた作品。
このお仕事は、みんみんさんおすすめの「吸血鬼と愉快な仲間たち」で出会っていた為、それほどの目新しさを感じることもなかったです。
それぞれ問題を抱えた社員さんたちが、人の死を通して、『生』に向き合う姿が描かれていました。
大きくは無いですが、静かに余韻の残る作品かなぁ*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*
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この三連休で、毎年恒例の京都に行ってきました。
今回は予告通り嵐山と鞍馬です。
紅葉の時期なので、嵐山の渡月橋付近と、叡山電車、四条の混み方がエグかったです(^^;;
近隣住民の方は、生活に支障が出るんじゃないのかなぁ。。。
拝観料は2人分の値段です。
行き 高速 6,010
1日目
天龍寺駐車場 1,000
天龍寺 庭園のみ 1,000
あだしの念仏寺 1,000
愛宕念仏寺 土曜定休日(-。-;
祇王寺 600
常寂光寺 1,000
昼食
和食のさと天丼×2 1,866
鈴虫寺駐車場 500
西芳寺(苔寺)予約制で入れず
地蔵院(竹の寺)1,000
華厳寺(鈴虫寺 )1,000
滋賀能登川ホテル二泊 21,700
夕食 屋台寿司
お通し 726(高っ)
生中×5 (私3杯) 1,515(安っ)
ネギたん塩 604
甘エビ唐揚げ 494
海鮮サラダ 879
餃子 439
ハイボール(旦那)248
お得巻寿司 879
2日目
能登川→山科 770×2=1,540
山科→三条京阪 260×2=520
三条→出町柳 240×2=480
出町柳→八瀬比叡山口 280×2=560
瑠璃光院 4,000(高すぎね?)
八瀬比叡山口→宝ヶ池 220×2=440
宝ヶ池→鞍馬 410×2=820
昼食
にしん蕎麦(私) 1,300
木の葉丼(旦那) 900
鞍馬寺 1,000
貴船神社 無料
貴船口→出町柳 470×2=940
出町柳→祇園四条 240×2=480
お土産 高島屋 5,648
三条京阪→山科 260×2=520
山科→能登川 770×2=1,540
夕食 昨日と同じ屋台寿司
お通し 726(高っ)昨日と全く同じやつ。
鳥の唐揚げ 604
枝豆 395
天ぷら盛り合わせ 769
うめしそ細巻(私) 285
つぶ貝寿司一貫(旦那)219
本マグロ寿司一貫(旦那) 252
メガ大人レモンサワー ×2(旦那) 946
ぜいたく細巻き3色 1,319
生ビール×6(私4杯)1,818
3日目
養老の滝 無料
昼食 美合PA
かき揚げうどん(旦那)750
醤油ラーメン(私)750
帰り 高速 4,190
2泊3日
合計 77,171円(1人 38,586円)
1日目 17,797歩
2日目 19,467歩
3日目 6,825歩
京都は拝観料が高いので、どうしても割高の旅行になりますね(^◇^;)
それでも毎年行きたいですっ!
