【感想・ネタバレ】世界99 上のレビュー

あらすじ

小説というものの輪郭が、いわば地球を覗く窓の形が、本書によりまた大きく更新されました。
それはつまり、この本の中で初めて寛げる人がいるということです。
救済と爆弾は同じ姿で在れるのだと気付かされました。
朝井リョウさん(作家)

本当は貴方もわかっていたんだろう? と迫る声が脳内に鳴り響く。
熱に浮かされるようにページを捲る手が止まらない。
これは本型ワクチン。
世界99に誘われ、もう元いた場所へは戻れない。
宇垣美里さん(フリーアナウンサー・俳優)

足元の地面がふいになくなり、
正常と異常の境目が消え失せ、目眩がする。
人間という生き物の滑稽さ、グロテスクさ、美しさ、不思議さが、
この本の中にすべて詰まっている。
岸本佐知子さん(翻訳家)

空子がこの世界で体に蓄積する小さな暴力の音とか、風とか、どれも僕の心に刻まれていきました。
物語で一緒に過ごせた時間は、僕の宝です。
ロバート キャンベルさん(日本文学研究者)


この世はすべて、世界に媚びるための祭り。

性格のない人間・如月空子。
彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。
空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。
ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。
当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。

3年以上にわたる著者初の長期連載がついに書籍化。
村田沙耶香の現時点の全てが詰め込まれた、全世界待望のディストピア大長編!

【著者略歴】
村田沙耶香 (むらた・さやか)
1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。

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Posted by ブクログ

読書前後で世界の見え方がこんなに変わるなんて!びっくりさせられる本です。上手く言語化できないけど、人生を俯瞰してみた時に、たしかにそうだよな。と思わされるフレーズが多々あった。呼応とトレース、すごく心に刺さった。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

読みはじめてすぐに引き込まれ上下巻一気読みしました
長編なので下巻を一緒に買うか悩んだけど買っておいて良かったです
村田沙耶香ワールドを煮詰めてドロドロにしまくったようなクレイジー沙耶香全開でした
ディストピア系はあまり読んだことがなかったけどこれは読みやすかったです

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分が人間ロボットだったら。自分以外もみんな人間ロボットだったら。誰が人間を始めたのだろうか。私たち全員が互いをトレースしているとしたら、最初に人間を始めたのは誰なのだろうか。私だけが人間ロボットなのだろうか。

私は思わず笑ってしまった。私達はこの瞬間、全員がそれぞれの世界に媚びていた。これは世界に媚びるための祭りなのだった。

いやいや、いやいや、世界凄すぎて。スゴすぎてずっと読んでました。

いつの間にか、私はきちんと世界に教育されていた。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

気持ち悪い、不快、おぞましい、怖い…と思いながらもずっと読み進めてしまう謎の力を持った本。こんな不愉快な将来は嫌だと思いつつも、あり得るとも思うし、今すでにこんな感じになっている気もする。

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2026年01月20日

Posted by ブクログ

誰でも「私」はひとりじゃないと思う。
会社にいる時の私、友人と会う時の私、恋人といる時の私、きっとその時々で違う私を見せて、相手の望む私でいる。それがきっと求められている。
でもこんな極端にできる主人公と、私に求めすぎる世界。
果たしてその先には一体何が待っているのだろう。
下巻が楽しみ。

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

小説では、嘘みたいに目を背けたくなるような醜悪な世界が描かれているのに、実際SNSを見ているとリアルに存在する。
そんな世界に生きる人間が怖くなる。

この世界の人があまりにも醜くて怖い、でも物語から脱して現実世界に戻っても実は同じと気付かされる。そこに絶望する。
その繰り返しで読み進めるのがとてもとても苦しかった。

村田さんの本を読むのはコンビニ人間に続き二作目となるが、圧倒的に異質な存在を主人公に据えて世界を眺めたときに、最初は主人公の異質さに気を取られて気づかないけど、世界の方が随分と歪んでることに徐々に気付かされる。

下巻も気合いを入れて読みたいと思います!

