【感想・ネタバレ】傲慢と善良のレビュー

あらすじ

婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ》

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「人生で一番刺さった小説」との声、続出! 恋愛だけではなく、生きていく上でのさまざまな痛み、あらゆる悩みに答えてくれる物語。
主人公・西沢架は、いつも通り帰宅した自宅に、同棲中で家にいるはずの婚約者・坂庭真実がいないことに気付く。突如失踪した真実の手がかりを探すべく、架は真実の過去と向き合うこととなる。浮かび上がる現代社会の生きづらさと、徐々に明かされていく失踪の理由からは目が離せない。
本作の見どころは、なんと言っても描写の細やかさです。作家の朝井リョウさんによる巻末の解説の中でも触れられているように、この作品では「何か」「誰か」を選ぶときに私たちに起こっていることを主題としています。"選ぶ"という行為の中でどういったことが起きているのかを細部まで描写することで、私たち読者の心に何かしらひっかかるものを与えてくれます。
もちろんすべての人におすすめですが、人間を傲慢と善良の2種類に分けたとして、自分はどちらかというと善良側の人間だという人にこそ是非読んでいただきたい1冊です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

とても解像度が高い。
傲慢さも善良さも人生の中で身に覚えがありすぎる。

個人的に、小野里さんの「ピンとこない」の解釈が、めっちゃピンときた。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

傲慢さは、誰もが持っている。そして善良な人間にも、必ずある側面だ。読み終えてまず思ったのは、この二つは対義語ではなく、同じ人間の中に等しく同居しているということ。問題は、自分のどちらに気づけているか、それだけだと思う。

傲慢さが一番表れるのは、相手をその時の自分の物差しで測ってしまうときだ。相手の悪いところを探し、自分に有利な基準で都合よく採点する。しかもその基準は、年齢や環境で簡単に変わる。だから「あのとき選ばなかった理由」は、今の自分から見ると驚くほど小さく見えたりする。架が真実をどう見ていたかの変化は、まさにこれだった。

一方で善良さも、過ぎれば融通が効かないと受け取られ、自分の人生を自分で決められないという別の弱さに転じる。どちらが良い悪いではなくて、人それぞれ物差しのかたちが違うから、結局は噛み合うかどうかでしかない。違いが大きくなればなるほど、歯車は動かなくなる。誰かと一緒に生きていく――ただ動いていく、ということ自体が、そこで止まってしまう。
価値観や視座、常識や主体性は、家族の環境にどうしても左右される。自分で決められない人がいる一方で、私は早くから、自分のことは自分で決めると決めてきた側だった。だからこそ、真実が抱えていた重さが、まったく違う形で身に染みた。

恋愛小説としても、自己認識の物語としても読める。ただ、自分の中の「傲慢」と「善良」をどちらも見つめ直さずに読み終えるのは、たぶん難しい。多くの人に届いてほしい一冊。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

人間関係におけるいろんな角度の「傲慢さ」と「善良さ」、それらがもたらす弊害を物語の中で緻密にパッケージングしてあり、登場人物たちの思考と自分を何度も重ね合わせては説教をくらってる気分になった(褒め言葉)。
と同時に、どこか吹っ切れた気分を覚える感覚もあり、「ピンとくる感覚とか相手の点数とか知るか!相手が70点でも60点でも50点でも、俺がこれから100点の未来をつくってやる!」みたいな謎のモチベも湧き上がってくる、不思議な読後感の小説だった。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めちゃくちゃ面白かった。文句無しの星5つです。
冒頭のストーカー騒ぎから引きつけられた。
婚活というテーマ?からこんなに壮大な人間模様のお話が作れるなんて…
第1部が架(彼氏)視点、第2部で真実(彼女)視点になるのだが、この第2部が伏線回収のような感じで面白い。
また第2部で真実の上辺の善良さの中に隠された傲慢さやプライドの高さ、他責思考な部分を随所で感じることができた。ストーカー騒ぎを起こした時も実際は虚言であり「こんなことをさせる架くんが悪い」などと内心は思っており、これまでの婚活でも相手の内面を知ろうとはせず外見でしか判断していない。恋愛経験が無かった分夢みがちというか、理想ばかりが高い。
相手にピンとこない時はそれが自身の自己評価に見合ってないと感じている時、という小野里の意見はとても面白かった。
真実が婚活で出会った男性たちや周りの友人親や架の周りの強烈な女友達など人物の描写がまじでいるこんな人!!と思わせる人たちかつエピソードもこんなことあった昔!と思わせることが多くてまじで怖いです。作者が。笑

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

様々な気持ちや内面的な部分の描写を細かく描いていた。
ただ、後半にわかる「嘘」に全く気付けなかったし、
そこからの展開が大きく変わって、
イヤな終わり方するのかな…?と思いきや、
キレイに終わったので先が読めなくて面白かった。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ひたすら解説を読み漁りたくなる。
人の評価によって、人の意見によって、自分が形成されているのは私と一緒。
他人の評価なんてどうでもいいのに。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

