【感想・ネタバレ】エピクロスの処方箋のレビュー

あらすじ

「医療では、人は救えないんだよ」
現役医師が描く、人の命と幸福について。

2024年本屋大賞第四位&京都本大賞受賞、映画化決定の感動作『スピノザの診察室』続編、ついに刊行!
※シリーズではありますが、本作単体としてお楽しみいただけます。

「君はここまで来るために、何人の患者を死なせてきた?」
思想する医師・雄町哲郎は今日も京都の街をゆく。
大人気、哲学エンタメシリーズ待望の第二弾!

【あらすじ】
大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望されながらも、母を亡くし一人になった甥のために地域病院で働く内科医の雄町哲郎。
ある日、哲郎の力量に惚れ込む大学准教授の花垣から、難しい症例が持ち込まれた。
患者は82歳の老人。
それは、かつて哲郎が激怒させた大学病院の絶対権力者・飛良泉寅彦教授の父親だったーー。

「エピクロスが主張している快楽の本質は、何よりも『精神の安定』のことなんだ。だから自分は快楽主義者だと言う奴に出会ったら十分に注意することだ。心の平静を求めているのか、ひたすら快楽を求めているのか、こいつは全く別物だよ」(本文より)
エピクロス……古代ギリシャの哲学者。快楽主義を提唱した。

【著者からのメッセージ】
「幸福」とは何か。
本書の主題は、前作『スピノザの診察室』と同じく、この問いの中にあります。
幸福に生きるとはどういうことか。幸福は環境が与えるものなのか、それとも自分の力で生み出すものなのか。幸福と快楽とは何が異なるのか。
これらの問いが私の中で年々重みを増しているのは、臨床現場で様々な命の在り方に出会うからかもしれません。無論、容易に答えが出るものではありませんが、思索の旅を少しずつ前へと進めています。
古代ギリシャの哲学者エピクロスは、快楽主義の祖と言われる人物ですが、この問いに、実に簡潔な答えを示しました。
それは、心に悩みがないことと、肉体に苦痛がないこと。
彼が提示したこの素朴な条件に、私はもう一つだけ付け加えます。
すなわち「孤独ではないこと」。
多様性の名のもとに、人と人とのつながりが断ち切られ、互いに歩み寄ることが難しくなりつつある現代だからこそ、この物語が多くの人の足下を照らす、温かな灯火となることを願っています。
――夏川草介

【著者プロフィール】
一九七八年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。⻑野県にて地域医療に従事。二〇〇九年『神様のカルテ』で第十回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書は二〇一〇年本屋大賞第二位となり、映画化された。他の著書に、世界四十カ国以上で翻訳された『本を守ろうとする猫の話』、『始まりの木』、コロナ禍の最前線に立つ現役医師である著者が自らの経験をもとに綴り大きな話題となったドキュメント小説『臨床の砦』、二〇二四年本屋大賞第四位、京都本大賞を受賞した『スピノザの診察室』など。

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Posted by ブクログ

 前作『スピノザの診察室』から続く、京のとある町の小さな病院で日々医療に向き合っている内科医のシリーズです。

 主人公は病に倒れた妹の遺した少年を引き取るために大学病院を退いた京都の町医者。病床数も少ない小さな町の病院に勤めている内科医の彼は、今日も外来、訪問診療、緊急オペと多忙な日々を過ごしている。そんなある日、大学病院の先輩医師より、複雑な症例の患者のオペを打診される。82歳の高齢患者で、既に3回の内視鏡手術を試みていずれも失敗に終わっているという。4回目の内視鏡手術。しかもその患者は大学病院の現教授、飛良泉寅彦の父親と聞いて、治療を進めるべきか断るべきか思案に暮れる彼だったが——。

 前作、スピノザの診察室から1年越しで続編を読むことができました。この作者の先生は、ご本人が医療に携わる医師でおられるということもあるのだろうと思いますが、不思議と読者を病院の診察室に、ベッドの上に、"雄町哲郎"という一人の医師の前に連れていってくれるような文章を書かれるな、と思います。前作もそうでした。『神様のカルテ』シリーズとこの京都の町のお医者さんのシリーズは同じ医療小説であるのに、どこか雰囲気が異なります。京都の、古都の風景や情緒とそこに流れる歴史を感じさせる文章がそう思わせるのでしょうか。不思議です。
 今作も、前作同様、物語自体は淡々と、けれど確かに進んでいく日々を綴っていくような展開です。劇的な治療法も、手術での手に汗握る描写も、派手な事故もありません。ただひたむきに医療に携わる人々の姿があるだけです。その、物語としては起伏に乏しく思うような日々が、静かな文体で粛々と、滔々と語られ、後からじわじわと感情が追い付いてくるような静かな感動と共に一冊に綴じられている。そんな感覚になるお話でした。

