あらすじ
17歳の夏、「黄色い家」に集った女たちの共同生活は、
ある死をきっかけに瓦解し……。
世界各国で翻訳刊行中!
孤独な少女の闘いを渾身の力で描ききった最高傑作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
三軒茶屋という街のイメージが変わった作品。
裏社会の一部を知ってしまったような気持ちで、いろいろ衝撃的だった。
虐待や貧困、当たり前のように罪を犯す子どもたち。
「どうやってまともな世界でまともに生きていく資格を手に入れたのか」
「どうやってそっちの世界の人間になれたのか、わたしは誰かに教えて欲しかった」
これらの花の思考が辛かった。
私は当たり前のように何の努力もなしに、花のいうところの「そっちの世界の人間」になれている。
子どもにとってとりまく環境が全てなのだと改めて実感する小説だった。
きっと日本には花のような少女がたくさんいるのだろう。
Posted by ブクログ
たまたま「お金に守られていた」だけの自分が、主人たちの善悪を判断することはできないと感じた。
もしこれと似たような境遇であったとき、自分は犯罪を犯さない、と言い切れるだろうか。自分の家、つまりは「居場所」を確保するための手段は厭わないのではないだろうか、と感じた。
あくまで「金」はれもんを復活させるの手段であったのに、いつからか金自体が目的化し、崩壊していった。崩壊していく過程が非常にリアル。
ヴィヴさんの「あいつらは考えないから幸せなんだよ」というフレーズが刺さった。色々思うところはあり、完全に賛同はできないが、金は幸福を産む魔法ではなく、不幸を減らす魔法であると私は感じた。
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貧しさも、人間関係の恵まれなさも、全てがどうしようもなく、まともな道はないのに明日は来る、そんな中で掴める道が犯罪だったとして、それを見逃すことができるだろうか?
花は他の道もある中で自ら茨の道へ歩んだようにも思えたけれど、(富豪ではないにせよ)お金を気にすることなく生きてきた私と花とでは、見えている世界も、選びとれる選択肢も、何もかもが生まれたときから違っただろうと思う。
上下巻とずーっと苦しいのに、先を読みたい一心で数時間で読み切ってしまった。やるせない。だけどこれはけしてファンタジーでない、限りなくノンフィクションに近い現実の姿なのかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
下巻一気に読みました。
はじまり方からどんなにひどい家の話かと思ったら…終始切なく、孤独を感じる素晴らしい文学でした。
切なく苦しい時もあったけれど、どの場面も詩的で美しい文面で、流れるように入ってきました。
読後感も良いです。
Posted by ブクログ
予想以上に面白かったです。誰も頼る人がいない10代の少女が直面するお金に縛られる怖さと生存への不安感。読書中は不安や辛さを抱えたまま読み進めることになりますが、意外に悪くない読後感が凄い。少女を通して語られるスナック経営や出し子犯罪など、ストーリー展開も面白く飽きずに楽しめました。
読後に著者インタビュー動画をみて、現代は実家をでることや結婚や出産をするということが金銭的にとても難しくなっているとコメントされており、まさにおっしゃる通りだと痛感しました。
Posted by ブクログ
金 かね カネ … 世の中カネが全て
NO money NO life 事実か真実か現実か
お金について考えざるおえない物語
養老孟司先生がどこかの本で「誰にでもお金は稼げる。問題なのは使い方で、お金の使い方には教養がいる、どうしよもない成金がいるのはそれが原因」と言っていたのを思い出した作品だった
川上末映子の持つポエジーはかなり抑えられており、ポエジーは色に託されているように感じた
黄色に様々な意味が込められ、様々な場面で効果的に使われていた
自分自身は黄色にはポジティブなイメージを持っていたのだが(元気、喜び、歓声、ひまわり、エネルギー、太陽など)この作品を読むと、黄色の持つ魔力や妖力に気付かされ、それがネガティブなものである事にも気付かされる 黄色は狂気
構成はかなりわかりやすく各章にタイトルがつけられていて、そのタイトルでなんとなくの展開はわかってしまうにもかかわらず、どんどん読み進めてしまうのは作家さんの力量なんだろうか
川上末映子の持つ比喩表現の巧みさとポエジーやイノセントが好きな私にはちょっと物足りなく感じたが、より多くの人をターゲットにするには致し方ないのかな、と理解をした
映画化したらかなり画面映えしそうなシーンもいくつかあり、映像化したらヴィヴィットにまがまがしく黄色が画面にスパークするだろう
せつなかった〜〜
Posted by ブクログ
「黄色い家」を読んで、
依存ってこういうことなんだと府に落ちました。
お金や人への依存であったり、
そして共依存。
気づいたときには周りが見えなくなっている。
この本には、人間にしかない、人間らしい弱さだったり醜さ、そして切実さがたくさん詰まっていました。
お金をテーマにした小説を初めて読みましたが
難しさは全くなく、むしろ現実として迫ってくる。
生まれつき貧しい人、貧しい国に生まれた人、
反対に、生まれながらに恵まれている人。
もし神様がいるのだとしたら、なんて残酷なんだろう、と何度も考えさせられた。
喜美子さんは物語を通して何度も登場するが、
不思議な雰囲気をまとったまま、最後まで掴めない存在だった。
その掴めなさが、この物語の不安定さや危うさを象徴しているようにも感じた。
主人公・花が精神的にどん底へ落ちていく場面では、
私自身も一緒に苦しくなり、怖くなり、不安で胸が暗くなった。
読んでいるのに、巻き込まれていく感覚があった。
読み終えて、
今自分が生きている環境や、親、そのまた親へと、
誰にどう感謝すればいいのかは分からないけど、
少なくとも、金持ちではなくても「普通に生活できている」この現実に、感謝したいと思った。
Posted by ブクログ
最高!