何もかもが刺さる小説。この世の中に自分の意思がある人が果たしてどれだけいるのだろう。劇物のような言葉がどんどん刺してくる小説。共感を超えて、もうそれ以上は、、!!やめてください!!って読みながら息も絶え絶えになった。中々ない読書体験でした。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

・ピンと来ないの正体はその人に付けている値段

・「幸せになりたいんじゃなくて、人から幸せだと思われたかっただけなんだ」
​自分の内側から湧き出る幸福感ではなく、他人からの見え方(世間体やスペック)を重視していた自分を真実が認める、痛みを伴う気づき

・「真面目でいい子の価値観は教えられても、生きていくために必要な悪意や打算の仕方を誰も教えてくれない」


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2026年05月09日

匿名

購入済み

いろんな形がある

自分も真実と同世代なので共感できるところがたくさんあった。女友達の意地悪さは胸糞だけどこういう人いる〜と思った。最後はグッときた。

#泣ける #感動する #深い

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2024年11月25日

QM

購入済み

傲慢と善良、誰しもが抱いているものだと思う。 婚活アプリやマッチングアプリは今や使っている人が多くなっているもの。自分がいざ使うことになった時、この人たちと同じような感覚に陥るような気がした。

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2024年11月16日

購入済み

なるほど

考えさせられる本でした。新しい視点を感じました。物語の中盤で「え?」となりましたが、最初から予想出来た人はいるのでしょうか、、、、!さすが辻村先生、、、、!

#深い #タメになる

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2024年01月07日

H

購入済み

同じ事象を見る面からで異なることを思い知らせ、小説というより哲学書のように感じる面がある作品です。でも、辻村深月です。一気に引き込まれ、最後まで一晩で読みました。良かった!

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2023年11月16日

購入済み

人への深い分析が刺さる

恋愛小説だと思って、軽い気持ちで読み始めました。しかし、その中身は何とも深く人間心理を描いたミステリー。自分にも思い当たるなんとなく感じていたことや、していた行動がかなり解像度高く言語化されており、自分自身を見つめ直すきっかけとなりました。
辻村さんの小説を他にも読んでみたくなりました。

#共感する

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2023年11月13日

ネタバレ 購入済み

突然号泣しました

石母田のおばあちゃんの「あんだら、大恋愛なんだな」に突然どばっと涙が込み上げました。渦中にいる人同士はわからんけど、確かにそうだと。

そして最初は架が主導権を取っていたようなこの恋愛が最後は真実の方がどちらかといえば主体になっていて、ちゃんと対等に立てているのが羨ましいような気持ちになり、こんなお似合いの夫婦はないだろうと、心から2人を祝福したくなりました。

この先の人生、子供や親戚、友人付き合い、いろんな事が起きてもきっと、自分たち夫婦の軸を大事にして生きていけるのだろうと思えました。

架も真実も最高のタイミングで出会いをして、偶然を積み重ね、そして真実の嘘も失踪も2人の恋愛には必要なイベントだったのだと思います。

この夫婦も10年後には同じように思うのではないかと思います。架も真実も恋愛だけでなく人として成長した。自分というものを見つめ直せた、こんな最愛の相手はいないだろうと。

架は、婚活に疲れ果ててまたゼロから探すのが億劫だったから別の相手を探さなかったわけではなく真実がよかったんですよね?

彼女の本当の姿の中に自分がひかれるもの、見えたもの、そしてそれらを丸ごと愛する思いが芽生えたから、彼女を好きだと言ったんですよね?

そこだけもう一度読み直してみたいと思います。

選ぶという事は、自分に見合うかどうか価値をつけている、やたら自分の評価だけは高い、など人が普段隠しているもしくは無意識にやっているような、心の深いところまで掘り下げた、剥き出しに描写したすごい作品だなぁと感じました。

#エモい #深い

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2023年07月13日

購入済み

泣いた

私は真実に近いなぁ、すごく似ているなぁ、もしかしたら真実って私のことなんじゃないの?と思い、真実に感情移入しながら、私自信のこれまでの、いろいろうまくいかなかった人生と重ね合わせながら読んでいきました。というより、そうせざるを得ないような、内面をえぐり出される内容でした。架のような、女友だちも多い彼氏がいたことが私にもあり、もやもや、鬱々としながら、おそらく結婚してもうまくいかないであろうと思い、お別れした経験があります。
思い出したくもないような、自分が不器用が故の失敗や恥ずかしかったこと等を思い出しながら、真実と自分を重ね合わせながら読み進め、泣きすぎて瞼が腫れています。
めちゃくちゃ心に刺さる一冊でした。

#泣ける #切ない #感動する

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2023年05月14日

匿名

購入済み

著者との対話が楽しい

この著作の最大の魅力は、著者の人間分析の深さであろうと思います。その複雑微妙なところの言語化において、著者の視点による考えが成功しており、我々読者との対話も深まる満足感が大きいと思います。