 様々な哲学的な問答や、考え方が物語の中でも語られていきますが、それをしつこく感じさせないのは、作者ご本人が、それを自分のものとして感じ、考えてきたものなのだろうと思います。私は哲学者には知識が乏しく、どのような哲学者がどのような命題をどのように考えていったのか、ほとんど教科書の知識しかありません。けれど、遥か古代から人は、同じことを悩み、同じ壁に当たってきたのだろうということが感じられます。時間がたくさんあったはずの学生時代には思わなかったのに、時間が自由にならなくなった社会人になってから、もっと学びたいと思うようになるとは、皮肉なものです。
 病気の人を救う(もしくは救えなかったことから立ち上がる)展開となりがちな医療系のエンタメ小説にあって、この物語の立ち位置は少し異なります。病気の、ではなく『人の心』に灯を掲げてくれるような物語です。登場人物それぞれが魅力的なことももちろん、彼ら彼女らの理念、信念が清々しく、静かに語りかけてくれるようでした。心が疲れた時に、何度も読み返したくなるような一冊だと思います。

 幸福に生きるとはどういうことなのか、医療を通してその問いを考えさせられる、静かであたたかな一冊でした。

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2026年08月30日

Posted by ブクログ


医療従事者として患者さんに向き合う時の
スタンス、心持ち。
前作もそうだが今作も深くうなずき、感銘を受ける瞬間がたくさんあった。

大きな流れとしては
主人公が困難と思われる処置に立ち向かうってことなんだろうけど
そこに向かう行動の裏にある哲学がすごいなと思う。

私にとって、ものすごく得るものがある作品

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2026年08月30日

Posted by ブクログ

前作が良かったので期待して読み始めたが、ハードルが上がってるのに、さらに上回る良さ!これは手元に置いておきたい本。マチ先生が哲学と呼ぶ、人生の理念のようなもの。軸が常にぶれない。医療が人を治すのでなく人が人を治す。努力で、何事もできるようになるなどとは傲慢というのに同意。ある程度、そもそも、その事柄には優位性を持って生まれているのだという事を手先の器用さを遺伝と伝えつつ、努力したから手に入れたと思えるほど世の中甘くないと…本当にその通り。ままならない事だらけ、人間無力さばかり。あらがえない、誰のせいでもない。そういうことを語りかけてくれる。人の生き死にだけはどうにもならないと、父の死やナカナカ娘が授からなかった事、流産等通じて、その時初めて実感して体得した事を、マチ先生が周りのみんなに説いてくれている様を見ることができて何度も感涙。目の前の人が今を笑顔で過ごせること。かけがえのない日常。

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2026年08月29日

Posted by ブクログ

雄町哲郎は京都の街で働く内科医である。京都の街を自転車で巡り、治療を中断し、自宅療養を選択した人々の診療を行っている。マチ先生には、大学病院で准教授を務める花垣という友人がいる。というのも、マチ先生は昔は一線で腕を振るっていたが、姉の子どもを引き取って育てるために、大学病院を辞めたのだった。その花垣から、重症患者の難しい手術を頼まれる。その患者は大学病院の飛良泉教授の父親だった。

前回に引き続き、素晴らしい内容だった。哲学と医療が組み合わさって、生と死について深く考えさせられる。中でも印象にのこった会話が、最後のマチ先生と西島先生の会話。「人を救うのは医療ではない。人なんだ。」医療技術が素晴らしく、病気を治してもその人の人生は続いていく。病気さえ治せば良いという考えがいかに浅はかなのか、ということをマチ先生は語っていた。この言葉で病気を治す医者じゃなくて、マチ先生は人生に寄り添う医者なのかと、理解できた。病気を治せばみんなが幸せというわけではない。その過程の治療を含めて、患者が選択する事を大切にしてるんだなと思った。
大学病院の人事のことも掘り下げていて厳しい世界だと思った。医療関係者の皆様に頭が下がる。いつもありがとうございます。と感謝せずにいられない。面白かったー続編あるかなー読みたいなー

