あらすじ
〔ゴンクール賞受賞〕殺し屋、売れない作家、軍人の妻、がんを告知された男。彼らが乗り合わせたのは偶然か、誰かの選択か。パリ発の航空機がニューヨークに向けて降下をはじめたとき、異常な乱気流に巻きこまれる。乗客は奇跡的に生還したかに見えたが。先読みできない衝撃のエンタメ小説! 解説/斜線堂有紀
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面白かった! 最初は、取っつき難い作品ではないか、何か訳が分からないと思われます。やっぱり翻訳物は解り難いと思っていましたが、読み進めば、目が離せなくなります。私は、後半は一気読みでした。
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奇想天外な展開に頁を捲るごとに驚かされるが、それ以上に、前半で多様な人物像を丁寧に描いたからこその、後半でのそれぞれの物語に圧倒され夢中になって読み進めてしまった。様々なジャンルを縦横無尽に横断し、思考実験を繰り返し、壮大な世界観を展開する無謀とも言うべき試みながら、破綻することなく極上のエンタメ作品であることに只々、驚愕。
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登場人物が多いので、あらすじを追うのに難儀をしますが、本書に挟まれている「登場人物表」がとても役立ちました。本書は483ページほどの作品です。140ページあたりから、「異常」なことの内容が伝えられてきます。それ以降終わりまで一気に読み切る面白さです。この作品は、前知識ない状態で読み始めてもらい作品なので、私も物語については触れません。小説が好きな友人にはお勧めしたい作品です。
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各分野のデティールがすごく(殺し屋・ミュージシャン・医者・学者・FBIなどなど)細かく知的で楽しめる。人は3ヶ月で状況も考え方も変わってしまうものです♪
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登場人物の多さに読むのを諦めていたけれど、「181ページまで頑張ってください」というポップを見て読み進めたらその後は面白い展開で再度諦めることなく読めた。
登場人物が苗字や名前、芸名だったりで表記が変わるからフルネームと相関図があるとより読みやすい。
あと、最後のページの原作を見てみたいと思った。
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多様な切り口やテーマで楽しく読めた。すべてについて言及するのは、自分の知能では無理なのでやめときたいけど、味わうことはできたと思う。
作家ミゼルの諦観が一番自分の読後感に近いかもしれない。
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好きなYoutuberが表紙だけ載せていたのでなーーーーんにも考えずに購入&読んでみた。
前半ダラダラ読んでて意味が分からなくなったので途中で最初から読み直した。
それでもまぁ意味は分からなかったけれども
後半に入った瞬間の「なるほどな」と
あの感覚は面白かったな。
全体通して好きなカテゴリの本ではないけれども、だからこそ普段触れ合わない世界観として読めてよかったとも思う。
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最初はミステリーっぽく、後半からはSFの要素が強くなる。「もう一人の自分」が発生してしまった人たちの反応を、いろんなパターンで見られて面白い。
自分だったらスリムボーイズみたいに「もう一人の自分」と一緒になりたい。各国の首脳が本名で出ていて大丈夫なのかと心配になったけど、リアルな感じが出ていてよかった。ジョアンナが1番かわいそう。あとディヴィッドのお兄さんと奥さんもしんどい。ルイは大人過ぎて逆に心配。
1人ずつ時系列を整理して読むとわかりやすくなって、最初から読んだときと印象が変わってそれも面白い。
ぜひ映画化してほしい。
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前からずっと気になっていた本。
文庫化して、やっと手に取る。
冒頭の章で早々と二回ほど挫折して、他の本へ浮気。
読み終わると、早く読んでおけば良かったと後悔。
途中、第二部あたりからどんどん面白くなり、思わず笑えるシーンもあり、前半部分の点々とした人物描写が後半に凄く活きてくる。
ミステリーともSFとも取れるし、神学論争やコメディ、恋愛、物語の中の入れ子状の物語など、登場人物の誰に心情移入するかによって多数の読み方もできる。
小ネタや様々な言葉遊びも多い。
ラストは驚きつつ、これは翻訳家泣かせだろうな、という視覚効果も。
積読のまま挫折するより、読んでみて良かった。
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ラストはどういうことなのかな?
エールフランス006便を爆破するという選択について、私たちをシミュレートする存在たちから不合格を下されて、私たちの存在が抹消されたということかな?