#エモい #深い #タメになる

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2023年05月02日

Posted by ブクログ

人ごとではなく自分にも当てはまりそうだと感じながら読み進めていった。
みんな善良と傲慢の心をもっている。
そこにフォーカスをあてた話。
リアルな描写がすとんと心に入ってきた。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

おそらくどんな人間も傲慢さと善良さを持ち合わせているんだと思う。それぞれの心理を細かく分解して文章にいて自分たちにも通ずるリアルさを感じられて自分ごととして考えられた。

真実の行動が周りの人間に迷惑をかけたと言えばそういう部分もあったかもしれないけれど、この件がなければお互いにお互いのことをより理解する機会はなかったと思う。

傲慢さと善良さをそれぞれが理解した上で、自分を見つめ直した上で、本当の2人の気持ちや愛を見つけられたのだと思うと、2人にとってとても意味のある期間だったのだなと感じられた!

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんか分かる!の連続 笑
でも結局、理屈抜きに好き に出会えてハッピーエンド
結婚を控えてる皆さんが読んだら一体どうなってしまうのか。面白かったです。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真美に関して、そこまでして逃げなくて良いだろと感じたが、架に関して、共感できる所が多々あった。今の婚活アプリでありがちな内容、20〜40代の読者には刺さるだろう。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

他人の評価気にせずに、自分がやりたいことを、さっさとやったほうがいいと改めて思った。行動も大事。と、若い時の自分に言いたい。架が、様々な人に色んな言葉言われて、ハッとするという場面多いなと感じた。大袈裟というか、、。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

マッチングアプリを婚活だと2人とも思えてたのがまずすごい。
架と真実のどちらからの目線も書かれてて、アプリでなかなか恋人ができない人は誰でも共感できる。
ハッピーエンドにしてくれてるのは作者からの応援メッセージかなとも感じた。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

初めての恋愛ミステリー
『傲慢と善良』
内容の説明をするならば、
この分厚さに対してこの言葉に尽きるからすごい。

結婚がうまくいかないのは傲慢さと善良さ。
今の社会はそれだけでは無いと思うけど、
意味は納得できた。深い…

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

人生を共にするパートナーについて考えさせられる本でした。
もし自分もマッチングアプリや婚活をしていたら、同じように悩んでいただろうなと思います。
自分では高望みしていないと思いつつも、少しレベルが高い人でないと納得できないのもわかる気がします。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

傲慢と善良を読んで、自分自身の傲慢さについて考えさせられた。私はこれまで、恋人に振られることを深く想像したことがなく、結婚についても真剣に考えたことがなかった。また、今そばにいる彼女の存在をどこか当たり前のものとして受け止めていた。しかし実際には、人との関係は決して当然に続くものではなく、事故や病気などによって突然失われる可能性もある。さらに言えば、自分が平和に生きていること自体も当たり前ではない。そのような日常への慣れこそが、自分の傲慢さにつながっていたのではないかと感じた。

また、物語の終盤で架が真実との結婚を許した場面については、自分には理解しきれなかった。私は、もし同じ立場なら簡単には許せないと思う。架は鈍感であるがゆえに相手を受け入れる優しさを持っていたのかもしれないが、真実は逃げる前に直接思いを伝えるべきだったのではないかとも感じた。逃げ出す勇気はあっても、面と向かって話す勇気は持てなかった点に、真実の弱さや経験不足を感じた。

さらに、この作品を通して「純粋な自分の意思とは何か」についても考えた。私は、ある程度は純粋な意思は存在すると考えている。例えば性欲のような本能的な感情は、自分自身から自然に生まれるものだと思う。しかし、将来の夢や価値観の多くは環境や周囲の影響によって形作られている部分が大きいのではないだろうか。そして、もし世の中に自分一人しかいなかったなら、その時初めて本当の意味で自分自身の意思と向き合えるのかもしれない。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

真実は私と似ていた。特に自立していないところが。

あと「ピンと来ないの正体は自分の自己評価額」という一文が刺さった

私も真実みたいに自分の過去や好みを大切にしすぎて相手のことを疎かにしていなかったか考えるきっかけになった。もっと客観的な視点で物事を捉えていきたい。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読むのに2年かかってしまった。
かがみの孤城以来の読破だから9年ぶり!
辻村さんの作品はいつも尻上がりですよね。
それはもういまのとこ全てそうだった、から新しい本を読むのに結構気合いがいる。
情報の開示がだいぶあとなのが定番で
上下なら下巻の最後まで引っ張るからそこまで普通くらいなのにいきなり制限速度越えで走る物語を読むと落差でもってかれます。

