あらすじ
クローゼットから世界へ。歌い手・Adoの軌跡と、 心の奥にいる“私”の真実を描く、初めてのノンフィクション小説。
【Adoコメント】
この度、私の人生を描いた小説が発売されます。
自分としては、やっとこの話ができて嬉しい気持ちです。
『うっせぇわ』でメジャーデビューする前の話や、どこでボカロと出会ったのか、どうして歌い手になろうと思ったのか、どうして私は私のことが嫌いなのか……。
これまでAdoとして明かしてこなかったことが、この『ビバリウム』に詰まっています。
クローゼットという箱庭で私が見てきたものを、皆さんにも覗いてもらいたいです。
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Posted by ブクログ
ビバリウムは自伝的小説という体裁でAdoの半生を綴っている。
ノンフィクションとされる通り、名前こそ仮名であるがLINEの文面や出来事などはリアリティがありほとんどが事実ではないかと思われた。
第1章・第2章はネットでAdoとして活動するアオがプロデューサーである千木良に出会い、デビューするまで。
第3章~第6章はアオの幼少期から不登校となった学生時代まで。
第7章・第8章でデビューから国内・海外ツアー、そして国立競技場までが描かれる。
いまや世界的アーティストとなったAdoが如何にして誕生したのかという点で、本書は非常に資料的価値が高い一冊である。
いずれ翻訳され、世界中で読まれることになるだろう。
インターネットでアオ自らが生み出しプロデュースしたAdoを、その良き理解者と共にアーティストとして羽ばたかせる様がそこにはある。
一方で、ビバリウムで描かれているのは現代の女の子の鬱屈とした半生でもある。
溺愛されたがゆえに集団生活に馴染めず、教師の心無い言葉に傷つき、不仲な両親に怯え、誰からも理解されずに苦しむ様がありありと描写されている。
彼女を救ったのがボカロであり、歌い手であった。
世界的アーティストになったAdoが歌い手にこだわる理由にも共感してしまう。
Adoは顔を出さないアーティストであり、だからこそ心無い声をかけられることも多かった。
本当に歌っているのか?口パクではないか?何人かで分業しているのではないか?
そんな批判を山のように見てきた。その度にAdoは真向から立ち向かってきた。
作曲もしてないのにと言われれば自ら曲を作り、グラミー賞の夢を笑われれば前人未到の規模のワールドツアーを完遂させた。
その愚直なまでのひたむきさが、ビバリウムにも込められている。
外見を見ることよりも、内面を見せることの方が難しい、と筆者は思う。
外見は取り繕えるが、内面は人間のありのままだ。
ビバリウムにはAdoの内面が曝け出されている。たとえシルエットしか見えなくても、ありのままの私を理解してほしいというAdoの叫びにも似た願いがこの本に込められている。
Adoのファンはもとより、令和の歌姫がどのように誕生したのかを知りたい人や、今生きづらさを抱えている人にも読んでほしい一冊だ。
Posted by ブクログ
Adoさんのことは有名な曲しか知りませんでしたが、この自叙伝を読み、ボカロへの愛や曲に対する想いを強く感じれました。
ファンじゃない方に特に読んでほしいと思います。
Posted by ブクログ
いまや世界的アーティストとなったAdo。自伝的小説だけど、ほぼほぼノンフィクションだと思う。あまりに生々しい告白であり、人間くささと覚悟を感じる一冊だった。ボカロにハマり、クローゼットの中で録音した「歌ってみた動画」をアップロードする日々。そこから脱却したのではなく、しっかりと今も延長上にいることがわかった。格好良いよ。
Adoという名前は狂言の脇役を表す言葉「アド」に由来しているらしい。もうすっかり僕の人生の脇役となり、最高の歌声を届けてくれている。
