【感想・ネタバレ】春の星を一緒にのレビュー

あらすじ

救いと慈愛に満ちあふれた、感涙医療小説。

奈緒(40歳)はシングルマザーの看護師として涼介と寄り添い生きてきた。その涼介も高校生、進路を考える年齢に。そんな折、大きな転機が訪れる。敬愛する医師三上の誘いもあり、思い切って東京の緩和ケア病棟で働くこととなる。死を間近に見つめる毎日の中、その瞬間まで幸せに生ききり希望を持てる最期を模索し続ける奈緒。一方、涼介は強く大きい夢を抱く。それは奈緒の夢でもある。母子の夢の行方、そして三上と奈緒のこれからは・・・・・・。
緩和ケア病棟を舞台に、綿密な取材と著者自身の看護師経験に基づく圧倒的リアリティ、温かな視線で人々の生き様、死に様を丁寧に紡ぐ。懸命に生きるすべての人々に送られる慈愛のエールに癒やしの涙は必至です。

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Posted by ブクログ

前作に満天のゴールがあったんですね。知らずに読み進めました。

とにかく涼介がカッコいい!母親を思う気持ちに感動しっぱなしです。

京都編と東京編の二部構成で描かれています。
奈緒と三上先生の不器用な恋愛がもどかしくて、でも春の星を一緒に見ませんかの一言には、心を動かされました。

緩和ケア病棟での出来事も良かった。
旅立つ人が最期まで幸せを感じてくれたなら、残される人も未来に希望を持てる作品でした。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

緩和病棟で働くシングルマザーの看護師とその息子、そして医師
3人の物語
看護師子育ての苦難
息子の健気さ
息子を精一杯応援してくれる、祖父と医師
看護師と医師の不器用な恋愛
毒親のせいで施設で育った医師
緩和病棟での同じ年齢のシングルマザーの死

様々なテーマが詰まっていながら、全て心に落ち着く素晴らしい作品だと思った
読み終わった瞬間、清々しい気持ちで一杯になった

苦労や愛することはいつか報われる
そう信じたくなる一冊だった

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

『満点のゴール』の続編。今回も号泣。
三上先生大好きなので、どうか幸せになってほしい。大変良いラストでした。
タイトルの由来がとても素敵です。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

藤岡陽子さんの医療小説

何となく既視感があるなぁと思ったら、
どうやら本作『春の星を一緒に』は『満天のゴール』の続編のよう。

看護師をしながらシングルマザーで息子の涼介を育てる奈緒は40歳。前作から7年が経っているので、涼介は17歳で進路に悩む時期。出戻りの奈緒を陰ながら支えてくれる実父の耕平も80歳となりご健在だ。

海生病院と宇野山診療所を兼務している三上に対する奈緒の淡い恋心や、涼介の進路を巡る問題。
そして、今回も大切な人との別れと出会いが繰り広げられる。

藤岡陽子さんは看護師をされているので、医療現場の圧倒的なリアリティがあり、生と死に触れる頻度が多いからこその説得力がすごい。

今回は、前作よりも奈緒のプライベートに迫る内容が多く、また違った趣の作品で、それもまた楽しめる。

涼介の担任のクソ田と、奈緒の兄 真一にはムカムカする程嫌気がしたが、涼介と耕平、三上のタッグが最強過ぎて安心の読みやすさ。

血縁があろうとなかろうと人の想いは計り知れない。
たとえ家族であっても、大人になると子どもの頃とは違った一面が見えてくることもある。
ましてや他人なら、分からなくて当然で、分かった気になるのは、ただの傲慢さかもしれない。
だからこそ自分の想い、大切にしたいもの、守りたいもの、そういった自分軸は幾つになってもブレずに待ち続けていようと思った。

話は逸れましたが、まぁ成長した涼介くんの格好いいこと。母親思いの優しくて逞しく青年になったなぁと、本当しみじみ。
そして、三上先生!
いやぁ、最後まで引っ張っていけずやね〜
と思いつつ、ニンマリしちゃいました。

『満天のゴール』を読んでから読むのがオススメ!
満足度増し増しになること間違いなしです♪

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

『春の星を一緒に』
ちくしょー!カッコつけやがって!(# ゚Д゚)
でもカッコいいやないか三上先生

「死ぬ」ってなんだろうね?
なんかそういうテーマの小説、たくさん読んだような気がするけど、よく分からんわやっぱ
目の前に出てきたら違うんかな?

