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Posted by ブクログ
「面白いけど後味が悪いので、読むのにMPが必要」という印象が強かった雫井脩介さんですが、これは重厚な警察サスペンス物として一気に読み切ることができました。
所々胸が苦しくようなシーンがあり、なにより台詞の言葉選びや描写が本当に丁寧なので、みるみる世界観に染まっていきました。
読み終わった時、「読み終わった」ではなく「事件が解決した」という感覚になったくらい没入していました。
前情報として入っていたクライマックスシーンよりも、エピローグのところが自分はグッときてしまいました。なんならちょっと泣きました。何に心を動かされたのか上手く言葉にはできないけれど。
Posted by ブクログ
後半は一気読み……臨場感の有るストーリー展開にページを捲る手が止まらなかった。並行する過去の事件が要所要所で出てきたり、おぼっちゃま刑事を炙り出す辺りはハラハラの展開。さすがに上手くまとまる作家さんだなぁ……拍手!
ただ……もう少し犯人にも人物の厚みが欲しかったかな……劇場型犯罪?……でしたっけ?それに対抗する劇場型捜査?……この劇に与えられた犯人役がなんだかぽっと出の三流俳優が割り当てられたようで、ちょい物足りないわ……犯人弱っっ!犯人薄っ!もっと欲しいわっ!……ってちょいそこだけが……ただ星減らす程では無かったので、素直に星5です!
面白かったなぁーー!!
Posted by ブクログ
巻島はニュース番組に出演しバッドマンを名乗る犯人に呼びかける。捜査本部にはニセモノを含めて多くの手紙が届き始める。その中から本物を選り分け、犯人に呼びかけるが、その姿勢が犯人寄りだと世間や警察内から非難を受ける。一方、キャリアの植草課長は私情を交えて情報をライバル番組にリークする。そして巻島は一か八かの賭けに出る。テレビを通して巻島は犯人に言い放つ。「我々はようやくお前を追い詰めた」そして宣伝コピーにも使われたセリフ「今夜は震えて眠れ」
犯人とのやり取りはテレビ放送での呼びかけと犯人からの手紙となるから緊迫感はあまりない。むしろ、クライマックスまで引っ張るのは、姑息な動きをする警察上司や視聴率ばかり気にするマスコミ、そこに左右される世論、被害者家族の気持ち…など巻島との葛藤が話を盛り上げる。
巻島はそれらを静かに飲み込んで、最後にドバッと吐き出す。もっと犯人逮捕に焦点を当てて派手に最高潮に持ってって欲しい気もしたが、これは警察小説なのである。全体のバランスを取るリアルさが大事なのだ。
さすが大藪春彦賞。面白かった。
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