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ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと――。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた! 大藪春彦賞受賞作。
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Posted by ブクログ
人生で一冊だけ本のタイトル挙げるなら、まずこの本を片手に他の本を見比べて腕を組み悩むことになると思う。 『紳士のスポーツ』ロードレースという競技を舞台とした本作。 主人公の白石誓はロードレースのプロチームに所属している。 ロードレースではエースの勝利をチームの勝利として、エースの勝利のためにアシス...続きを読むトは尽力する。 白石の所属するチームのエースである石尾に暗い噂がつきまとう中、次期エースと噂される伊庭と白石は、ある策略に陥れられようとしていた。 開始1ページ目で描かれた死。 太陽の照り付ける抜けるような青空。 溶けた灰色のアスファルト。 そのわずか前まで熱をもっていた真っ赤な血。 揺らぐ視界に映るひどく強いコントラストが、熱と乾きを視覚的に想起させる。 犠牲を意味する語を関する表題に、誰かの死が示唆される。 主人公の白石がしきりに唇を舐める描写や、わずかにしか減っていなかった飲料など、じりじりとした焦燥感が物語全体を覆う。 読んでいるこちらまで息をとめ、心臓の音を聞きながらのどの渇きに唾を呑む。 ミスリードが秀逸な本作。 ひとつはストーリーであり、石尾が次期エースたる伊庭や白石を策にはめようとしているかのように物語は進行する。 もうひとつはタイトルであり、エースのため使いつぶされて犠牲となるアシストの物語として読者は読み進めることになる。 勝利を巡る物語。 エースの勝利。 チームの勝利。 個人ではない、より大きな単位での勝利。 石尾はただ、背負ったものに応えるためにひたすらに真摯に勝利を追い求めた。 その辿り着いた場所は、石尾のポジションよりももっと大きな場所まで白石を押し上げることだった。 勝つために背負ってきた全てを白石誓に託すために石尾豪はあの決断を下した。 背負うものがあるとうまく動けなかった白石が、彼の背負ってきたものを受け継いで走り出す。 誰かのためであるからこそ自由だった白石が、期待され託された勝利を恐れなくなった。 これは、白石のための犠牲の物語となった。 誰かの視点から「こういう人だ」とどれだけ語られたとしても、人の本質は異なるものである。 暗い噂をまといながらもただ勝つための責任を果たし続けた石尾。 スカして自分勝手なようでいて傲慢になりきれずひたむきな伊庭。 主人公の白石はフラットなようでいで、屈折した思いや引きずり続ける過去がある。 女の趣味が悪い、本当に女の趣味が悪くて………。 「私のために勝ってよ」と彼女が言うから勝利を求めることができた。 彼女以外の誰かにただ期待されるだけの勝利を恐れ、自由でありたかった。 きっと白石をそういう人物だと思っていた人はチームにはいなかった。 全てを仕組んだ袴田が、勝利を求めずルール通り清廉である人なんているわけがないと思っていたように。 そういった、見えやしない他人の一面がこの物語を生んでいったように思う。 夢想して、それが叶うなら、きっと最善の道はもっと他にもあった。 白石が評価されたのは、新人ながら好成績を残した点ではなく、リーダージャージを手にしてなおエースのために尽くしたツール・ド・ジャポンの伊豆ステージだった。 仕組まれたワインを飲んだのは伊庭だけだった。 それならば、石尾はただ棄権したって白石はスペインチームに所属が決まったはずだった。 それでもそうはならなかった。 だからこそ、喉元に飲み込めない小石があるような感覚を抱えたまま読み終える。 主人公は周囲に羨まれるような道に進んだにも関わらず。 過去に一度読み、再度読み返したがやはり面白い一冊だった。 続編を読めども読めども、白石の進む道を決めた男がくちを開くことは二度とないことが寂しくて途中で止めてしまったが、また続きを読みたいと思った。 背負ってきた責任のために自分の全部を擲った、寡黙で小さな背中がもうないことがどうしても寂しい、何度読んだってこの結果が避けられない。
