【感想・ネタバレ】世界99 上のレビュー

あらすじ

小説というものの輪郭が、いわば地球を覗く窓の形が、本書によりまた大きく更新されました。
それはつまり、この本の中で初めて寛げる人がいるということです。
救済と爆弾は同じ姿で在れるのだと気付かされました。
朝井リョウさん(作家)

本当は貴方もわかっていたんだろう? と迫る声が脳内に鳴り響く。
熱に浮かされるようにページを捲る手が止まらない。
これは本型ワクチン。
世界99に誘われ、もう元いた場所へは戻れない。
宇垣美里さん(フリーアナウンサー・俳優)

足元の地面がふいになくなり、
正常と異常の境目が消え失せ、目眩がする。
人間という生き物の滑稽さ、グロテスクさ、美しさ、不思議さが、
この本の中にすべて詰まっている。
岸本佐知子さん(翻訳家)

空子がこの世界で体に蓄積する小さな暴力の音とか、風とか、どれも僕の心に刻まれていきました。
物語で一緒に過ごせた時間は、僕の宝です。
ロバート キャンベルさん(日本文学研究者)


この世はすべて、世界に媚びるための祭り。

性格のない人間・如月空子。
彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。
空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。
ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。
当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。

3年以上にわたる著者初の長期連載がついに書籍化。
村田沙耶香の現時点の全てが詰め込まれた、全世界待望のディストピア大長編!

【著者略歴】
村田沙耶香 (むらた・さやか)
1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。

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Posted by ブクログ

コンビニ人間に続き村田沙耶香さんの著書は2冊目なのだが、一言で言うなら
村田沙耶香という人間は狂いすぎてる。と確信した。
どんな生き方をしたらどんな思考になってこんなヤバい本が書けるんだ?

まだ続きが気になるから感想はここまでで止めときたい。

下巻が楽しみすぎる。

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

まさに没入。
村田沙耶香さんの作品は好きだけど、分厚い上下巻に読むのに時間がかかってしまうだろうなと若干構えていたが、2日で読み終わってしまった。
というか、読むのを止められず、トイレ以外の普段の生活を疎かにしながら、読み耽ってしまった。

幼い時から、コミュニティによって適した人格を作り上げる空子
大人になって、価値観の違うそれぞれの世界を行き来する空子。
その背後からそれぞれの自分を客観的に傍観する世界99の空子。
ラロロラン人への差別、ウエガイコクへの憧れ、シタガイコクへの見下し。

どれも共感できる感覚で、空子の心理描写が繊細でさらに共感を強めた。
常に共感がありながら、人間の性欲処理・出産・育児・家事代行をするようになった愛玩動物ピョコルンと人間リサイクルシステムというありえない設定と共に物語が進んでいくので、最後まで目が離せず、ページを捲る手が止まらなかった。

私も空子ほどはうまくないけど、その場やコミュニティによって自分を使い分けている感覚がある。
空子と違うのは、その場に適した振る舞いができなかった時に落ち込んだりするところ。
空子のようにどんなコミュニティでもうまく振る舞うことができる存在は羨ましくもあり、あまりにも今いる世界の正解が、すべてが見えすぎてしまうから、それはそれで孤独でしんどいのかもしれない。
同志のように見えた音に出会った時の空子の高揚や感動を考えると余計にそう思う。

きっと空子や私だけじゃなくて、誰しも世界に順応しようとそれなりに、その場での振る舞いの正解を演じようとしているんだろう。

空子のラストは全く想像をしていなかったが、妙にしっくりくるもので、収まるところに収まったような納得感があった。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

呼応、すごくよくしてたなって思う。10代20代って特にそれぞれの世界での人格持ってたなって思う。それとも普通は何個も世界持たないのか?と不安にもなった。実際どうなんだろう?持つ人と持たない人がいるのかな?
人間ってこういう人いるよねが詰まってる。