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2026年08月28日

Posted by ブクログ

医者としての生き方を考えさせられた。平林教授や、西島講師を含め、それぞれ個性は違えど全身全霊で医療と向き合っていて、引き込まれた

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2026年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【きっかけ】
『スピノザの診察室』に完全にハマってしまいまして、速やかに続編に着手。

【読後】
今回も、やられてしまいました。良かった。終わり方もGood!!

前作では、悪役ポジション?といった印象ながら、詳しい背景が分からなかった飛良泉と西島についても語られる。アプローチは異なるものの、二人の医療に対する真摯な姿が見え、「なんだ、結局、全キャラ魅力的かよー」とニヤニヤしてしまった。

医療ドラマにありがちな、劇的なオペ展開でドキドキさせるのとは全然違う。気づけばオペが終わっていて、いつもどおり、死に向き合う日常が描かれ、回想によってオペを振り返ったりする。

登場する医師たちは、それぞれに哲学を持っていて、時にぶつかり合い、時に影響し合う。揺さぶられるなぁ。みんな魅力的で、素敵なのだ。

今回、飛良泉と花垣が語り合う場面も良かった。

私は医療分野とはまったく異なる業態で働いているが、昨今のワークライフバランス重視の流れの中で、先輩・後輩の多くが仕事に対する熱量やプライドを持っていないこと(持てない環境になっている?)を憂慮している。

自分自身も、衝突やハラスメントを恐れるあまり、自分の信じる道に邁進できないでいることに気づかされた。(医療現場ほどの大変さはないか……)マチ先生のように、強く、しなやかでありたい。

【おまけ】
映画化、キャストが気になります……。内容が良いだけに、演技次第では拒否反応が出そうで怖い……。派手な画は少ないので、演技力や雰囲気によって出来が左右されるでしょうね。良い映画になるよう、頑張ってほしいです。ドキドキ。

続編にも期待してしまいますが、焦らず、しっかりと作り込んでから世に出してほしい。ワンパターンになっても嫌だし、あまり悲しいことばかり起きてほしくない。やはり、救いのあるエンディングであってほしい。

秋鹿や中将のスピンオフ小説なども、読んでみたいなぁ。龍之介の青春も、ドラマチックに描いてほしい……。

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2026年08月22日

Posted by ブクログ

医療の選択肢というものについて考えることが多かったです。
胃瘻をつくるか、つくらないか。
抗がん剤治療を受けるか、受けないか等。
どちらが最善というわけではなく、患者個人の意見を尊重するべきだとこの本を読んで感じました。私は医療従事者ではありませんが、マチ先生のような上司がいてほしいと感じました。
マチ先生が好きな実在する京都の銘菓にも、とても興味が湧きました。

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2026年08月21日

Posted by ブクログ

1月に読んだ本
やはりよかった!
心の深い余韻が、今もしっかり残っている
医療の第三の道

私も静かに死を迎えたい
その手伝いをお願したい

「医療では人は救えないんだよ」

エピクロスに興味を持ち
岩波文庫で読んだけれど
よくわからなかった

夏川草介さんこそだなあ

≪ 命とは? 終わりの時に ためされて ≫

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2026年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

スピノザの診察室続編。もちろん、エピクロスの処方箋から読んでも十分に面白いけど、前作も読んでるとより楽しめる。周りの人たちとの関係性とか、まさか患者さんまで引き続いてるところはファンの気持ちを分かってくれてるなーと実感。そして時系列的にもこの2冊でゆっくりと時間が流れている感じもまた良い。
原田病院での話もそうだし、花垣先生との関係性も伝わってきて。
ついつい次回作も期待してしまうようなお話でした。

龍之介にフルートを買ってあげて、渡すシーンはついつい涙が。
医療小説だけど、穏やかで哲学も含んだ内容に心が優しくなります。

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2026年08月18日

Posted by ブクログ

「スピノザの診療室」の続編。

夏川さんの医療小説、大好き。有能な先生がたくさん出てくるけど、有能なだけじゃなくて、みんな温かい。
自分が大病を患うようなときは、こんな温かい先生に診てもらいたい。