スロウハイツの神様が頂点、そういう人間からするとこのお話は普通でした。
ちょっと朝井リョウ入ってるような人間ドラマ、桐島、部活やめるってよっぽいな〜と感じたり。

読もうと思った時期に邦画で女性が突如失踪し彼氏や婚約者が探す話が連発してて、それを見たあとにこれだからお腹いっぱいだったのも読むのが遅くなった原因かな、こういうジャンルあるよね〜。
今作は辻村さん特有のラスト怒涛の展開は無く、ただ予想通りにするする進んで終わった。
真実視点で楽しいのは母親に深夜まで遊んで帰ったら何時だと思ってるの!って怒られて鍵取られて門限まで決められるあたし31歳のとこだけ。逃げた先でのなんやかんやはまったく面白くなかったので残念。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読書をしてみようと思ったきっかけの1冊。

初めは、男性の架からの視点だが、読み進めると女性の真実の視点へと語り手が変わっていく。

どちらの感情もとても共感ができ、人間は傲慢と善良ということがしみじみと理解できた。

真実の人生は私に刺さるものがあり、似たような感じだった。

人の感情をピンポイントで言語化しているので、読んでいてとても気持ちがいい。

10年後にまた再読したら、より深く心に刺さるのではないかと思ったので、10年後再読したいと思う。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

自分でなにか選択して人生を歩んだことがなく、世間から見て“正解と言われるもの”を人に頼って生きてきた善良な子が、いざ自分の頭で考えて未来を選ぶとなると、これまでの「自分の意思」を叶えるために傲慢になってしまうというと言う話。

婚活を題材とした話だが、「結婚」も包括的にみて「自分の意思」と思えるのか考えさせられました。「周りが結婚してるから〜」という巨大な不安で、結婚をするのは果たして本当に自分の選択なのか?結婚は本当に人生を豊かにするのか?他にも自分の意思で人生の選択ができているのか?考えさせられた。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

傲慢とは架のことで、善良とは真実のことなのか?と読み進めていた自分は、まんまと著者に乗せられた。

本作、タイトルと表紙のイラストだけで気になっており、あらすじをまったく知らずに手に取った。
まさか恋愛の、しかも婚活の話だとは思わなかった。
30代後半の婚活をする男女の生々しい大変さを、どうしてこんなに等身大に描けるのだろうと驚嘆するとともに、架と真実の傲慢さには過去に似たような覚えがあり、胸が苦しくなった。

傲慢と善良。言葉を並べられたときには対局にあるもののように感じたが、どんな人にもこれらは同居するものだな、と今なら思う。

単純な恋愛ものでもミステリでもない、我が身を振り返って考えさせてくれる良書だった。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もろに自分と重ねてて読んでて、真面目(と自分で自分のことを思う)であることは傲慢だ、とただただ否定されている感覚がして、半分くらいまで読んでいて辛くなった。他の人はどう思いながら読んでるのだろう、と思わず読者レビューを検索した。すがるように。
でも最後まで物語を見守った人たちの感想から読み取れたのは、そんなどうしようもなく真面目なたちを後ろから支える、応援しようとする姿を作者にみた人たちばかりだった。だからもう一度読み始めた。
そしたら本当に応援しているだけだった。真面目さがゆえに何が辛いのか、どうすれば辛くならないのか。たくさんたくさん考えて作られた作品だった。

自信のない時、なかなか自分では気がつきにくいけど、そのつらさはほとんど、他者と比べていることからきていると感じる。
その比較を手放して、自分の人生と正面切って向き合う時、辛さはほんのすこし、少なくなるのだと思う。


〜気付きをもらった言葉たち〜
・今考えると、アユは、現実をちゃんと見ていただけなのだ。これから先の自分の人生設計を、自分の手でちゃんと摑もうとしていた。それを「怖い」としか捉えなかったのは架の未熟さと身勝手さだ。

・その期間を彼女が待っていてくれるものと思っていたこともまた、架の傲慢だった。
アユから別れを切り出されるまで、架は一度たりともアユが自分のもとから去る可能性を考えなかった。それぐらい長く深いつきあいになったように思っていたし、家族のように思ってし甘えていた。
まだ家族ではなかったのに。
家族のように思いたいなら、家族になるべきだったのに。

〜結婚とは〜
・特別でない、と思っていた恋人だった。けれど、そもそもそんなふうに思うこと自体が傲慢であり、間違いだった。
自由気ままな恋人同士ではなく、ともに家族まで巻き込んだ社会的な関係になり、親を安心させる。あれだけ抵抗があった結婚に伴う「責任」こそが、むしろ欲しくてたまらないものに感じられるようになってくる。
かつての恋人が、これから誰かと生涯をともに過ごすというのに、自分は一生一人で過ごすのか。ひとたびそう考えると、自分の四十代、五十代、この先のことが恐ろしくてたまらなくなった。
誰かと一緒に生きたい。
自分と生きてくれる誰かと、家庭を持ちたい。
あれだけ趣味や仕事に費やす時間を尊く思えていたはずだったのに、この先いつまでこの調子で生きていくのかと思うと、一人きりで過ごす残りの人生がひどく長いものに思えた。その年月を、このまま耐えられると思えなかった。無理矢理にでもいいから、誰かに東縛や制約をされたい。そういう煩わしかったはずのものが、無性に懐かしく、欲しくなっていた。
考え方がひとつ変わると、見える景色は百八十度変わる。
これまでは子どもがいる友人たちを単に「大変そう」「自分の時間がなくなる」くらいにしか思っていなかったのが、見方が変わっただけで、その「大変だ」という話が必ずしも言葉通りなだけではなく、楽しさの代償としての惣気話のように聞こえた。

