あらすじ
婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ》
「人生で一番刺さった小説」との声、続出! 恋愛だけではなく、生きていく上でのさまざまな痛み、あらゆる悩みに答えてくれる物語。
主人公・西沢架は、いつも通り帰宅した自宅に、同棲中で家にいるはずの婚約者・坂庭真実がいないことに気付く。突如失踪した真実の手がかりを探すべく、架は真実の過去と向き合うこととなる。浮かび上がる現代社会の生きづらさと、徐々に明かされていく失踪の理由からは目が離せない。
本作の見どころは、なんと言っても描写の細やかさです。作家の朝井リョウさんによる巻末の解説の中でも触れられているように、この作品では「何か」「誰か」を選ぶときに私たちに起こっていることを主題としています。"選ぶ"という行為の中でどういったことが起きているのかを細部まで描写することで、私たち読者の心に何かしらひっかかるものを与えてくれます。
もちろんすべての人におすすめですが、人間を傲慢と善良の2種類に分けたとして、自分はどちらかというと善良側の人間だという人にこそ是非読んでいただきたい1冊です。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
婚活を題材にした恋愛小説と思いきや、人間の内にある、誰にでもあるだろう、本人が気づかない「傲慢」「善良」という、相反する感覚をあぶり出していると思った。特に朝井リョウの文庫解説が素晴らしい。これがあることで、より、本の内容の解像度が上がったと思う。
Posted by ブクログ
これぞ求めてた恋愛小説という気がした。朝井リョウが才能だけ見せつけて去っていったのが可笑しかった。暗い部分も含めてお互いの内面を摩擦しあって受け入れる、それが愛するってことなんだなと月並みな再認識をした。傲慢と善良というタイトルは人の内面のねじれの位置みたいなものを上手く表していると思う。優しさと卑怯さは同居するということだ。主体性は傲慢を孕み、善良は被害者意識を育てる。姉の希実が自由に生きながらも母と同じように真実を信じず甘やかしている様子はまさに傲慢と善良が同居してる図だと思った。俺も大恋愛したい(泣)
Posted by ブクログ
主人公たちの年齢は今の自分とは少し離れているけれど、共感できる部分が多かった。
久しぶりにじっくりと物語に浸り、最後まで結末が予想できず、夢中になって読み進めた。
お互いが胸の内に溜め込んでいた本音を知り、それも含めて惹かれ合っていく姿に、これが愛なんだなと感じた。
『傲慢と善良』。まさにこの言葉でしか表せない物語だと思う。
善良に生きようとしながらも、知らず知らずのうちに傲慢になっている。登場人物のそんな一面が自分自身とも重なり、考えさせられることが多かった。
自分の中にある傲慢さにも気づかされる、面白い一冊だった。
Posted by ブクログ
結婚・恋愛を通して自分自身をどんな風に見つめるかというのを、自己愛から来る「傲慢」といい子だがそれゆえに選択する力が弱い「善良」の二つをキーワードとしながら描いていく物語。じっくりと自省しながらページをめくっていき、最後にはとても深い感動とともに、自分が家族に対して持っている気持ちを改めて客観的に眺め、これを大切にしていこうと思わせてくれた素晴らしい本。
Posted by ブクログ
まず、辻村先生の文章はストレスなくスルスル頭に入るのであっという間に読んでしまう。
恋愛ミステリーかと思いきや、めちゃめちゃリアルな婚活ホラー(?)かと思いきや、恋愛ドラマだった。心臓がギュッとなるシーンもあった。特に「ピンとこない」のエピソードにはハッとさせられ自省。
真実の視点になってから(特に400ページ以降)は思いがけない展開で、最後まで夢中になってページを捲った。面白かった!
