あらすじ
死ぬ権利を与えてくれ――。安らかな死をもたらす白衣の訪問者は、聖人か、悪魔か。警視庁VS闇の医師、極限の頭脳戦が幕を開ける。安楽死の闇と向き合った警察医療ミステリ!
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Posted by ブクログ
「刑事犬養隼人シリーズ」の第四弾です。
テーマは「死ぬ権利」「安楽死」かな?
日本では安楽死は殺人罪になります。海外でも安楽死が認められている国はまだ全然少ないそうですが、条件が4つあります。
1.回復の見込みがない
2.耐え難い苦痛がある
3.代替治療がない
4.本人の明確な意志がある
個人的には条件さえクリアすれば安楽死は認められるべきだと思います。私自身がもし病に蝕まれて上記の1~3の状態であれば家族には安楽死を自ら提案すると思います。但し、これが立場が逆になり家族が病に倒れ安楽死を望んだ場合は私はどうするのかはわかりません。
今回は犬養刑事と娘との距離がほんの少し縮まったと思いたいです。
Posted by ブクログ
安楽死を続けるドクター・デスと闘う犬飼刑事。
とてもバランスよく面白かったです。
どんでん返しもさることながら、安楽死という正解のないテーマを使いながら、相撲に勝って勝負に負けたといううまい着地に感心し、またラストの娘のエピソードに一つの救いを見させる綺麗な終わらせ方。
とにかく面白いサスペンス物として完成度が高いなと思いました。
Posted by ブクログ
最後の終わらせ方はちょっと唐突過ぎた。
途中から犯人が分かったけど、どんでん返しのさらにどんでん返しで返ってきた。
今回は中山先生の作品的には、普通だった
Posted by ブクログ
実写の映画の評価は低かったけど、ミステリーとしてもおもしろく、非常にセンシティブなテーマで考えさせられる。
個人的には賛成である。ただし、限定的ではある。
教養がない自分にとっては、たまに難しい言葉が出てきて調べながらの読書となった。
Posted by ブクログ
映画化もされた小説
小説を読む前に映画を見てしまってから読んだので2度楽しめました。
映画の方ではあまり深掘りされていなかったところもされていて理解できたりと二重に楽しめたと思います。
特に安楽死というのがテーマでとても考えさせられる話しでした。
特に安楽死を望んだ人達とその人達の家族のそれぞれの想いが心によく染み込んできました
Posted by ブクログ
先にドラマ見てしまってたから犯人はわかってたけど、まるで別の作品でびっくりした笑
自分だったらどうするのかなって考えて、結局その状況にならなわからんよなって結論に至った。
以前こういう事件が実際にあったなぁ…難しい問題
結末
こんな結末がいいなと想像しながら小説を読むことが多い。
この小説は自分が望む結末が決定できなくて戸惑った。
権利には義務が伴うとよく言うが
逆に義務には権利が伴うのだろうか?
私たち生物は生まれた時から死ぬ義務を負っているように思っている。
もし、義務には権利が伴うのならと
考えてしまいますが
それだけでは割り切れませんでした。
Posted by ブクログ
安楽死は正義か悪か。今回は犬養の苦悩が凄く感じられて人間臭さを感じられて凄く良かった。昔に映画で観た内容と違った内容だからか凄く楽しめました。犬養VSドクター・デスの攻防戦でハラハラして相変わらずこのシリーズは好き。
Posted by ブクログ
警察官という立場から、法律的に認められていない安楽死を見逃す事は出来ないが、難病に苦しむ娘が安楽死を望んだら....という警察官と父親の立場に挟まれる主人公。
病気に苦しむ当事者には安楽死は必要なのかもしれないと思った。
だが、安楽死を制度として受け入れる事で、「死ぬ自由」が「死なないと迷惑」という、患者へのプレッシャーに変わっていったり、家族や医療従事者に無意識に「早く死んで欲しい」と思わせてしまう事も考えられると思う。
Posted by ブクログ
女心を読むのが苦手な犬養シリーズ第4段。
安楽死に関するお話し。
日本だけで見れば駄目だけど、紛争地域ではどうか、ワールドワイドに考えると矛盾に葛藤を覚える。