あと人間家電って使い方、自分は女だけど良い意味にも悪い意味にもしっくりくる言葉で気に入ってしまう自分がいた。
下巻もとても楽しみ。

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2026年02月13日

Posted by ブクログ

読む手が止まらず、続きが気になって仕方なくなりました。

主人公の成長の物語です。もちろん、普通の成長はしません。
世界99…のタイトルの意味とは?
そして、やっぱりピョコルンでしょう。元凶です。

村田沙耶香さんワールド全開の今作、最高です。

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

トレース(呼応)。
確かにみんな気づかずこれしてるなーって心理を突かれた気がする。コミュニティによって、自分は何人もいるような感覚はすごく理解できた。
空子が白藤さんに対して、
「そうだよね。人を救うのってすごく気持ちいいもんなぁ、と私は思った。」
って感じてるのが、なんだかとっても胸にくるものがあった。どの視点で人間を見るかによって、人の善悪みたいなものは決まってくる。
私が正しいと感じることを相手に押し付けて、あたかも自分が正義を振り翳してるような気になっていても、実は相手からは私は客観的に見ると、「無駄な正義感を誇りにズカズカとプライベート無領域に入ってくるヤツ」だったのかもって思わされた。
あと、ピョコルンも、ララロリン人も奇妙なものとして描かれているけど、本当に奇妙なのは人間だった。
村田さんの作品は、本当に人間の真理を追い求めてる気がする。
言語化、比喩、人間の核心、全て圧巻。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

気持ち悪くて気持ち良い、
最高の読後感です。
ありがとうございます。

文章で物語を書く良さが凄く出ていて、読者をこの歪な世界の住民にさせてしまう村田さん恐るべし。
文章だからこそ描き出せる現実感と非現実感のバランスが心地よかったです。

出てくる人も生物も世界も、自分が生まれ育った所とはかけ離れているのになんか見覚えのある感じ。私も空子のように世の中に蔓延るいろんな情報を仕入れ、それを自分の中にダウンロードしているからそう思えたのかな、なんてことを思いながら読んでいました。

以下、好きなフレーズ。

「呼応」が上手くいった時の甘い空気の振動。

「性格」とは自分ではなく他人が創るものなのだ、とこのとき理解した。

自分が人間ロボットだったら。
自分以外もみんな人間ロボットだったら。
誰が人間を始めたのだろうか。
私たち全員が互いをトレースしているとしたら、最初に人間を始めたのは誰なのだろうか。

白藤さんがあまりにも正しさにとらわれていることが、私のほうも少し薄気味悪かったのだ。

孤独ほど抗えないエネルギーはない。
孤独はなによりも強大な力を持ったエネルギーで、それに突き動かされているとき、少し変だなと思っても、それに逆らうことは決してできない。

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

 「続きが読みたいのに手が止まる」こんな体験は初めて。上巻のスリリングな人生は魅力的かつ悍ましい。一方、下巻は物語を補完、そして読者の思想を反転させ麻痺させる。たとえ上巻だけの話でも私は好きだし、むしろその方が好きかもしれない。同時にこんな小説は、私には書けないと心の底から思った。
 女性の悪口は嫌いだった。けれども、彼女らはいつも知らぬところで犯され続けている。自身で守る術など無いに等しい彼女らにとって、悪口は心を優しく包むホワイトなメッセージだった。生物の体力の上下がある同種、いま私たちは残酷な世界に生きている。
呼応とトレース。意識してないだけで多くの人が無意識下で行なっているもの。人間関係のいざこざの複雑性の要因の一つになってるはず。だから人から想像以上に好かれたりもするし、逆にこちらの片思いの友情と愛情がある。
 高校生時代の1つ、「おっさんの世界」の時、バイト先のおじさんに襲われるシーンはとてつもなく怖かった。今まで生きてきて生物の力量で恐怖することなんてなかった。けれども女性は本気で抵抗しても男に負けてしまう。どうにもできない恐怖、そこから逃げ出せない絶望。本当に怖く、そして私も主人公のように被害者の生贄を出すことに安堵したし、私だってそうしただろう。

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

これは村田沙耶香さんの読んだことある作品の中で、というより私が読んだことある全ての作品の中でトップかも!

もっともらしいストーリーが最初から存在していて、そこにぴたりとハマるような感情や状況に遭遇すると、人はそれらしさ(ストーリーの妥当性)に震えて心を感動で揺れ動かす、その演技くささへの不快感、違和感は私の中で年々輪郭が強固なものとなっている。自分のそういう感覚は斜に構えているが故の思春期的なものではないかと今でも悩んでいるが、演技に入り込む能力に差があるだけなのかも(呼応をしているうちに本当にそういう性質が自分本来のものかもという気持ちになるから入り込む素質は紛れもなく存在する)しれない。もっともっと自然に馴染まなきゃと思う一方で完全に擬態したら本来の自分がわからなくなってしまうのでは、と不安になり、その度に、そんな自分すらも本当だという根拠が果たしてどこにあるのかと自分の存在自体が揺らいでいく。

大人ウケは小さい頃から半意識的に狙っていたが、主人公ほど自覚的ではなかったしプロでもなかったと思う。主人公が今の自分と似通うところが多い分、私もそういう幼少期だったかもと錯覚してしまいそうで怖い。

