あらすじ
17歳の夏、「黄色い家」に集った女たちの共同生活は、
ある死をきっかけに瓦解し……。
世界各国で翻訳刊行中!
孤独な少女の闘いを渾身の力で描ききった最高傑作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
初 川上未映子の作品。最近日本の女性作家がたくさんいて読んでみると何も心に残らないようなことが多くて今回もどうなの?と思って読んだら、すっかりファンになってしまった。
ニャー兄(宮台真司オマージュ?)とかゴリ玉とかところどころのネーミングセンスも好き。
グイグイと引き込まれるだけでなくて、胸を掴まれるような表現が何箇所かあって。他の作品も読みたいけど、しばらくは余韻に浸りたい。
Posted by ブクログ
好きな作家さん。
たまに文章が宝石に見えたり、そんなに思わなくていいよって言いたくなるくらい主人公を考えさせ、悩ませ、壊しちゃう所に川上未映子さんらしさを感じてます!
ちゃんと「黄色い家」にも、スピード感のある常軌を逸したヒステリック発言や、考えすぎて自分自身も何か1つは絶対共感しちゃうネガティブ思考など、この人にしか出せない唯一無二な要素がたくさんありました!(途中ちゃっかり共感してしまい辛すぎました、、)
ちなみに川上未映子さんの作品は、辛い、苦しい、もう読んでられないって途中はなるんですが、最後は忘れたようにふっとその嫌な感情が消えるんですよ。ホントに。綺麗サッパリ。
多分その作品の中で一際目立つ辛さ、苦しさが全部主人公の脳みその中だけで大半起こってて、実際には起きてないが故に、事が過ぎ去るとふわっと消えちゃうのかなぁなんて思ってます。
しかも、その頭の中の最悪のケースがすべて抜けた後、ぼんやりとした柔らかい優しい夢みたいな文章を入れてくるので、毎回読み終わった後、夢が覚めたように、どこで何が起きた!?と焦って読み返してます笑
この人のそういう夢みたいに綺麗な文章もすっごく魅力的で!他の作品「ウィステリアと三人の女たち」、「愛の夢とか」とかで存分に味わってみてください!(オススメ)
すっごく面白かったです!!
Posted by ブクログ
読み終わったあと、とんでもない高揚感、余韻で暫く呆然としてました。そしてじわっと涙が込み上げてきました。こんな凄い作品を読んだことがありません。
自分の人生を救ってくれた人、お金への執着、黄色。人生は色々あるけど、結局は自分の気持ちには嘘はつけないし、自分を救ってくれた人は無碍にできない。
主人公の行動力にも次々と勇気を貰える。
Posted by ブクログ
下巻は、まるでジェットコースターのように一気に上り詰め、
そこから急降下するような怒涛の展開だった。
登場人物たちの生々しい感情描写、お金、そして「黄色」にま つわるエピソードのすべてが綴密かつ濃密で、
読み手の心を激 しく揺さぶってくる。
とにかく没入感が凄まじく、時間を忘れ てページをめくり続けられる傑作だった。
結末で抱いた最後の 感情はネタバレになるため明かせないが、
少しでも気になって いる人にはぜひ一読してほしい、
極上のクライムサスペンス だ。
Posted by ブクログ
"こういう風“にしか生きられなかった人たちの物語。今でいうもろ闇バイトだけど、報道のうらにはこんな物語があるのかも知れないと想像して、苦しくなった。
Posted by ブクログ
上巻読んだ後1週間くらい下巻を楽しみに待って、手に入れてから1日でのめり込んで一気読みした。
さあ、いつ黄美子は豹変するのか?と今か今かと待ち構えるも、あれっ、おかしいな、下巻の黄美子は上巻の黄美子のまま。残りページ数が少なくなって、これからどうやって風呂敷を畳むんじゃーと思っていると、なんと黄美子、豹変しないまま終わってしまった。と言うより上巻の花の視点で見ていた得体の知れない存在感すらなくなっており物語の中心人物なのかと疑わしい程に影が薄い。出てきても横になってテレビ見てるか無駄に掃除してるからだし。花との会話シーンも少ない。
