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小児病棟で起きた点滴殺傷事件。4人の子供の点滴にインスリンが混入され、2人の幼い命が奪われた。物証がないまま逮捕されたのは、生き残った女児の母親。献身的な看病のあまり、周囲との軋轢も生んでいた彼女は取り調べで自白するが、後に否認する。娘を懸命に支えていた母親は冷酷な殺人犯なのか?弁護士の伊豆原は勝算のない裁判に挑む!
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Posted by ブクログ
長女の由惟がとにかく不憫でならない。 また母親のキャラクターも相まってほんとに冤罪なのか否かモヤモヤしたまま上巻を読み終えた。 下巻を読み終えた時にこのモヤモヤとした霧ははらわれるのだろうか。 下巻への期待を込めて評価は4とした。
99.9%有罪の刑事裁判に立ち向かう弁護士を主人公にした、リーガルミステリー。 担当になる弁護士伊豆原柊平と、事件の時入院していた小南紗奈と彼女の姉由惟そして彼女たちの母親で犯人と目された野々花を中心に、物語は展開する。 伊豆原は友人の弁護士枡田が国選で担当する点滴殺傷事件に関わることになる。入院患...続きを読む者の母親が犯人として逮捕され、否認していたが、過酷な取り調べにより犯行を認めてしまう。 裁判になり一転否認の立場をとるが、果たして無罪を勝ち取ることができるのか。彼女は本当に犯行を犯していないのか。ならば真犯人は誰か。 スリリングな展開に目を奪われ、小説世界に没入してしまう。 題名の「霧をはらう」は、伊豆原のこんな言葉から。 「刑事裁判ってのは、国という大きな存在が個人を裁くんだ。それだけなら一方的な戦いだよ。裁判員や裁判官にしても、その人のことを知らないわけだから、どうしても疑心暗鬼になる。霧の中で不気味なシルエットを見るようなものだ。人を襲う獣なのかもしれないという目で見てる。だからまとわりついている霧を払って、その人を一人の人間として見てもらうようにする必要がある。弁護士がそれをやる。霧を払った結果、その人が無実の人間であるなら、もちろん言うことはない」
小児病棟で起こった点滴殺傷事件。 4人の子どもの点滴にインスリンが混入、2人の子どもの生命が奪われることに。 証拠もないまま、被害者のひとり・紗奈の母・野々花が逮捕される。 そして、野々花は自供するが… 一転否認。 弁護士・伊豆原は野々花の弁護団に加わり、事件の真相を追い求める… 野々花は冤罪...続きを読むなのか… 地道に関係者の話を聞き、真実を追求する伊豆原。なかなか警察、検察の言い分を覆すだけの証拠は見つからない… 伊豆原自身も野々花が100%無実だと確信が持てない。 野々花の長女・由惟。母の無実を信じることができない。せめて母の無実は信じてあげて欲しいが…自分がなんとかしなければしなければという思いが強すぎるのではないかと。 妹・紗奈を守らなけばというのはわかるが… 痴漢事件はどう繋がってくるんだろう⁇ 冤罪なんだろうとは思うが… どうなっていくんだろう⁇
小南さんみたいな人、いるよなーと思いながら読み進めた。 ただそれも受け取り方や見方で印象は変わることもよくわかった。 ミステリーだけど人間の心の動きがよくわかる話だった。
自分の母親は殺人犯なのだろうか冤罪なのだろうか。 加害者目線、加害者の家族目線、そして、弁護士目線のそれぞれの立場で進んでいく本作。最後の最後まで本当に冤罪事件なのか?を引っ張ってくれたのが面白かった。また、最後の真相も良かった。だから、ここで、あいつは足を引っ張ったのか、と。 あの判決があった...続きを読むとしても、元に戻らない冤罪被害者になった家族の今後もこの作者に少し描いて欲しいと思った
タイトルの意味、弁護士は依頼主にかかった霧(嫌疑)を取りはらって、真実と依頼主の人となりを明らかにすることだ、というのが心に響いた。(意訳したかも) 下巻も楽しみです!
小児病棟で起きた事件、被害者家族であり容疑者家族でもある、長女と、その事件の弁護士、2人の視点で物語は進みます。 事件後、長女は妹を守る為の感情、行動は読んでいて辛いですね。 母は有罪か無罪か、信じれるか、信じきれないか。 人間誰しも、その時発した回答・行動によって、本人にとって望んでいない状...続きを読む況に陥る事はあります。 守ってくれる人がいると気付いた時、感謝できる人間にならなければ、と感じました。 ある人物の背景深掘りがあれば、結末もよりスムーズに納得したかもです。 本書のメインは事件真相の解明ではありませんので、個人的な気持ちですね。
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霧をはらう
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雫井脩介
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