自己開示の場において本音として受理してもらえるのは、予測・納得可能な範囲内での反応。選択肢が最初から決まったゲームに何となく身を投じているうちに自分も元々そうだったような気がしてくる。rpgに素直に従っているうちに、元の自分は何だったのか、果たしてそんなものが存在していたのかすらわからなくなってくる。rpg内の他の人物は、自身固有の性質がもともと備わっているように堂々と振る舞うから、他者に答えを求めたり相談したりするハードルも高い。分裂の大元の細胞なんてものは本来性ない幻想かもしれないが、そのような存在を想定するとして、それは幹細胞のように何にでもなれるからこそ何でもないようなものかもしれない。今思考している自分すら分裂を繰り返したうちの一個の細胞でしかないのに、確固たる思考主体(親元)としてそのポジションを軸にして思考や判断を繰り広げる(「私たちは本当はどう思っているんだろうね?」「何をしたいんだろうね?」「自分の気持ちに素直になったら、どういう想いがみえてくるかな?」なんていう話し合いや問いに代表される)、そんな珍妙な作業を真顔でするから、自己らしき手持ち札を全て放棄して逃げ出したくなってしまう

特に自発的な感情はないけど安全と楽のために呼応する主人公と自分が重なる。
何にも興味がないけど、それを悟られないように生きているうちに、便宜的に設えた興味対象や目標が本当に自分に宿った気がして、それに全力投球する。そして次第に精神的疲労が大きくなると、楽に生きるための行為が逆に自分の首を絞めていることに気づき、そのコスパの悪さに辟易する。やはりちょうどいい塩梅が大事。
楽に生き延びるために演技的に振る舞っているのは私だけではなくて、みんなに共通の普遍的なものじゃないのか。ただそれを表立って主張しないのが暗黙のルールであり、そのむず痒さに蓋をすることができない自分はただ未熟なだけじゃないのか、そんな自意識に圧されることも多くあるが、実際どうなんだろう。演技性を指摘しないのがお作法という概念が完璧に染み付いているから疎外感を(私含めて皆が)感じるのか、才能ある人は演技を演技と認識しない技術が卓越していて生存に最適化されていくからこのような悩みすら持たない(もしくは忘れてしまった)のか、それとも自分が本当におかしいのか。みんな本音を出さないし本音なんてものはおそらく存在しないので、永遠に疑問のまま。変なのならば、さっさと変という称号を獲得し(この話の中で言えば、他の人はちゃんと人間で、自分だけが人間ロボットなのだということを知って)正当に悩む権利を得たい、この身動きできない状況から解放されたい。
人間とロボットの中間なのでは?という考えも浮かんできたが、人間とロボットの間のグラデーションのように感じる部分は単に、自分は人間であるという感覚をどれくらい持つかの違いであってやっぱりロボットであることに変わりはない気がする

「母にとっては私も、「強制的に可愛い生き物」なのだろう。世界中の人が、可愛い子供をきちんと愛しているか、母を見張っている。」 p39のこの言葉も刺さる。実家に帰って犬と接する時、子供と接せる時の気持ちに似てる。大好きだけど、好きだと思うなら可愛いと思うならちゃんと遊ばなきゃいけないみたいなどこか煩わしさがある。大好きだと思っているのか?などと疑うのも面倒で関わり合いが億劫になる。そんなことが言うのも許されない圧迫的な空気感を自分からも世間からも感じる点も類似。

第1章12歳
痴漢行為が倫理的に最低だと知らなかったらどう解釈されるのだろうか、主人公が知識がなくても五感で不快感と危険信号を感じ取ったということは、痴漢というラベルがついてなくても、危険だと察知すべき(だとこれまでの人生で学んだ)要素が複数あったということか。
痴漢行為をされたとわからず、その時何の感情も抱かなかったとしても、人生の後の時点では確実に、それが痴漢行為にあたるということ、そしてそれに付随する世間の評価、持つべき感情が学習される。そしてそこから振り返って過去の経験が解釈されるので、最低なことをされたと認識されない余地はない。
ラベルがつくことは、そのラベルの持つ感情チケット(こういう思いを抱いていいですよという権利)を得られるというメリットもあるが、そのチケットが正当なものかどうかという精査も入り混じり、それが「もっとちゃんと痴漢されている人がいっぱいいるのに」「だんだんと全部自分の勘違いだとしか思えなくなり、嘘つきと罵られることを考えると、口を開けなくなった」という考えにつながる。自分の最初に感じた感情を信じていい、なんていう言葉をかけられても、ラベルやチケットを獲得してしまったあとは、それらの介入を排除することができず、原体験がゲシュタルト崩壊していく。保健の先生が担任に呼応した後に主人公に対して話をさらに聞こうと問いかけてきたが、それを拒否した気持ちにも共感。人間か人間ロボットかの区別もつかず不安定で得体の知れない何かに真剣に相談してわかってもらえるはずがない。みんな自分のトレースや呼応に騙されており、意識的に都合のいいストーリーに当てはめてあげると安堵するくせに、と皆に不信感を覚え、1人で賢く上手く生き抜いていくしかないという覚悟と決意につながる。それは強がりでも見下しでもなく、ただ傷つかずに楽に生き延びるための手段。