患者を救うのは医療ではなく人間。
人を生かす医療。看取る医療。第三の医療。
マチ先生や南先生たちが、これからも、悩みながらも良い医療を続けることができることを願って。

龍之介くんがお医者様になる日のお話も、読んでみたいなぁ。

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2026年08月17日

Posted by ブクログ

「スピノザの診療室」の続編です。マチ先生をはじめとするおなじみの登場人物たちが以前と変わらない立ち位置と環境で出てきたので、すんなりと作品の世界に入り込むことができました(´vωv`*)

『長いようでわずかであったかもしれない。チェンバロが途切れたタイミングで「ただ」と寅重老人が思い出したように口を開いた。
「この年になって、好きな物が食えんというのは、ほんまに苦しいもんですわ」
…「カツ丼が好きだと聞きました」
老人の皺だらけの頬がふっとゆるんだ。いたずらが見つかった少年のような無邪気な表情であった。
-第三話 百鬼夜行-』

『清らかな檜の香り、厚みを感じさせないやわらかな餅皮、雑味のない澄んだ甘味、それらが渾然となった味わいは、今川の清澄な佇まいそのものだ。
…ー誰も彼も、遠くばかり見る世の中や。
嫋やかな、それでいて厳かな声が耳の奥に響いた。
ー足下の花にちゃんと目を向けるんやで。
-第四話 初弘法-』

胃瘻の話題もあり、今作は「食べものと関わる」、ふとした描写が印象に残りました。食べることが単なる栄養補給ではなく、「自分が今、確かに生きている」と感じ取る行為なんだなぁと思えました。最近は、気を抜くと食事を作業のように済ませたり、味わうことを忘れて、テレビや動画、SNSに心を奪われたりしてしまうので、何気なく口にするものの味や香りに丁寧に向き合いたいとも思いました。長五郎餅に加えて、御鎌餅もちょっと覚えておきたいですね。

2026.8

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2026年08月17日

Posted by ブクログ

スピノザも最高に良かったけど、
今回もそれ以上によかった。
マチ先生が、なぜ今の想いを抱えて原田病院で勤務するに至ったのかを解き明かす、妹さんとの別れ。
新たな患者さんに、新たな症例。
気になっていた、南先生との展開も。。。

至る所に、今後の人生の指針になりそうな言葉が散りばめられていて、手元に置いておきたい1冊。

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2026年08月15日

Posted by ブクログ

自分が大切にする価値観は何か考えさせられる一冊だった。

印象に残ったフレーズ
「人にはね、いろんな役割があるの。私みたいに社会に出て必死で働くっていう役割もあれば、その人の帰ってくる場所をつくったり、子どもを見守ったりする役割もある。本当は両方とも同じくらい大事なのに、一方が『活躍すること』で、もう一方が『活躍できない』っていう考え方そのものが、古い男社会の価値観だって話よ。女が男のように振る舞えば、男女平等になるわけじゃない。大事なことは、それぞれの役割に敬意を払うってこと」

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2026年08月15日

Posted by ブクログ

続編と知らず手にした。すんなり読むことができ、没頭していた。
マチ先生の考え方がイイ。大いに共感する。曲者の脇役もいて、生死を扱いながらも、重苦しく感じさせない。大小様々なメリハリある展開が飽きさせない。
前作も読んでみたいと思う。

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2026年08月14日

Posted by ブクログ

「スピノザの診察室」を読んだとき「第二弾が出たら読みたい」と思っていたのと、期待を裏切らない内容だったので良かったです。

緑樹庵清水の金平糖、大黒屋の御鎌餅、満月の阿闍梨餅、ゑびす屋加兵衛の矢来餅、(北野の)長五郎餅はすべて実存するお店の実存するお菓子ですね。

レストラン蓮花門というのはどこのお店なんでしょう?東寺に「蓮華門」という門は確かにあるのですが、その近くにあるのは「おはぎの巴屋」くらいしか分かりませんでした。(←めちゃくちゃ美味しいです)

あと、祇園の料亭・蛍屋ですが、祇園・鷲尾町に「ほたる」という料亭はあるようなので、ここのことかな?と。まぁ、こちらにお邪魔することは難しそうですが・・・

ちなみに、長五郎餅ですが、20個入りで4,270円。それが10箱で42,700円となります。優秀な内科医を押さえるためであれば格安ですかね!