そして最後はどんでん返し。さすが中山七里先生。
この小説を読んでいるさなか、
同期の友達が脳出血で倒れた。そんなことあるか、目しか動かせないで寝たきりだって。悲しい。
Posted by ブクログ
オーディブルにて。
映画で見たときは暗くてつまらないと思ったけど、本で読んだら面白かった。
ちゃんとどんでん返しもあったのか。
そして最後主人公の前でも安楽死の是非が問われる展開はさすが。
安楽死問題は必ず意見が分かれるが、死ぬ権利って確かに必要だよなと。安楽死賛成派です。
Posted by ブクログ
『ドクター・デスの遺産』
著者:中山七里
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### **あらすじ**
「死ぬ権利を与えてくれ」――命の尊厳とは何か。安楽死の是非とは。
警視庁にひとりの少年から「悪いお医者さんがうちに来てお父さんを殺した」との通報が入る。当初はいたずらかと思われたが、少年の真剣な声に捜査一課の高千穂明日香は耳を傾け、犬養隼人刑事とともに少年の自宅を訪ねる。そこでは少年の父親の通夜が行われていた。少年の証言によると、見知らぬ医師が父親に注射を打ったという。しかし、少年の母親はその事実を断固否定する。
やがて、同様の事件が次々と発生。日本では認められていない安楽死を請け負う「ドクター・デス」の存在が浮かび上がる。果たして彼は“死を望む人々の救い手”なのか、それとも――。
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### **感想**
本作は“どんでん返しの帝王”と称される中山七里さんによる、社会派医療ミステリー。実在した安楽死を実施した医師、ジャック・ケヴォーキアンをモデルにしており、「安楽死」という重いテーマを軸に展開されます。
日本では合法とされていない安楽死ですが、もし自分の家族が耐えがたい苦しみに直面していたら、自分はどんな決断を下すだろうか。法律と家族の命、どちらを優先すべきなのか。本作は単なるミステリーとしてだけでなく、読者に倫理的な葛藤を突きつけ、深い問いを投げかけてきます。
犬養隼人シリーズ第4弾としての面白さも健在で、刑事として犯人を追い詰めるスリルと、人としての葛藤が絡み合うストーリー展開が見事。事件の真相が二転三転するサプライズもあり、最後まで息をのむ展開が続きます。
どんでん返しの妙、社会問題を取り入れたテーマ性、そしてスピーディーな展開。どれを取っても中山七里さんらしい一冊で、シリーズを一気に読み進めたくなる魅力が詰まっています。
Posted by ブクログ
森鴎外の「高瀬舟」を初めて読んだのは中学生ぐらいだったでしょうか
貧しくても支え合いながら生きてきた兄弟
病気に苦しむ弟が自殺を図る
死にきれなかった弟の最期を兄が手を貸した形となり罪に問われる
初めて安楽死について考えた小説でした
1916年の作品、100年以上経ても日本では安楽死に対する議論が始まっていないようです
そこで「ドクターデスの遺産」
苦しむ末期患者の安楽死を20万円で請け負うドクターデス
5つの安楽死の状況を描いて
日本での生きる権利と死ぬ権利を考えさせる
安楽死を請け負う条件
安楽死を請け負い始めたきっかけ
ともよく考えられていて
安楽死について 再び考える時間を持ちました
Posted by ブクログ
プチどんでん返し。
それより、テーマの安楽死。
結果、目の前でその行為を許してしまった犬養。
その後、彼は罪に問われたのだろうか。
彼女は、どんな罪に問われたのだろうか。
その後を書いて欲しい作品。
Posted by ブクログ
今回のテーマも胸に重くのしかかり、読み進めるのが辛くなってしまう作品でした。
人間らしい弱さが露呈され、苦悩する犬養。果たして自分は、身内が同じ境遇だった場合、どちらを選択するのか…?
展開するにつれ、このままでは終わらないだろう、と思いながらもその真実が明らかになったときはやはり驚きました。
知識豊富な著者であるのは明白なのですが、ストーリーの展開に読むたびに感嘆してしまいます。
次の作品も楽しみです!