14歳p133
「私たちは、最近では、ラロロリン人の匂いがすると本当にゾッとすることがある。ゴキブリを見たときのように、生理的に気持ちが悪いと感じる。私たちは世界の更新をたやすくダウンロードする。当たり前のように、生まれた時からそうだったように、ラロロリン人の遺伝子を蔑んでいる。きっと、白藤さんは、自分たちとは違うものに洗脳され続けているのだろう。私たちがダウンロードしている容易い嫌悪感よりも、もっと強固なものが、彼女を洗脳し続けているのだろう。」このダウンロードは知らぬ間に起こっているから驚く。erでメンタルの患者さんが来た時にpというラベルとそれに付随する嫌悪感が自然に湧くようになり、その一方でみんながきつい態度を取る中優しい声音で話す自分に陶酔できる感覚もある。本当はどうしたいかとか別になくてただ自然にダウンロードされているものにわざわざ違和感を抱いて戦うことはせず、世間的な正しさにも少し媚びられれば、というスタンスで普段は深く考えずに動いていることに気づく。ちょっと考えると全てがどうでも良くなってきて、深く考えると最初からどうでもよかったことに気付く。

レナはなぜこんなにも素な感じがするのか。レナもこれまで出会ってきたものの呼応とトレースでできているにすぎないのに。自分を守るための媚びがあまり見えず、どこか傷つくことを許容しているようにみえるからなのか?

主人公はストーリーに嵌め込む形での経験の消費や自覚的でない演技の才能があまりない(なりきったり騙されきったりすることが苦手という意味で)ので、その分合理性に寄せて書かれすぎな気もするが、一歩引いて世界との関係性を戦略的に考えている語り口調で、それが終始安心感を与えてくれる。

20歳
ピョコルンが性行為に使われている時に出す声が喘ぎ声なのか安堵の声なのか甘え声なのか、それとも恐怖に怯える泣き声なのか。もっともらしい解説をつければその真偽に関わらずそんな気がしてくる。ただの鳴き声でしかないものを、ストーリーに当てはめようとし、ぴったりピースがハマるほど全体像が鮮明に見えてくる、そしてそれに私たちの感覚器官、さらには脳が支配される。
主人公は媚びがとにかく上手い
媚びている自覚が主人公くらい明確にあり媚を身につける前の空っぽ状態が確かな感触としてあるのなら、分析を重ねても大きくはぶれないと思うが、私程度の人が、これは媚びだったかも?演技だったかも?こういう思いが根本にあってこれに対応しただけかも?と解釈を過剰にするとどんどん自分が元の空っぽ の状態に近づくようで逆にゴミを詰め込んでいる状況になっているかもしれない
この恐怖感が読み進めるごとに肥大していって、感情なんて何も信用せず、過去はそっと流すようにしよう。振り返るのすらやめよう、一瞬一瞬適切な対応をしよう、という考えに至った。防衛的な方針。完璧主義すぎてチワワ化している。村田さんの語りがうますぎて、もともと私もシルバニアファミリーの一員として生きているような違和感を抱えていたはずなのに、それすらこの本を読んでそう感じていたように感じているだけなのかもしれないという疑念に変わっていってしまうのが少し惜しい。
p199「いろんなことがどうでもいいからそう思うのかもしれなかったし、無意識下で白藤さんを「トレース」し始めているだけかもしれなかった」
人生で習得したストーリーのバリエーションが多すぎるし、トレースの能力も染み付きすぎている。これらの影響を取り除いたら何が残るんだろうと考えてみても、そもそも何にも関心も興味も執着も本来はないんだろうな、と思考が働く限り虚無感に帰着する。
レナの映画をみんなで見るシーンで、どうしても鼻につく人が一部存在するのは、そういう人たちが綺麗に洗脳されきっていてロボットの素振りすら見せない完全な生存適合者だからだと再認識できた。p208「記憶は多数決だなあ、と思う」p256「世界とは、液体で、ゆっくり入り込んできて、私たちの記憶を改竄する」これでしかない。洗脳は、ひっそりと違和感なく整合性の良いストーリーを未来と過去の両方に伸ばしていく。
呼応に対する呼応がセッションだという表現は秀逸。女の典型例、男の典型例、ラロロリン人の典型例、まあみんな苦しいのだろうけど、そんなのどうでもよくて。自分の苦しみを、他者のもの(想像上のものでしかない)と比較して横暴に振る舞ったり傷つけたり、あるいは直接的な危害は加えずとも見下したりすることを各々合理化している。社会において「便利」の食物連鎖があるように、自己憐憫に伴う合理化された悪意の食物連鎖が確かに存在する。
可哀想さを世間に納得されづらい者は上手く逃げるのが吉、恋愛アルバイト辞めるのは得策だった。
楽にいきたいという本音すら、操作されたものでは?と思うが、生存本能の一種とも捉えられるか。
白藤さんの思想は「信仰」の主人公にも似ている、その正当性が後には更新されるかもしれない(からこそp277にあるように「考え続けること、考えるのを決してやめないこと」が最終回答として提示されるが、考え続けることに何の意味があるか本当に教えて欲しい、これこそ「それでも考え続けることに意味がある」宗教だと感じる)ような不安定な正しさチックなものに縋る大規模なカルト宗教。
物心ついた時に既に敬虔な信者となっていたら楽だが、1から入信する場合は洗脳されてしまった方が生存に有利と分かっていても反骨心を抑えるのに苦労する。正しさにも救われてこなかった人生であれば特に。
ピョコルンの無惨な姿を見て、主人公がどんな心情を持ったのかはわからないが、私だったら整理しなくてはいけない膨大な量の感情が自分の中で破裂していることはわかるが、その処理に時間と体力が必要で呆然としてしまう。そして「抱きついて泣いて、いかに後悔しているか、どれほどどうしようもなかったか、アピールしなければいけないことはわかっていた。そうしなければ、人間の心を持っていないと思われる」という思考が自然に湧き上がった時点で一次感情なんて触れられないほど雲散霧消してしまっていると思う。