内容は、Ado自らが語った半生をもとに、作家・小松成美さん3年に及ぶ取材を重ね書き下ろしたもの。衝撃を受けたボカロとの出会い、アーティストでもアイドルでもなく「歌い手」を選んだ理由。そこには必然性があったように感じる。
家族に溺愛されたがゆえに、周りと「普通」がちがい馴染めめず、不登校となった学生時代。教師やアクターズスクールの先生からの心無い言葉に傷つく日々。しだいに仲が悪くなる両親。誰からも理解されずに苦しむ感情は、その時のまま、真空パックされて歌声として届いている。
本当に所属事務所のクラウドナインCEO・千木良さんと出会ってくれてよかったと思った。千木良さんの何があってもAdoの歌声を信じる姿勢にグッとくる。徹底的にAdoのやりたいことに寄り添い、気持ちよく歌ってもらうことに全力を尽くす。仕事とはいえなかなかできることじゃない。
Posted by ブクログ
Adoちゃんのこれまでについてが詳細に書かれていた。この本を作るのには、相当の覚悟が必要だったとおもうけれど、Adoちゃんのことが今まで以上に知ることができ、今後も応援し続けて行きたいと感じた。
Posted by ブクログ
知られるようになってからの気持ち、知られるまでのプロセス、どちらも納得。普通の人だけどすごい人。
全体を通して結構大きな背景となるご両親との関係が立体的に見れたのが印象的。あくまで読んで自分が解釈した限りにすぎないけど、幼少期に家族がくれた環境や人と違ってもいいという承認は今の多彩な表現の原初の種になっていたのかもしれないし、周りに合わせなくていいと家族も本人も思っていたら気づけば"普通"の学校生活を失ってしまった焦りや家庭内のつらさは、(背水の陣という意味で)そのあとの成功の根底にある「どうしても10代のうちに爪痕を残さなければ」みたいな執念と行動力、また、喜怒哀楽の表現の幅にもつながったのかもねと。本人にとってのボカロ文化の意味も、このつらさがあったからここまで大きくなったのかも。(読んで勝手に思ってるだけですが)
平均的でないことを心配する平均的な大人の気持ちはあまり理解してないように見えて、それを幼さと見ることもできるけど、本人も今の成功をもたらした千木良さんほか周りの方も「変わったまま貫き、それが成立した人」だから、そうなるのは不思議じゃないし、それでいいのかもしれない。自愛が達成されて時間も経つと、もっと理解するのかも。自分の子どもが高く評価されて誰もが知る人になったのにそれを他人に自慢するのをちゃんと我慢するって、できるか自信ありません。平均的な自分には...
これ読むと、Adoさんは背景がわかるから必死でやって支援者にも恵まれて成功した普通の人に見えてくるけど、千木良さんこそが、普通の顔したとんでもない人に見えてきて気になります。
歌ってみたup以降は、ボカコレやYouTubeで音源聴きながら読むのがおすすめ。中身がだんだんよくなるのがわかります。例えば「わたしのアール」とか、書いてたとおり、mixはまだ余地ありそうだけど表現の引き出しの数はもう片鱗見えてて。
Posted by ブクログ
自信が無くて行動に移せない人、自分が嫌いな人、何か夢を追い続けてる人…とにかくいろんな人に読んで欲しい1冊。
「うっせぇわ」の印象でしかAdoちゃんを知らない人は本当に損してる。
壮絶な家庭環境でしたね…、とても辛かったでしょう。ネットに逃げる気持ちもとても共感しました。
それでも憧れの人と同じ舞台に立ちたいと夢見る少女が、努力して夢見た舞台に立って、更なる高みを目指しつつ、自愛を探し求めている。本当に赤裸々に書かれていた。心無い言葉をかけられても、それでも夢に向かって突き進む姿はただ尊敬しかありません。
彼女はボカロのため、日本の大事な文化のため、歌を世界へ発信している。顔出しなんてしなくたって、歌声で証明してきた。今後の活躍から目が離せない。ぜひグラミー賞を受賞してほしい。
