あらすじ
17歳の夏、「黄色い家」に集った女たちの共同生活は、
ある死をきっかけに瓦解し……。
世界各国で翻訳刊行中!
孤独な少女の闘いを渾身の力で描ききった最高傑作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
[上・下 合わせた感想]
めちゃくちゃ良かった。ヒリヒリするのに瑞々しくて、自分とはかけ離れた世界のはずなのに、どこか「知ってる」気がしたり。距離感が絶妙な感じがした。素晴らしい物語だった。
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黄美子さん、やっぱり何かできる人ではなく、悪いこともいいこともできる人ではなく、冤罪に近い形で捕まったのかなと思いました。それをなんともなくやり過ごしてるんだろうなと。苦しいのは花。1人でやり抜いたと言っても過言ではない。誰も花たちが出ていったことを責めない。こういう世界って、そうなのかな。苦しいし最後は涙がでたけれど、読んでよかったと思いました。なかなかこんな本出会えないんじゃないかな。
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『黄色い家』 川上未映子
最後の最後まで食い入るように読んだ。まるで自分が「花」になってしまったかのように布団に丸まりながら読み切ってしまった。最後の方で思い出したかのように好きな箇所に付箋を貼った。
すごく簡単に人は犯罪に手を染めてしまうんだなあ、でも犯罪ってなんなのだろう。何が悪くて何が正しくて、ずっと変わらない確実なものなんてない気がして。
出てくる登場人物に、極悪人なんていなかった。
みんないい人で。
でもいい人って何?直接暴力を振るったりされなかっただけで、本当はあの中で花は洗脳されていたんじゃないの?
けど、花も同じようなことしてたよね?
でもそれって避けられないものだったかもしれないよ?
いろんな自分の頭の中の思考に目眩を覚えながら読み切った。
もっといろんな人に読んでほしい。
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スナック「れもん」も今まで住んでいた場所も失い、生きるためにどんな方法でも金を得なければいけなくなった花は、カード詐欺に手を染め、金に狂い始める。
他には味わえない緊張感とともに読む手が止まらなくなります。
お金のない生活からどうやったら抜け出せるのか、ふつうの人たちがどうしているのかまったくわからないまま、十五歳からの五年間の青春の日々はついに終わりを迎えます。
真実がどこにあるかなんて誰にもわからないし、無理にわからなくてもいいんだ。
彼女たちには選択肢などなく、誰かの人生を一方的に非難することなんてできない。
苦しいけれど、花と黄美子さんとの関係は今となってはハッピーエンドだったのかもしれないと思う…。
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外部から成熟を要求される時、振り返ることができない。
花というヤングケアラーの少女が、親から安心できる環境を得られず、成熟を要求されざるを得ない立場に居続けた。外部に頼れない花は自身の空想のユートピアに頼らざるを得なくなる。彼女の居場所を彼女自身か守るために。それが「れもん」でもあり、「黄色い家」だった。
心が壊れること。ユートピアが崩壊すること。
長い時間をかけて出来事が過去になること。
そこから、やっとあの出来事が過去になり、花があれはなんだったのだろうと振り返れるようになったところ、そこが物語のスタートだ。
傑作だと思います。
Posted by ブクログ
琴美がカラオケで「想い出がいっぱい」を歌う描写がされてから、物語の終わりまでずっと頭の中でその音楽が流れていました。
自分たちの"幸せ"が何かもわからない未成年の少女3人が、"幸せ"を求め生きて行く。
彼女たちはもちろん答えは持っていないし、ヒントをくれる人もいない。自分で自分の道を切り拓くのはこんなにも難しいのかと改めて思った。