今回は緩和病棟が舞台
わいのおばさんも末期がんでしばらく緩和病棟にいたことがあって、何回もお見舞いに行ったんだけど、なんかこうやっぱ空気が澱んでた気がするな〜
思い込みじゃなくね

そんなところで働くって、物凄い覚悟がいるんじゃなかろうか
そして覚悟を決めるってそんなに簡単じゃないと思うのよ

そしてさ、やっぱり弱虫な男どもは、覚悟を決めるときには、支えが欲しいのよ
自分の方が支えてますよって顔しながら寄りかかりたいのよ
めんどくせーなw

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

やっぱり… すごく良かった

満点のゴールの続編だとは知らずに読み始めたが、随分似ているなと思ったら、やはりそうだった
満点のゴールでは奈緒の夫の不倫が前半しつこく描かれており、ここの部分はこの小説に要らないのではないかと思っていたが、この様に続編として繋がるとは…

「亡くなる瞬間まで、人は幸せを感じることができる」
旅立つ人が最期まで幸せを感じてくれたなら、残される人も未来に希望が持てる

これは三上先生のブレることのない信念だ
この言葉は胸に刻みたい

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

藤岡陽子さんの著書、泣くだろうな、と思いつつ手に取った。
結果、3回は泣いた。あんまり感動屋じゃない私だけど、嗚咽した。
涼介のまっすぐさがたまらない。
聡明な子って、きっと、求められてるものに先に気づいちゃうんだよな。それをベースに自分を作っちゃって、「求められてる自分」が本当の自分であるかのように信じて、成り切っちゃうんだろうな。
涼介に、奈緒に、耕平が、三上がいて、心から良かったと思う。どうかこの物語の人々に、ずっと星明かりが灯りますように。
追記:「満点のゴール」という前作があるらしいことを、読んでから気づく。惜しかった!けど今からでも読みたいと思う。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

シングルマザーの奈緒を中心にして展開する物語。
何が良かったか思い返すと、この奈緒が人間臭くて等身大に描かれていたのが良い。同僚に対しての気遣い、父親に対する態度やコロナ感染後の思いも時に残酷であり、父に対する感謝や愛情等、読んでいて涙が止まらなかった。

その他、緩和ケア病棟に移ることを語る三上がいう、

亡くなる瞬間まで人は幸せを感じることができる。
死は決して敗北ではない。懸命に生き抜いた先のゴールである。

最期は、三上のような医師のもと緩和ケア病棟で過ごせれば安心して旅立てそうだと強く感じた。

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

キャー、途中「満点のゴオル」でもしやと思ったがやはり続編だったのかー。読んでなくても面白かったです。読まなきゃ!

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

人の生きる目的や最後にどのように過ごすか。
とても心地がいい小説でした。

三上さんの人柄に惚れてしまいそうになりました。
奈緒さんと涼介と耕平の三人の関係性や三上さんがいること、成り立ちがいいバランスが心地よく読めました。

構成や文も個人的には読みやすくかなり好きな作家の人になりました。
起承転結や伏線の作り込みなど、最近小説の書き方の本も読んでいたので刺さるものがありました。

本当に人生って色々なイベントがあって退屈品物なんだろうと実感しました。
前作もあるので読みたいと思わせる作家さんだと思います。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作家さんには、いつも泣かされてしまう
。自分にとって何が大切かを考えさせられる。
もちろん、息子が一番。こどもが自立してゆとりができたらいつか父親を旅行に連れて行ってあげたい。娘はそう思う。
でも、いつかはこない。後悔するけど、それでも楽しかった。幸せだったと亡くなった人から伝えてもらえることは残された者にとって生きていく希望になる。
私の生き様が誰かの希望になれるように、明日からまた頑張ろうと思う。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
 
『満天のゴール』の続編とは知らずに読み始めましたが、どこか既視感を覚える描写があり、途中で前作とのつながりに気づきました。舞台は七年後。奈緒や涼介の印象は前作から大きく変わっておらず、「人はそう簡単に変わらないものだな」と感じさせられました。