私も今日を精一杯生きようと思えました。
Adoちゃんありがとう。
Posted by ブクログ
好きなものを好きだという純粋な気持ちを思い出させてくれる1冊
不登校の娘を重ねながら読んだ
娘もイラスト、小説執筆に励んでる
いつかAdoさんのように、辛い気持ちが報われると信じたい
本を読んでAdoさんの曲が聞きたくなった
この本を通じて、Adoさんを知ることができてとても嬉しい
気がつけば涙が溢れてくる1冊でした
Posted by ブクログ
特にAdoのファンではなかったが気になって読みました。結果読んで大正解でした。
今までは顔出しをしていないせいもあり、どこか遠くの人、存在しない人のように感じていましたが、この本を読むことで人間の解像度が上がり、1人の人間として存在が感じられ、応援したい気持ちになりました。
Adoはたまたま歌の才能があり、それを引き出して導いてくれる人に出会えてビバリウムからの脱却が実現していますが、世の中には同じ境遇でビバリウムから脱却したくてもできない人はたくさんいると思います。
そういう人にこそ読んでほしいとも思います、「こんな都合よく行くか」とも思うかもしれませんが、Adoが成功した背景に圧倒的な行動力があると思います、すこしでも行動の後押しになればと思います。
匿名
等身大の「Ado」
Ado自身が作詞作曲を手掛けた2度目の曲「ビバリウム」、ファンとしてこの曲をもっと理解できればと思いこの本を購入しました。
両親から溺愛され「プリンセス」だった幼少期、自分と周囲のギャップを強く感じるようになった小学生時代、ボカロとの出会い、両親の不仲、通信制高校とアクターズスクールを両立させる中途で至った歌い手Adoの鮮烈なデビュー…。
ファンと言っても自分は曲やCDを時折買ったりする程度だったのですが、小松さんの筆致でつまびらかに、そして赤裸々に描き出された彼女の人生は、読んでいて思わずポロポロと涙が溢れました。
この本の発売2日後に公開された「ビバリウム」の実写MVでは、今まで明かされなかった彼女の姿が断片的ながらも映し出されています。「自愛」を目標に掲げるAdoが今、繰り返し嫌いと言ってきた自分を少し好きになれた証でもあるかなと、嬉しくなりました。
Adoを知りたい、興味があるという人に、是非ともオススメしたい一冊です。
Posted by ブクログ
自分の場所を見つけることができたAdoさんは幸せですね(°▽°)
誰になんと言われようと未来を信じて歩み続けるのが大切(°▽°)
僕もこれからは「うっせぇわ」の気持ちでいこうと思います(°▽°)
Posted by ブクログ
Adoの最後のメッセージまで読み終えて、「この本の受け止め方は人それぞれだろうな」と最初に思った。
もともと彼女の歌が好きで、家族でもよく聴いている。しかし、本書で語られるセンシティブな歩みを知ったことで、音楽の聴こえ方が少し変わった気がする。これまでのように生活のなかに自然に流れる“バックミュージック”ではなく、どこか沢木アオのことを意識して向き合うものになった。
時間が経てばまた変わるのかもしれないが、少なくとも応援の仕方は以前とは違うように思う。
作中では、「自分が嫌い」「死にたい」といった感情が繰り返し現れる。好きなことに打ち込む姿も、どこか逃げ場を求めるような切実さを帯びている。
だからこそ、彼女が「自愛」という人生のテーマにたどり着く過程には強く引き込まれたし、弱さや心細さも自分を突き動かす燃料になり得るのだと気づいていく姿に、ただ幸せであってほしいと願わずにはいられない。
家族や学校での出来事についても、あくまで正直で率直に語られているように感じた。正体を見せられない、隠している彼女なりの存在の示し方なのかもしれない。
読後、内容そのものだけでなく、「どう受け取るか」を考えさせられた。