小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ 購入済み
相変わらずの
愉しさ
ついつい読んでしまいます
注射の詳しい描写のくだりは減りましたが
さもありなことを言っているのがニクイ
棒倒しって‥ -
Posted by ブクログ
「親切」って、もしかしたら「筋肉」みたいなものかもしれない。使わないと衰えるし、使いすぎると疲れちゃう。でもこの本に出てくる人たちは、みんなちょうどいい筋肉の使い道を知ってる気がする。
大きな事件は起きないし、世界がひっくり返るわけでもない。でも、「誰かが誰かをちょっとだけ助ける」ってことが何年も続くと、それはもう奇跡と呼んでいいのかもしれない。
読み終わったあと、あの日レジでおまけしてくれたおばちゃんのこととか、うっかり道を聞いて助けてくれた人のことを思い出した。私はたぶん、そういう「誰かの気まぐれな善意」の集合体でできている。
#水車小屋のネネ #津村記久子 #小説
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Posted by ブクログ
ネタバレ仕事が忙しく、なかなか読み進められず(最近読みのスピードも非常に遅く、、、)やっと読み終えた。
途中まで、「あまり刺さらないかな」と感じた瞬間や「ちょっと都合良くないかな」と思う場面(液体を上部から垂らすシーンなど)があったのは正直な感想。犯行のトリック自体にはそこまで刺さらず。ただ、階段を登り降りする回数から導く論理的な解は見事だった。
しかし、犯人の語りから絞り出される僻地医療、いや医療に関わらないかもしれない社会課題と犯人の思いが非常に物語に深みを与えていた。いやぁ、犯人かっこよすぎるよ。二階堂先生との思い出•最後の屋上の場面は、非常によく、目頭が熱くなった。城崎先生が真相を暴いた理 -
Posted by ブクログ
いつだって高野秀行さんの本は面白い。『謎の独立国家ソマリランド』で大ファンになって以降いろいろ読んだけど、最初の本『幻獣ムベンベを追え』しかり、アフリカものが一番面白い。結局、日本的常識に浸りきっている私のような日本人からすると、一番想像を絶する世界がアフリカなんだろう。そして、辺境マニアの高野氏でさえ特別だというのだから、本当にコンソもデラシャもすごすぎる民族。
アルコールという常識に一石を投じる。私のようなアルコールが飲めない(分解できない)体質の人はコンソやデラシャにはいないんだろうか?
ただ、同じ女性として、アフリカにおける家父長制、男尊女卑については胸がギュッと悲しみに潰される。でき -
Posted by ブクログ
あまりにもストレートすぎるタイトルにどういう話なんだろうと気になる。
高一になったヒロが、ミト(父の再婚相手の連れ子で大学生=義兄になる)に「杉森くんを殺すことにしたの」と宣言することから始まる。
ミトは、「いまのうちに、やりのこしたことやっとけよ。後悔しないように」とそれと杉森くんを殺さないといけなかったのはなぜか、自分のなかでちゃんとまとめて日記を書いておくのがいいと言うのだ。
それからヒロは、アドバイスに従い①やりのこしたことをやる。②杉森くんを殺さなきゃいけない理由をまとめておく。
ヒロは、思いのままやりたいことをして、杉森くんのことも理由その一、そのニと正確に記していく。
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Posted by ブクログ
好きな作家なので評価は甘いです
ネイルがシンボルマークのしをんさんらしい作品
全くネイルの世界を知らない私にも
わかりやすく描いてくれて
テンポ良くもよく読みやすい
とにかくネイルアートの仕事が楽しそうなのが最高
私もやっぱり仕事は楽しまないととは思うが
なかなかどうして
ソーシャルコミニュケーションへの取り組みは
ふとした事から始まるところもいいし
「出会い」と「幸せ」を感じる作品
人生ってどこでどうなるかわからない
青い鳥理論の結論もいい感じ
本当に読書は最高って感じた作品
ネイルに否定的な人間だったが肯定派になったし
ネイルサロンに1度いってみたくなったし
「おなしゃす」って言っ -
Posted by ブクログ
「お姉ちゃんの長女病」が心に残った。
全編を通して出てくる家族という呪いに力尽き果てた姉が印象的だった。
姉にはどうしても大好きな家族が必要だったけど、必死に守ってきたその家族は姉のことを搾取することしか考えていなかった。
本当に誰も正しく愛する術を学ばなかったし、持たなかったんだなと思う。
著者の素直な言葉から、これまでつけられた無数の傷から回復しようともがく思いがよく伝わってきた。愛すべき友人たちがどんどん失われていく箇所も壮絶だった。
著者の人生に穏やかな日が1日でも多く訪れてくれることを願ってしまうような、祈ってしまうような本だった。 -
Posted by ブクログ
ちょっとしたことで入院することになり、まとまって読書する時間がとれた。その時に読んだのがこの本。この本があったから、寂しい入院生活を乗り越えられたと思う。
征四郎にとって高堂は、自分と対を成すような人。自分でそこまで自覚していなくても、きっと憧れや尊敬を感じていた、本当に大切な友だったのだろう。そんな友を亡くし、悲しみより寂しさの方が強かったのではないか。
そのぽっかり開いてしまった穴を埋めていくのは、木々や花など自然界のもの、妖怪、優しい隣のおかみさん、新しい大切な相棒のゴローなど、征四郎と絶妙な距離を保ってくれるものたちとの日々の暮らし。そしてあちらの世界から時々現れる高堂その人。特にこ -
Posted by ブクログ
主人公が生意気なのかカッコつけていて好きになれず、2/3くらいまでは音楽の本だからということだけで我慢して読んでいました。ところがです、核心部分が表に現れ始めた高円寺と新宿の夜から引き込まれ始め、翌日のおばあさんとの会話では涙が出ました。その後の父の部屋での場面は最初から心臓が押しつぶされてしまい、お母さんからの手紙を明かされてからは号泣でした。もちろんその後はずーっと涙目で読まされました。メシアンとBWV533を初めて聴いてみました。こんなマイナーな曲を高校生が部活で演奏するのかと驚きです。20回以上聴いてみましたが、バッハはまだ分かるとしてもメシアンは未だに"なぜこの曲?&quo
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Posted by ブクログ
12/8〜12/15
毎日大切に1話ずつ読み進めた。完結がとても悲しいしさみしい。こんなに読みやすい小説ってなかなか無い。社会人編あってもいいんですよ…(;_;)
成瀬になぜこんなに惹きつけられるんだろう。やりたいことにまっすぐで、誰にでも分け隔てなくて、周りの目線を気にしないからだろうか。子供の頃はみんな成瀬だったのに、いつからこうも変わってしまうのだろう。私は島崎の目線で、成瀬を見て、世界を見てるのかもしれないなと思う。でも、それって悪いことではないと思うし、それって誰かを支えているってことだとも思う。買いかぶりすぎ?私は島崎が好き。成瀬のすごさを認めながら、でも嫉妬せず、いい影響を受