カード詐欺を始めてからの展開(つまり下巻の全て)が凄まじくて、「周りの人がおかしい」から「花がおかしい」に変わっていくグラデーションが面白すぎる。ブレイキングバッドみたいだった。
Posted by ブクログ
読み進めれば読み進めるほど辛い気持ちになってくるけど、読む手が止められないような作品でした。
お金は大事、でもそれを使う知識も大事。。
主人公の花がどんどん追い詰められて行く様子が怖かったです。
Posted by ブクログ
だんだんとお金に振り回されていく花の心情の目まぐるしい変化が、読み手にもひしひしと伝わってきて、後半苦しかった。
お金は変幻自在で、誰のものでもなくて、持つ者の欠乏を表するものだと思った。
Posted by ブクログ
人間って自分が都合が良い方向に解釈しがち。年齢や経験の浅さから、解釈が続いてるとは思うんだけれど、きっと何処かで多少の違和感はあったと思う。でも『大丈夫』『間違ってない』『一緒なら』って信じないとやってられなかったのかなあと。
小さな世界から抜け出しても、小さな世界のままで、どこかずっと脆さや危うさがあって。気づい時、気づいてしまった時にはもう壊れていて。
黄色い家。
Posted by ブクログ
貧しさとか孤独とか、頼れる大人がいないまま大人になった結果犯罪に近づいてしまう現実がリアルすぎて重かった。
生きるにはお金が必要なのに、働き方も分からない。
身分証もない。助けを求められる場所も知らない。
人生は環境が大事だし情報を知らないことって損するよねって
自分ごととして考えさせられた。
「金はどんな人間より長生き」
「何処でやり直せば違う生活になっていたか、
考えても見つからない」
この言葉が、重すぎた…。
Posted by ブクログ
自分も裕福ではない幼少期だったけど、花ほど切羽詰まった状況ではなかった。裏稼業に段々とのめり込み、同居する女達を巻き込み・巻き込まれ、がんじがらめになっていく様は悲しくて恐ろしかった。報道される犯罪者の中には、こんな風に「他にどうすることも出来ず、気付いたら逮捕される状況にいた」人も多いのかもしれない。
今日は衆院選投票日、富める人だけじゃなく、全ての人が健やかに住める国になって欲しい。
Posted by ブクログ
より所だった居場所を失い、
お金を稼ぐために新しい稼ぎ口を紹介してもらうとことから始まる下巻。
裏社会の犯罪に手をそめていく花。
悪いことだとわかっていてもお金を稼ぐにはこれしかないのだと
言い聞かせ、のちに花の同居仲間も手をそめていく。。
慣れてしまえば何てことなく稼げることで
エスカレートしていく花と仲間たちだったが
徐々に異変に気付き始め 精神的に追い詰められる。
花の暴走が、、読んでいて辛すぎたが
仲間の亀裂が、逆に花を救い出し、少しほっとした。
まともな大人がいない環境での成長はこんなにも恐ろしい。
読んでいる自分さえも
この状況が この環境下で
普通のことなんだと思ってしまいそうになった。
引き込まれる描写と世界観。
黄美子さんに出会い、助けられ、黄美子さんと生きていくと決めた花、
その気持ちは たとえ忘れていたとしても心の奥底にずっと宿っていた。
読後感、、焦燥感にも似た気分の落ち込みが残った作品だった。
Posted by ブクログ
やばい。怖い。気味が悪い。
無理に言葉を並べるよりも短い感想で表現したいと思った内容です。黄色い家というタイトルからは想像つかない壮絶さ。黄色と相対するような出来事の連続だからこそ黄色い家が余計気味悪く思える。
犠牲を払って生きる花。読んでいて体力を奪われました。もちろん、褒め言葉です。
Posted by ブクログ
金によって狂っていく主人公の様子や反社ビジネスに一度でも足を踏み入れたら続けざるを得ない恐ろしさ、常に摘発などの恐れから精神が蝕まれていく様子が上手く描かれていると感じた。
桃子は好きじゃない
Posted by ブクログ
下巻も一気読みである。上巻で主人公たちはよりどころであったスナック「れもん」を失う。そこからは生活費を稼ぐため、背に腹は代えられぬと、どんどん裏社会の仕事に手を染めていく。そのスピード感ある展開と高まる閉塞感は、幻想的な夢物語のようですらある。
主人公が仲間に対して背負う責任感が苦しい。私もどちらかというとこういう思考にはまりがちで視野が狭くなるタイプなので、他人事のようには読めなかった。少ししっかりしているばかりに、すこし状況理解力があるばかりに、女たちが生活していくうえでの大黒柱を担い、司令塔になり、教育係にもなり、よかれと思って行動しているのになぜか少しずつ自分たちの首が絞まっていき、統率を失い、破滅していく。どこをどうしていたら間違わなかったのか。
