小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
心に折り合いをつけて うまいことやる習慣
著:中村 恒子
著:奥田 弘美
出版社:すばる舎
整理をしたら、コメントしていない本がでてきたので、ご案内させていただきます。
帯に、「幸せかどうかなんて、気にしなくていいんです。」とあります
それで、「心に折り合いをつけて、うまいことをやる」です。
無理をせずに、思い込むことなしに、できることを淡々と進めていく
人にたよらずに、自分でできることを不細工に続けていくというのがいい
本書の中で、心に響いたのは、以下です。
・やらないよりは、やるほうがまし。それくらいのモチベーションが、仕事を無理なく続けるコツ
・仕事が嫌いになる原因のほとん -
Posted by ブクログ
不妊治療をやめたとたんに懐妊し、そのとたんにハッちゃけた女性。
髪型を変え、ファッションを変え、タトゥシールも貼る。何より言葉遣いが。。
本来活字だけの小説に、手書きの文字がわんさか。すべて彼女の言葉。
おろおろする夫。
コメディか、と思ったが、実は違った、深かった。
少子化の世の中、子を産むことに対しての世の中の注目度。女性への期待。
そういう都合の良い、勝手な世の中に対する批判、反駁、
ふざけんじゃないわよ!という女たちの声がこの小説を書かせたように思える。
夫は大手町のバリバリのビジネスマンだったが、妻の変貌で疲労困憊の彼女を見た
女性上司が、配慮で水戸転勤を命ずる。左遷?と落ち込 -
Posted by ブクログ
中学受験に対するイメージがまるごと塗り替えられた一冊。もちろんこれは小説だけど、加地のような先生に10代前半のうちに、いや生涯のうち一度でも出会えたら、その人の人生や物の見方は大きく変わるだろうなと思う。子どもに武器を与えたい、というだけでなく、その武器を周囲の人のためにも使ってほしいというところまで考えられる大人は強い。
藤岡陽子さんの作品は、自分の役目を静かに果たしている、日々をきちんと懸命に生きている人を見逃さないところが特に好き。
俊介や加地だけではなく、みんなと同じようにピアニカを吹くために人の何倍も努力を必要とする妹や、自分の辛い思いは息子の盾になれたかも、と思う母親。塾のプリント -
Posted by ブクログ
二十五年前に起こった誘拐殺人事件は町を騒然とさせたが、それ以上に事態を混迷に陥れたのは「噂」だった。事件が終息し平和を取り戻したように見える町で、再び事件が起こる。そしてそれにともないまたしても広がる根拠のない「噂」。どうしようもなく興味を引き付けられ、しかし同時に息苦しくなるような思いも強い作品です。
地方だからこその空気というのは確かにあって、狭い範囲で起こった「事件」だからこそ他人事とは思えない、それはわかります。臨場感を覚え、特別引きつけられることも当然だろうと思います。だけどなぜ、近いはずの事件関係者に対してここまで無神経になれてしまうのだろう、と思いました。悪意があるわけではなく、 -
Posted by ブクログ
町を騒がせた事件は解決を迎える。犯人が逮捕されたが、それでもやまない憶測の数々に事件の波紋は収まる気配を見せない。そして思いがけず判明する事件の真相とその動機。上巻以上のスリリングさで一気読み必至の下巻です。
事実として報じられなかっただけのことで、大衆の興味と好奇心を吸収して肥大した「噂」の恐ろしさを最大級に感じます。まさかその噂が事件の原因となってしまうとは。予想もしない悲劇の連鎖、だけれど最悪の結末にならなかったことだけは幸いでした。でないともういろいろとつらすぎて耐えられない……。
透真の書いた「誰も傷つけない記事」、たしかに事件関係者への配慮に満ちていて、しかし読む者の心には刺さりま -
Posted by ブクログ
殺し屋シリーズ第4弾。
「7月だから…」と7並びのタイトルに惹かれて安易な気持ちで手に取ってみたけど、もう最高の一言!
