ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 永い言い訳

    Posted by ブクログ

    読んで、主人公・衣笠幸夫の姿に、父を亡くして以降の自分自身を重ねてしまった。

    喪失は劇的な出来事として訪れるのに、その後の人生は驚くほど平然と、何事もなかったかのように続いていく。悲しみはあるのに、泣き続けるわけでもなく、かといって前向きになれるわけでもない。その宙づりの状態こそが、この作品の核心なのだと思う。

    幸夫は、他者の痛みを理解できない冷淡な人間として描かれがちだが、それは「わからなさ」の問題なのだと感じた。人の死がもたらす空白や、その後に残される感情の処理の仕方を、彼は知らないし、学んでもいない。ただ、取り返しがつかないという事実だけが遅れて重くのしかかってくる。その鈍さや遅さは

    0
    2025年12月14日
  • 砂の女(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    シンプルなストーリーで読みやすくおもしろかった。

    砂の中の部落、そこで砂掻きをして日銭を稼ぐ村人。毎日のルーティンに慣れて、自由に歩き回ることや綺麗な景色を見て感動することを求めない。
    これは現代社会のシステムを暗示していると思った。
    そこに外から入り込んだ主人公。
    あらゆる脱出方法を試みるが、失敗に終わる。
    長年その生活を繰り返していくうちに、主人公もその生活に慣れていく。
    最後には、縄梯子が垂れ下がったままになっても、もう脱出を図ることはしなくなっていった。

    たまには旅行して綺麗な景色を見ること、いろんな物語に触れること、いろんな人と話をすること。こういうことを意識してやっていかないと

    0
    2025年12月14日
  • 神に愛されていた

    Posted by ブクログ

    チレンさんの作品で一番好きかも!!!!
    なんだこれは…心が抉られる。
    けど、救われる。

    余韻もすごい…
    名作すぎる。
    ありがとうございます。

    0
    2025年12月14日
  • 噓つきジェンガ

    Posted by ブクログ

    直近で読んでいた本が心温まる内容が多かったため、たまにはスリリングな本でも読んでみるかと思い手に取った。

    詐欺がテーマのためどの話もヒヤヒヤ感があったのと、「何してんだよ…!」という何処とない怒りに駆られる場面が多々あった。感情をこれでもかと動かされたので、そういう意味では完全に筆者の手のひらの上だったように思う。

    ただ、3編ともオチは爽やかなものとなっており、読んでいて嫌な気持ちになることはなかった。
    むしろ、登場人物の背景や心情が痛いほど伝わってくるのに、読み進める手が止まらなかった。

    0
    2025年12月14日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    人生のどん底を知った2人だからこそ支え合える物語でした。簡単に言ってしまえば、家事代行をボランティアで行う2人の歳の離れた女性が様々な事情を抱えるお家に伺う日常を描いたお話。ですが、それだけはなく彼女達自身の生い立ちや置かれている状況にとても感情を揺さぶられました。物語の展開も予想のつかないものばかりで、日常系のお話なのに一時も飽きることなくすぐに読みきってしまいました。

    0
    2025年12月14日
  • 僕には鳥の言葉がわかる

    Posted by ブクログ

    大好きなことがあって、それをずっとやっていける強さと幸運。研究業績はもとより、この人、エッセイストとしてもかなりの腕前ではないでしょうか。確かに人間は動物の一つ。それぞれの種の進化の一つに過ぎない。なので、人間だけ言語を持っている、というのは、著者の指摘通り、確かに疑問。人間も動物の一種。謙虚さが必要ですね。ということは置いといて、とにかく楽しく読ませていただきました。研究者の皆さーん、お忙しいこととは思いますが、素人にも分かるこんな本、お待ちしていまーす。

    0
    2025年12月14日
  • 翠雨の人

    Posted by ブクログ

    猿橋勝子さん、日本女子科学者の先駆者。戦中、戦後、科学の分野、いや女性へのステレオタイプをぶち破ってくれた。今でも女性の地位が確立したとは言えないが。研究とは、後継を育成する、持続可能な科学の発展。アメリカに渡り、道場破りごとくの実験検証。猿橋賞、猿橋女史の魂が続いている。

    0
    2025年12月14日
  • 夏物語

    Posted by ブクログ

    むっっちゃよかった!

    すんごい、小説を読んだ…
    本を読み続けて本当に良かった…!と思えるぐらい、素晴らしかった
    川上未映子さん、初めて読んだ、今まで読んでこなかったことを後悔
    600ページ超の作品で、ひたすら主人公の思考がつらつら〜と書かれているけれど、ぐんぐん引き込まれる。主人公の頭の中を丸々見せられているような文章が、良かった
    重いテーマで、何が正解かわからないけど、正しく悩み考え切ること、が大切だと思いました

    0
    2025年12月14日
  • 半分オトナ 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • 消費税狂騒曲 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • From The New World 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • bye bye blackbird… 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • 白黒館の殺人 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • 炎上屋尊徳 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • 加速してゆく 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • 平成ストライク

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • 他人の不幸は蜜の味 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • ラビットボールの切断 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    私の知らない平成

    平成21年生まれの私は経験したことあるものは最終話の原発の話のみ。平成女児なんて言葉が流行り、流行も平成に回帰している気がするけれど、まだまだ知らないことばかりで面白い。

    0
    2025年12月14日
  • 老後とピアノ

    Posted by ブクログ

    50代に入りピアノを再開したいなぁと考えていた矢先、ショパンコンクールの動画配信でピアノの音色に大感激。そんな時に出会えた1冊。
    私生活でも年を経て思い通り行かないことが増え、だけど社会ではスピードや効率を求められる。日々落ち込むことが増える毎日だったから著者のピアノを練習してもうまくいかなくて、落ち込んだり四苦八苦する場面に感情移入しまくりだった。高い目標は叶わなくなったけど、今この一瞬に幸せを感じ楽しむ。そんな人生を著者同様私も送りたいなと思った。
    ピアノも来始めてみようかな。

    0
    2025年12月14日
  • 君が最後に遺した歌

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一条岬『君が最後に残した歌』は、愛と別れ、夢と継承を描いた切なくも温かい物語です。冒頭、主人公・春人が車を運転し、助手席に座る「彼女」と会話する場面から始まります。何気ない導入のようでいて、物語の最後にその「彼女」の正体が明かされることで、大きな感動へとつながっていきます。
    高校時代、春人と綾音の出会いは印象的でした。担任の藤田先生が詩を読み上げる場面で、綾音は目を閉じて耳を傾け、その詩を歌にのせて歌唱しました。その瞬間から、春人と綾音は互いに心を通わせ、居場所を見つけたかのように過ごすようになります。やがて綾音が「文字の読み書きが困難な発達性ディスレクシア」を抱えていることが判明しますが、春

    0
    2025年12月14日