冒頭の記事は何だったのか?もう一度読み返してみるとまるで桃子が脱走を試みた時に言った事に似てる。つまりそう言うことか。桃子や蘭だって未成年だったとは言えある意味自分の意思でそこにいたのに行き詰まって先が見えなくなると都合の良いように勝手に解釈して何も無かったことにした。黄美子はそういう風にさせられたむしろある意味では被害者だったのかもしれない。善悪の判断や先の見通しをつけるのが難しかったり、豹変していく花の手下みたいに動く姿はヒトラーの下のアイヒマンのよう。成長過程での発達障害や知的障害などがあるのだろうか、と疑ってしまう。
黄美子は逮捕されて記事にされるが、実際の所の真実は密室であるが故に闇の中。ある意味言ったもん勝ちなところもあるよな。先日の某プロ野球監督の家庭内暴力の件だって擁護する声もあるけど、娘の事後の反省文の表明で本当は普段は何もないのです、というのが本当かどうかなんか他人には分からない。もしかしたら日常的に家庭内暴力がなされていたのかも知れないし、他人から見るととんでもないことをその家では大したことないと日常的なことだったりもする訳だし。
ビビさんのバカラをやるやつらは既にちょっとずつ死んでる、っていう所が印象的だった。何かが起こる時っていきなり起こるのではなくてそうなる要素が少しずつ積み重なって積み重なってそして最後に溢れてしまう、そんなイメージ。
花の猶予の話。そうか…と納得してしまった。金や時間や人間関係は貯蓄として最初にあればその分猶予がある。立ち止まったり、転んだり、たまには後退したって猶予があれば、またやり直せる。
でも最初から猶予がない場合、立ち止まることも転ぶこともましてや後退する事も許されず、後ろからどんどん崖が自分の方向に迫ってくる感じなのかな。
花のお母さんが、花にお金を返すためにひっそりと千円札を貯めていたのを死後に発見するシーン、花が母からの電話を無視した事を悔いて泣くシーンにもらい泣きした。
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68 金以上の何か。バカラをやるやつって最初からちょっとずつ死んでる、自分を殺してる。そう言うやつがバカラをやりにくる、金の奥に行こうとする。死にながら生きてるのは辛いからさっさと白黒つけたいのかもね。本気でバカラやるやつはちゃんと死ねるから。バカラやってもやらなくても、病気でも事故でもわたしらみんな死ぬからね。呼び方が違うだけでいくか何かに殺されてるのと同じだよ。
頭を使える奴が全部やることになってんだよ。でも苦労できない馬鹿よっかましでしょ。あいつら幸せかもしれないけど馬鹿だよ。あいつらは考えないから幸せなんだよ。
知恵絞って体使って自分で掴んだ金を持つとね、最初から何の苦労もなく金を持ってるやつの醜さがよく分かる。
89 ヤクザは実態があるからどんなにデカくても秩序があってブレーキがある。でも暴対ができて力が弱くなって暴走族上がりとか中国上がりとか守るものが何もないから何でもやる、顔が見えない、分からない。
106 生きててもしょうがないのかなって思っていたけど花ちゃんがいるから大丈夫だって思えるの。
(上巻の冒頭で蘭は久しぶりに再開した花にもう連絡しないで欲しいと言っていたのに)
113 「は」目の前のひらがなを発音するかのような感じで声を出した。何の感情もない無機質な音でしかないような声で、でもその視線にはわたしを向こう側まで射抜くような妙な威圧感があった。
130 これからのこと、お金のこと家賃のこと、話さなければならない事はたくさんあってどれも切羽詰まっていたけどそれを話した瞬間に、今こうして皆が黙っている事でかろうじて保っている全てがそこで本当に終わってしまうようなぎりぎりの感じがあった。