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

石原千秋氏が『村上春樹の読みかた』で提唱した「二人の村上春樹」という視点を補助線に、本書を「二人の村田沙耶香」がせめぎ合う物語として読んでいる。

上巻を読み終えて抱くのは、強烈な違和感だ。混沌としているはずの子供の心理が、あまりに理路整然と、冷徹に分析され、言語化されている。瞬時の判断で困難を乗り切るその様子は、作中で「賢くない」とされる設定と矛盾し、伊坂幸太郎作品のキャラクターにも通じる寓話的な不気味さを放っている。

だが、この矛盾こそが村田氏の「作戦」ではないか。本音を封じ、生き残るための「術」だけを磨かざるを得なかった子供の末路――内面を大人のシステムに侵食され、思考回路まで「翻訳」されてしまった姿が、この理路整然とした語り口に現れているように思える。

物語終盤、主人公は自分を取り戻せそうな出会いを経験する。この違和感が下巻で「人間賛歌」へと昇華されるのか、それともさらなる「世界のバグ」へ飲み込まれていくのか。石原氏の言う「読みやすさという罠」の先にある真実を確かめるため、一気に下巻へ進みたい。

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

高熱が出てる時に見る悪夢の様な、終わりの見えない世界観。怖さではなく、理解できないものに対する気持ち悪さ。
ちょっと体調が悪いときの寝る前に読むと、読後の感覚が夢に出てきそう。

自分の意志は伝わらないのに世界はどんどん進んで行くような感覚。

誰もが持っているであろう多面性を、これでもかと言う解像度の高さで突きつけてくる。

主人公が1番異常なはずのに、他の登場人物みんなが異常な面を持ちすぎてて主人公が何故か1番まともに見えてくる。

一体この物語はどこに向かっていくのかという衝動でページをめくる手が止まらない。

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2026年01月15日

Posted by ブクログ

ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』じゃないが、一つの世界、一つの時代精神をまるごと再現しようとする小説。2026年も早々だが、今年ベスト級の本になる予感がする。

僕自身の感想はもちろん山ほどあるが、それを書くのが怖くなるほどに、読む人ごとにこの本の読み方は違うのだろうなと感じた。不用意な感想でも書こうもんなら、僕が世界マル何番の住人なのか透けてしまいそうだ。

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2026年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

飽きが来なかったという点で⭐︎5
中盤で飽きるということがなかった

ただ、ミステリーのような、怖いもの見たさの好奇心で読めてしまったような、これを好奇心と思う自分を後ろめたくなるような物語

主人公は、人間関係をグルーピングして役割を持たせて、自分をそれに合わせるようなコミュニケーションを無意識にしていた。次第に、それぞれの世界の自分を客観視するようになる。
一方、ペットのような立場の、ピョコルンが、生殖能力を持つようになる。それが実は、リサイクル人間だった(最後)

下巻は、この調子でどういう方向に話が向くのか。

予想外の流れしかないです。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

なんかすごいものを読んでいる感じだった。
「世界99」ってそういうことだったのかとやっと気づいて、最後は急展開。この先どうなっていくのだろう。

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2026年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こんなにもリアルでグロテスクで気持ちの悪い話はない。読んでいて本当に吐きそうになるくらいに酷い現実。
空子は自分を、コミュニティによって使い分けていて、それぞれに世界を持っている。幼少期から歪んだ性格、自己肯定感は低い。けど、生き抜くために周りが望むキャラを作り変身して、周りを気持ちよくすることを得意としている。
そして、この話の肝となるのが、ピョコルンとラロロリン人。ピョコルンがはじめはペットだったが、それが徐々に性的な存在になり、人々の人生に入り込んでいく。物語初めからなんとなく違和感があって気持ち悪さもすごいから、何かあるだろうと思ったら、実は人間のリサイクルだったという謎技術。
人は生きている世界によって何を信じて、何を大切にするか全く異なる。そしてそれは自分自身もそうで、ある集団では、ある人の悪口で盛り上がらなければならないみたいな世界を実感している。そういう時に自分は素直にその世界に溶け込めず、だいたい黙る。つまらないと思う。自分の中の世界99がなんでこんなことしているのかな、早く終わらないかなと言っている。
最終的に思うのは、このグロテスクで吐き気のする物語は現代の自分の話。そしてそれを少し誇張しているにすぎない。
自分の年齢と近い空子の話もあり、本当に自分の話かと錯覚する時があって、これを書いたのは本当にすごいと思った。
下巻はさらに年齢が進んでいく。そして、世界はすべに崩壊し始めている。最後はどんな世界になるんだろう。たぶん、あまり変わらず結局繰り返しているというオチかな。
400ページ長いなと思っていたが、3日で読み終えた。今の所間違いなく今年一番の本。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