作中で印象に残ったのは、「亡くなる瞬間まで、人は幸せを感じることができる」という言葉です。その一節が何度も胸に響き、これからの限られた人生を、死を意識しながらどう生きるかを考えさせられました。

死を描きながらも、生の尊さと人のつながりを静かに見つめる作品でした。

前作に引き続き、涼介はかっこいいです。


/_/ あらすじ _/_/_/_/_/

順調に仕事と子育てに頑張っていた奈緒ですが、父耕平が亡くなります。
それを機に新しい人生を歩んでいきます。


/_/ 登場人物 _/_/_/_/_/ 

川岸奈緒 40歳、シングルマザー
川岸涼介 奈緒息子、高校生
耕平 奈緒父、80歳
川岸真一 奈緒兄
内山寛之 奈緒元夫

三上高志
寺内紘子 三上母

海生病院
友阪千里 37歳、シングルマザー、無愛想
小林

穂高総合病院
小谷百合子 看護師長
河野正樹 三上の恩師
本田勇人 内科医
丸見梨子
葛西明子

患者
宮城瑠香 40歳、シングルマザー
宮城沙羅 10歳、長女

芝田守男 70代

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

どこかで読んだ設定だなとおもったら、「満天のゴール」の続編だった。既読だったのでよかったけど、危ない危ない。しかも「満天のゴール」はドラマ化されていたようで、それも知らなかった…

今作では、息子の涼介もすっかり成長して頼もしい存在に。
テーマが終末期の緩和ケアということで、命としっかり向き合うことができる温かな本だった。
「春の星を一緒に」だなんて、言われてみたいセリフ。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

タイトルの回収の仕方がとても美しかった。
涼介君と三上先生が素敵すぎて、彼らの優しさに何度も泣いてしまった。
『満点のゴール』の方も読んでみたいな~

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

これは絶対に「満天のゴール」を読んでから読んだほうがいいです。
あの涼介くんが、成長していました。本当になんていい子なんだ。
前半から泣いてしまい、涙腺が脆くなってしまって終始涙涙でした。泣いてしまうから読むのをいったん中止するくらいに。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

「満天のゴール」続編。小4~小5だった涼介は高校2年生に、33の奈緒は40歳になってます。これは、昔の人間関係や思いを知っていた方が、より深く心に刺さるので、絶対に前の本から読んだ方が良いです。また、続編であるこの本の方が良かったです。
シンクルマザーとして丹後半島に住む父の家で看護師をしながら涼介を育てている奈緒は、離婚のためペーパー看護師として勤務し始めた海生病院勤務を続けていた。息子は高校生で進路に悩んでいるようで、こちらへ来たときから懇意にしている医師・三上への自分の気持ちに気づきながらも関係は変わらない。そんな時、80歳になった父がコロナに罹患し、容態が急変して…。
介護のお話を書いた「森にあかりが灯るとき」でも普段顔を見せない親族が治療に文句を言うシーン出てきましたが、ここにも。そして、起こる遺産問題。あー、やだやだ。涼介の父、奈緒の元夫も再登場します。この辺はスカッとしながら読めて良かったです。満天の時は夫にしがみつく奈緒にイラっとしながら読んだので(だから★4)成長を感じました。涼介も変わらず良い子すぎだし。タイトルから、結末は途中で見えるのですが、最後のシーンあたりは涙1粒が止められず、あ、多分涙脆くなければ我慢できるレベルで感動しますが、電車で読んだのでヤバかったです。ちょいちょい涙1粒レベルシーンあるので、気をつけて下さい。
人の心の機微を描いているので、中学校以上向けですが、読みたがれば小学生から大丈夫です。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

凄く良かった。登場人物が皆優しい。頑張っている姿に感情移入してしてしまう。
自分が悪いのに謝れない人は嫌われるという言葉にハッとさせられた。素直でいることが大切だと思わされた。もやもや悩むよりすぐ謝った方がいい。色々泣ける場面が多くて、電車で読んでいるとき泣きそうになった。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

定番の流れの内容だったが、登場人物のキャラが素敵で とても幸せな気持ちになった。ドラマ化されれば良いのにと思った。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