134 今日を生きて明日もその続きを生きる事ができる人はどうやって生活してるのだろう。私が分からなかったのはその人達がどうやってそのまともな世界でまともに生きていく資格のようなものを手に入れたのかと言う事だった。ねえお母さん、生きていくのって難しくない?お金を稼ぎ続ける事ってすごくすごく難しくない?ねえお母さん、私分からないんだよ、どうしていいか分からないんだよ。
200 三茶を歩いているとみんな顔からはみ出しそうな屈託のない笑顔を見せて幸せそうに見えた。その幸せは多分親なのか家族なのか彼氏なのかは知らないけれど自分より強い誰かに守ってもらえているという自信と安心感から滲み出る何かであるように思えた。そんな光景を見た後には胸の辺りにどす黒いものな渦巻くのを感じた。
201 金はいろんな猶予をくれる。考えるための猶予、眠るための猶予、病気になる猶予、何かを待つための猶予、世間の多くの人はその猶予を作り出す必要がないのかもしれない。ほとんどの人間にはその猶予がある程度与えられているのかもしれない。誰だってみんな金が必要で汗水垂らして働いている。誰の汗水がいい汗水で、誰の汗水が悪い汗水なのかを決める事ができるあなたは一体どこでその汗水をかいているんですか?多分とても素敵な場所なんでしょうね。
263 2165万9千円。紙の束でもあり両手で掴もうと思えば掴めるくらいの大きさしかなくただのものでもあった。私たちはこの数年目の前のこれを集めるのに必死だった。誰かが望むものに速やかに形を変えるもの。自分や大事な人を守り満たし時間と可能性そのものになるもの。未来、安心、強さ、怖さ、ちから。頭にやってくる言葉の全てが真実だと言う気もしたし全てが的外れだとも思えてきた。
291 全部黄美子さんがやった。いい?私たちの事実はこれだからね。この家のことなんか誰も知らないし私らは何にもしていない。全部やらされてただけ。利用されてただけ。歯向かったらなにされるかわからなかった。それが事実だからね。
全てはあそこにいた頭のおかしい大人達が自分達のためにしでかしたことであり、私たちは判断のつかない子供で酒を飲まされ働かされ生活を支配されてどうしようもなかった。
自分を自分に繋ぎ止めるためには2人の言う通りそう思うしかなかった。
私は黄美子さんが怖かった?
303 白い封筒に鉛筆の薄い小さな文字で花ちゃんにわたす用と書かれており中にはほとんどが皺のよった千円札で全部で7万3千円が入れてあった。私はきつく目を閉じた。最後に会ったのはいつだったか。最後に話したのはいつだったか。何度か着信があったのにわざと出ないこともあった。私に何か話したい事があったかもしれないのに。声を聞きたいと思ったかもしれないのに。笑顔ばかりが思い出されて私は膝を抱えて泣いた。
307 あの家を出た私たち3人が私たちのための事実を創り上げたように十数行の文字で書かれた事件の記事の後ろあるもの、あったかもしれないものと、20年前の私たちが過ごした日々の区別がつかなくなっていた。
Posted by ブクログ
読んでいてずっとざわざわする感じ。貧困や家族、若者が社会からこぼれ落ちていく感じが、決して他人事ではないものとして描かれていて、読んでいて苦しくなる場面も多かった。悪いことをする人を単純に「悪い人」と片付けられない。人が追い詰められていく過程って、何か一つの大きな出来事ではなくて、小さな選択や環境の積み重ねなんだなと思った。ひとごとではないし、弱者=努力が足りない、という社会の風潮を蹴っ飛ばしてくれる内容だった。
Posted by ブクログ
辛い、しんどい。しんどいのに読んじゃう。
犯罪してるのに心情は分かるというか、すごく自然な流れで犯罪までつながってる。花ちゃんはピュアすぎるくらいだけど、でも必死でやってるのが伝わるから、発狂しちゃったり病んだりしちゃうのも分かる。責任感が強すぎるんだよね、幸せになってほしい。
実際には犯罪とかしてもすっかり忘れて要領良く生きれる蘭みたいな人間が多そうで、主人公の花ちゃんみたいなのは稀だよね。
最後まで読んでから冒頭を振り返ると悲しくなる。
Posted by ブクログ