面白いけど気持ち悪い
本読んでて気持ち悪いって何かと思ってたけどこう言うことか
分厚くて長くて読み応えがすごい分
じぶんの読解力が全然足りて無くてキャパいっぱいだけど続きが気になって読み進めてる感じ
何もない主人公が気持ち悪い
ピョコルンがキモちわるい

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

空っぽでいいんだ、空っぽなのは自分だけじゃないんだ、と救われた気持ちになった。
そうとは認識していなかったが、私も母親を搾取して、面倒な家事・育児を押し付け、自分が楽をしようとする苛めに加担していた。父は残業まみれで土日も働いていたが、それはそれで脳死して働いていればいいからある種楽だったのかもしれない、会社に搾取されたいたが。母は、家事育児全般をを専業主婦が当然やるものという価値観の中で搾取されていたのだが、私はそれに無自覚で、母親なら子供を愛してすべてあれこれやってくれるのがあたりまえっしょ、と思っていた。
もちろん現実的には、子供が小学生ぐらいの年齢になって手がかからなくなると手が空いたり、親が老人ホームでも入ってくれれば手がかからないが、そうでないケースは地獄を見続ける。性欲のはけ口まで担うとしたらホンマに奴隷として搾取されたもんやな。
所属するコミュニティーによって、自分のキャラを使い分ける感じもあるし、そのコミュニティーの自分のキャラクターって、そのコミュニティーに合わせたものになるので、自分が空っぽだなぁと思う感覚も言語化されて良かった、私、ほんと空っぽなんよなぁ。というか、自分の意見なんてなくて、自分の意見だと思っても、実はそれって誰かが言ってたことの影響を受けてたり、誰かの言ってることそのままだったりするので、そういう意味でも人間は空っぽで、人間マシーンなんだよな。
命がけの出産も今は生物学的に女性が担っているが、ぴょこるんではなくとも、女性の子宮を使って出産しなくてもよい未来が来た場合、今ある価値観は覆される。
母親を搾取してきたのではないか?という芯を喰った指摘に、この本は妻には読まれてはならない、と思った。知らなくてもいいこともある。私が楽をするために。

刺さった言葉たち。

P200 白藤さん、とっても楽しそう。そうだよね。人を救うってすごく気持ちいいもんなぁ、と私は思った。
P94 「あのね、だから、私に意志なんてないのよ。危険を回避して、安全に生きていくこと。誰とも摩擦を起こさず、ただただ楽に生き延びること。私、それだけなの。ただそれだけの生き物なの。でも、本当はみんな、そうなんでしょう?」
P86 「夢」はきらきらした麻酔のようで、それがあるとたくさんの現実が麻痺するみたいだ。

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2026年01月08日

Posted by ブクログ

想像力の安全圏を軽々と踏み越えてくる、とてつもない作品だった。理解しようとするほど思考が追いつかず、読者はただ頁をめくることしか許されない。物語を読むというより、異常な世界に放り込まれる体験に近い。

「性格のない人間」という設定の時点で共感は不可能なはずなのに、空子はあらゆる人間を俯瞰し、内情を正確に言語化し、相手に最適化された応答を返す。
その異様な完成度に惹かれつつ、これは他者の心を完全に理解したいという自分自身の欲望の投影なのだと気づかされる。