第二章
世界①も②も③も捨て去り自由になって仕舞えばいいのにと一瞬思ったが、呼応で輪郭を保っているから全てから解き放たれたら自分の存在がなくなってしまうのか。自分とは何かという際限ない問いに悩まされるぐらいなら、丁度いいピースとしてどこかにぴったりハマって、背景に馴染んで輪郭がぼやけた方が生きやすい。ただ所属する世界があまりにお互い交差しないものだと、調整が億劫だし、その矛盾の隙間からアイデンティティに対する問いが顔を見せる時もあるので、慎重な選択が必要。最適な選択をするために、自分はどこが1番楽か?と問うも、深掘りすればするほど全てどうでもいいに行き着くので、結局コミュニティを剪定することなく流れるままに呼応していくことになるのかな。
主人公の被害者としての語りが落語家のようになった場面で戦争の語り部の心はどういう仕組みになっているんだろうと思った。被害者としての活動をするなら徹底的に被害者であることを監視されるが、自分の感情と記憶に確かな信頼はあるのだろうか。
スムーズに記憶が手術され、スムーズに新たな価値観がダウンロードされ、スムーズに多数派の宗教に洗脳される、そんな摩擦のない受け身であることが生存のコツだとしみじみ感じる
ラロロリンメロドロマの構成が精緻すぎて感動、人の心理をここまで分解して予想できるのが羨ましい、素直に勉強になる
人の人生やその人の本質について知った気になって本人に教えてあげることで快楽を得るという娯楽には、解釈者/分析者が優位感を持ってしまうという傾向が関与しているのだと思う。人についても自分についてもこういう性向や背景があるな、と安全なところから俯瞰して構造を見抜いた気になり、観察者側だからこそ作り出せる筋が通ったストーリーを信じ込む。善悪はさておき、そうした性質で過去の自分を解析することでまた新たなストーリーの波に飲み込まれ、さらにその経験により今の自分すら未来の自分に優位性を与えるような解釈の余地がある解析対象なのではないかという存在の不安定さに怯えてしまう。
この主人公はトレースで人格ができているという認識がある分、環境と人格が合致する場合、世界③で裁かれるような「正しくない」ものでもごく標準的なものと受け入れるところが面白い
小早川さんのような呼応に自覚的な同類と、呼応に呼応を重ねてセッションを繰り広げた後どうなるのか。世界丸いくつと名付けられるような新たな世界が今まで同様創られるだけなのか、番号で区別できるようなものではなく空っぽの自分の方に近い何かに仕上がるのか、そう考えながら読んでいたら
世界99か!その意味での世界99か、題名にもなっているのに思い至らなかったことにびっくり。番号として存在するくらいの分類は分け与えるが、1や2と平行なものとしてではなく、常にどの世界にいてもバックグラウンドとして閉じられてはいない世界99か。まあ小早川さんにとっては13ぐらいの気持ちかもしれないが。どうせ擬態しきれず自覚的にチャンネルを使い分けるのなら99の住人としてのスキルを磨きたいが私はそれも中途半端、それは自分の本質が(白藤さんや匠くんのように)どこかに根差していてそこで理解者に出会えないかという希望を捨て切れていないことが原因かもしれない。自分の本当のチャンネルがどこかと探しているうちに、呼応を重ねた最新作を本物っぽく錯覚してしまうものの、さらなる呼応で番号がどんどん新規更新されていくだけで、変わらない立ち位置としてそこにあるのは結局99だけ。誰かと深く分かり合いたいという希望を持つのなら、99ほど社会から距離を置かずに、いろんな番号に定住することもなく浮遊しながら、様子を見て本当ぽい何かを自己開示して1番しっくりくる瞬間を待ち構えればいいのかも。その際どっぷりどこかに没入する瞬間があると移動時に批判や奇異の視線をむけられがちなのは注意が必要なのでこれもバランスが難しい。
主人公が、自分が今までうまく呼応とトレースをして人間関係を構造分解していた分、音と通じ合っているかもと興奮しつつ、慎重になり(「音ちゃんはとても器用に、「わたしより少し重い」。」に滲み出ている)興奮を鎮めようとしているのがかなりリアル。
最後は震えが止まらない、世界99へようこそ、各々にとって吉と出るか凶とでるか、待ち続けたスタート地点がここにやっと生まれた!
ロボットか人間かは断定できないものの、人間らしく振る舞うロボットという気味悪さからは解放された。
下巻が楽しみすぎる