自分だったらどうするか、とか自分だったらどう関われるか、みたいな視点を小説を読むときに持っているが、自分の物理的な力はもちろん、育んできた考え方ではどうにもできない大きな渦に少女たちが呑み込まれていく、それがひたすらにどうしようもなく辛かったです。
Posted by ブクログ
ひとつの事柄も見る人、見る立場によって全く違うものになる。それは実像であり虚像である。そう感じた作品でした。読み進めるごとに苦しく、体力を消耗するのに、文字を追うスピードは減速しない。
読んでよかった作品でした。
Posted by ブクログ
お金があったら幸せかって、言われたらうんと答えるのだろう。人生って綺麗事じゃ幸せになれないし。
いつも楽天的な黄美子さん
お金で繋がってきたヴイヴイさん
頼りになる映水さん
大好きだった琴美さん
お金で多くの人が繋がってきた、はな
お金があるから繋がるし、ないから繋がった人もいる。
なんだかんだ、人はお金で繋がるのだなと思う。
だから、お金が幸せを持ってくるは合っているよねと思う
Posted by ブクログ
一気読みしてしまった。家庭環境と教育がどれだけ大切かを感じた。親次第で子供の人生はある程度決まってしまうのではないか。頑張り方が分からない、周りの子たちのような家庭を知らない、花は必死にもがいて生きているはずなのに、気がつけばがんじがらめになっていて苦しくなった。一方で、犯罪に手を染める人たちの心情として、やはり自分とその周りが最優先で、「被害者」の苦しみを想像することはできないのだなと思った。花だってお金を取られてるけど,その何倍も人のお金に手をつけてるのも事実。これは続編希望!!
Posted by ブクログ
辛いよ…
生まれは誰にも決めることができない。全ては運。
誰か花やその周りの人を救えないのか…
キミコさんは、ラスト、痴呆になっていたのかな。
キミコさんは生まれつき何かを持っているように感じたけど、更に酷くなっていた。
母も、呆気なくいってしまった。
後悔に苛まれた花がみてて辛い。
桃子が始終腹立たしかったけど、桃子も桃子で追い詰められてたんだろうな。家庭では居場所がなくて、妹と比べられて劣等感も感じていて、収入源も犯罪だし。だとしても大金盗むのはまずいし警戒心無さすぎるし、、花も一度頑張って貯めたお金を盗られたからね、、
Posted by ブクログ
何と言ったらいいか。
久々に没頭して引き込まれた。
こんなはずじゃなかった、どこかで引き返せたのか。
正当化し続けることで生きていけることもあるのか。
その世界にはその世界の人間同士の特殊な絆があって、それぞれに守りたいものがあって、でも普通の世界には戻れない。
引き返したい時にはもう遅い。
最後はそれを受け入れていくしかなかったのか。
どこで歯車が狂ったのか。それでも大切な人には変わりない、どうしようもない自分の人生に必要な人だった。
Posted by ブクログ
2026/5/28
後半は一気読みだった。
母親の恋人に、アルバイトで貯めたお金を盗まれたことから家を出、母親の友人と暮らし始めることになる主人公の花。
同じような境遇の少女2人も加わって、生きていくために犯罪に巻き込まれていく。
誰が悪いのか、何が悪いのか。
どうすれば良かったのかわからなくて頭がぐちゃぐちゃになった。
悪いことだとわかってはいても、生きていくためにはそれしかできない。
そんな花たちの生き方がとても苦しい。
川上未映子さんの作品は、表現がとても映像的で鮮やかだと思う。
特に、母親の友人で生活を共にすることになる黄美子さんと再会する場面や、家をペンキで塗りたくる場面は映画を観ているようだった。
Posted by ブクログ
こうやって人はみんな闇バイトのようなものに手を出していくんだな…と、そして主人公がどんどん染まっていって、変わっていく思考や言動がリアルに描かれています。
追い込まれていく感覚がすごいです。
もっと他の選択肢はなかったのかと思ったりもしますが、きっと同じような環境の人はいるのだろうなと、色々と考えさせられました。
とにかくヨンスさん生きてて良かった笑
Posted by ブクログ
ネグレクト気味な母子家庭の少女のサバイバルノワール小説