ダブルと対面したときどうなるのか、がとてもリアルで引き込まれた。
デイヴィッドと奥さんのやりとりが悲しかった。愛する人が末期癌によって死に近づいていく様を二度も見せられるなんて。
よくこんなことまで考えるな〜さすが数学者!と思いながら読んだ。
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なるほど……面白い!確かにこれは異常だし、その異常事態を把握してからの展開がまさに予測不明でした。そうきたかぁーって感じ。
この手のテーマを扱う小説の中でもこれは群を抜いて異常だと思える。ストーリーが破綻することもなく、それぞれの選んだ道にも納得感があって良かったです。ジャンル分けも説明も難しい、でも色んな人に読んでもらいたい1冊です。
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品性のあるブラックミラー
3月に異常をきたした人々の、6月の群像劇
◯登場人物たち
殺し屋、カエル、作家、弁護士。
◯品の良い展開
派手なスペクタクル展開にもできるのに、
あくまで人物を軸にしたストーリー展開
◯ワードセンスたち
ジューンとマーチ。
プロトコル42。
◯構成
一部
3月に同じ飛行機に乗った人々の紹介
6月末の話。皆がラストに国家の陰謀がチラリ。
二部
3月飛行機と6月飛行機。
三部
それぞれのビフォーアフター。
◯リアル?な政治的軍事的な流れ
◯SF展開に対する多角的なアプローチ
宗教、倫理、政治、たち。
◯三部の恐ろしすぎる展開
●人物描写の少なさ
キャラが浮かばず、人物たちが整理できない
前半は叙述トリックなのかも?と混乱するレベル
●一部のとにかく読みにくい文章
二部三部は読みやすいのに、翻訳合ってる?
●誰目線なのか、常に見失う文体
●引用とメタファーの乱用、本筋に必要?
●前半の冗長さ
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一部のラスト(180Pくらい!)までは苦痛だった。
物語がどこに向かうのか、ともかくわからない。
数ページごとにシーンが変わり、登場人物が変わり、それぞれの人物の物語もぶつ切り。わかりづらく、わからない。全体を通しての客観的すぎる文体も手伝い、「?」が続き、正直なところ2回くらい読むのやめよっかなと思ったりしました。
一部の最後、一つの異常な出来事にゾクゾクする。
そして二部。一部で出てきた人物たちの深掘りが進む。この出来事に一部のシーンがつながっていく。なんせ最初はわかりづらかったので、確認のために何度も一部のそれぞれのシーンを読み返してしまう。
個人的に好きな要素も出てきたりして、この辺りがものすごく面白かった。
例えばインターステラーとか、量子力学とか、シュレディンガーの猫とか、シミュレーション仮説とか、そういう科学っぽいお話がすきな人はすごくワクワクできるかもしれない。(自分がそう。)
そして物語は交差したりしなかったりして進み、読み手に色々な解釈の余白を投げて終わる。
その余白の残し方だったり、群像劇だったり、シーンがとめどなく変わることだったり、すごく映画向きな物語だなあと思う。内容は全然違うのだけど、「マグノリア」を思い出した。
この物語に関してはラストに何かを決めて欲しかったけど、そこは好みかもしれない。
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フランス発の不可思議小説。
11名の運命を描く。
何かを書くことが即ネタバレになりそうなので書けないが、はじめは読むのが面倒に感じるくらい緩慢だが、1/4を過ぎたあたりから事態は急展開を迎えて面白くなってくる。
ところどころ出てくるユーモアが基本的に風刺というか皮肉が効いているし、多少偏見かもしれないが、フランス人は本当に皮肉とタブーと不平・批判が好きなんだなあと本書を読むとしみじみと感じる。
現代においても我ら東洋の国々と西欧の文化や価値観の違いに如実に表れていて面白い。
そして後半ラストは我ら個々の人生に対するテーゼであり、熟慮できたのもよかった。
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SFデカルト2.0
我々はプログラムにすぎないのだろうか。
仮に私たちがプログラムであるとして
私たちがゲームキャラクターを思い通りに操作できても自分達自身は自由に操作できない。
同様に私達が上位存在に操作されていたとしても彼らは彼ら自身を自由に操作できないのでは。
だからプログラムであろうがなかろうが完全に自由な存在などいないのだからその中でどうにか生きてゆかねばならない。
キャラクター同士のクロスオーバーが少なく「異常」にたいしてのオムニバス形式という感が強かった。故に読みやすいのだろうけど。
誰か1人でも読んでて刺さる人がいるかもしれない。
ラストの撃墜すると世界終焉エンドは気が利いていた。
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一度目は、なぜこんなことがおこったかの解を求めて一気読みをして????