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2026年02月12日

Posted by ブクログ

⭐︎4.5
すごい、としか言えない。村田沙耶香さんの言葉って、何でこんなに面白いんだろう。強烈な言葉、表現から、村田さんの繊細で優しい人柄が伝わってくるという不思議な感覚。
空子と同じように、自分含め大抵の人が色んな世界を持っているんだと思う。世界①と世界②の自分はまるで別人、なんて普通だと思う。そういう誰もが経験したことがあったり感じたことのある微妙な感覚をこんな風に言語化して壮大なディストピア小説にしてしまうなんて。この物語はすべてが強烈でとんでもない世界だけど、現実の世界とかけ離れてるとは言えない。差別も偏見も現実世界でだって溢れていて、そういう世界に「呼応」してしまうことも誰しもないとは言い切れないはず。他人事にできないのが何よりも恐ろしかった。
ラストで明らかになるピョコルンの真実にも言葉が出なかった…。下巻はどうなってしまうのか?

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

劇薬のような本だった。常に嫌気がさすような話が続くのだが、ストーリー自体は面白くて一気読みしてしまった。読んでいて気持ちいい気分にはならないのでなかなか人に紹介しづらい本だ。だがこの世界の末路が気になるので下巻も必ず読む。

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ピョコルンという家畜が人間に代わって家事や出産をする架空世界。そのピョコルンは人間のリサイクルだった。グロテスクなディストピアを描く。気持ち悪いが、続きが気になって読んでしまう。

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2026年02月20日

Posted by ブクログ

キノベス2026の第一位だったのと、「人間の性を映し出すディストピア」という謎のワードに惹かれて購入。

読み進めるうちに、ラロロリン人への差別やジェンダー問題、登場する男性たちの性の在り方、主人公・空子の人間関係。どれも極端に描かれてはいるのに、妙に現状に近い。実際に自分の人生で見たり体験したことがある光景だったからか、その気持ち悪さには胸の奥がざわついた。

印象に残ったのは4歳のパート。
「空子お姉ちゃん」と呼ばれたことから、"空子お姉ちゃんらしく"振る舞うようになる空子。本音らしい言葉を言わないと先生たちが納得しない。言ったら言ったで勝手に大人にストーリーを作り上げて感激される。
その中で、初めて彼女は自身の分裂を俯瞰的に理解していく。
読んでいて、自分の2歳の娘にはこんな世界線にならないように言葉や態度には気をつけなければと思った。

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2026年02月20日

Posted by ブクログ

今までの村田沙耶香さんの世界観が詰め込まれた物語でした。こんなことあるよなぁと思ったり、空子が時々、ぼそっと思うことにくすりときたり。グロい描写もありながらのめり込みました。SF要素はあるものの現代と大いに繋がる事柄ばかりに下巻が楽しみです。