・「親御さんに言われれば、本人もおそらくはそういうものかとやる気になるのでしょうけれど、それは、恐怖や不安に突き動かされた社会的な要請によってであって、そこに本人の意思はありません。そして、そんな理由でもうまくいって結婚できるなら、私はそれでいいと思います。そうしなければ、その人たちは結婚しないでしょうから」
「そうでしょうか?」小野里の言い方が意地悪く感じて、顔を顰める。
「みんながみんな、どうしても結婚しなければならないってものでもないでしょう?
結婚したくないならそうする自由だってある。僕はたまたま結婚を考えましたけど、そうしない生き方だってあっていいわけだし」
「独身を選択するも何も、最初から、そこに本人の意思がないんです」
「真実さんを含め、親御さんに言われて婚活される方の大半は、結婚などせずに、このままずっと変わりたくない、というのが本音でしょう。三十にもなれば仕事も安定し、趣味や交友関係もそこそこ固まって、女性も男性も生活がそれなりに自分にとって居心地がいいものになりますから。けれど、そのまま、変わらないことを選択する勇気もない。婚活をしない、独身でいる、ということを選ぶ意思さえないんです」
架が絶句する。小野里が続けた。
「ですから、親に言われてでもなんでも強引に、選択しないまま、新しいステージに飛び込む方がいいんです。何も考えないまま結婚して、出産して、それでいいのではないか、と私は思います。もちろん、結婚しない生き方を自分で選択された方たちを否定するつもりもありません。それとこれとはまったく別の話なんです」
「でも、それなら、最初に紹介された相手で結婚を決めてしまいそうなものですけど。」
「今は情報が溢れているせいか、どんな方でもまずは結婚の前提として恋愛を求める傾向が強いです。自分にはこの人じゃない、ピンとこない。ードラマで見たり、話で聞く恋愛ができそうもないと、ご自分にたとえ恋愛経験が乏しくても、『この人ではない』と思ってしまう。そのうえ、皆さん、他人から理想が高いのではないかと指摘されるとたちまち否定されます。理想が高いなんてとんでもない。ただ、今回のお相形が合わなかっただけで、自分は決して高望みをしているわけではない。自分が高望みできるような人間でないことはわかっているし、と。とても謙虚な様子で、むきになられて」
でもね、と小野里が上目遣いで、試すように架を見た。
「皆さん、謙虚だし、自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いんです。傷つきたくない、変わりたくない。ー高望みするわけじゃなくて、ただ、ささやかな幸せが掘みたいだけなのに、なぜ、と。親に言われるがまま婚活したのであっても、恋愛の好みだけは従順になれない。真実さんもそうだったのではないかしら」
架は黙ったまま、小野里を見つめていた。
理想が高いんじゃないか、というのは、婚活をしている間、架もまた周りに言われ続けてきた言葉だった。そのたびに、確かに思った。高望みをしているわけじゃない。ただ、合う人と巡り合えていないのだ、と。
「・・・・・・違うんですね」「恋愛相手を探すのと、婚活は」

・現代の結婚がうまくいかない理由は、「傲慢さと善良さ』にあるような気がするんです」
「現代の日本は、目に見える身分差別はもうないですけれど、一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、皆さん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、自分がない”ということになってしまう。傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう、不思議な時代なのだと思います」
「その善良さは、過ぎれば、世間知らずとか、無知ということになるのかもしれないですね」

・「ー婚活につきまとう、『ピンとこない』って、あれ、何なんでしょうね」
「ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です」
「値段、という言い方が悪ければ、点数と言い換えてもいいかもしれません。その人が無意識に自分はいくら、何点とつけた点数に見合う相手が来なければ、人は、「ピンとこない”と言います。私の価値はこんなに低くない。もっと高い相手でなければ、私の値段とは釣り合わない」
「ささやかな幸せを望むだけ、と言いながら、皆さん、ご自分につけていらっしゃる値段は相当お高いですよ。ピンとくる、こないの感覚は、相手を鏡のようにして見る、皆さんご自身の自己評価額なんです」

