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栄光を勝ち取るか、無残に打ちのめされるか、これはもう遊びではないのだ――。夫の浮気が原因で離婚、娘の小織とともに実家のある名古屋へと転居し、無気力な日々を送っていた藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチに小織の才能を見出され、娘を支えることに生きがいを感じ始める。「藤里小織の最大の伸びしろは、あなたにあると思ってます」とのコーチの言葉に、娘のためにすべてを懸ける決意をする梨津子。スケートクラブ内の異様な慣習にとまどい、スケート費用の捻出に奔走し、さらには練習方針をめぐってコーチとの間で軋轢が生じるのも厭わず、娘のことだけを考えてクラブの移籍を強引に進める――そんな母の姿に葛藤を覚える小織ではあったが、試合での成績も次第に上がっていき、やがて……。母娘の挑戦は、実を結ぶのか?母と娘の絆をテーマにした、著者渾身の長編小説。『犯人に告ぐ』『クローズド・ノート』をしのぐ興奮と感動!
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Posted by ブクログ
フィギュアスケートを習う娘とその母の話。
去年やっていたフィギュアスケートアニメはほんとファンタジーなんだなって……。
金額とか進路とか指導者との関係とかがリアルに描かれていて、ただキラキラした世界じゃないのをとても感じました。
多分浅田真央ちゃんがモデルなんだろうな……っていう部分もあり
安藤美姫さん、村主章枝さんの本が参考文献として挙げられていて、フィギュアスケート界の現実にとても近いものが描かれているんじゃないかと思います
この人性格強いなー、私とは相容れないなーとは思うところはあったけど、人格が作り込まれているから現実にいそうな感じで。
雫井さんの本なので『クローズド・ノート』のイメージで読んでしまったのですが、帯にスポーツ小説×家族小説とあったのを見逃していて、変な感覚になってしまったのがミスでした……
読書に先入観は禁物ですね
Posted by ブクログ
本気で何かに打ち込むということは、周囲の誘惑を断ち切ったり、色々なものを捨てたりしなければならない、辛いことでもあります。
かつてフィギュアスケートに打ち込んだ少女が思い出を語る形でつづられる母と娘の物語は、ときに読み進めるのがつらくなるくらい、厳しい試練の連続でもあります。
圧倒的な才能で同世代をけん引する選手や、厳格な指導者。そして、どれだけ努力したとしても成功が約束されるわけではないという厳しい勝負の世界。
物語としては、主人公の小織がフィギュアスケートの世界で勝ち残る(生き残る)ことができなかった、ということがハッキリしているところから始まるので、読者は「結果的に実を結ぶことができない、努力を続ける母娘」の姿を追いかけることになります。
それでも、厳しいだけだと思っていた美濤先生の根本にある「優しさ」には胸が熱くなりますし、振り返ってみれば現役時代には独りよがりに思えた母親のあり様も「誰かのために必死になる」ということを体現した姿でした。
それまでの一つひとつの積み重ねがあったからこそ、ラストはジンときましたし、改めて、理想的な「親」の姿を見せてもらったような気がします。
Posted by ブクログ
フィギュアスケート。
テレビ中継していればぼんやり見てしまうこともあるし、ショートとフリーの違いくらいは何となく説明できる。
それほどの思い入れはないけど、ソチ五輪の浅田真央のフリーの演技と、決まった直後のあの表情には思わず涙を流した。
これが自分にとってのフィギュアスケートのすべてでした。
この小説を読むまでは。
フィギュアスケートの世界を舞台に、どこにでも居そうな普通の母娘が紆余曲折を経ながら、人として大きく成長していく物語。
普通、この手のお話ならば、競技者である娘の方が苦労を重ねながら徐々に成長していく、というストーリーがまあ一般的だろうと思いますが、この作品ではそうではなく、母親の成長の物語なんです。
しかも、その成長の度合いがハンパない。
娘のためにできることなら文字通り自分のすべてをかけて取り組み、必要じゃないものはすべて捨てる。
ある時、自分の甘さを痛感した瞬間に変わります。
自分の優越感を満たしてくれるステイタスに過ぎなかった娘のフィギュアスケートですが、この瞬間に自分のすべてをかける対象になったのです。
子供に対して、あれしろこれしろと言うだけの親なら、それこそどこにでもいますけどね。中途半端が一番ウザい。だったらやめといたほうがいい。
フィギュアスケートって、かくも過酷で、繊細で、メンタルのスポーツだったのね、ということを知れたのもよかったです。
感動と驚きのハーフアンドハーフです!(使い方、ちょっと違う!?)
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