主人公の人生に幸あれ、と願い続けた下巻だった。救いあれと。あのラストは幸だったのか、救いだったのか。自信が持てないまま本を閉じた。
Posted by ブクログ
下巻の方が一気に読めた。
普段私が送っている日常の知らないところで、こういった生活を送っている誰かがいることを考えさせられた。
読んでいて苦しくなるところも多々あるけれど決してこれはフィクションと割りきれないし、このような日常を送らなければいけない人が今もいて、近年の犯罪と日本社会の姿が映し出されてる。
花が前に進めていることが希望があって救われました。
Posted by ブクログ
すごい物語だと思ったけど、なんか思っていたのとは違うお話しだった。
上巻の初めに黄美子さんが同居していた若い女の子を監禁して暴行した罪で裁判を受けてる記事を花が見つけるところから始まる。
そして花たちが黄美子さんと蘭と桃子と過ごした10代後半から20歳位までの話しに進んでいくんだけど、ずっと黄美子さんがカリスマで若い子を手懐けて犯罪に巻き込む感じのクライムサスペンスだと思っていた。
読んでいくうちにアレなんか違うなと(^^;;
面白いし、読みやすいし、先も気になるんだけど、どうみても今よりも悪い状態になる先しかないのがわかるので読み進めるのが苦しかった。
芦沢央さんの『汚れた手をそこで拭かない』みたいに悪い方悪い方を選択して、なんでそっち行っちゃうのかなぁ。
でも、それしかこの子には方法ないのかなぁって思って悲しくなった。
Posted by ブクログ
みんな、どうやって生きているのだろう。
今日を生きて明日もそのつづきを生きることのできる人たちは、どうやって生活しているのだろう。
どうやって、まともな世界でまともに生きていく資格のようなものを手に入れたのか
ねぇお母さん、生きていくのって難しくない?
Posted by ブクログ
読んでいて苦しかった。
主人公がお金を稼いで生きるのに必死で
ふと周りを見渡した時に、
真っ当に会社に勤めればいいっていうのはわかるけど、みんなどうやってそっち側にいく権利を手に入れたの?って
リアルだなと思った。
生まれついたときから育った環境がまともでなければ、当然学校で上手くやれるはずもなく
進学できないので働くしかなく、
働いても知的な能力がない場合は働き続けることができず
知的な能力っていうのは遺伝だったりするから、それは連鎖することが多く
仕方ないから悪いことして稼ぐしかなかったり、夜のお仕事しかできることがなかったり
真っ当な側からすれば努力不足なんだけど、
その努力ができるスタートラインにすら立ててない人たちがいるっていうのが現実。
こんな子達今でもいっぱいいるんだろうな、と思わせられる物語でした。
Posted by ブクログ
下巻。クライムサスペンス独特の深みにハマっていく体験を実感。
事の発端は火事で、失った場所は花にとって『拠り所』。彼女は中学生からそういった『安心できる場所』がなかったのではないかと思う。桃子や蘭、そして黃美子さんと一緒に過ごした時間は、花にとって青春の原石だったのかなと思う。
お金への執着が異常なぐらいまでに深く深く沈んでいく花、読み手側の心を深く沈ませる。
人間の思考・精神力は天秤にかけてもバランスが取れた状態で過ごしてるはずが、きっかけによってその天秤が一気に傾き、恐怖と不安に苛まれ精神が破壊されていく。
人間は脆い…。そういった花の変化がどんどん悪い方向へと転がっていく前、誰かが止めに入らなかったのかと思う。
黃美子さんは『いい人』だったのか『悪い人』だったのか、(個人的には)『いい人』だったんだろうけど、諍いがあったときに黃美子さんがキレた、あの行動が『本当の彼女』なのかが分からず掴みどころがなかった…。
最後は花にとって良かったことなんだろうか、きっと良かったのだろう。個人的にはモヤッとした。
でも本人にとって、心の何処かで燻ってた思いがあったんだろう。『罪滅ぼし』という表現があってるかわからないのだけど、残りの人生を一緒に生きていってほしい。
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<上>★4.0
<下>★4.0
Posted by ブクログ
17歳の夏、「黄色い家」に集まった女たちの共同生活。まっとうに稼ぐすべを持たない「花」たちは危険な”シノギ”を繰り返し働くが、次第に追い詰められていく。圧巻のクライム・サスペンス!