人は誰しも、属するコミュニティごとに性格を変え、感情を調整し、適応のために自分を削って生きている。空子の存在は、その行為を極限まで突き詰めた結果として提示されているように思えた。

空子自身は、呼応とトレースを繰り返すしか生きられない自分を早々に受け入れ、むしろ特別性として享受している。
しかし、無数のキャラクターを生きるうちに、確かに「孤独」が立ち上がる。その瞬間、救われてほしいと願う気持ちと、同時に絶対になりたくない人生だという拒否感が押し寄せる。

幸福に辿り着けない構造の中で、女性としての尊厳すら侵食されていく空子に対し、ピョコルンという存在が秩序維持装置のように機能する展開は、弱肉強食の世界観を強烈に印象づける。

これほど既成概念を破壊してくる物語でありながら、舞台はあくまで日常で、人間が抱える嫉妬、妬み、苦しみ、性への衝動が淡々と描かれているだけ、という事実がむしろ恐ろしい。

フェミニズムをめぐる描写には強烈な村田沙耶香節が炸裂する。目を背けたくなる不快さと、現実にも確かに存在するという諦観。その気持ち悪さに強く共感してしまうことで、これは個人の偏見ではないのだと確認させられる。

息継ぎも余白もないまま、上巻は目眩く展開で終わる。この世界がどこへ向かうのか、下巻を読まずにはいられない強烈な引力だけが残った。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

どの自分が本当の自分だろうとずっと考えていた。
結局どれも自分なんだと納得していたけれど、
これが自分!と決め切れるほどの知識や、そもそもの探究心がないのだ。

ワキガ、在日外国(朝鮮・中国)人、AI、不妊治療やクローン?、参政党
色々思い浮かぶ

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2026年01月26日

Posted by ブクログ

基本、本は前情報無しで読むのだけれど、マジでこれ、私は何読まされてんの?という感じで始まりました。ずーと薄気味悪い。でもどこか知ってる世界。

まさにクレイジー沙耶香。

理解し難いけれども、どこか読み進めさせられるのは、そこに重なる世界を私も知っているから。そしてその世界に少なからずうんざりしているから。色んな人種や性格をカテゴライズして、そこに対して強烈な皮肉を主人公を通じて伝えてると読んだけど、主軸となるピョコルンとラロロリンキャリアが現代の何を指してるのか明確な答えが自分の中で出なくて気持ち悪い。主軸なのに。

やっぱり、エイヤーワイヤーとかクナシスとか、そーゆー感覚になりたいと思った。あっ、上2つの言葉は私の造語で全く意味はないから。

後半読む元気あるかなーーー

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2026年01月25日

Posted by ブクログ

村田作品は怖い。差別も搾取も、場に呼応して機械的な反応で呼応することも現実に経験がある私たちに、それらの行く末を高い明度で生々しく差し出してくる。その明度の高さ、生々しさが怖い。読者に問いかけつつ、抗うことが哀れまれる世界のリアルさを描く。本当に怖い。
ただ、村田作品、怖いけどいかにも鬱々とはしておらず、明度高く一見朗らかな印象さえ受けるので、ぞわぞわするのに読みやすくて、その巧さも怖い! 『世界99』も引き込まれて一気に読んだけれど、青空の下のラストが晴れ晴れしてるからこそぞわぞわして、読後感がもう…本当な怖い。元気な時しか読めない作品、作家である。上下2巻。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

下巻を読んでからまとめて書こうと思ったけど、上巻を読んだ後と下巻を読んだ後、全然感じることが違った、、。
空子の呼応は、直前に読んだ「生殖記」の尚成の擬態に近しいものを感じた。
自分もコミュニティによって振る舞い方が変わるけど、本当の自分はどれと言われたら分からない。
物語の世界は少し歪に感じるのに、どこか現代社会と同じものを感じる部分があって、共感せざるを得ないのが不快で、それでも物語に希望を感じたくて読むのを止めることはできなかった。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

