小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
上巻の前半部、所謂日常パートのようなものに退屈を感じ、ここまでくるのにかなりの時間を要してしまった。上巻の後半部に差し掛かってからあっという間だった。およそ2週間で下巻まで読みきってしまった。そのくらい物語は急展開を迎え、のめり込んでしまう魅力が詰まっていた。
あとがきの末尾に、バベルは何かを抽象化、あるいは比喩していると述べられている。個人的な想いではあるが、自分にとってそれは「社会」だと考えた。学生時代、自分が働いている姿を全く想像できなかったが、社会に出て働くことは当然だと考えていた。自分が与えられるもの、何らかの支払える対価も持ち合わせていないというのに、どうして社会から必要とされる -
Posted by ブクログ
昔読んで感動した小説を読み直すと当時の感動がいまいちなく、あれ、こんな話に感動したのか、となりがちだが、本作に関しては杞憂であった。
推理小説と言うとどうしてもトリックやどんでん返しが主で、その他のドラマ、人物描写に関しておざなりになりがちだ。その印象を一発でひっくり返したのが本作だった。再読して尚、その衝撃は忘れられなかった。推理小説はトリックだけではない。人間を描ける。これである。
本作を読んで、チック・コリアを、リターン・トゥ・フォーエヴァーを、ウェス・モンゴメリーを聴いた。未だに聴いている。
それにしても本作に宿る熱量、文章の鋭さは素晴らしい。熱病に感染したような興奮がある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人類としての暴力の発散の話。
昔、読んでとんでもなく面白かった記憶があり再読。
時代を経たせいか年を取って色んな作品に触れたせいか、昔ほどの衝撃はなかったけど、充分面白く再読して良かったと思えた。
p. 52
「地獄はここにあります。頭のなか、脳みそのなかに。大脳皮質の襞のパターンに。目の前の風景は地獄なんかじゃない。逃れられますからね。目を閉じればそれだけで消えるし、ぼくらはアメリカに帰って普通の生活に戻る。だけど、地獄からは逃れられない。だって、それはこの頭のなかにあるんですから」
「天国もそこにあるのかい」
p. 392
スペクタクルとしての戦争は、常に必要だ、と。どこか -
Posted by ブクログ
2巻の衝撃のラストから始まった葉くんに関するお話、想像以上に根が深く、いつも穏やかな文也のあの時折見せる陰りの裏に隠された静かな怒りとこの日のために耐え続け研ぎ澄ませた刃の鋭さを思い知りました...!!
長浜の道長はコミカライズ読んでてもほんといい印象無かったんですけど想像以上のクズでびっくりです。自信の無い六花ちゃんも大切な家族になった葉くんや自分の居場所を守るために発揮した強い意志はとても神々しくて圧倒的で凄かったです⟡.*
憎悪や深い悲しみも沢山あった中で守るために繋がれてきた優しさと思念にうるうるです( இ﹏இ )
ちゃんといい落とし所が見つかって良かったです。六花ちゃんほんと今回の -
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Posted by ブクログ
数学者という人達はパズルを解くのが大好きなのだと書かれていることに心から共感!それに尽きると思う。ただただ未解決の問題が好きで、それに挑み、解けてみるとなんて美しいんだろうと信じられない気持ちになる、数学者を奮い立たせているのは発見の喜びというのはまさしくかと。それをしかもビスケットとアールグレイティー片手にアイディアを仲間に聞いてもらったり吟味しあったりと、なんとも優雅で楽しく。ワイルズは、秘密主義で進めたようだが、それもまた良し。好きだから知りたいからという純粋な気持ちだけが解く鍵になっていることが、わかりやすくドラマティックに数学がわからなくてもわかるように書かれている。
美しさを求めつ -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想がいきなりネタバレで申し訳ないけど、あーよかった〜ってエンド。
よかった、このエンドでよかったよ〜
なんか、読みながら小規模ながら構成が「方舟」に似てるなーって思って、途中からドキドキしてたから。
え、もしかしてこれ?ってね。
小規模な、方舟。
これはキャラクターの数だけじゃないし、場所でもない。
構成がね、コンパクト。脇見をせずにまっすぐ進むし主人公も最初から最後まで正しくひとり。
ただし、そのドッキリ度はなかなかのもの。
ジグザグジグ。
こんな感じで物語が揺れる。
最後の最後が犯人からのメールってのが、うーん。
主人公の反応が見たかったな、と思ったんだけど、それは余韻を残したって
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