「死は決して敗北ではない。懸命に生き抜いた先のゴールとして幸せな死があり、その死は残された者にとっての希望になる。」

途中何度も泣かされ、終わり方も最高過ぎてまた泣いた。涙腺ゆるゆる。
読み終わった後に続編だと知った。前のを読んでいなくても全く問題ない。すごく良かった。

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

安定と信頼の藤岡陽子さんに、また泣かされてしまった…。本当に良い作品。正直、医療現場で働く人を主人公にした作品やドラマってそろそろ食傷気味になってきていたので、これのあらすじ情報で「看護婦として働くシングルマザー」「地域医療や緩和ケア」みたいなキーワードを拾った時には「うーん、そういう系かあ…なんか結末予測つくような…」という凡人の先入観を持ってしまっていたのですが、先に読んでいた夫から激おすすめされて、読み始めると、あれよあれよとのめり込んでしまい、気付けばほぼ1日で読み切りました。思ってたような話とは、良い意味で全然違った!医療従事者の話ではあるものの、どちらかというと、家族や親子の話。主人公の息子が医大受験を目指す流れになるんだけど、その部分の物語の膨らませ方が、他の医療ドラマとは一線を画してる感じがある。
ストーリー自体が、大きく前半と後半に分かれているのだが、どっちにも見せ場があって2度は泣かされた。3度くらい泣いたかも…。とにかくグッとくる素晴らしい作品。めちゃくちゃおすすめです。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

『満天のゴール』の続編。
今作品も感涙必至

奈緒はこれまで病棟と訪問看護の両方をやっていたが、涼介が中学生になった時点で夜勤に入るようになり、病棟勤務のみで父の耕平に協力してもらいながら頑張っていた。
耕平がコロナに罹患してから肺炎になり、急すぎる死だった最期には奈緒も涼介も見守ることができた。

三上先生が東京の恩師から誘いを受けて緩和ケア病棟で働くことになり、涼介の進学のことも考えて奈緒も東京で働くことになる。

緩和ケア病棟では、奈緒と同じ40歳の宮城さんが10歳の娘さんに見守られて最期を迎える、娘に残したノートには20年分の手紙。
三上先生の母である寺内さんも最期には、先生のいる病院で最期を…ノートには三上先生の似顔絵が。

緩和ケアという死を間近にした者だけが過ごす病棟では、生きる希望よりもどうやって楽に穏やかに一日を過ごしていくかが重要で、そのなかで医師や看護師たちもできるだけ寄り添えるよう努力しているのがわかる。
三上先生の星のシールもそうだけどノートに書くことも残される人にとってはいいことだと思う。

もうひとつ感動したのは、涼介がとても明るくて人の気持ちもよくわかる頼もしい子に成長していたことで、特に自分よりも母の思いや気持ちをとても大事にしていると感じた。
三上先生と母のこともよくわかっていたのだろう。

ラストの「春の星を一緒に見ませんか」が輝いていた。




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2025年10月27日

Posted by ブクログ

『満点のゴール』の続編。シングルで看護師の奈緒、医学部を目指す涼介、父、耕平、地域医療を支える三上先生の息ピッタリの穏やかで幸せな日々を送っていた。が、突然の耕平の逝去に言葉を失った。そしてその生きざまに感動した。恩師を助けるべく東京で緩和ケア病棟で勤務することを選んだ三上先生が奈緒に提案してくれた涼介と東京への引っ越し。三上先生のお母さんの登場には驚いたけど耕平に負けず劣らずの生きざまにはさらに感動した。そしてラストには涼介の大学合格と三上先生からのプロポーズで最高のハッピーエンドが待っていた。

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

続編のようですが、前作を知らずに読みましたがそれでも十分心に響く良作でした。引き込まれてあっという間に読みました。がなかなかのボリュームです。
京都編と東京編とそれだけで一冊の小説になる内容。
涼介くん(息子)と三上先生がとにかく優しくて泣けるし、お父さんの耕一さんも愛ある素敵な方。
シングルマザーでがんばる奈緒さんは、少しいっぱいいっぱいで涼介くんに無理をさせてたと思うのでそこは胸が痛かったです。
東京編は緩和ケアの話が胸に沁みた。10歳の娘を残して逝く宮城さん、とても切なかったです。しかし30歳まで読める手紙はとてもあたたかかった。死を頑張ったゴールとして優しく迎えるのいいな。河野先生もこれまたいい人だった。
三上先生の過去が壮絶だそうで、本当のお母さんとの最期がお母さんの思いも伝わりより泣けました。