他人に迎合しながら生きている人が多数だと思うけど、それは他人に良く思われたいとか他人から嫌われたくないといった感情から起こされるものと自分は認識している。
空子に関していえば自分の感情がないとは言うけど、相手をトレースしてそれぞれの人に対してどう立ち回れば良いか理解しているわけだからそれは実はすごい武器なのではないかと思う。俺みたいな自尊心が低い人や自信がない人は相手に迎合した方が楽に生きられたりするから少し羨ましかったりする。
それにしてもピョコルンに隠された真実が世界を一つにするとは。この中々に狂った世界観をどうやったら思いつくのだろう。これからどうなっていくのか続編を楽しみにしている。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

読んでいて苦しくてどうしようかと思った!!
でも読み進めてしまう!
苦しくて、辛いと思う内容が実際に起きていることだから考えもんだ男女平等って難しいな
主人公みたいに他の人をトレースして生きていけば誰とも揉めずに生きていけそう、器用だなとも思う反面、苦しいかなとも思う

下が気になりすぎて仕方ない‼

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

呼応とトレースは高3の時にすごく悩んで年上の人に相談してもそんなものだと言われてしまうものだった。だからこの本を読んで、救われる部分があった。そして、レビューを読みながら色んな人が共感できることであるということが知れたのが何よりよかった。

新しくできた心許せると思った彼氏が世界99の人でありますように。

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2026年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みながらずっと「気持ち悪いのに等身大でこれは私たち全員にとっての物語で、嫌すぎる」と思っていて、読み終わった後も改めてうわ嫌すぎる と思いました。
ピョコルンとかラロロリンとかとにかくネーミングがポップだし、ファンタジー文脈で現代を皮肉る感じなのかなあと悠長に構えていたら、いやそうなのかもしれないんですが、どの「世界」もリアリティがありすぎてずっと嫌でした。
空子はどの世界にも軸足を置いていない世界99がアイデンティティの人だから、各自の世界を壊された人にとっては光り輝いて見えたからラストシーンで殺到したのかも。でも、それって、皆薄々、それぞれの基準で、空子が世界99の人なんだろうなって分かってたってことで。そうなると本当に普遍的な話だな、となって、また嫌だなあ…になりました
そしてp16であった「「自分より自分」である人間に出会ったとき、多くの人間がこうして陶酔するのだった。」が、空子は小早川さんに対してそれになってるし。あーーー(以下略)

ずっと嫌だと言ってるんですが、それでもページを捲る手が止まらず、駆り立てられるように続きを読んでしまう、そんな力のある作品だなと思いました。下巻も必ず読みます、どんな「嫌さ」と対面させられるのかをとても楽しみにしています……

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2026年01月11日

Posted by ブクログ

属する組織や相手によって、たぶん誰もが大なり小なり自分のキャラを変えて接する事はあると個人的には思う。
それをこの壮大なストーリーにバラして再構築し組み込む村田沙耶香は恐ろしい。

ピョコルン
ラロロリン人
響きだけだと可愛く牧歌的なものを想像してしまう。
このネーミングセンスも凄いわ

人間の賞味期限と使用期限
ゾクッとするほど心理と社会構造を突いた表現が的確すぎて恐怖を覚えるほど

評価で☆5をつけたかったけど、まだ下巻未読のためとりあえず4で

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2026年01月09日

Posted by ブクログ

主人公が生存戦略として愛とか理想とか抽象的なものを自分のモノとして考えることなく、如何に置かれた状況下で自らの弱さを出さずに生きる術を相手や周りの人間たちに同調し(トレース?)、そのたびに異なるアカウントを使用するようにキャラ変する人間は程度の違いはあれ一定の割合存在する。
それを自覚的に(世界99の視点)コントロールするというのが主人公。
恐らくこんな自覚は多くの人間が立場や役割に応じてそれに応じたペルソナを持つのは人間の成熟する過程で避けがたいことではないか?
むしろペルソナを使いこなせず、自らのモラルを確立していかない主人公に精神的な崩壊の予兆を感じた。
主人公が幼い頃から同性である母親を最下位の存在として利用しまくる精神構造に吐き気を感じる。
そこに女性蔑視以上の狡猾で打算のみが支配する人間蔑視を感じる。
第2部から未成熟な主人公が主人公以上に自覚的にペルソナを使う人間に出会い同調されることで主人公の依存心理が働きだすことに崩壊の萌芽を見た。
著者の作品は「コンビニ人間」で自らをマニュアルのしもべとなる危うさを感じたが、本作ではそれがスケールアップしていることに驚いた。
ただ相変わらず狭い世界観(せいぜい若い女性目線)をベースにしていていることが物足りないところではある。