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2026年02月20日

Posted by ブクログ

女性、母親、マイノリティへの内面化された差別的意識と向き合わされた。自分はそうではない、そんなことは一度たりとも考えたこともない、果たしてそれは本当か?ほんの一瞬でも考えたことがないと言えるのか。向き合いたくない、自分の、人間の醜悪な部分が苦しいほどに描かれている。このような自省的な感覚で恐る恐る読み進めるうちに、ピョコルンという違和感が少しづつ、気がつけばとてつもなく大きくなっていて、それがこの物語をどう終わらせるのかが分からない知的好奇心を刺激する。怖い気持ちもあるが下巻も読まざるをえない

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

読み始めは輪郭がつかめず戸惑ったけれど、読み進めるうちに、その違和感がこの小説の核心なのかと感じ始めた。自分の価値観を揺さぶられて、気づけば先へ先へと読み進めていました。どう展開されるのか下巻を読み進めます。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

村田沙耶香の850ページ長篇だなんて。読み始めるのに覚悟と勇気が必要で、1年も積読山のてっぺんに鎮座していたらしい。

序盤はカズオ・イシグロ著『クララとお日さま』のような近未来的人間ロボットの話かとも思ったが、人工知能よりも生身の人間の思考はやはり恐ろしかった。
上巻読後の印象は『コンビニ人間』の"じゃない"方、『コンビニ人間』では光を当てられなかった、複数の自分(平野啓一郎のいうところの分人主義)を持つ側の人たちが生きる世界に散らばる、人間の残酷さや汚さだけを濃縮して作り上げた世界というイメージ。それから、相変わらず迷いのない作家だなと感服。

実世界の地獄とネット上に散らかる地獄を限界まで誇張したところへ、これまでの地獄みたいな村田沙耶香作品を混ぜこぜにした悪夢のような世界に迷いは一切感じられない。知恵袋のツリみたいなのとか、鼻の穴ホワイトニングとか、好きよねえ。
便利の食物連鎖、記憶は多数決、感動は振動。
情報を摂取して呼応してトレースして互いを交換。分裂。
それとそれを結びつけるだなんて考えたこともなかったような言葉の組み合わせの羅列に、変化の激しいこの世界なんちゃらの終わりよりも先に読んでいるこちらが破壊されそう。

「いつもと違う『キャラ』として振る舞っている誰かを見かけたとき、なんとなく、マナーとして知らないふりをする、という認識が自分にはあった。ある程度のペルソナの使い分けは皆やってることだろうが、いざ人のそれを見かけると、その人物の恥部を知ってしまったような気持ちになるし、自分も羞恥心に襲われる。たぶん、外から見たら自分もこうなのだろうな、と同時に思わされるからだろう。(p.334)」
主人公のことばで共感できたのはここくらい。
あとはとにかく狂っている。狂い続けていく。

「世界99へようこそ」
イカれすぎていて気が重いので少し間を空けようかと考えたが、そう言われてしまうとこのまま下巻に突入せざるを得ない。なんだかんだ言いながらも面白かったのだ。ただひとつ、ピョコルンという生物が想像つかなすぎて獣姦としか受け止められない点を除けば。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

極端な設定がほのかに気色悪くも、なんか分かるなぁって感じで、主人公はどう変わっていくんだ!?帯に書いてある「ピョコルンの能力」ってなんだ!?ってワクワクしながら読めたわ
なんか主人公の超合理的?な考えと行動がスカッとする感じがして良かった。
世界、と題された様々なステレオタイプが提示されると、自分は世界何番なんだろう…と思わず考えてしまった

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

「リセットによって、それまで加害者側ともいえる比較的有利な立場が一気に反転するところで終わっていて、その構造がすごく印象に残った。

登場人物同士のトレースや呼応、物事を見る視点のひとつひとつが、ある意味で冷たくなっている現代にも通じているように感じられて。

それをここまで忠実に、しかも物語として味わわせながら表現できる村田沙耶香さんはやっぱりすごいなと思いながら読んでた。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

村田沙耶香さんの作品、初読みでした✨

正直、いろいろヤバいです

『気持ち悪い』や『胸糞悪い』『グロい』…という他の方の感想がやたら目に入るのですが、ホントそれでした。

静かな喫茶店で美味しい珈琲セットを味わいながら読んでいましたが、周囲の人からは激マズの顔に見えていたと思います…

登場人物の誰にも感情移入できず、ストーリーに共感できる部分もなく、これでもかってくらい気持ち悪い描写の連続に、何度もギブアップを考えてました。
なのに、気付いたら読み終えちゃってる不思議。

読んでる途中で「あっ、これ無理かも…」ってなった時の判断力を問われる一冊✨

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

オーディブルで
胸糞悪いけど、先が気になって一気に聞いた
世界が別れてるのすごい分かる
自分も世界に名前付けよう

誰かに使われる人生
差別がすぎる世界

女性に生まれてこなければよかったなーって思う

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2026年02月10日

Posted by ブクログ

主人公、空子の人生を描いた作品。
上巻は4歳〜35歳までの話。

本当に気持ち悪い・胸糞悪い展開と表現が続きます。
でも展開が面白くて読んでしまう感じです。

私は感じたことあることを言語化されている
気持ちもしながら読んでいました。
男性が読んだらどう感じるのかな?と思いました。

まさかの展開で終わって、下巻楽しみすぎる!