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2025年12月17日

Posted by ブクログ

この方の本は涙無くしては読めなくなってます。緩和ケアと親子関係。どちらも重いテーマですが、物語の中にうまく融合されていると感じました。

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2025年12月16日

Posted by ブクログ

前作から変わらぬ空気感でとても良かった。
次々色んなことが起きすぎてついていけない部分もあったけど、現実を悲観するのではなく、少しでも希望を見出していく母の強さと優しさに溢れていた。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

良かった。

この作家さんの作品は優しい気持ちにさせてくれますね。

見逃し三振はだめだけど、空振り三振はよしだ。
心に留めておきます。

死は決して敗北ではない。懸命に生き抜いた先のゴール。
素敵な言葉ですね。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

満天のゴールから時間を経過してそれぞれが自分の道をまっすぐに進んでいく様子と、周囲の人々の暖かい応援に心が暖まりました。

藤岡さんらしい優しさ溢れる内容でした。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『満天のゴール』の続編です。充実した読書時間がもてた一冊でした。

小説の前半は、京都で看護師として働く奈緒と高校生になった息子の涼介、奈緒の父親の耕平の3人の暮らしに起きた変化が描かれていました。まるでドラマを見ているかのような展開でした。『満天のゴール』のときに幼かった涼介がたくましく優しい高校生に成長していました。頑張っている母親を見て育ったこと、祖父や三上先生の優しいフォローのなかで育ったことが、涼介の成長に大きな力を与えたことが伝わってきました。

後半は新天地、東京に舞台が変わります。
三上先生と奈緒は緩和ケア病棟での勤務、涼介は医学部を目指しての受験勉強の日々。

緩和病棟の患者さんとのやりとりでは、残りの命と向き合う日々のなかで、残していく大切な人への思いや、人生の心残りが書かれていました。藤岡陽子さんが看護師だからこそ、ここまで書けたように思いました。読者の私も、家族を緩和ケア病棟で見送ったことがあるのですが、あの静かで穏やかな空間で家族の命と向き合った日々を思い出しました。

そして、「亡くなる瞬間まで幸せを感じることができる。」「死は決して敗北ではない。懸命に生き抜いた先のゴールとして幸せな死があり、その死は残された者にとっての希望となる。」というこれらの言葉に救われました。

緩和病棟から患者さんへ渡されたブルーのノートも印象に残りました。残された星のシールの数を思うだけでも命を感じられ、『満天のゴール』の星のことも思い出しました。こんなノートを、読者の私の見送った家族にも書いてもらっておけばよかったと思いました。

涼介の合格発表の場面は、読んでいても緊張しました。自分の子どもの合格発表の気分でした。結果は···涙がでてしまいました。

そして、その後の「春の星を一緒に見ませんか?」という言葉が、なんともいえないくらい、いい言葉でした。そして、この先の3人のその後を、さらに知りたい気持ちになりました。

もう少し長編でも、きっと夢中で読めたような気がする小説でした。


〈目次〉
1 朝凪
2 暗影
3 永訣
4 蛍火
5 星原
6 明星
7 秋空
8 涙雪
9 邂逅
10 決戦
11 積雪
12 満天







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2025年09月19日

Posted by ブクログ

★3.5

夢中で読んで、しかも結構泣きました。
でも予定調和的だなーと思うのは読者のわがままでしょうか。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

藤岡陽子さんの本もなんだかんだで読んだ本の数が増えてきて、大体ヒットなんだけどパターン化してきた感もある。今回の主人公はちょっとアホ過ぎて実際身の回りにいたら嫌われるタイプだろうなって思ってしまい、最後まで臭いものに蓋をした状態で読んでいるような感覚だった。ドロドロしたような小説も読んでいてしんどくなるけど、みんなが天使さんですか?みたいな世界の物語を読んでいるのもしんどくなる。ずーっと凪の中で浮かんでいるヨットに乗っているようで読み進めたら読み終わった。一旦藤岡陽子さんのを読むのはお休みだね。

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2025年11月11日

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