スナックで働く母の友人だという黄美子に伊藤花が出会い、惹かれ、共に暮らした数年間のお話
冒頭で40代の花は、黄美子が起こした少女障害監禁の事件をニュースで知る
当時一緒に暮らしていた欄に連絡を取り、自分も同じ状況にあった事の回想
ある日、いつの間にか家で隣に寝ていた黄美子
母からはネグレクト気味で、学校ではいじめられている花にとって黄美子の醸し出す雰囲気は自らの生活の清涼剤
しかし、黄美子は冷蔵庫を食材でいっぱいにして出ていってしまう
そして、高校生になった花は黄美子と再会する
家を出て黄美子と同居し、スナック「れもん」を始める二人
花の同年代の欄、桃子も含めた疑似家族生活
「れもん」焼失による生活環境の変容
現在の生活を維持するため、花はカード犯罪の出し子のシオギに手を染める
さらに生活に行き詰まった彼女らは、他2人と黄美子も巻き込んで新たなシノギに手を出す
いずれ来る破綻の日
そしてその後
花の一人称で描かれるので、不安感や焦燥感、イライラがよくわかる
ネグレクト気味な母親に関してはある程度の諦めもある
でも、自分で汗水垂らして稼いで貯めたお金をトロスケに盗られたところもそうだし
こんな母親は見限ってもしかたがないとも思える
黄美子は、最初は素敵な女性なんだろうと思うのだけど
途中からはちょっと怪しくなってくる
左右盲のところとか、ヴィヴさんから黄美子には何もさせるなと言われるあたりで、何らかの障害か知能に難ありなのが伺える
そんなにヴィヴさんが警戒するということは、前に何かやらかした事があるのでしょうね
あと、執拗に拭き掃除をするところとかも気になる
何か過去にあったのだろうなぁと思う
でも、難しい事はわからないけど、目の前の人がお腹空いてないかとか悲しんでいないかとか心配することはできる
人として大切な事はそんなところなのかもしれない
最初の別れにしても、普段はは空っぽの冷蔵庫に食べ物が隙間なくぎゅうぎゅうに詰めて出ていくあたりは、もう花への愛そのもの
あと、花の学校のヤンキーっぽい花の同級生とも仲良くなれるたりと
不思議な魅力はある人なのでしょうね
花を中心に、黄美子、蘭、桃子の共同生活
シスターフッドの物語でもある
花が本当に執着していたのは黄美子との暮らしで、実際はお金ではなく、人に依存していたように思える
その生活を維持するために必要なのがお金
でも、自分は何も稼ぐ力を持っていない
だからこそのシノギに手を染めてしまい、どっぷりと浸かってしまう
「貧困」と「普通に生きる」という事の難しさが描かれている
花はある意味で真面目だしちゃんとしてる
倫理観が壊れているわけでもない
未成年の飲酒は現代と価値観の違いもあるから許容するとして
ヴィブさんのシノギに最初に手を染めた時の緊張感は読んでいて伝わってくる
それがどんどん麻痺しつつも、ヤバい橋を渡っている自覚はある
ちゃんとしてるからこそ、いけない事をしている自覚はある
でも、お金を稼ぐには他にないという判断なんだよな
花はどの時点でどうやっていればまだ救いがあったのだろう?
現代の貧困の問題は解決が難しい
ただ、ラストの展開は悪くない
花にも黄美子にも救いであればよいのだけど……
あと、差別についても描かれている
映水(ヨンス)と兄の雨俊(ウジュン)、幼馴染である志訓(ジフン)
生まれは日本なのに国籍の違いによる差別
裏社会でなければ稼げない境遇という共通点を演出してるのかな?
全体的に感じた事としては
川上未映子さんは、ホステスとして働いていた経験があるわけで、そんな自らの過去を一部投射しているのかと偏見を持って読んでしまう
彼女の人生にもこんなものがあったのでしょうかね?
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2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。
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Posted by ブクログ
闇バイでためたお金で幸せになれますか?
お金がすべてでしょうか?
人は生まてから不平等だな。子供は親を選べない
主人が平穏な日常を過ごせるのだろうか?