Posted by ブクログ
いくらお金が無いからと言って犯罪に手出しますか?
終盤に過去の話から現代に戻って結局何故に監禁暴行して捕まったのか分かんなかった。
でも花たちは警察にマークされることもなく何事も無く終わったんだよね。仲間内で揉め事はあったけど。
せめて全員捕まれよ。逃げおおせるなよ。いくら小説とはいえ甘くないか?
悪いことをすれば絶対捕まるって教わってきたんだけどな。
Posted by ブクログ
上巻から打って変わって暗い内容が多め。だが現実をまじまじと見せつけられ、暗い気持ちになりながらも生活していくことの大切さ、仕事を頑張ろうとどことなく感じられた。
Posted by ブクログ
最後までそれほどノワール感はなかった。そんなに大したことは起こらない。そして,終わり方はこれでいいのか?とにかくスルスル読めるのにびっくり。川上未映子ってもっと読みにくかったと思うんだけどな。
Posted by ブクログ
個人的には、お金を介して人への執着の方が強く感じられる物語だった
同じ境遇の仲間がいることに安心感を覚え、その輪を崩さないためにお金や犯罪が足されていく話
心に孤独と欠落を抱えた主人公
生まれ育った環境から人恋しく、優しくされるとその人のためにならなんでも出来る、してあげたい、そして「守りたい」と強く思う主人公の一方的な愛を感じた
根本は「お金があったら。、」という以前に「普通の環境に生まれていたら、、」という気持ちの方が大きいのではないか。
「解散」というより「解放」
読んでいて苦しかった。気持ちが沈んだ。
読み終えて 開放感にホッとした。
映水は どうなったのかな、、気になるところ。
Posted by ブクログ
堕ちていくだけの下巻。最終章は別にして、こんな底辺のバカな女の話など読むんじゃなかったというのが感想です。こんなこと知らなくて良いし、不愉快でつまらなかったです。どうせ作り話の小説を読むのなら読んで良かったと思う本を読みたいと改めて思いました。
Posted by ブクログ
年末年始の休暇中に上下巻を一気に読んだ。物語に勢いがあり、読みやすく、ページをめくる手は止まらなかったが、おそらく再読することはないと思う。
帯には「なぜ少女たちは金を稼げる犯罪に走るのか」とあったが、正直なところ、小説に社会学的な答えを求めるのは少し違うのではないかと感じた。登場人物たちが置かれている立場や環境は、確かに一般的な家庭からは想像しにくい部分もある。しかし、それが「犯罪に手を染めてまで金を稼ぐ理由」になるかというと、やや飛躍があるように思えるし、一般論として語れる話でもないだろう。
作中でヴィヴが語る、「金持ちは自分たちに都合のいいルールを作る悪者だ」という理屈も、言いたいことは分からなくはない。ただ、それと彼女たちの行動を正当化することは別問題ではないかとも感じた。どこか現代版ロビン・フッド的な論理にも見えるが、結局のところ登場人物たちも私利私欲のために動いているだけではないか、その点が最後まで腑に落ちなかった。
物語の流れ自体は分かりやすい。
花がキミコと出会い、共に暮らし始め、スナックを開く。
そこに、それぞれ事情を抱えた蘭と桃子が加わる。
やがてスナックは火事で焼失し、花はヴィヴを介して犯罪の世界へ足を踏み入れていく。
この展開はテンポもよく、純粋に小説としては面白かった。一方で、キミコが知的障害者かもしれないという設定や、彼女の旧友ヨンスのバックグラウンドについては、やや「取ってつけた」印象が残った。物語に奥行きを与えようとしている意図は感じられるものの、結果的にはその要素が何を意味しているのか分かりにくく、消化不良のまま終わったように思う。
総じて、娯楽としてはよくできた作品だが、テーマの扱い方や人物の動機づけについては、少し割り切れないものが残る読後感だった。