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2026年02月10日

Posted by ブクログ

お試し版を数ページ読み、購入を決意

とても腹黒い脚本に、夢中になり、スピード感のある読書体験ができました

主人公の成長と共に変遷してゆく様々な「世界」

性格悪っ!!と思う場面多数だが、少し共感できてしまう自分が嫌いになる

文字という記号でここまで表現できるのは、やはり素晴らしい作者なのだと実感しました

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2026年02月10日

Posted by ブクログ

ヤバい本ですね。内容は大分グロいので、途中くらいで下巻読むのを止めようと思いましたが、最後に世界をひっくり返されて下巻読まざるを得ないですよ、これは。
ある事件をきっかけとして、人々の価値観が破壊されて混沌として新秩序に変更される、みたいなその過程が描かれます。現実世界で言う、コロナとかトランプ旋風とかそういう類ですね。
その中で、主人公は自分が無い、周りに同化する事しかしないキャラクターですが、だからこそその混沌に巻き込まれず、淡々と第三者的に秩序の崩壊と新世も違和感なく受け入れるという設定です。
分断、イジメ、人種差別、動物虐待、モラハラ彼氏・旦那等、気分が悪くなるテーマが散りばめられているので、劇薬ですが、下巻に行かないといけないですねこれは。

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2026年02月09日

Posted by ブクログ

久々の上下長編。
隙間時間でちまちまと読み進めたが、主人公への嫌悪感が付き纏う。
それはここまでではないが、自分もそうやって生きてきたという、打算的というか裏側を覗いている感覚なんだと思った。
それでもグイグイ読めた。下巻はどうなるのだろう?
もう少しまとまって読めたらな。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

自分も空子のように色んな世界を持っている。生々しく言語化され、読みながら汗が出た。それでも複数の世界を知り、人類に一喜一憂しながら人間をやっていくしかないのだなーと。トレースしたそれぞれの世界を都度意識的に選択してる様をスマホのバックグランド更新に例えたのが上手かった。下巻へ続く。

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

えぐい、なにこれ。また村田沙耶香さんの独特な世界へと引き摺り込まれてしまった。
早く下巻を読まなければ!

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2026年02月05日

Posted by ブクログ

女性にはちょっとしんどい表現や描写が多くて、サクサク読めるという感じではなかった。SFなのに現実味もあって、その現実と通ずるポイントがしんどい。意地で読み切ったけど再読はしばらくできなさそう。世の評価が高かったので軽い気持ちで読んでしまったのを少し後悔。元気な時に読むべきだと思います。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

村田沙耶香さん初めて読みました。
独特な世界観
周りに合わせた自分、世界ごとの自分が
多少の共感もありつつ、極端な自分観があると
生きづらいよなとか…わりと考えさせられる本でした。
ただ長い…

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなか読み進められずに、ちょっとずつちょっとずつ読んでいたのだが、ピョコルンは実は人間なんだ!という話を聞き(ネタバレやんか)興味がわいて一気に読み進めていた。

その場の空気を感じ取って、相手にとって都合のいいキャラを反射的につくりあげている空子は、まるでAIじゃないか!と思った。これはもしやAIの話なのか・・・?!

村田沙耶香さんワールド全開の本で、すがすがしい。

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2026年02月10日

Posted by ブクログ

村田作品は怖い。差別も搾取も、場に呼応して機械的な反応で呼応することも現実に経験がある私たちに、それらの行く末を高い明度で生々しく差し出してくる。その明度の高さ、生々しさが怖い。読者に問いかけつつ、抗うことが哀れまれる世界のリアルさを描く。本当に怖い。
ただ、村田作品、怖いけどいかにも鬱々とはしておらず、明度高く一見朗らかな印象さえ受けるので、ぞわぞわするのに読みやすくて、その巧さも怖い! 『世界99』も引き込まれて一気に読んだけれど、青空の下のラストが晴れ晴れしてるからこそぞわぞわして、読後感がもう…本当に怖い。元気な時しか読めない作品、作家である。上下2巻。

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2026年01月24日

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