いま自分が置かれた立場から色々考えさせられた本でした
Posted by ブクログ
ニュースの記事で、黄美子が監禁・傷害事件で裁判にかけられたことを知った花。それを契機に、彼女らに蘭と桃子を加えた四人で擬似家族のように生活していた記憶が蘇る。冒頭のような状況に至るまでに何があったのか、花の回顧録。
お金は、買えるものしか買えない。
ほとんどの物はお金で変えるが、買えないものが欲しい時、人はどうするのだろう。買えないものがほしくならないようにするための仕込みが、幼少期になされるのだろうと思った。子どもと呼ばれる時代に、親の庇護下にあたりまえのようにいられるうちに、挑戦も失敗も、不遜な態度も無茶な甘えも、一生分吐き出して大人になれなかった花は、なるべくしてこの結末を迎えたのだと感じた。
花の欲しかった家族もお金では買えないものの筆頭である。友達は金で買えないこともないが、蘭も桃子もそれ以上の存在にはなってくれなかった。あくまで疑似家族。家族のような存在止まりであった。見る背中がなかったんだろうな。破滅に向かう花が未熟でいらつく展開も多かったが、花は確かに未熟だった。成熟する機会を持てなかったのだ。
花の大事がみんなの大事じゃなかった。
映水に花がやっと打ち明けた琴美の死の真相も、花が大事にしていた疑似家族の関係も、当人たちにしてみれば一番大事な事じゃなかった。こういうことは、日常生活ありふれているが、非常に孤独感が募るものだ。自分の価値観と他人の価値観が違うことは普通のことであると学ぶ機会が、示唆してくれる存在が周りになかったのだ。後半の花の暴走の根っこは、やはり幼少期にありそうだ。閉じた世界で、限られた人間関係の中で生きるのは安心感がある一方で、多様な価値観に触れる機会を奪う。他人の価値観と共存できない奴は、社会の中ではモンスターだ。
なんか黄色って幸せなイメージだったんだけどな。
ぽかぽかして、なんとなく極楽浄土な感じで、金運とかのイメージもある。お金関係のイメージも、元々お金に困っていない人がのんびりと金運アップを狙ってるような、なんかこう平和なイメージの色だった。
この作品の中では全然違った。花が、お金の事をカネと言うようになってから作品が不幸せな方に転がりだした。お金が、汚くて、血が血を呼ぶ生臭い代物になりさがった。トロスケが花に再会して驚いていたが、確かに花の純粋な部分は枯れ、品性が削げ落ちていた。そういうのは人相に如実に表れる。花が破滅へ向かっていることは分かるが、花がこんなになってしまった理由を言葉にしようとすると難しい。
Posted by ブクログ
若くして闇バイトのような犯罪に手を染めざるを得ない状況となってしまった主人公とその仲間たちが共に必死に生き抜いた日々を追体験するような感覚で読み進めることができる作品。
登場人物たちの感情の表現が素晴らしく、その時感じたであろう、悲しい、悔しい、辛いといった感情がありありと表現されていて、自分の中にそのまま雪崩れ込んでくるような、そんな力強い表現力を感じた。
貧困や格差など重いテーマを扱っているため読むのにはエネルギーが必要だが、間違いなく傑作だった。
Posted by ブクログ
殴り書き。ネタバレあり。
苦しい。黄色い家を読み終えて感じたことは、この一言だけでした。世の中の不条理。負の連鎖。お金、貧乏、家庭環境、グレーゾーン。とにかく誰にもどうにもできない。