※瑠璃光院は事前予約必須です。
※ホテルはアズイン東近江能登川駅前
朝食込みの値段です。
※ホテルには、1人1泊につき、
アサヒスーパードライの350が1本と、
おつまみ付きでした♪
※勿論ビールは大量に持ち込んでおります♪
Posted by ブクログ
⭐︎3.7
納棺師という普段なかなか知ることができない仕事について書かれていて興味深かった。損傷の激しい遺体など読んでいて辛い描写も多かったけど、それ以上に登場する納棺師たちそれぞれの抱えている想いに優しく寄り添うような書き方が印象的。著者の人柄が現れているような素敵な文章だった。
Posted by ブクログ
納棺師のお仕事に遺体の修復もあるのは初めて知った
まだまだ知らないお仕事があるんだなぁ
ワケありスタッフ揃いだが、こんな人達に最期をみてもらえたならいいだろうなあと思う
センシティブな内容なので途中読み進めるのが辛い部分もあったが、読後感はよい
Posted by ブクログ
納棺師のお話。通常ではない死に方をした状態のよくない遺体の復元、特殊メイク等ちょっと変わった部署の物語。納棺師は馴染みがないので、こんな仕事もあるのかと勉強になった。それぞれの立場から話しが描かれて、良いドラマがある。
Posted by ブクログ
壊れた遺体を修復する納棺師。そこに心があればあるほど辛い仕事。でも心があるから故人の意思や遺族の未来に繋げていける仕事。実際の納棺師の方々について知りたいと思った。
Posted by ブクログ
ページを捲ると“装画なたり“と記されていた
手が印象的なイラストレーターさん
数ページ読むと、この手が何を行なっているのかがわかる
納棺師といえば、映画『おくりびと』のイメージだが、ここでは一課がそちらの仕事
この作品の主人公は二課「特殊復元処置衛生課-遺体の顔の復元やメイクをして、損傷した遺体の顔を遺族に対面できるようにすることが目的」の5人
その5人の名前にちなんだ5つの章からなる構成
予想以上の遺体の状態に、読んでるこちらの顔も歪みがち、でも彼らの技術で復元していく様が浮かんでくる
こんなにリアルに損傷した遺体の状態を思い浮かべながら読むのは今までに無い体験だし、どこか遠くに感じていた死が、より近いものと思えた
しかし、日々死と向き合い、心も身体もクタクタになりながら仕事をしている彼らの姿には、生きる意味のようなものを感じさせてくれる
暗闇に立ち止まってしまっても、開けない夜はないように人は少しずつ明るい方へ向かう強さを持っているのだと
Posted by ブクログ
初読み作家さん。読んだままを想像するのが怖い部分もあるけど、色々抱えながら一緒に働く同僚たちの心理描写が優しく描かれていて、読みやすい作品でした。はっきり全て解決してないところが、次作があるからなのか、解決しなくても人間生きていかないとねっていうことなのか判断つかず。地味に次作を期待しておきます。
Posted by ブクログ
新人の作家さんとは思えないほど、読みやすい文章でした。
内容は死を扱う納棺師のお仕事小説。しかも、ただの納棺師ではなく、事故死や自殺などで亡くなった状態から元に復元する仕事。筆者の実体験から生々しい表現もあるが、自身では経験がない仕事なので凄く勉強になった。
読み終わって少し残念だなと思った点は、
・有明課長の子どもが亡くなった件のエピソード掘り下げが浅い感じがした
・同期だった望月さんが独立した理由は?
・東雲の入社志望理由が弱いような
・装丁は"空"のが良いのでは?
勝手な思い込みで、東雲が納棺師を志望した理由を詮索しながら読んでいたけど、納棺師を志望した理由に深い思い入れがなかったのが、少し肩透かしを食らった感じはしたかな…。
(過去に身近な誰かが死んだor殺した事件絡みかと深読みし過ぎていた)
登場人物のキャラクターは個性があり掴みやすく、脳内配役を考えながら読み進めるのが面白かったです。
Posted by ブクログ
納棺師という職業について今まで全くイメージが湧かなかったのですが、本作を通して想像以上に厳しく辛いものだなと思いました。
登場人物達が様々な想いを抱えながら仕事と向き合う姿がとても良かったです。
Posted by ブクログ
納棺会社で損傷の激しい遺体に特殊復元処置を施す部署の5人の納棺師たちを描いた作品。
ベテランから新人まで、5人それぞれが重い過去や悩みをかかえていて、故人や遺族と向き合う中で自分なりの答えを見つけて前を向いて進んでいく姿が描かれる。
様々な事情で亡くなった人達や突然愛する人を失った遺族の事を思うと胸が締め付けられるような気持ちになる。
復元によって故人の尊厳を守ったり、遺族が納得して最後のお別れができるようにする、納棺師という仕事の尊さを感じた。
Posted by ブクログ