手に汗握るスリリングな展開に、ページを捲る手が止まらなかった。
主人公はシリーズ第2弾『マリアビートル』でも大活躍した天道虫こと、七尾。相変わらずのアンラッキーマンぶりで同情心をくすぐってくるけど、ピンチになるほど殺し屋として卓越したスキルを発揮する。その一方で、ほのぼのとした人間味であるギャップが魅力的なキャラ。
今回も簡単なミッションのはずだったのに、あれよあれよという間に恐ろしいトラブルの渦中に巻き込まれてしまう。
高級ホテル内という限定された舞台に、これでもかと登 -
Posted by ブクログ
舞台は1954年のアメリカ。朝鮮戦争から帰ってきた黒人兵アティカス・ターナーは姿を消した父を追って伯父ジョージと幼馴染レティーシャと共に謎めいた都市アーダムに向かう。父は白人の若者と行動を共にしていたらしい。黒人差別がまだ激しかった時代に危ない目に遭いながら漸く辿り着いたアーダムで彼らは魔術師ブレイスホワイトが創設した秘密結社のディナーに招待される。アティカスはそこで自分が秘密結社にとって特別な存在であることを知る。
話は各章ごとに魔術をもって支配しようとするブレイスホワイトたちの争いに関わる主役が変わる。アティカスだけでなく父のモントローズ、伯父のジョージ、その妻ヒッポリタ、息子のホレス、 -
Posted by ブクログ
仲良くしている子に教えてもらってずっと読みたかった1冊。やっと読めました!
青山さんの作品は「赤と青とエスキース」、「鎌倉うずまき案内所」に続き3冊目です。
色々な年代、立場の方が主役の短編集。
完全に自分に重なることはなくてもどこかに共感出来るところがあり感情移入してしまう。
または自分の周りの人や、家族を思い浮かべながら、その人たちのことを考えながら読める素敵な作品だなと。
小町さんのキャラもとてもよくて素敵。鎌倉うずまき案内所が好きな方は好きかと思います!
性別も年齢も違いますが、私は最後の章のお話が印象的でした。
この章は父のことを思いながら読み、その前の章は自分が絵を描くこともあ -
Posted by ブクログ
多少無理のありそうな設定や展開もあったが、ドローンを使った災害救助というテーマが新鮮で最後まで引き込まれた。
見えない、聞こえない、話せないという“三重苦”を抱えた要救助者を救うストーリーで、極限状態の緊張感がよく伝わってくる。テンポが非常に良く、次々とトラブルが起こるため、ページをめくる手が止まらなかった。
特に、ドローン越しにわずかな情報を頼りに救助を進めていく場面はハラハラ感が強く、映像作品を見ているような感覚で楽しめた。
細かいリアリティよりもエンタメ性を重視した作品だと思うが、スピード感のある展開や緊迫した救助シーンが好きな人にはかなりおすすめ。個人的には好みの作品だった。 -
Posted by ブクログ
本物の思いやりと優しさがわからなくなる作品。根底から覆される物語。真実として当人たち同士でしかわからない温度や距離があるということ。誰にも何も邪魔できないけど、常識や世論がそれを邪魔する。『そういうことがあるかもしれない』という可能性や憶測にしかならないし、事実だけ切り取られるこの世の中では生きづらいなとも思う。表面的には語られる言葉や善意も、当人たちの本当の助けにはならないということ。むしろ、息苦しさにしかならないということ。-考え過ぎは良くないのかもしれない。見えないものは見ないようにする努力と、それを見たいと思い、追い求めてしまう好奇心。うまく使い分けるしかなさそう。
-
Posted by ブクログ
『台湾漫遊鉄道のふたり』は、太平洋戦争前、日本が植民地として統治していた頃の台湾を舞台にした作品です。
内容は、招待を受けて台湾にやってきた日本人の女性作家・青山千寿子と、彼女を案内する台湾人の女性通訳・王千鶴の、女性2人が台湾各地を鉄道で旅するという物語です。
日本からやってきた千寿子は、もともと食べることの大好きで、一方、台湾人通訳の千鶴は、台湾料理の知識も豊富、料理を作らせても天才的て、2人の旅は台湾グルメの旅となり、小説の中ではたくさんの台湾料理が紹介されます。
小説は第1章から第12章まで、全部で12の章からなっていますが、それぞれの章にはまるでコース料理のメニューのように、小 -
Posted by ブクログ
▼再読です。あるいは再々読。
▼先日、歯の治療(親不知の抜歯)があり。大した内容ではないですが1泊入院。過去の経験から「これは一両日は痛いだろうな」。
というわけで、絶対すぐにのめり込んで、痛みも忘れられるものを再読しよう、、、、電子書籍で持っているものを、と。
期待通りの機能を果たしてくれました(笑)。
▼伊坂さんの殺し屋シリーズのひとつ。殺し屋と殺し屋が殺し合うという、実に殺伐とした内容ではあります。
ただ「マリアビートル」で登場した、邪気のない、そしてとことん望まないトラブルに遭遇し続けるというキャラの「七尾さん」という男性が引き続き主人公。心優しい殺し屋さんなんです(なんだ