主人公の花は、障がいギリギリの母親との生活を中学生まで過ごす。その最中に出会った黄美子さんに惹かれて一緒に暮らすことになるが、結局、母親の二の舞というか、ヤングアラーの話しでもあると感じた。金銭面の管理や家事を、母親と暮らしていた期間に主人公がこなしていたし、黄美子さんとの暮らしでも同じことをしていた。
蘭や桃子、映水や琴美の話もそれぞれインパクトのある話や関係ではあったが、あくまで主人公と黄美子さんに焦点を当てると、かなりキツイものを感じた。最終的に、花は黄美子さんと今後一緒に過ごすことになるのだろうが、ハッピーエンドと言えるのだろうか。そもそもこの物語に答えなんてない。何も分からない。ただ、読み終わっても苦しい余韻だけがひたすら残り続けた作品だった。
Posted by ブクログ
面白かった。終盤の勢いがすごくて出張の行きの飛行機で一気に読み切ってしまい出張中の読書計画が崩れました。序盤に想像していた展開や終わり方とは違っていたので再読してみるのも面白そう。
どの小説も多かれ少なかれそういうものだとは思うのだけど、川上さんの小説は登場人物の状況や性格・特性などへの想像力が働く距離にいるのかどうかで印象が大きく変わりそうだなといつも思う。花や黄美子さんの性質や振る舞い、そして生き方などに、共感したり、「そうだよねがんばったね」ってなる人もいれば、「なんでそんなことを…」とか「こんな人いるわけない」と感じる人もいるんだろう。その距離をつくるものは性格・性質でもあるし、あるいは貧しさとその周囲にあるものでもある。こうしたものにたまたま私は想像力の働く距離にいたと思う。と、そんなことを書きながら、こういう風に書けるのも結局自分が想像できる範囲のことだけであって、私が感じ取れなかった機微や苦しさやどうしようもなさみたいなものもたぶんいっぱいあるんだろうとも思う。例えば私は男性なので、描かれていた女性たちから受け取りきれていないものもあるんだろうな、と。失踪するように読ませる引力の強さを持ちながら色々なことを考えさせてくれる良い小説でした。
Posted by ブクログ
上巻の感想で「続きが楽しみです」と書いちゃったんだけど、「楽しみ」ってのはちょっと違ったのかもしれない。
下巻はいよいよ皆が犯罪に関わっていくフェーズ。花ちゃんに感情移入して、ずっと息苦しかった。蘭や桃子ほどのいい加減さを持ち合わせていれば良かったのかもしれないけれど、真剣に生きようとすればするほど犯罪にからめとられ、巻き込まれていく。花の生き方を上から目線で否定することも可能だけれど、本人目線で見れば「他の選択肢はなかった」ように思える。そんな花ちゃんの生き様を追体験する650ページ。濃厚でした。
Posted by ブクログ
読みにくくはないのだけど、下巻と途中までは入り込めず時間がかかった。
貯めたお金を銀行に預けず、部屋に保管していたのでこれは盗まれてトラブルになるのだと予想していたが、そんな浅い話ではなかった。
お金があることが必ずしも幸せだとは思わないけど、お金があることによって解決する問題は多い。
私もお金がない生活が不安で、お金を貯めないとという強迫観念みたいなのがある。お金を稼ぐことが何かの手段ではなく目的になってしまう。
Posted by ブクログ
カバーを見て気になって読んでみた。
ポップな内容を想像していたけど実際はとても貧乏くさい話だった。
花が蘭と桃子にキレるシーンがアニメ『日常』のみおがゆっこにキレるシーンと重なって笑ってしまった(笑)
花の視点で読んでいるから周りの大人たちがそれほど悪い人には思えないが、客観的な情報だけで評価すると子供を犯罪に利用しているわけだからどいつも褒められた人物ではない。しかし彼らは本当に悪人だったのか?