納棺師の話ということで、映画おくりびとをイメージしながら読み始めたら、かなり路線が違いました。こちらは、損傷の激しい遺体を取り扱っています。誰かがやらなければならない仕事ではありますが、過酷な処置の様子も垣間見れて勉強になります。
死者の描写は事実のみでさらっとしています。メインは5人の納棺師の過去から現在にかけてです。重い話のはずですが、読みやすすぎて逆に肩透かしな感じでした。職場の人間関係はうらやましい限りです。
Posted by ブクログ
世界観が好きで他の作品も読んでみたいと思って調べてみたら、この作品が小説初執筆の作品で驚きました
重いテーマを取り扱った作品でしたが、とても読みやすい作品でした
ただテーマがテーマなだけに、もう少し重厚感があっても良かったかも
小説を読み始めたばかりの人におすすめです‼︎
次回作品も楽しみにしています
Posted by ブクログ
葬儀社に新卒として入社した東雲
それぞれ不慮の事故 殺人 自殺人生の幕をかわった姿でしめた人がくる二課に自身の希望もあり配属
思いもよらぬ最後の姿となることがあるの我が身かもしれない
突然の不幸
その姿が思い描いていた自分の最後とは限らないけどしっかりと最後にはお別れを言えなくても姿を見せたい
心に傷があり悩みがありそれでも抱えて生きていくしかない
Posted by ブクログ
生きる意味は生きる当事者が決めるものであり、他者に委ねたり搾取されるものではない。自分がいいと思えることをまっすぐに続けられる環境で、ほんのきっかけから自分の大切なものの本質を見直して少し方向を変えまた歩きだす面々。人生は二度とない一瞬の連続。
Posted by ブクログ
亡くなった方の身体を清め、身なりを整え、棺に納める専門職である納棺師。
その中でも、事故や災害などで損傷した故人の外見を生前の姿に近づけるための修復を行う復元納棺師がこの物語の主人公たちである。
「おくりびと」とも言われるこの職業、死にまつわるだけに差別も多い。
でも、尊い職業だと思う。
死は身近にあるもので、決して忌避するものではないのだから。
登場人物それぞれが強い喪失感を抱えている。
彼らは、目の前の絶対的な「死」という存在に向き合い、残された遺族に寄り添うことで、自らの生を獲得していく。
そう、再生の物語だ。
タイトル「アフターブルー」のブルーは薄明(ブルーアワー)から連想されているそうだ。
なんとなく、死者と繋がれる気がする、そんな時間帯の後に、読者は何かを得る。
Posted by ブクログ
テーマというか設定がそれだけに、まぁまぁどぎつい描写も多いのに、描かれる納棺師は5人が皆んなとても優しくて、その振れ幅が不思議な感覚
皆んな、名前が良い
Posted by ブクログ
納棺師、それも事故や自殺などで損傷が激しいご遺体を生前の姿に復元するハードなお仕事を扱った作品でした
すぐに2週間も経たずに辞めてしまう、そんな納棺師の部署に新しく入社した東雲、
みんなそれぞれにいろいろなものを抱えて、そして答えを見つけるために納棺師を続けていたり、
ご遺体のそれぞれひどい状態の描写はありますが、嫌な感じもなく読めました
Posted by ブクログ
納棺師のお仕事小説だと思って読み始めたが、
微妙に違った。
葬儀社からの依頼をこなす「株式会社化C・F・C」
納棺師や生花装飾、遺品整理といった部署があるなか、本作でフォーカスが当てられるのは、損傷の激しい遺体を生前のように復元するのが専門の「二課」。
丁寧な描写ゆえに、時々読み進めるのが辛くなってしまう遺体の復元処理。
二課のメンバーそれぞれが抱える事情も描かれるが、やはり案件毎の生々しい遺体の損傷具合と、それに対応すべく施される処理内容のグロテスクさに圧倒されてしまった。
私も今までの人生で、死化粧を施された遺体に触れた経験はあるが、損傷の激しい遺体は復元が難しく、棺桶を閉じたままで葬儀一式を執り行ったことがある。
納棺された状態においても、生前が偲ばれるような姿で、最期に故人と対面するというのは、とても意義深いことであり、とても人間らしい考え方だと思う。
でも、それを職務とする方については、正直考えたことがなかった。
作中では、遺体に感情移入しないように、想像しないように・・・と職務上注意をされているが、私には難し過ぎる仕事だと思った。肉体的には勿論、精神的にも尋常ではないタフさが求められる。
何も考えず、無心となって、故人と遺族の人生を繋げるお仕事が出来るだろうか・・・
いやぁ、私ならマシュマロマンが出てくるだろうな。
って、これ通じる人、何人いるんだ?笑
朝宮夕さんは初読みの作家さんだったが、これからが楽しみな新人作家さんの意欲作だと思う。
内容は相当にヘビーなので、これから読まれる方は、読むタイミングと精神状態にご注意ください。