・希望が「ごめんごめん」と軽い調子で架に謝る。真顔に戻った。
「母に限らず、真実もきっと自分の物語が強かったんだよ。こんな過去や好みを持った自分を理解してくれる相手、みたいなものを求めすぎて、逆に相手もそういう物語を持ってるかもしれないってことの方は疎かになる」
「小野里さんに言わせると、お見合いがうまくいかない人はみんな、自分に釣り合う相手じゃなければ納得しないし、その基準が控えめだと言いつつ、実は相当高いそうなんです。実際には相手の方が収入があったりして、ステータスが高い場合でもそう思うって、不思議なものですけど」
「じゃあ、そういう場合は相手の方が外見が悪いとか、社交下手だとか、そういうことなんじゃない?みんな、自分のパラメーターの中のいい部分でしか勝負しないんだよ。
自分の方が収入が低くても、外見が悪くても、相手より勝ってる部分にしか目が向かない。傲慢だけど、人ってそういうものじゃない?」

・皆か行くから大学に行き、親が決めたから就職し、そういうものだからと婚活する。
そこに自分の意思や希望はないのに、好みやプライドとー小さな世界の自己愛があるから、自由になれない。いつまでも苦しい。
しかし、この世の中に、「自分の意思」がある人間が果たしてどれだけいるだろう。
真実を責めることができる人間が、一体どれほどいるというのだろうか。

・架と出会っていこれで一生ひとりじゃない、と束の間、思えた時もー。
今考えたら、親に代わる依存先を私は探していたのかもしれない。
ひとりじゃ生きられないと思っていたのは、親もだけど、私もだったから。
架と出会って、ようやく自分が依存してきた親が、大きかった母たちが、意外に小さかったことを知ったのに、それでも私は、架のところを飛び出して、最初に親のところに戻ろうとした。
そこしか、行けるところがなかったから。
深く考えるより先に、まず、心と体が頼ってしまう、その罪深さ。業の深さ。
今も、何が正しいのかなんてわからない。
自分が間違っていると言われたら、そうなのかもしれない。
けれど、今は、こうも思う。
親に頼ってきた娘の自立が、次の依存先を探すことなんだとしても。
親が、子の結婚を焦るのは、自分の代わりの次の依存先を見つけてやろうとしている行為なんだとしても。
それの何がいけないのか、と開き直れるくらいには、気持ちが強くなった。
間違っていると言われてもいい。
構わない。

・これから先、大丈夫かどうかなんて、自信がない。勝手なことをしたツケはきっと、実の両親からも架の母親からも、山積みで回ってくるだろう。何かにつけ、思い出してはねちねち言われるーそんな結婚生活になるかもしれない。
だけど、それでも。
今、この人と二人で祈ることにはきっと意味があるはずだと信じたい。
この結婚に、迷って決めたこの決断に意味があるのだと思いたい。
その祈りが、少なくとも、自分の横にいるこの人に届きますように。

・本当は、これでよかったのだろうか、と望みがかなった今も、考えていた。自分が希望したことなのだから、もちろん、そんなことは口が裂けても言えないけれど。
これから先のことが、何も不安でないと言ったら、嘘になる。
「架くんは何考えてるの?」「よかったなって」
まるで真実の心を読んだように、そう言った。
「いろいろあったけど、よかったなって、思ってるよ」この人のこの、気負わない鈍感さに、夫であるけれど違う人間であることに、これから何度救われるのだろう。
顔を上げて、ああーと思う。
目の前に、海に続く広い空が広がっている。それは、どこまでもどこまでもー。
「真実」
架に呼ばれ、手を引かれる。手をつなぎ、正面を向く。そこにまた、カメラのフラッシュが光る。
架に掴まれたその手を、自分の意思で、真実もまた強く握り返した。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて"自分がない"ということになってしまう。」母の言う通りに生きて、善良に生きてた真実。しかし、結婚相手を選ぶとなるとあれがダメ、これがダメと考えてしまい結局は自分で選べない。選ぶ立場になると傲慢になる。傲慢と善良が交差する。架は傲慢に今まで生きてきて、「どうして、ビジョンある彼らは、そんな若いうちから結婚を意識したり、自分から婚活を始められたりするのだろう。ーなぜそんな若いうちからちゃんと焦ることができるのだろう。」と思うほど結婚を意識できていなかった。この2人の事件がなければ真剣に結婚も考えていなかったかもしれない。全ての物事は自分で深く考えて決めていく必要がある。周りに見せびらかすでもなく、2人で考えていくと決まった最後は最高に清々しく終わった。

「人生のビジョンは、自分で考えなければ、決して見えない。見えないままでも、親にお膳立てされたり、それがなくともただ流されるように日々を生きてしまうことはできるのだ。」