いろんな人の解説を調べまくって、解はないことがわかり、異常事態が発生したときの人々のものがたりだとわかりました。
そこで、二回目にチャレンジし、日付に気をつけながら読み込むと面白さがわかりました。
しれーっと書かれている、アメリカ大統領の対応が恐ろしさと共に、ニヤリとしてしまう皮肉をかんじました。
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面白かった。
異常の正体も、そしてその後も。
一番良いなと思ったのは、異常が起こり、でも今後も日常が過ぎ去っていくだけで別に何も起こらないというのが良かった。
後、ラストの3回目以降のコピーされた?飛行機は墜落させるのがなんとも後味が悪くて、しかも変にリアリティがあって気持ち悪くて良かった。
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まず、シミュレーション仮説、世界線(人物)の分岐を扱ったエンターテインメントSFとして面白い。第一部の核心に触れるまでに不穏さが高まっていく感じがよかった。
後半に入り、何が起きたのかが明らかになってからはコピーが生まれてしまった人間たちそれぞれの自分との向き合い方に焦点が移る。複製との協力関係を選ぶものもいれば、隔離、あるいは抹殺という選択をするものもいる。この選択は自分の絶対性をいかに信じているかによるのかもしれない。ブレイク(おそらくサイコパス)は自分の絶対性を信じて疑わない。だから複製を抹殺した。アンドレは自分の過去の行いを悔いていた。だから複製にアドバイスを与え、同じ轍を踏まないようにした。スリムボーイは過去に向き合い自身をカミングアウトするために協力した。リュシーとジョアンナは自分の絶対性を疑わなかっただろうが、子供とパートナーの存在が異なって作用した。リュシーには社会性があり、二人を仲裁できる子供がおり、パートナーは同じ経験をしたアンドレ。ジョアンナにはまだ産まれる前の子供と一人のパートナー。
フランス文学らしい(?)熱い人生哲学は、英米のSFにはない良さがある。
この世が仮に高度な知的生命体によるシミュレーションだとしても、結局人間の行動は変わらない、というか変えようがない。我思う、ゆえに我(我が想定している一般的な知的精神としての我)あり。自分が認識している現実に対応していくしかない。そして人間は現実すらもゆがめて認知することができる(現実の環境問題のように)。悲観が翻った楽観。
前半では多様な登場人物の背景描写が物語の核心である「異常」事態の発覚に向かって集まっていくのに対して、後半ではそれぞれがまたバラバラに散っていきそれぞれの新しい人生に戻っていく。この構成が美しい。
あと完全なハッピーエンドとしないのも好き。狂信者によるアドリアナの殺害から、中国による複製の隠蔽、新たなエールフランス006便の出現。結局本当の真実を認識できている者は存在しない。
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なんか格好つけた本だなって印象。
実際、展開は格好良いんだけど、、リアルとオカルトの狭間というか、、。
信じるか信じないかは、あなた次第です!
のオカルト感。(逆に謎)
しかし、よくこんな話を考えるなぁ。パンばっかり食べてるからかなぁ。(ひどい偏見)
お国柄なのかフランス映画もそうだけど、変に静かなシーンを1カットで長く使うみたいな、ちょっと独特なリズムを文章からも感じました。(日本語訳だけど)
異常です。(結果、これを言いたかっただけ)
想像を裏切られる
「第一部のラストで思わず本を落とした」という小島監督などの帯コメントにひかれて購入。
SF読みなので一部のラストでめちゃくちゃ驚いたかというとそうでもなかったけど、その後の展開がすばらしい。
私を含む多くの読者が(なんで? どうしてこうなったの?)と期待するタネ明かしが本筋ではなく、(巻末解説にもあったが)それにどう立ち向かうかを作者は描きたかったのだ。そこが目ウロコでおもしろかった。そういう物語でもいいよね。
多岐にわたるジャンルへの作家の博識もすばらしいが、訳者のなめらかな翻訳がさらにすばらしい。
おかげで様々な文体ジャンルを含む物語をすらすらと読めた。
(アンドレの日常だけ、興味が持てなくて一瞬、放り出そうとしたけど)。
そして、ブレイクはそれでよかったのか、なみたいなアレもありますが、総じて楽しい読書体験でした。
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おもろい。ただダラダラしている。
180ページまでなんとか辿り着けばそこからは勢いで最後まで読んだ。
180ページの驚きがこの小説のキモだと思うので、ネタバレ厳禁にするのもわかる。いうてそこまでの展開は驚きに満ち溢れるというわけでもないので……
どちらかというと、「自分と全く同じ人物が突如この世に出現したらどうしよう?」という思考実験を楽しむ作品なのかなという気持ちもある。並行世界というわけではないから財産や家族は1人分なわけで、それをどうすればいいのか?という…悩ましい