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2026年08月13日

Posted by ブクログ

またも泣いた
命の最期…悲しいけど寂しいけどきっといい人生だったんだろうなって…涙

マチ先生みたいな先生がかかりつけ医だったらほんとに安心できる〜〜
南先生との関係も気になるし続編が早く出たら嬉しいな

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2026年08月13日

Posted by ブクログ

スピノザに続く第2弾!読みやすくスイスイ読めてしまいます。
人間がどう生きて、最期をどのようにするか(なるか)。生きることは苦しいこと?嬉しいこと?色々考えながら読みました。
心の余白が少しだけ広がったような気がします。

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2026年08月12日

Posted by ブクログ

京都にある原田病院で働く内科医、雄町哲郎。
かつては大学病院の医局で働く、内視鏡のスペシャリストであったが、ある事情から様々な人とのふれあいを通じ、人の生と死に向き合い続けている。


***********************

生と死。一人一人の生き様。
普段、病気もなく健康に過ごしていると当たり前に感じられる「生きること」。
だけど死はその地続きに必ずあって、誰もが避けては通れない。それを静かに痛感する物語。それなのに不思議と冷たい印象がなく、むしろ温かさすら感じられる。

医療は「命を助ける」「病気や怪我を治す」イメージだけれど、この物語で描かれているのは違う一面なんだと思う。
完治しない病を患っている人。
余命いくばくかの命の人。
それでも「今」生きている。
マチ先生はその「今」に向き合い続けているんだと思う。
将来のことに悩んだり、過去を振り返り続けたりと、普段ないがしろにしがちな「今」という時間。


今生きていることって当たり前じゃないんだよね。
今日という日は二度と来ない。
そして本当は明日が来る保証もどこにもない。
きしくも、読み進めている期間に熊本地震が起き、より痛感させられた。

前作「スピノザの診療室」から通して、マチ先生の言葉は「今を生きる」ことの見方を変えてくれる気がした。

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2026年08月11日

Posted by ブクログ

次は長五郎餅を食べよう。
今年阿闍梨餅を長女に買ってきてもらったから、次の修学旅行は…長女のが早いな。京都かどうかは分からないけど。ふふ。

この本、1月に250番目くらいで予約してようやく手元に届きました。8ヶ月か。
400超番目の本は1年じゃ届かないかもしれないなぁ。
私のあとにもまだ沢山の人が待っているので早く読んで早く返します。貸出期間4日。偉いじゃん私。

淡々とした中に感じる冷静と情熱の間みたいな感じが心地いい。

もし私が病気になったらこんな先生に診てもらいたいなぁ。
ついでに胃瘻になるなら私はいらない。
普通に衰えていって苦しまずに静かに死にたい。
まだ死なないけど!

龍之介もいいんだよなぁ。いい子。
その周りの大人たちも本当に素敵な人たちばかり。

続きないのかね?
また続き出るといいなぁ、

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2026年08月09日

Posted by ブクログ

前作を読んだだけでは理解しきれなかったマチ先生の哲学により深く触れることができた。マチ先生の哲学はすでに完成しているものと捉えてしまっていたけれど、実際には医療の現場で日々患者と対峙し逡巡しながら、自身の内側と向き合い続けている。哲学とは考え続けることなのだな、と改めてわかった気がする。
幸福と快楽の違いや、哲学者エピクロスが説く精神の安定を本質とした快楽と世の中に浸透している快楽の違い。本作を読みかじっただけで理解するにはあまりに難解である。ただし思うことは、欲に塗れた卑劣な「快楽」に走って本質を見失わないように、そして、マチ先生の理論に置き換えるならば、「雑多な物事とともに我々の足元に埋もれている」幸に気付けるようになりたいということ。
登場人物が皆素敵で好意的に描かれているのが夏川さんの著作の魅力だと思う。また折に触れて読み返したい。

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2026年08月23日

購入済み

レビュー1番手?