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

 婚約者の失踪という、冒頭から緊張感漲る展開。作者の筆力にもますます磨きがかかっている気がした。だが、婚約者を探しているうちに彼女の見えなかった側面が明らかになり、物語は意外な方向へ進んでゆく。
 同性として架の肩を持つわけではないが、男というのは結婚とか出産とか出世とか、何かひとつ階段を昇るたびに重荷が増えていくような気がするものだ。かく言う自分も結婚を決断するまでには架に輪をかけて時間がかかり、父が脳出血で倒れてからようやく重い腰を上げた。
 一方女性はといえば、いまの相手と上手くいっているとしても、結婚に至らなければ大誤算である。花の命は短い。だからこそ男の想像が及ばないほど焦りを感じている。出産のこともある。アユが架を待てずにさっさと見切りをつけたのも無理はない。
 「傲慢と善良の同居」という小野里の指摘は、作者の恐るべき慧眼である。もちろん、それ自体は現代に固有のものではない。真実の母が典型だろう。「娘のためを思って」という免罪符を盾に、進学・就職・結婚……事あるごとに真実から決断を奪っていく。どこにでもいるような善良な母親だが、善良という自負があるからこそここまで傲慢にもなれるのだろう。
 しかし、こうした傲慢と善良のハイブリッドは、現代においてもっと普遍的なものだ。婚活における「ピンとこない」という感覚が「自分と釣り合っていない」「自分にはもっといい相手がいる」という自己愛の投射であるという喝破には、グサリと胸を抉られた読者も多いのではないか。自分は選ぶ側であり、誰かに選ばれる側とは考えもしなかった真実のナイーヴさは、どこか心当たりがある。
 たとえば、インターネットは誰も彼もを批評家変えた。SNSで辛辣な言葉を浴びせる人たちも、決して悪人ばかりというわけではない。むしろ、普段は善良な市民なのだろう。しかし、私たちは批評することには慣れていても、批評されることにはまだ慣れていない。自分が傷つくことには敏感なのに、他人を傷つけることには鈍感だ。この素朴さは、まさに「善良と傲慢」ではないだろうか。
 この作品は「感動の恋愛小説」というラッピングこそされているものの、包装紙を剥がせば読者の中にもあるどす黒い感情を容赦なく炙り出してくる油断のならない本だ。これこそが辻村深月という作家の真骨頂である。

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2026年05月11日

ネタバレ 購入済み

著書名の意味

本のタイトルに惹かれて手にしました。
その後、映画化決定ということを知り、ちょうど読んでいる最中だった書籍を
一旦置いておいて目を通しました。

私の年代で読むには、婚活がテーマなので、かなり若い内容かと思いました。
と同時に私が若かりし頃に「お見合い叔母さま」から言われたことが痛烈に蘇り、
いつの時代も婚活は同じなんだなと思いました。
気になっていた、タイトルの意味もすぐにわかりましたし、納得出来ました。
最後は予想通り収まってしまい、少々物足りなさを感じましたが、総じて
意外性もあり、面白かったです。今どきの小説という感じがしました。

#共感する

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2024年12月17日

ネタバレ 購入済み

傲慢と善良

婚活で知り合った2人の結婚までの紆余曲折の話…と思っていたが、大人しく良い子と周りから言われていたが自分に自信も無く、、決められない人。誰でもそんな部分はあるのではないか?私もそうだし。心を取り出して曝け出されたかのような気持ちになった。ただ、真実のように失踪する程の怒りや勇気は持ってない。

#深い

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2024年03月17日

人間の本音が浮き彫りに

この作家さんの本は8割は読んでると自負してるが本当にリアルな人間模様を描くのに長けてると思う。いる!いるよ、こういう奴!とか、人が抱える矛盾とか綺麗事ではどうにもならないリアルを描き出すから刺さると思う。
が!本当に思うのが恋人やパートナーや伴侶の側に自分より遥か昔から側にいるその相手にとって恋愛対象になりうる性を持つ友人や自分とは真反対で自分をあまりよく思わなそうな人間がいるのは実に厄介だという事、分かっていたが改めて痛感した。
そういう奴らは自分達の思想や言動が善良だと何ら疑いなく動き、実に傲慢な行動に出て時には、彼、彼女の為!と未来さえ破壊しにかかる。
関わると碌な事がない。
だから何か決める時には自分達だけで。
俺も真実と同じで架の側にいるあいつらが大嫌いだよ。見当違い、権利のない嫉妬で邪魔するな。
とりあえず今までの架の追跡費用と真実の逃亡費用と式場キャンセル代は奴らが全額負担すべき。

#深い #ドロドロ #ダーク

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2024年02月22日

匿名

ネタバレ

アラサー〜30代の独身の子には勧められない本no.1 (笑)

私は多分架の女友達に近い傲慢な人間なのだと思いながら読んだ。

実際は真実のような女性とハイスペ架が結婚することってそうない。それこそストーカーされてるってウソを付くくらいしない限り。だからこそ女友達の猛反発も少し共感できてしまう(彼女たちが直接傷つけることを言ったのはダメだけど)

架がアラフォーで真実が28歳とかならあるあるは組み合わせだけれども、
それまでモテてこなかった女性が30半ばで急に大逆転ってほんとに聞いたことがないから、ラストも含めてファンタジーだし、
真実みたいな女苦手だなーと思いつつ面白かった