裏表紙には「監禁・傷害事件」、「クライム・サスペンス」、「人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか。」という惹句があるが、これはミスリードのように感じた。
ドロドロの犯罪小説なのだという先入観を持って読み進めたが、思っていたのとは違った。
犯罪やお金そのものよりも、主人公・伊藤花の15歳から40歳頃までの生き様を描いた物語として読むと、面白さが見えてくる。
未成年の花が社会に投げ出され、手探りで生きていく中で、少しずつ危うい世界に入り込んでいく。その過程がとてもリアルに描かれている。
誰にも導いてもらえず、自分なりに一生懸命生きようとすることが、かえって自分を追い詰めていく。その姿が痛々しくもあり、同時にとても人間らしく感じられた。
「まともな生活を毎日繰り返してる人たちは、どうやってそっちの世界の人間になれたのか、誰かに教えて欲しかった。」
この花の心の中の叫びが印象に残った。欲しかったのは、ごく普通に、まともに暮らせる生活だったのに、どうすればそれを手に入れられるのかが、ずっとわからなかった。
そして最後のシーンで、花がまるで15歳の少女の様に感じられたのが印象的だった。
長い時間を経ても、花の中にはあの頃の自分がずっと残っていて、止まっていた時間がようやく動き出し、人生をやり直すような瞬間だったのではないかと思う。
終わり方が希望に満ちていて、とても良かった。
Posted by ブクログ
悲しい。親がいい加減だとずっと苦しまなければならないのか。黄美子さんが女性を監禁していたのか、それはわからないけど映水さんもちがうと言ったしそう信じたい。花だけがずっとみんなでいられるようにシノギで働いてでも黄美子さんを見捨てるしかなかった。
なんでそっちを選ぶのか、という意見にはこうなるしか本当に花はなかったんだよ。
親に頼れなくて、花はどうしたって頼れる、そして頼りにしてもらえる黄美子さんや映水さんやヴィヴさんのことが必要だった。
Posted by ブクログ
4.3
凄く重厚感のある感じの本だった。。
薄らと不幸で辛い人生が続く中でも一時的にある幸せの瞬間がとても輝いてみえた。
でも、辛いなーって感じです。
こんな方もいるんだよなーと思うと悲しい。
凄い本だった。
Posted by ブクログ
「幸せな人は考えない人」作中に出てくるこの言葉で、読み終わってからも主人公をはじめとする人たちがそうであったか考えてしまった。後半の主人公の感情が動くスピード感が凄まじかったし苦しかった。
Posted by ブクログ
あっち側とこっち側を隔てるものはなんなのだろう。
今で言うところの闇バイトで稼ぐ、ということなんだろうけど、すごく壮絶。罪の意識が重い人、軽い人、わからない人。誰でもがちょっとしたことであっち側へ行ってしまう気がして、とても怖い。
Posted by ブクログ
下巻は上巻よりもあっという間に読めた。
仕事も暮らしも精神もどんどん苦しく、窮屈になる。
人一倍責任感の強い主人公の頭はどんどん黄色に支配されて、おかしくなっていく。
でも汚い手段で手に入れたお金は表の世界では使えないし、一度裏の世界に染まってしまうと、責任感の強い人ほどそこから這い出るのは難しい。
性格が良くても頭を使うのが苦手な人は、性格が悪くて頭を使うのが得意な人に利用されて使い捨てられる。
主人公が、あんなに大切だった黄美子さんや仲間、自分の罪を忘れたのは自分の精神を守るための防衛本能で、この物語に共感できる体験なんて何一つしていないのに、なんだかすごく分かるなあと感じた。
Posted by ブクログ
黄美子さんが結局何なのかがわからなかった。
途中からぼーっとしてる描写が多く、存在感があるようなないような。でも花にとっては大切な必要な存在だったことが終盤の展開からもわかる。
20年後くらいの犯罪の記事から再開し、一緒に来ないか?と言うくらいだから。 花は何とかしてあげたかったのか?そうすることで罪の意識だったりから少しでも解放されたかったのか。