発刊同時に一気読み
家内用に書籍も購入。

今回も清々しく何度見てもホロりとする場面が多数
やはり先書のスピノザから読まれてからをオススメ

また京の街の銘菓巡りへ出掛ける用事が出来ました
前書拝読後、銘菓巡りのバス停待ちで後ろ走る自転車が
同じお店の名前の話しをしながら通り過ぎていったのは
いい想い出

#エモい

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

世の中、善悪で二分なんて出来ないんだなと改めて思う。前作とは少し違い、主人公以外の視点も書かれている。主人公が聖人みたいな人なので、この方が群像劇となってより面白い。全ての医療従事者に尊敬と感謝を向けたくなる作品だ。人は必ず死ぬから、全ての人が一度は読んだほうがいいと思う。

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2026年08月24日

Posted by ブクログ

医療では人は救えない。
医療には期待していないんだよ。

そんな衝撃的な言葉を発するも、真意は別のところにあった。
医療現場の苦悩や葛藤を知ると同時に、「人として」どうあるべきか、を説いているマチ先生は本当に素晴らしい医師だなぁと思った。

大事なのは、その人が何を希望しているか。
そして、目の前に実は思いがけない発見があるかもしれない。
そんなことを感じた、優しい一冊だった。

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2026年08月21日

Posted by ブクログ

前作から続けてすぐ読んだ。

今作は、妹の看取りがマチ先生にもたらした変化について言及されている。そして、南に対する信頼を越えた好感のようなものを感じた。

私自身、祖母が寝たきりで何年も入院していたから、胃ろうの是非については思うところがあるが、開発された当初は魔法の管と呼ばれていたことや、全て悪ではないということが意外であった。

寝たきりについてのマチ先生の考えが斬新で新たな気づきを与えてくれた。

医師である夏川先生だからこそ、大げさなオペシーンがなくともリアリティのある医療のあり方を描けたんだろうと思う。

今作では、医師を目指すからには、患者を助けたいという思いが大事ではないのかという作者の思いを感じた。
「医師は一人で一人前になるんやない。みんなに支えられて医師になるんや。与えてもろたら返さなあかんのとちゃうか。」とは飛良泉教授の談だ。

内科と外科の医師不足については、二、三十年後を思い恐ろしく感じた。

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2026年08月21日

Posted by ブクログ

スピノザの診察室が良かったので続編を読んだ。マチ先生の揺るぎない信念がかっこいい...。医療に関する高度な知識と技術よりももっと大切にするのが、目の前にいる「人」の思いを汲むことであったり、その思いを優先するようにコミュニケーションを患者やその家族たちと取ることだったりしていて、哲学を大事にするマチ先生の偉大さが伝わる作品だった。登場人物も前作同様に味がある人たち揃いでとても良い。中でも花垣先生は人との関わり方がしなやかで、トップに立つ人として尊敬される人なんだなぁと感じた。かといって飛来泉教授が悪の存在かと言ったらそうでもなくて、昭和的だと思われる信念の中に、医療に携わる人間としての強い意識と自信を持っていて、一般の人々からしたらとてつもなく頼り甲斐のあるプライドをもっているなぁと感じる。働くことに対して様々な思いを持つ人間がいて、その中でも慌てることなく、自分の納得できる医療への携わり方ができているマチ先生が、今作もやっぱりすごいなと感じた。

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2026年08月20日

Posted by ブクログ

今の時間を大切に

癒せない悲しみはない
虚無も悲哀もそこら中に転がっていますが、歩く道のりさえ間違えなければ、人は暗い絶望の闇からでもきっと戻って来られる 戻って来られなかった人もたくさん知っていますが、それでも帰り道はあったのだと信じています

名医とは、真っ暗な道の歩き方を知っている医師

勝ち負けなんて短い人生に意味がありますか

エピクロスの快楽主義
快楽の本質は 精神の安定 心身の平静
心の安定こそが人間にとっての快楽
質素で節度ある生活を通じて幸福を追求

スピノザの哲学にマチ先生のアレンジ
幸も不幸も 雑多な物事とともに我々の足元に埋もれていて、私たちがそこから何を見つけるかということ

うんうん(^ ^)