Posted by ブクログ
安楽死について考えさせられる話だった。
ドクター・デスは快楽のためではなく、本人の同意がないと行わない等信念をもって行っていることだった。
生きる権利があれば死ぬ権利もあるとも思う…。
犬養刑事の、殺人はいけないことだし理解しつつも死ぬことを願う人を無理矢理生かすことに意味はあるのかと、葛藤する思いに共感しながら読んだ。
シリーズものだったので、前作もぜひ読んでみたい。
Posted by ブクログ
安楽死を扱った作品は他にも読んだことがある。
個人の尊厳を保つために死ぬ権利を与えるのか。日本では違法行為である安楽死、やはり罪は罪でしかないのか。
他の作品を読んだ時にもこのテーマにすごく悩んだ。悩んだし、答えは出なかった。
でも、生きる権利があるのなら、死ぬ権利があるのも当然のように思う。
どちらが正しいのかなんて誰にもわからないし、どちらか一方を否定することもできない。
Posted by ブクログ
大切な人が不治の病で苦しんでいた時、生きていて欲しいと苦痛の伴う延命治療を行うか、苦しんで欲しくないと安楽死を選択するか。安楽死が合法でない日本でそれでも法律よりも家族の安息の死を選ぶ患者と家族についての物語。
いざ自分が張本人となって決断を迫られた時どうするか考えながら読み進めた。
安楽死だけに関わらず患者と家族の誠実で真摯な関係性の中でなされた選択には正解も不正解もなく、どの様な選択も周囲から尊重される世の中になればいいなと感じた。
また、凄惨な経験から獲得した諦観や信念が故に社会倫理からはみ出してしまった人の生き様にも感動させられた。
面白い
かなり考えさせられる。死ぬ権利。もし自分が同じ立場になったときにどう思うのか。多分読み手の心理によって180度かわるような作品だと思った。多くの人に読んでもらいたい。自分の死や大事な人の死を考えさせられる作品だった
Posted by ブクログ
重病患者を安楽死に誘う者と犬養&明日香コンビの戦い。随所で安楽死について記述される個所は全て現実的であり、フィクションでありながらノンフィクションの様な展開。
そして事件は様々な要素を秘め、犯人を追い詰めていく展開にも無理はなく、最後には作者らしいどんでん返しもあり、後半に行けば行くほど楽しめる作品。犬養の弱さも描かれており、一味違うミステリー作品になっていると感じた。
人の『死ぬ権利』、非常に大きな言葉であり、難しい問題ではあるが現実でも論議があって良いと思う。
Posted by ブクログ
犬飼刑事シリーズ この作家は社会派で、社会問題をテーマに物語を作り主人公がそこに正面から取り組み悩むという建付けが多い。安楽死についてのおはなし
Posted by ブクログ
安楽死について考えさせられた。
回復の望みのない生の残酷さを見せつけられて、思わず目を背けたくなってしまった。正面から向き合いきれないほどの苦しみと絶望を伴った生がそこにあった時、苦痛から解放するための死がそこに存在することを知った。
法で認められていない以上、安楽死は日本で犯罪となる。一方で、安楽死を選んだことで苦痛から解放される人が確かにそこにいた。
苦痛から逃れられない生を傍観することは罪ではないのか?ドクターデスからの問いは重い。
Posted by ブクログ
安楽死について考えさせられる作品。
難しいんだよなぁ。安楽死問題って。否定も肯定もなかなかしにくい題材。
私は肯定派だったんだけど、色んな作品を読んでいくことで本当にそれでいいのかと否定派の意見にも傾いている人。
難し過ぎる問題で、本当に政治宗教野球に並べていいくらい話題に出さない方がいい気がする。笑
人によって思う事が正反対だと思うもん。
ラストがまた‥完全にネタバレになってしまうので言えないけど、ラストがねえ‥なんとも言えない読後感。
ここまで見てきた犬飼隼人だからこそ心情、思うことがあるんだよなぁ。
Posted by ブクログ
中山先生は、社会問題の切り口が鋭い。
安楽死について考えたこと無かったけど、警察小説に上手く折り込まれてて面白かった。
これを殺人とするのかって所、まだまだ日本では線引きが難しいんだなあ。
ミステリー小説としては衝撃は少なく普通な印象。
Posted by ブクログ
オーディブルで聴きました。
安楽死という重い問題を普通のエンタメ小説に盛り込んだ普通に面白いストーリー。そりゃそうだわな、と特に考えさせられることはなかった。
ものすごい痛みに耐えて10日後に死ぬのと、今死んで、痛みから解放されるのとどっちがいいですか。それともミラクルを信じる?
Posted by ブクログ
安楽死の是非を考えさせられる作品だった。如何ともし難い問題で、自分だったら‥と考えても結論が出るようなものじゃなくその場の感情に流されてしまうと思う