花のキレ具合が面白い。
カード不正などで金を稼ぐ。燃えて無くなってしまった「れもん」をまたやりたいとお金を貯めるが、悪い稼ぎ方だ。それでもお金が必要。
蘭、桃子、琴美、映水
琴美さん魅力的だった。
Posted by ブクログ
シノギ、シマ、アガリ、ポン中、、、
知らない言葉ばっかりの、闇の世界が描かれている小説だった。
別にハートフルな話ではないと思ってたけど表紙が可愛かったので予想外。
ここ最近読んだ本の中では読みやすくてスラスラ〜と読めた。
親がイカレポンチで歪んでしまった子どもたちと黄美子さんの共同生活。
黄美子さんってものすごく何かが欠けていて不思議、、なんと言ったらいいんだろ、、
優しそうに思える時もあれば人の気持ち全く理解してなさそうな時もある、
何考えて生きてるんだろ?まあ基本ボケーっとしてるのかな?と思ったらラッセンの絵を振りかざしてふすまボコボコにしちゃう
そして常に拭き掃除してる
近くにいたら私は「こわい大人」と認定して近づかないんだけどね、花にはその感覚がなかったみたい。むしろ黄美子さん=救世主
金ために水商売や詐欺をする花。
ただ、金金金!とはなってるけど別に贅沢な暮らしがしたいわけじゃなくて、中卒で身分証もない・銀行口座もない、の状態だからこれでやっていくしかないんだよね。
ほんとはどれもこれも、親のせいだと思うのよ。
色々あったからお金貸してと娘に無心してくる親。しかも200万。
で結局亡くなった後にどれくらい貯めてるのかと蓋を開けたら7万、、、、7万って。返す気なさすぎだろ。
とか思うけど本人(花の母)は本気で頑張って7万貯めたんだろうね。
日本のどこかにリアルに存在しそうな人たちではあったのでちょっと心痛くなった。
Posted by ブクログ
夢中になって上下巻をあっという間に読み切ってしまった。特に最後の100ページ。W杯で乱れた睡眠リズムを取り戻そうと、早く寝ようとした夜に気づいたら2時間30分。25時30分まで読んでいた。
川上美映子さんはどうやってこれを書いたのだろう。貧困から犯罪に手を染める、あの罪悪感を打ち消す自己肯定。少しずつ気が狂っていくも、本人は気づかない、そして気づいた時の絶望感。全ての描写、解像度が異様に高い。
自分も何かに気づかずに毎日を過ごしているのでは?何かを見ないふりをしているのでは?と恐ろしくなった。読書というよりアートのような。ハッとさせられる作品だった。
この後、色んな方々のレビューや、作者のインタビューを読んでみようと思う。それも楽しみだ。
Posted by ブクログ
これぞ純文学という文体で大衆文学を書いたような印象を受けた。ストーリーに大きな展開がなくても、川上未映子さんのような独特な言い回しでリズムよく心地よく読める本が好きになってきた。
本書は持たざる者の苦悩と葛藤を描いており、今の日本の裏社会に通ずるものがある。犯罪に手を染める人々はその実、染めざるを得ないのかもしれない。とは言え、いかなる理由があれど犯罪は紛れもなく許されない。ここにももどかしさのようなものを感じるが、そこを打破できるのは社会であり政治であり国であろう。しかし、持たざる者を救う政策を打ち出す人は持つ者から疎まれる。いやはや、難しい。得てしてマジョリティに迎合した政治家が生まれるんだなと思わざるを得ない。
Posted by ブクログ
花と、蘭と、桃子と、黄美子さんの4人の生活が少しずつ崩れていき、ある時堰を切ったように大崩壊するところが印象的で、特にそのパートはグイグイ読み進めてしまった。
花が、蘭と桃子に、「花は黄美子さんに騙されてる、いいように利用されてる」ことを告げられた時の描写が劇的で、つい読者である自分も、当たり前のように10代の頃から夜に仕事をしている花に見慣れていたせいか、ハッとさせられた。
面白かったです
Posted by ブクログ
途中、かなりの重さに読むのをしばらく中断。しかし再開後は一気読みだった。
