小説・文芸の高評価レビュー
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彬子女王殿下の文章はとても読みやすく、立場上様々な人に配慮しなくてはならないこともあるからか、とても丁寧で優しいお人柄が滲み出ている。
京都は何度か訪れたことはあるが、もう何年も訪れていないので、この本を読んで、ブチ旅行に行った気分になれた。
通りにまつわる豆知識に、殿下の日常が垣間見れて、失礼ながら、殿下を身近に感じられてより殿下のファンになった。
皇室廃止論などを言う人もいるが、日本人のアイデンティティには皇室の存在が刻まれ、それが諸外国へ堂々と示すことのできる誇りなのだと気づいてもらいたいなと個人的には思う。
世界で日本だけが続けてこられている皇室という文化なのだから。
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芸人としての若林正恭さんに興味はあった。何か鬱屈としているものを抱えているように見えて、コントもいいけど、普通にトークしているのを見るのが好きだった。
「青天」を出されて購入しようと思ったが、いやまずはエッセイだなと考え直し、こちらを購入。
読み始めからどっぷりハマった。若林沼に。近くにいたら、絶対友達になれる人だと確信してしまうぐらい。
人間の泥臭いところを私の代弁してくれてありがとう。
「ぼくが求めていたものは血の通った関係だった」
アイスランド、モンゴル、そしてキューバ
旅をしながら考え体験したこそたどり着いた答え。
私の気持ちを乗せて旅をしてくれてありがとう。そして、この答えを見つけてくれてありがとう。
この本に出会えて、笑いながら救われた。
テレビで話す若林さんも好きだが、血が通った素敵な作品をどんどん出してほしい!
若林さん、健康でいてくれれば良いです!
さて「青天」を買いに行こうっと。 -
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久しぶりに、ラストでじんわり涙が出ました。ああよかった、救いがあった、と。
数十年前の秘密を、関係者への聞き取りから少しずつ明らかにしていくミステリです。それぞれに話せない事情や嘘、記憶の齟齬があり、証言を重ねるたびに真相が二転三転します。主題は一貫しているのに、見えていたものが次々と覆されていく構成と、伏線の回収が見事でした。
もちろん行為としての悪はあり、許されない行いは多々ありましたが、明確な悪人も善人もいないところも印象的です。誰もが自分なりの事情や思いを抱えていて、それぞれの選択が思いがけない形でつながっていく様子には、塞翁が馬という言葉が浮かびました。
最初の信子の聞き取りから最後の全容の解明となる告白まで、一人ひとりの切実な語り、そして何よりも市川含めて誰もが守りたいものを守ろうとした思いが心に残ります。
ミステリとしての面白さだけでなく、人間の不完全さや愛情が胸に迫る作品でした。巻末の古山裕樹さんの再読を勧める解説まで含めて、とてもよい読書体験でした。 -
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過去に戻る事ができる喫茶店フニクリフニクラ。
ただ、過去に戻っても現実が変わらないことは、分かりました。
本作は、コーヒーが冷めないうちの翌年の話として描かれているようです。
一気に読めてしまった。
素晴らしい本だと思った。
◯◯うちにシリーズは、初めて読む。
コーヒーが冷めないうちには、映画で見た事があります。
私は、③プロポーズの返事ができなかった女の話。
④父を追い返してしまった娘の話が、特に感動して読めたなー。
フィクションの話なんだけど、④は、実際に起きた話を、作者がラジオで聞いたことで、書き上げた話らしい。
④では、過去に戻る事ができる喫茶店フニクリフニクラ。
ただ、過去に戻っても現実が変わらないんだけど。
最後、あれ?なんで?って思った事がありました。
ただ、最後に書かれている事を読んで、
あー、特別なルールが発生したのかな?
作者がそのラジオの話をハッピーエンドにしてあげたかった、粋な計らいとでもいうのか、
俺は好きだな。
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第24回(2026年度)「このミステリーがすごい
大賞」受賞作品です。
非常にスケールが大きい舞台設定です。
時は清朝末期。つまり日本が日清戦争に勝利し、
最後の清朝皇帝と言われた溥儀(ふぎ)と
日本人絵師との交流を軸に物語が進みます。
皇帝とはいえ、その威光は旧清朝にのみ通じる
のであって、紫禁城に幽閉されているような
立場です。それゆえ人としての感情や振る舞い
に拙さがあった皇帝ですが、日本人絵師との
交流により、「思いやりとは」「友情とは」という
感情を芽生えさせます。
そこに事件も絡まって、読者はより物語に
入り込むことができます。
「ラストエンペラー」を感じる一冊です。 -
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『人生が二度あれば』からの気付き
面白い‼️
* 人生は思っているより短い。だから、ぐずぐずしている時間はない。
* 仕事に真摯に向き合うべき時期がある。
* その時期にしかできない挑戦や成長がある。
* 人生に明確なゴールなんてない。
* その時々で次の面白いことを見つけていけばいい。
* 何歳になっても、毎日ワクワクしている人が強い。
* 「努力家で、愚かで、大胆な人」でありたい。
* 周囲から見た評価より、自分が面白いと思えることに踏み込む。
* 他人の評価や世間の常識に人生を合わせすぎない。
* 常識外れでも、自分自身を大切にする。
* 自分自身が納得できる人生かどうか。
* 自分にとっての「当たり前」を疑う。
* お金は自由を生み出す。
* お金そのものが人生の目的ではなく、選択肢を増やし、「やりたいことをやれる自由」を買うもの。
* そして、本ってやっぱり面白い。
* 小説を読むことで、自分とは違う人生を疑似体験できる。
* 単なる知識ではなく、自分の人生を考えるきっかけになる。
