ユーザーレビュー やまゆり園事件 神奈川新聞取材班 やまゆり園事件の取材から、社会のあり方とは?を考えさせられる本。単なる異常者の犯行ではなく、日本社会の病理を浮かび上がらせる。答えを提示するのではなく、各々が考えるきっかけになる。全人類に読んでほしい。 Posted by ブクログ やまゆり園事件 神奈川新聞取材班 この事件をきっかけに浮き彫りにされる様々な矛盾と、社会としての問題を改めて実感させられた。 障害福祉に携わって来た人間として、とても読みごたえがあり、考えさせられるものだった。 子どもたちが、障害者と当たり前に共生出来る社会を作っていけるような行動を私たち大人がとっていかなければいけないと思う。 ...続きを読む Posted by ブクログ やまゆり園事件 神奈川新聞取材班 2016.7.26未明、神奈川県相模原市の「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され職員2人を含む26人が重軽傷を負わされた、元職員植松聖による事件は記憶に新しい。事件の概要、植松聖という人物について、匿名での裁判のほか、優生思想、障害者(児)の教育や暮らしの問題などについて書かれている。事件後、...続きを読むそして現在でも植松の行為について称賛的な意見が少なくないのは事実。以下本文より(P337) 「当事者は差別されている存在であることを自覚した上で差別に対してもっと声を上げていく必要がある。一方、健全者(健常者)は自らが障害者を差別する存在であることと向き合うべきだ」(p356 ) 「地域に密着した生活ができないから息子を園に入れた。重度の知的障害のある子の親からは地域の『地』の字も出ないと思う」(P360)現状を変えていくには教育のあり方が大きな鍵を握っている Posted by ブクログ やまゆり園事件 神奈川新聞取材班 元ライターです。 膨大な取材量かつ非常にわかりやすい文体。神奈川新聞記者の能力に感動。 植松聖を通して、社会の問題と矛盾を突いた一冊です。 ・「生きる価値なし」と命の選別をした植松は、生きるべきではないと死刑をくだす矛盾。 ・世間では命の価値は平等と謳いながら、出生前判断で染色体異常が見つかると9...続きを読む割は中絶する矛盾。 ・障害がある人にとって必要な支援が受けやすいようにする特別支援学校が、健常者と障害者の分断を促進しているというジレンマ。 「どうして優生思想に傾倒していったのか」を裁判で掘り下げなかったことは、第二の加害者を生む問題に繋がりかねない。 我が心にもいる小さな「植松聖」と向き合わなければ、差別や偏見の呪縛から抜け出せないだろう。 Posted by ブクログ やまゆり園事件 神奈川新聞取材班 凶悪犯罪者に関する書籍で最も深かったと思う。快楽殺人ではなく、信念を持った犯行であり、植松死刑囚の問いかけは万人に通ずるし考え続けないといけない。特に京アニとの比較、被害者の記号化は考えさせられた。 Posted by ブクログ 神奈川新聞取材班のレビューをもっと見る