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2026年01月26日

Posted by ブクログ

不快に感じるありとあらゆる要素を詰め込んである。自分が何を嫌だと思うのか確認するためにこの人の本を読んでいるような気もしてしまう。
ペルソナを使い分けたり、空気を読んで発言する感覚はもちろん誰しも持っているはずだ。でもそれを何百倍にも増幅して、過激にしたら、こんな世界になる....のだろうか?
とにかく、ものすごい。こんなに気持ちの悪い本は読んだことがない。続きも読まないと。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

とんでもないものを読んでしまった。あらすじから想像した話と全然違うやないかい!笑
人間は誰でも場面や環境によって色んな顔を使い分けているが、それがかなり極端な主人公を軸に、人間の邪悪をこれでもかと足して進んでいくディストピア小説。現実ではないが、確実に現実に起こっている事ばかりで、特に女性は大なり小なり感じたことのある嫌悪感やしんどさがリアルに表現されていると思う。
もう一回読みたくないが、上の最後に急展開で、どうなるのか先が全く読めない!続きが気になる!

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2026年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても気持ちが悪く不愉快な前半。とても不快だけれど読む手が止まらない作品だった。第1章はただただ不愉快。第2章から題名がしっかりと絡んでくる。登場人物のほとんどが気色悪い。男1人ぐらいはまともな人が出てくると思ったけれど全員気持ち悪かった。
読んでいて自分も空子ほどではないが人によって性格や喋る内容などは無意識的に変えているのかなとも思った。SFだけれど今のリアルの生活を基盤にグロさをだいぶ増した世界観に感じた。ピョコルンやラロロリン人というネーミングも気持ち悪くてよかった。下巻をすぐ読みたいと思う。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

読んでてきつくて苦しくなるというのが1番の感想。
それでも人間が生きていく上でかなりの人が通るであろう仄暗い人間臭いやりとりを解像度高く描いているから、すごいなぁと思う。
人間ってこういう生き物だよなぁ〜、ってか、どこのコミュニティでもなんでこんな感じに収束していくものなんだろう?みたいな問いをもらった。
あと自分は男性だが、「男性の究極の気持ち悪さ」みたいなものを女性の視点でこれでもかってくらい書かれて、なんかボコボコになった気分がある。
とはいえ、新しい視点というか、幼い娘を持つ親としてなんだか大事な視点を授けられた気もした。
人におすすめするかって言われたらしないけど、まぁ色々考えさせられる意味で「余裕があるときなら読んでも良いかな〜」とは思う感じ。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

人によってキャラを変えるという『人間あるある』を誇張した空子に共感できるけど不気味なまま進む。誰しもリトル空子が心の中にいる。

自分はそれが得意じゃないのでその器用さを羨ましくも思う。素(世界99?)から上手く1や2に行けない感じ。

でも「人間は地球にとって有害だ、もっと美しい世界を作る」的な終盤のラロロリン・ブレーン・グループの主張はちょっとありきたりで残念だった。色んな作品の悪役が似たような事を言ってるのを聞いたことがあるから。ムスカとか檜山蓮とか。

そもそもなんで"世界"(界隈?グループ?)みたいなのができるんだろう。素のままじゃ不安で固まって安心したいからかな。でもそれに合わさるために精神使ってたら本末転倒な気もするけど作内の孤独よりマシなんだろう。

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2026年01月08日

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