(作品内で繰り返し「傲慢」と「善良」というワードが刷り込むように繰り返されるのには少し辟易とした。そこまで強調しなくても、読書は受け取れるはず)
Posted by ブクログ
ジャンルとしては、恋愛×ミステリーという感じ。
無意識に他者を評価し、おまけに婚約者に微妙な点数をつける翔においおい…と最初は思っていたが、全くもって他人事ではなく、きっと誰しもがその傲慢さを無意識に持っていると認識させられ、不思議な感覚になった。
また、真実が善良に至った過程を紐解く場面の、田舎特有の閉塞感というか、世界が自分たちの知る範囲で完結している雰囲気がリアルすぎてびっくりした。
自分の地元でも、中堅高校から旧帝大に進学した人と、1番手の高校からMARCHに進学した人とでは、圧倒的に後者の方が評価されているし、大企業で働くよりも地銀や市役所で働く方が親戚内での評価も高い。
内容が面白いというよりかは、今まで自分が生きてきて、何となく分かっているものの言語化できなかった感情や状況を完璧なまでに言語化し、説明され、衝撃を受けた作品だった。
Posted by ブクログ
人はみな、傲慢な要素、善良な要素、とらえによっては、二面性をもつものなんだなあと、朝井リョウさんの解説を読んでなるほどと思った。架と別れてすぐ結婚したアユも、捉えによってはそうなんだーと、感心した。
最後、架が、70点評価の真美さんと再度プロポーズしたこと。んん。別に色々悩んで真美さんへの想い、100点に昇華して再度プロポーズしたわけでもないのに、妥協の終着駅っぽくてなんかハッピーエンドに思えなかったし、
真美さん、架をいっそ殺そうかと思ったくらい憎んだこともあったのに、久々に会ってプロポーズされると、鈍感力ある優しさに感心して、結局、架に依存して受け入れて、おまけに過去のしがらみある人と関わり投げ捨てて2人で結婚式。なんだかなあ。
突然号泣しました
石母田のおばあちゃんの「あんだら、大恋愛なんだな」に突然どばっと涙が込み上げました。渦中にいる人同士はわからんけど、確かにそうだと。
そして最初は架が主導権を取っていたようなこの恋愛が最後は真実の方がどちらかといえば主体になっていて、ちゃんと対等に立てているのが羨ましいような気持ちになり、こんなお似合いの夫婦はないだろうと、心から2人を祝福したくなりました。
この先の人生、子供や親戚、友人付き合い、いろんな事が起きてもきっと、自分たち夫婦の軸を大事にして生きていけるのだろうと思えました。
架も真実も最高のタイミングで出会いをして、偶然を積み重ね、そして真実の嘘も失踪も2人の恋愛には必要なイベントだったのだと思います。
この夫婦も10年後には同じように思うのではないかと思います。架も真実も恋愛だけでなく人として成長した。自分というものを見つめ直せた、こんな最愛の相手はいないだろうと。
架は、婚活に疲れ果ててまたゼロから探すのが億劫だったから別の相手を探さなかったわけではなく真実がよかったんですよね?
彼女の本当の姿の中に自分がひかれるもの、見えたもの、そしてそれらを丸ごと愛する思いが芽生えたから、彼女を好きだと言ったんですよね?
そこだけもう一度読み直してみたいと思います。
選ぶという事は、自分に見合うかどうか価値をつけている、やたら自分の評価だけは高い、など人が普段隠しているもしくは無意識にやっているような、心の深いところまで掘り下げた、剥き出しに描写したすごい作品だなぁと感じました。
Posted by ブクログ
前半、架が真実が失踪した理由(ストーカー)を探すべく、色々な人に掛け合って話を聞いていた。
その期間、そのストーリーに長いと感じてしまう点もあったが、その分架の必死さや苦労が見えてきた。
架の女友達に話を聞いた時は自分自身かなりムカついていたが、架自身が結論を出した時、感嘆した。
浅井りょうの解説を読み、確かに心理描写が事細かく表現されて、自分と重なる部分もでてきたりして、読んでる際は何も気に留めず進めていたが、改めて考えるとかなり丁寧に表現されていたんだと凄く奥深さを感じた。
Posted by ブクログ
何から書いたらいいか、、
とりあえず色々自分が真実に似すぎていて、美奈子のことは本当に嫌いです、、
問題の日の2人のすれ違いはかつての自分達に重なるものがあったし、やっぱり繊細すぎる人間と鈍感すぎる人間は合わないのではないかと思いつつも男性は大方鈍感なものなのであれば受け入れていくしかないのかとも思うし難しい
彼らはゴールインで合ってたのかやっぱり疑問
ここが自分と同じ
私がいかにいろいろ気にして、傷ついて生きてきたのかを、全部話さないと、聞いてもらわないと、と思う。そうじゃないと、フェアじゃない気がする。架に、全部聞いてもらって、それでも私でいい、と言ってほしい。