登場人物が多く、その人物同士も大して交流しないので話が散逸してる印象を受ける。
世界規模を舞台にした話を書くぞ、というのが目的な気もするのでそれでいいのかもしれない。ただ、ソフィアの父をブレイクが殺すとか、リュシーとアンドリアナが元彼の悪口を言いまくるとか、そういう交流があったら楽しかったのになと個人的に思う。
話の展開で「この世は全部シミュレーションなのでは?」という突飛な方向に行ったのと、重複者たちの身の安全を確保するために各宗教の代表者を一堂に集めようというのはびっくりした。せっかくあんなに科学者が集まったのに哲学というか思考実験的なシミュレーション仮説にいっちゃうの?と少し残念に思った。プラン42という科学者が考えたユーモア的な展開が好みだっただけに…
ただ、重複者たちが存在を重複させながらもどうにか世界に馴染もうとするのはいいなと思った。特にスリムボーイたち。世界は混沌としており、それならそこにさらに混沌が増えてもいいだろうという世界の鷹揚さを見た気がした。
話の展開としては3機めのボーイング787が出てきて、さすがに3人目の重複者の処理はきついから撃墜したんだけどそれにより世界が崩壊してしまった、というエンドと理解している。どういう示唆なのかはわからないが……
同じ設定で星新一が連作ショートショートにしてほしいなという気持ちで読んでいた。星新一ならシニカルに、よりコメディチックに描いてくれたような気がする。
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フランスの小説。
普段日本人作家ばかり読んでいるせいか、翻訳文に慣れず、読むのにかなり時間がかかった。
西洋文化では前提として共有されている哲学的・知的背景を知らないと
「ん?どういうこと?」と立ち止まる場面も多い。
登場人物も多く、場面転換も頻繁で、名前がなかなか頭に入らなかった。
ただ、会話や人物描写はとても洗練されていて、向こうでは「おしゃれで斬新な小説」として受け入れられたのだろうな、というのは伝わってくる。
SF的な設定に対して、人々がどう反応するかはかなりリアルで、その点は面白かった。
とはいえ、読む体力をかなり使う一冊。
正直、当分は洋書はいいかな、と思ってしまった。
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海外文学に慣れてないので登場人物の名前を覚えるのが大変。時間が空くと誰が誰だか分からなくなるので、一気読みをおすすめします。
宗教、哲学的な話も多いのでそのへんの教養がないと読むのがしんどい場面があるかも(私は教養なしです)設定やストーリー自体はおもしろいと思いました。
Posted by ブクログ
待って、SFの世界でそれやったらマズいことが起こるのでは?!
ってなって、ワクワクしたのに、思ってた感じと違過ぎて拍子抜けして、途中からつまらなくなって、あ…そゆ話だったのかと納得して、ずっとモヤモヤしながら読んで、最後の最後でマジか〜!!となってw
読み返そうかと思ったけど、そこまでの元気はなかった…
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推しは殺し屋。
本筋とは逸れるが例えがいちいち上手。
運命という言葉が嫌い。
矢が当たった場所の周りに的を書いてるようなもの。
みたいな例えがいくつか出てくる。
その度に「うまっ」って呟いた。
26-1冊目
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ヒデミス作品であったため購入したことがきっかけ。
題名のとおり、読後感は通常とは異なり、不思議な感覚を抱いた。
作者が言語学や数学に関する専門家ということもあり、内容や引用について自分自身の知識不足から十分楽しめたとは言えないが、また10年後とかに読み直してみたい。
あと登場人物が覚えきれず、流してしまったところもある。各登場人物に絞って読み直してみるのもありかも。
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"異常"に巻き込まれた当人たちそれぞれの未来は明るくもあり暗くもあるが、この世界全体としては明らかに破滅に向かって行く様相で、混迷の道を進む世界や異常そのものの原因へのフォローがないまま描かれるあのラストはとても良かった。
事態に対して居心地の悪い妙な軽快さがあり、その緩やかな終わりへの描き方はネビルシュートの「渚にて」を思い出す。しかしこの世界の終わりはそれよりもさらに悲惨なものになると思う。
多くの登場人物が存在し一見群像劇のように描かれてはいるが、その人物たちが交わることはほとんどなく個人個人の様子が描かれるばかりなのでそうした面白さはほとんどなかった。
この作品自体が「重複現象が起こったらどうなるか」と言う神の目線でのシミュレーションである、と言うのが正しい扱い方なんじゃないかな。我々はそれを眺める観測者としてこの本を手に取りページをめくっていたんだと。
丁寧で上質な作品ではあったものの、SF好きには少し物足りなかったってのが正直なところかなぁ。