4.7 最高!! ロードバイクのエースとアシストどちらの心情も上手に描かれておりとても感動した。 エースである石尾の普段は感情が読めない人柄を描きつつ最後は皆のための行動は泣けてくる。 また、スポーツ感動小説かと思っていたら推理もありダブルで楽しめた。 続編もすぐに書いました、楽しみです...続きを読む。
全く興味の無かった自転車ロードレースに俄然興味をもったぐらい一気読みした。 とにかく展開が早く引き込まれる。 最後には心が痛くなった。
白石はプロ2年目の山岳アシスト。そんな中スペインのチームから誘いを受ける。そんなロードバイクレーサーのサクセスストーリーかと?チームのエース石尾の3年前のチームメイトの袴田への事故の疑惑?その石尾はレース中に事故死するが、更なる疑惑が疑惑を呼ぶ。 サイクルレース好きの人は必読
勝つことを期待されるのが嫌で陸上を辞めた白石誓は、エースの為に自らを犠牲とする「アシスト」と言う役割に惹かれたことからサイクルロードレースを始め、プロとして活動していた。ツール・ド・ジャポンで力を見せた白石はヨーロッパ遠征に選ばれたが、そこで事件が起きる。 ルールが複雑な自転車競技だが読み進める中で...続きを読むうまく理解でき、その中でスポーツとしての熱さ、役割のあるチーム内でのそれぞれの想いなどが感じられ、さらにミステリー成分も加わって世界に引き込まれる。素晴らしい作品だった。
ロードバイクについて一ミリも知らなかったけど、臨場感があって面白かった。ミステリ要素も良いスパイスになっていて、飽きる事がなく、最後にタイトルの意味も分かり戦慄した。個人的には感動よりも恐怖が勝った作品。とにかくすごかった。
超ーーっ!面白い!ツールドフランスに代表されるロードバイク、ロードレースの世界、そう!チャリです! カーリングと並ぶくらい、奥深いスポーツ、ロードレース。野球にも喩えられるとおもう。犠打、送りバントってかなり『サクリファイス』なんです。自己を犠牲にして、チームやエースを勝たせる! ロードレースは個...続きを読む人種目にみえるのに、団体競技であることをこれだけ自然に描けるなんて、近藤史恵さん、大好きになりました。続編含めて何冊か買ったので連続で読む気マンマンです。 しかも、ミステリ要素までしっかり入っていて、 大どんでん返しとまでではないけど、単なるスポ根じゃない、読み心地サイコーでした。 んーっ、あらすじは読んでくださいってとこで。 春になったし、一年ぶりに愛車『FELT 75』で走っちゃおうかな!
すごい臨場感の作品で、面白くて1日で読み終わってしまった。ロードレース中におきたエースの事故の真相を巡る話。ミステリーとしても面白いんだけど、ロードレースの描写がとにかくすごかった。作者さん経験者かと思ったら違うってのが1番驚きだったかも。自分はロードバイクちょっと乗ってた、弱虫ペダルも途中まで読ん...続きを読むでたレベルのロードレースの知識はありましたけど、多分全く知らない人でも分かりやすく、それでいてくどい様な解説もなく、誰でも読みやすい作品だと思うので未読の方はぜひ!
ロードレース
青春と少しのサスペンスと…。 ロードレースって全然知りませんでしたが奥が深くて面白いと思いました。 キャラクター皆んな個性があってとても良かったです! モヤっとした気持ちも少し残りますが清々しい終わり方でした!
#アツい #感動する #ドロドロ
これ好き! サラッと読めたけれど感動ー๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐ タイトル『サクリファイス』の意味が何回も変わる 団体チームの中での役割、エースとアシスト、どこの世界でもある夢や嫉妬、羨望等人間関係が描かれている 何に感動したかって、兎に角石尾先輩の生き様!名脇役だ 「俺たちはひとりで走っている...続きを読むんじゃない」「食らいついてこい!」 寡黙な人の一言は深い 近藤史恵さんの作品は初 違う作品も読んでみたい
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