著書名の意味
本のタイトルに惹かれて手にしました。
その後、映画化決定ということを知り、ちょうど読んでいる最中だった書籍を
一旦置いておいて目を通しました。
私の年代で読むには、婚活がテーマなので、かなり若い内容かと思いました。
と同時に私が若かりし頃に「お見合い叔母さま」から言われたことが痛烈に蘇り、
いつの時代も婚活は同じなんだなと思いました。
気になっていた、タイトルの意味もすぐにわかりましたし、納得出来ました。
最後は予想通り収まってしまい、少々物足りなさを感じましたが、総じて
意外性もあり、面白かったです。今どきの小説という感じがしました。
傲慢と善良
婚活で知り合った2人の結婚までの紆余曲折の話…と思っていたが、大人しく良い子と周りから言われていたが自分に自信も無く、、決められない人。誰でもそんな部分はあるのではないか?私もそうだし。心を取り出して曝け出されたかのような気持ちになった。ただ、真実のように失踪する程の怒りや勇気は持ってない。
匿名
アラサー〜30代の独身の子には勧められない本no.1 (笑)
私は多分架の女友達に近い傲慢な人間なのだと思いながら読んだ。
実際は真実のような女性とハイスペ架が結婚することってそうない。それこそストーカーされてるってウソを付くくらいしない限り。だからこそ女友達の猛反発も少し共感できてしまう(彼女たちが直接傷つけることを言ったのはダメだけど)
架がアラフォーで真実が28歳とかならあるあるは組み合わせだけれども、
それまでモテてこなかった女性が30半ばで急に大逆転ってほんとに聞いたことがないから、ラストも含めてファンタジーだし、
真実みたいな女苦手だなーと思いつつ面白かった
恋愛小説だったのか
出だしといい失踪という展開といい、サスペンスかミステリー小説だと思って読んでいました。
「善良」と「傲慢」が、登場する人たちの中で目まぐるしく表れて…
男性視点のパートの後半は、読んでいて息苦しく嫌な気持ちになるくらいでした。
それは巻末の解説で浅井さんが指摘していたことそのもののせいだと、読了して気づきました。
それだけに、ラストは納得できないというか、主人公達を理解できませんでした。
皆さんは、どう読んでいるんでしょうか。
Posted by ブクログ
非常に引力の強い小説。
解説にて朝井リョウも綴っているが、人間心理の解体と掘り下げの緻密さゆえに、最後まであらゆる解像度が高い。
晩婚化している現代の恋愛を通して、本作のタイトルにある『傲慢と善良』について語られている。
第1章は、西澤架(39)→坂庭真実(35)の視点で、マチアプで出会った婚約者の唐突な失踪を追う。真実はどうやら前橋在住時のストーカーに付き纏われていて、そいつが怪しい。真実の実家や姉妹、結婚相談所、かつてお見合いした男性2名に旧友まで当たり、鍵を掴んだのは意外にも架側の旧友の発言。
「ストーカーなんて嘘、まさか本気で信じてないよね?」
箱入り娘で善良な人間に見えていた真実の姿は、架の目線を通して、読者共々印象がひっくり返る。
第2章は、真実の視点で失踪前〜失踪中の真相が語られる。ストーカーは、架を試す虚言。架と仲良くしている派手な女友達が真実は大嫌いだった。自己評価は低いのに自己愛は強く、善良でありながら傲慢な思考。かつてお見合いした男性のひとりが被災地でボランティアをしながら寝泊まりしていたエピソードを思い出し、仙台へ行って出会った、色々な過去を抱えた人との出会い。両親、特に母に対する様々な感情と、失踪した先で自分を見つめ直す中での気づき。
結局、「大恋愛」の果てに2人は結婚する。双方がそれぞれに自分と見つめ合い、周囲を見回し、2人の問題として2人だけで結婚式を挙げる、とても近代的な集結。
あんまりかも。
オチが早い段階で分かる人には、あんまりかも。と思いました。
作者の世界観のリアルな女性像があまりにも簡易的すぎて、本当はもっと女性ってややこしいのになーって感じです。
匿名
微妙
微妙というか全くつまらなかった。
唯一主人公のみがまともな人間で、真実とスーパー過保護な母は読んでてイライラした。
真実は結局のところ自立できていないまま終わり、終盤に浮気の雰囲気もなぜか出てきて意味不明。
半年もの間、身近な人間に迷惑をかけた自覚があるのだろうか?
なんでここまで本の評価が高いのか微塵も理解できなかった。
やたら長い割に「え?それで?」という結末なのでガッカリ。
本を一言で言うと「傲慢=恋愛の理想を求める自分の欲望」「善良=自分を愛するあまり性経験の少ない状態」のこと。
主人公は傲慢で善良。笑
解説は良かった。