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2024年01月07日

ネタバレ 購入済み

恋愛小説だったのか

出だしといい失踪という展開といい、サスペンスかミステリー小説だと思って読んでいました。
「善良」と「傲慢」が、登場する人たちの中で目まぐるしく表れて…
男性視点のパートの後半は、読んでいて息苦しく嫌な気持ちになるくらいでした。
それは巻末の解説で浅井さんが指摘していたことそのもののせいだと、読了して気づきました。
それだけに、ラストは納得できないというか、主人公達を理解できませんでした。

皆さんは、どう読んでいるんでしょうか。

#深い

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2023年11月22日

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渦中

真美が嫌いな人種に、自分はどちらかと言えば近くて、陰ではこんなにも嫌われているのかと思うと怖くなった。
本の内容とは全く関係ないだろうメッセージが
自分を見直すきっかけになった。

#深い #怖い

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2023年08月18日

購入済み

偏見とプライド

水知らずのうちに人にレッテルを貼るということの意味を知れたいい作品。
優しいにもいろんな意味がある、本当の優しさなのか、憐憫からくる優しさなのか。
人との接し方を教えてくれる作品。

#深い #タメになる

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2023年06月18日

購入済み

面白かった

先が読めるようで読めません。オチは正直言って賛否ある?とは思いますが、過程は十分楽しめると思います。一つ一つの些細な描写も、あーわかるわーってことがあり、個人的には親との関係など、共感できる部分がありました。全ての悩みに答える!と謳われてしまうとハードルが上がりますが、そこはさて置き読めば楽しめます

#ドキドキハラハラ

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2023年01月31日

Posted by ブクログ

評判通り解像度高く人間を書いていた。
その分ちょっとしつこいと思うような書き方のように感じた。
多少思うところはあったが、自分にはあまり響かなかった。

共感したのはマッチングアプリとかでピンとこないのが何人も続くと結構辛いということ笑

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

言語化がとても上手だと思いました。
世間でよく言われる"ピンとこない"が何なのか、周りが結婚していく中での焦り、不安、家族や友達との関係性。
忠実かつ詳細すぎるほど言語化されており、共感や納得する反面、設定に少しリアリティを感じられない部分もあり、その間を自分で埋めながら読むのが難しい小説でした。
ただ、この小説を読んで、現代の恋愛、婚活に対する自分の姿勢を冷静に捉え直すことができるし、さらに言えば人間の感情を言語化しやすくなったのではないかなと思います。少なくとも、傲慢さと善良さについては。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

「傲慢さ」は恋人関係だけで無く
親子、友人、他人、至る所で現れる
人間だけが持つ感情。
表に出る場合もあれば、
心の中でチラッと顔を覗かせる事もある。

登場する人物達の傲慢と善良が
くるくる裏表変わる。

解説で朝井リョウさんがこの小説は
ヘビーなのであるー。
誰かを「選ぶ」とき、私たちの身に起き
いることを極限まで解像度を高めて
描写することを主題しているからだ。

本当…そこまで書いちゃう?
大抵の人がオブラートに包むか
知らんぷりする気持ちを
中の中の中まで掘った中身が
読める作品でした。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

「傲慢」「善良」という言葉の意味を具体例を通して学べた。
自分が善良としていることも、傍から見れば傲慢なこと。
自分も考え方を改めるきっかけになった。
みんなそれぞれが狭い常識の中で生きているからこそ、相手と理解し合うことは難しいし、言葉にして伝えなくちゃいけないと感じた。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ


個人的に好きじゃないけど、辻村さんの凄さがわかる本だった。言葉にできていない現象を見事に言語化していて圧巻ではあるが、それを表現するのが決まって登場人物の誰かが説明したり説教したりで、読んでいて疲れた。なんだろう。ストーリー的にも考えられた作品ということはわかるんだけど、それ以上に言語化した部分を前面的に押し出していて、作品として美しくはないと思った。ただ、世間から評価されているのも分かるし、すごい作品だとは思う

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2026年05月08日

匿名

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共感度や納得度は別として、何となくの感情が言語化されていて面白かった。

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2023年11月29日

ネタバレ 購入済み

あんまりかも。

オチが早い段階で分かる人には、あんまりかも。と思いました。
作者の世界観のリアルな女性像があまりにも簡易的すぎて、本当はもっと女性ってややこしいのになーって感じです。

#タメになる

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2023年05月27日

匿名

ネタバレ

微妙

微妙というか全くつまらなかった。
唯一主人公のみがまともな人間で、真実とスーパー過保護な母は読んでてイライラした。
真実は結局のところ自立できていないまま終わり、終盤に浮気の雰囲気もなぜか出てきて意味不明。
半年もの間、身近な人間に迷惑をかけた自覚があるのだろうか?

なんでここまで本の評価が高いのか微塵も理解できなかった。
やたら長い割に「え?それで?」という結末なのでガッカリ。

本を一言で言うと「傲慢=恋愛の理想を求める自分の欲望」「善良=自分を愛するあまり性経験の少ない状態」のこと。
主人公は傲慢で善良。笑
解説は良かった。

#ドロドロ

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2023年03月03日

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