黄美子さんは、考えることが苦手な人というのだろうか。生い立ちのせいもあるだろうが‥
登場人物は皆キャラが立っているが、蘭と桃子は結果的には常識人だったようだ。
花の思考回路は自分に近い部分がある、と感じるところがあり、それを桃子にビシッと指摘されて、うぐぐ、と胸に食い込んできた。
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「苦労するのは、いいことなんですか」
「いいことだとは言ってないよ。しょうがないってこと。でも苦労もできない馬鹿よかましでしょ。あいつらは幸せかもしれないけど、馬鹿だよ。」
自分だけが苦労してきたぶってるとこね。どんなふうでも人にはそれぞれ苦労があるんだよ。
でもあんたはこう言ってほしいんだよね、花ちゃんは、ほんとにすごいなぁって。しっかり者で気が利いて、ピンチをチャンスに変えられる、いつでも一生懸命で結果を残す、すごい人って
Posted by ブクログ
下巻は黄色い家での生活が崩壊していく流れがハラハラドキドキ描かれます。大黒柱となった花は苦悩の連続・・・
現在に戻って描かれるラストは納得! 映水さんがいい味出してます。
Posted by ブクログ
2026/5/28
後半は一気読みだった。
母親の恋人に、アルバイトで貯めたお金を盗まれたことから家を出、母親の友人と暮らし始めることになる主人公の花。
同じような境遇の少女2人も加わって、生きていくために犯罪に巻き込まれていく。
誰が悪いのか、何が悪いのか。
どうすれば良かったのかわからなくて頭がぐちゃぐちゃになった。
悪いことだとわかってはいても、生きていくためにはそれしかできない。
そんな花たちの生き方がとても苦しい。
川上未映子さんの作品は、表現がとても映像的で鮮やかだと思う。
特に、母親の友人で生活を共にすることになる黄美子さんと再会する場面や、家をペンキで塗りたくる場面は映画を観ているようだった。
Posted by ブクログ
こうやって人はみんな闇バイトのようなものに手を出していくんだな…と、そして主人公がどんどん染まっていって、変わっていく思考や言動がリアルに描かれています。
追い込まれていく感覚がすごいです。
もっと他の選択肢はなかったのかと思ったりもしますが、きっと同じような環境の人はいるのだろうなと、色々と考えさせられました。
とにかくヨンスさん生きてて良かった笑
Posted by ブクログ
ネグレクト気味な母子家庭の少女のサバイバルノワール小説
スナックで働く母の友人だという黄美子に伊藤花が出会い、惹かれ、共に暮らした数年間のお話
冒頭で40代の花は、黄美子が起こした少女障害監禁の事件をニュースで知る
当時一緒に暮らしていた欄に連絡を取り、自分も同じ状況にあった事の回想
ある日、いつの間にか家で隣に寝ていた黄美子
母からはネグレクト気味で、学校ではいじめられている花にとって黄美子の醸し出す雰囲気は自らの生活の清涼剤
しかし、黄美子は冷蔵庫を食材でいっぱいにして出ていってしまう
そして、高校生になった花は黄美子と再会する
家を出て黄美子と同居し、スナック「れもん」を始める二人
花の同年代の欄、桃子も含めた疑似家族生活
「れもん」焼失による生活環境の変容
現在の生活を維持するため、花はカード犯罪の出し子のシオギに手を染める
さらに生活に行き詰まった彼女らは、他2人と黄美子も巻き込んで新たなシノギに手を出す
いずれ来る破綻の日
そしてその後
花の一人称で描かれるので、不安感や焦燥感、イライラがよくわかる
ネグレクト気味な母親に関してはある程度の諦めもある
でも、自分で汗水垂らして稼いで貯めたお金をトロスケに盗られたところもそうだし
こんな母親は見限ってもしかたがないとも思える
黄美子は、最初は素敵な女性なんだろうと思うのだけど
途中からはちょっと怪しくなってくる
左右盲のところとか、ヴィヴさんから黄美子には何もさせるなと言われるあたりで、何らかの障害か知能に難ありなのが伺える