Posted by ブクログ
下巻も1日で一気読み。
なんというか、悲しいお話だったと思う。発達障害の境界線ギリギリかアウトな母親との貧乏生活を抜け出すために、母親の知り合いの女の人についていって東京でどんどんダークな犯罪の方向へ転落していく主人公、花。みんな、たぶん悪い人はいなくて、ただひたすら生きようとしていただけ。主人公が幼かった頃は気づけなかったけど、親との生活を捨ててついて行った女の人も、発達障害か自閉症かなにかしら大人としては大事なものが欠けている黄美子さん。
幼少時代から母親からの愛に飢えていた主人公は、結局貯めたお金を母親の借金に充ててしまったり、せっかく過去を清算してなしにしたはずなのに、黄美子さんに会いに行ってしまうラスト。
愛を与えられなかった幼少期から拗らせた家族愛への執着、視野の狭さ、貧乏、不幸…
救われなさが悲しいお話だった。
本当にこういうことが世の中でいくつも起きているんだろうな、と思わせられるとてもリアルな人物像と都会の見逃されて続けているだろう軽犯罪の闇だった。
自分のために、自分の人生を納得できるように生きなきゃいけないと改めて思った。毒親はバッサリ捨てるべし。
Posted by ブクログ
3人の未成年を中心に、アングラな世界を覗き見るような1冊。夜の世界のぬめりと温かみと独自性を味わえる。知らない世界に潜り込んでしまった。
登場人物は大人も子供も関係なく、真っ当に生きようと、生き延びようとしているのに、選択肢がないせいで溺れていく様子が妙にリアル。はなちゃんはじめ登場人物はみんなどこか欠けている。選んでいる言動はなにもハートフルじゃないのに、どこか温かみを感じさせる空気の作り方が面白い。どんな世界にも人との関係はあって、それの全てにお金は絡んでいて、お金が絡むと人は変わってしまう。
終わりについては、そんな生き方をしてきた人がそうなるのか わたしはとても疑問である ここはリアルと違う気がする
Posted by ブクログ
自分も被る部分、心情が見えて苦しい部分があった。
花がどこまでも優しい。
川上さんは心の描写、表現、風景、詐欺のことなどいろんな情報をどこまで経験してここまで書けるのだろう。すごい。
Posted by ブクログ
上巻は花の中で幸せな毎日ばかりでどこか間延びする感じだったけど、下巻に入った途端に壮絶な物語に変わって本当に同じ本を読んでいるのか?と言う感じだった これたぶん、上下巻にしないほうがたくさんの人が読んでくれるんじゃないかな、、、とおもった。下巻の良さに気付かず上巻だけで辞めちゃう人いそう
Posted by ブクログ
川上未映子さん作
貧困の中で生きていくためには、それは良い事悪い事を問わずしていかないと生きていけないような、そんな心が苦しくなる作品だった。
最初はまじめにファミレスで働いていたが、家を出るためにコツコツ貯めていたお金を盗まれてしまう。そこら辺から段々と怪しくなる。母親は家に帰らなくなり、見ず知らずの黄美子さんと暮らすようになり、スナックからカード詐欺へと。最後は年老いた黄美子さんと再会する。
最初の黄美子さんが逮捕されたという事から主人公 花 の過去を罪がどんな事かと想像したが。
こういう世界もあるのかと、考えさせられ
自分は恵まれた環境で育つことが出来たんだと感じた。
Posted by ブクログ
花は、悪に憧れて染まったわけではなく、純粋でまっすぐなあまり、何にでも染まりやすく、見ていてとても辛い。ここにいていいと言ってくれる人に合わせ続けた結果、倫理観まで悪に染まっていく様子が見ていられなかった。このリアルな侵食されていく描写、川上未映子すごいな、どうやったら描けるんだろうと不思議にも思った。
たらればばかりが浮かんだ。もし途中で、正しい選択肢を教えてくれる優しい大人がいたら。居場所を見つけてくれる人がいたら。救いの手をどうにか差し伸べられなかったものか。
途中の花の黄色への執着も怖かった。
最初は黄美子さんの真似っこで、幸せへの憧れに見えたが、だんだん信仰や呪いへと変貌する。
黄色コーナーの埃に怒る場面では、この世界を維持するために鬼気迫る必死さが恐ろしかった。
思い返せば、れもんが心のオアシスだった。普通に働いて、人と会話して、穏やかな日常が流れている場所。あそこだけが、犯罪共同体じゃない居場所だった気がする。
Posted by ブクログ
ニュース記事で知人女性による監禁・傷害事件を知った花。
彼女と二人の少女たちと疑似家族のように暮らしていた20年前軒を句が蘇る。
人はなぜ金に狂い、罪を犯すのか。