私の母は、3歳の私と8歳の兄を残してお父さんと死別して、その後子どもを育て上げ、60歳くらいでパートナーを見つけた。今は介護で大変だとしても、「60歳だからもう遅い」ではなく、その時点から新しい人生を選んだとも言える。
だから、
「あの人生でよかったのだと思う」
という今回の気付き、この本のテーマともかなり重なっている -
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収録されている3篇とも分かり味が深すぎた。
「いい子」であることが当たり前で、それが正しいことだと信じて生きてきたけれど、社会で生きていると割に合わないことが多すぎる。私が正しいはずなのに、ちゃんとしているはずなのに、なんでちゃんとしていない人の方がいい思いをすることが多いのだろう、と心のどこかで常に感じていたことがこの小説を読んでぶあっと一気に思い起こされたような感覚。
表題作もとても良かったけれど、個人的には「末永い幸せ」がとても良かった。私自身友人や親族の結婚式に出るたびに増幅していたイライラやモヤモヤとした思いや、友人から結婚式にお誘いが来るたびに湧く「へーこの子も結婚式あげるんだー」という自分の結婚式というものに対する冷笑的な感性をすべて言葉にした上で、さらにもう2段くらい上を行っているような表現の嵐に、正直言って心酔した。 -
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夢中になって読んだ。
始めは小さい頃から芝居をしている響子目線の部分もあったからか、自分とはかけ離れすぎた人たちの話のように思えて、読む手を止めたり再開したりしていた。
けれど中盤から大学生の集まりで芝居をしている巽や芝居を始めたばかりの飛鳥が出てきて、グッと自分に近い世界の話になったからか、どんどん惹き込まれていった。異様な雰囲気の天才・飛鳥に目が離せなかったのもある。
演劇や戯曲というとあまり関わりがなく難しく感じるが、最終オーディションの描写はどれも鳥肌が立った。読んでいる私までヒナギクに触れられたような気がしてドキッとした。
あとがきに書かれている続編についてはまだ刊行されていないようなので、ぜひとも書いてほしい…!飛鳥と響子がどんなふうに芝居の世界を歩んでいくのか気になりすぎる。 -
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辞書の編集を題材にした小説という内容に惹かれてしまい、読み始めからあっという間に読んでしまいました。
馬締さんの、髪の毛モサモサで腕にはアームカバーをつけ、他の人とちょっと違っていて少しズレてて不器用で。でも辞書を想う情熱は誰にも負けない。かなりの辞書オタク言語オタクなところに、私はとても好感をもちました。そんな馬締さんとのやりとりをするかぐやさん、松本先生や荒木さん、岸辺さん。なんだか憎めない西岡さん。個性豊かでいい人たち。
辞書は私も持っていたけれど、一冊作るのにこんなにもこだわりをもって作っているなんて知らなかった。紙のぬめり感。初めて聞きました。言葉一つ一つ慎重に記載されていたのですね。
登場人物たちの辞書に対する思い、仕事への情熱に胸が熱くなりました。
かぐやさんの作る料理も魅力的。
コミカルなところもあり、くすっと笑ってしまいました。
面白かったです。 -
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ネタバレとにかく「中年版『君たちはどう生きるか』」がついてまわる。つまり一言でいって仕舞えば、これは「ロスジェネ小説」だ。主人公は仕事がつまらないようだが、それでも一種「トレンディ」な職種をしている。「中年版『君たちはどう生きるか』」のベースだ。ある意味では「トレンディ」後の世界が語られている。
そして20代の同僚がいて、多くの場合はそこに目が行くようだが、そこは構成のうまさ、つかみのうまさに感じた。
もう一人男性の登場人物がいて、彼こそ「中年版『君たちはどう生きるか』」の核になる人物だと思った。彼はぼくのイメージでは、山⚪︎被告のifだ。現実の彼は、カルト宗教によって家族を奪われ人生を奪われ、いたはずの妻子も奪われた哀れな男でもある。その⚪︎上被告のあったかもしれないやり直し人生が描かれている。これはロスジェネ世代にはグッとくるだろう。またSNSなどで被告に同情的な発言が炎上したことから、彼に向けた憐れみの表現手法とか、彼の魂を救おうとする日本人らしい表現形態なのだと感じた。
一応言っておくが、犯罪者を英雄視はしない。すべて情報からしかわからないが、そこから知れることがあり、ひとつのレイヤーには哀れで同情を禁じ得ない人生が見えてくる。そこに目を向けている。そして著者が書いたものも、このようなものだったのではないかとぼくにはそう見えた。
これを書いてしまったらもう書くことがない。ともかく、不思議な読書体験だった。実をいうと、途中まではそこまで惹きつけられる話ではなかった。しかし文章はぼくに合っていて読むのが苦痛ではないし、内容もまあ他人の世界のようでピンとは来なかったが理解はできた。なので脱落せずに読み切ることができた。終わり頃になって、このようなイメージがやってきた。印象がひっくり返った。
やはり同時代・同世代小説は面白い。あったかもしれない人生を感じることも面白い。やり直すことは面白い。やってみることができることは素晴らしい状態だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ単行本まで待ちきれず、、、。
初の女性主人公っていうけど、1Q84の青豆も、女性主人公なのでは、、、?とは思った。
構成としても伝えたいことも、1Q84と同じ雰囲気を感じで嬉しかった。 村上春樹作品としてはかなり読みやすいのでは??
現実か夢か、覚めなければいけないのか否か、出口を探さないといけないのか、母親像とはなんなのか、決断とは、守護天使について、とかたくさん考えたいことがあって楽しい。
絵本に沿って続いていく感じも良かった。
理解をするのではなく、感じる、何を伝えたいのか考えて噛み砕く、分からなくてもいい、こんな風に読書が楽しめることを教えてくれる村上春樹に感謝!!
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