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2026年08月21日

Posted by ブクログ

『スピノザの診察室』を読む前に読んでしまいました。
マチ先生は優しくて芯の通った男性のイメージだけど、お茶目なところもあって好き。

医療の限界を感じながら、真の医療とは何なのか、医師の役割は何なのか、マチ先生の優しさと周りの後輩医師に与える影響や慕われているのがとても伝わる物語。

死を間近に迎えたときに『幸福』とは何か?
人それぞれだけどマチ先生みたいにどんな患者さんも認めて受け入れられるような人になりたいと思った。

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2026年08月18日

Posted by ブクログ

 医大を辞して、街の原田病院に勤める医師哲郎の滋味深いお言葉たち。
 「多分私は医療というものに、たいした期待をしていないんです。...懸命に生きたいという人の願いに、医療は応えてはくれない。世界は理不尽ですよ。...」84頁
 エピクロスの発言について、「快楽の本質は、何よりも『精神の安定』のことなんだ。心の安定こそが人間にとっての快楽であり、泣いたり怒ったりすることは、心の安定を損なうから避けるべきだと述べている。...」
 「楽しいことよりも、苦痛がないことの方がはるかに大切で、心が落ち着いていることこそが最高の快楽だと説明しているんだ。..」176頁〜
 「希望というものは急に出てきたり、消えてしまったりしてしまうものじゃない。ずっとそこにあって、我々が気づけるかどうかという問題なんだと思う。」285頁
 「人を救うのは、医療ではない。人なんだ。このことだけは確かだと私は思っている。..我々のゴールは病気を治すことじゃない。病気さえ治せばいいと考えるなら、治らない病気を抱えた人たちはどこへ行くんだ。..本当に大切なのは、目の前にいる人が今を笑顔で過ごせるということだよ。」291頁〜
 これから病と共生?しようとする時に噛みしめたい一作かな

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2026年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幸せと快楽は違うこと、
人を救うのは医療ではなくて人であること、
医療の質は規模ではなくそこにいる人が決めること。
主人公が決断したり誰かに決断を促す時に出てくる言葉に納得感があって、言葉が綺麗なのが良かった。

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2026年08月16日

Posted by ブクログ

『エピクロスの処方箋』は、『スピノザの診察室』の続編。前作に続き、医療の現場を舞台にしながら、「医師として人を救うとはどういうことなのか」「医療とは何のためにあるのか」を静かに問いかける作品だった。

数々の難手術を成功させてきた外科医・雄町哲郎は、亡くなった妹の子どもを引き取るため大学病院を辞め、京都の小さな病院で地域医療と向き合っている。そんな哲郎のもとに、かつて勤めていた大学病院の准教授・花垣から難しい手術の依頼が舞い込む。しかし、その患者は哲郎にとって因縁のある人物の父親だった。果たして哲郎は、その手術を引き受けるのか。物語はこの難しい選択を軸に、医師としての責任と、一人の人間として抱える感情の間で揺れる哲郎の姿を描いていく。

大学病院の外来の様子も印象に残った。物凄い数の患者が押し寄せ、午前の診療時間が午後までずれ込み、医師たちが「いつ昼食を取れるのだろう」と心配になるほどの忙しさだ。現場の逼迫した状況を目の当たりにすると、医師不足という問題が決して遠い話ではなく、患者と医療従事者の双方に大きな負担を与えていることを実感する。

本作では、医師不足や大学病院と地域医療の違いなど、現在の医療が抱える問題にも触れられている。それでも、重苦しさだけが残る作品ではない。登場する人たちは皆どこか優しく、患者を思う気持ちや、誰かのために力を尽くそうとする姿が丁寧に描かれている。そのため、医療の厳しい現実を描きながらも、読んでいて不思議と心が温かくなる。

特に、哲郎の「患者を治す」ということへの向き合い方には心を動かされた。難しい手術を成功させる高度な技術だけではなく、患者や家族の気持ちに寄り添い、その人にとって何が最善なのかを考えることも医療なのだと思う。

『スピノザの診察室』から続く、静かで温かな物語。派手な展開があるわけではないが、登場人物たちの優しさがじんわりと心に染みてくる。医療とは何か、そして人が人を支えるとはどういうことなのかを考えさせられる、読後感のとても良い作品だった。

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2026年08月15日

Posted by ブクログ

夏川さんの医療小説は、登場するキャラがいつも全員”いい人”で気持ちよく読めます。今回もまた、主人公の医師を通して、作家と同時に現役の医師でもある夏川さんの”医療に対する考え方”が垣間見られて、その点でも興味深かったです。

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2026年08月16日

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