そんなにヴィヴさんが警戒するということは、前に何かやらかした事があるのでしょうね
あと、執拗に拭き掃除をするところとかも気になる
何か過去にあったのだろうなぁと思う
でも、難しい事はわからないけど、目の前の人がお腹空いてないかとか悲しんでいないかとか心配することはできる
人として大切な事はそんなところなのかもしれない
最初の別れにしても、普段はは空っぽの冷蔵庫に食べ物が隙間なくぎゅうぎゅうに詰めて出ていくあたりは、もう花への愛そのもの
あと、花の学校のヤンキーっぽい花の同級生とも仲良くなれるたりと
不思議な魅力はある人なのでしょうね
花を中心に、黄美子、蘭、桃子の共同生活
シスターフッドの物語でもある
花が本当に執着していたのは黄美子との暮らしで、実際はお金ではなく、人に依存していたように思える
その生活を維持するために必要なのがお金
でも、自分は何も稼ぐ力を持っていない
だからこそのシノギに手を染めてしまい、どっぷりと浸かってしまう
「貧困」と「普通に生きる」という事の難しさが描かれている
花はある意味で真面目だしちゃんとしてる
倫理観が壊れているわけでもない
未成年の飲酒は現代と価値観の違いもあるから許容するとして
ヴィブさんのシノギに最初に手を染めた時の緊張感は読んでいて伝わってくる
それがどんどん麻痺しつつも、ヤバい橋を渡っている自覚はある
ちゃんとしてるからこそ、いけない事をしている自覚はある
でも、お金を稼ぐには他にないという判断なんだよな
花はどの時点でどうやっていればまだ救いがあったのだろう?
現代の貧困の問題は解決が難しい
ただ、ラストの展開は悪くない
花にも黄美子にも救いであればよいのだけど……
あと、差別についても描かれている
映水(ヨンス)と兄の雨俊(ウジュン)、幼馴染である志訓(ジフン)
生まれは日本なのに国籍の違いによる差別
裏社会でなければ稼げない境遇という共通点を演出してるのかな?
全体的に感じた事としては
川上未映子さんは、ホステスとして働いていた経験があるわけで、そんな自らの過去を一部投射しているのかと偏見を持って読んでしまう
彼女の人生にもこんなものがあったのでしょうかね?
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2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。
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Posted by ブクログ
テーマ的に自分が好きな領域だからすごい期待して読んでしまったけど、そこまでハマれなかった。お金によって繋がり、崩れていく時の書きっぷりや、どうなるんだろうという気持ちを持ちながら読めたけど、振り返るとただただ後半は辛いだけだったような気がする。それが現実なのかもしれないけど。
Posted by ブクログ
花は、悪に憧れて染まったわけではなく、純粋でまっすぐなあまり、何にでも染まりやすく、見ていてとても辛い。ここにいていいと言ってくれる人に合わせ続けた結果、倫理観まで悪に染まっていく様子が見ていられなかった。このリアルな侵食されていく描写、川上未映子すごいな、どうやったら描けるんだろうと不思議にも思った。
たらればばかりが浮かんだ。もし途中で、正しい選択肢を教えてくれる優しい大人がいたら。居場所を見つけてくれる人がいたら。救いの手をどうにか差し伸べられなかったものか。
途中の花の黄色への執着も怖かった。
最初は黄美子さんの真似っこで、幸せへの憧れに見えたが、だんだん信仰や呪いへと変貌する。
黄色コーナーの埃に怒る場面では、この世界を維持するために鬼気迫る必死さが恐ろしかった。
思い返せば、れもんが心のオアシスだった。普通に働いて、人と会話して、穏やかな日常が流れている場所。あそこだけが、犯罪共同体じゃない居場所だった気がする。