【感想・ネタバレ】世界99 上のレビュー

あらすじ

小説というものの輪郭が、いわば地球を覗く窓の形が、本書によりまた大きく更新されました。
それはつまり、この本の中で初めて寛げる人がいるということです。
救済と爆弾は同じ姿で在れるのだと気付かされました。
朝井リョウさん(作家)

本当は貴方もわかっていたんだろう? と迫る声が脳内に鳴り響く。
熱に浮かされるようにページを捲る手が止まらない。
これは本型ワクチン。
世界99に誘われ、もう元いた場所へは戻れない。
宇垣美里さん(フリーアナウンサー・俳優)

足元の地面がふいになくなり、
正常と異常の境目が消え失せ、目眩がする。
人間という生き物の滑稽さ、グロテスクさ、美しさ、不思議さが、
この本の中にすべて詰まっている。
岸本佐知子さん(翻訳家)

空子がこの世界で体に蓄積する小さな暴力の音とか、風とか、どれも僕の心に刻まれていきました。
物語で一緒に過ごせた時間は、僕の宝です。
ロバート キャンベルさん(日本文学研究者)


この世はすべて、世界に媚びるための祭り。

性格のない人間・如月空子。
彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。
空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。
ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。
当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。

3年以上にわたる著者初の長期連載がついに書籍化。
村田沙耶香の現時点の全てが詰め込まれた、全世界待望のディストピア大長編!

【著者略歴】
村田沙耶香 (むらた・さやか)
1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

sf小説のようで設定が突拍子もないこともあるが、表現していることは実に現実世界をうまく表しているように感じた。

人はその場その場で他人に合わせることで生きており、本当の自分というものは存在しない。状況次第で何通りもの性格を使い分けている。
その中でも自分と共鳴する人たちだけのコミュニティで生活しており、そこが“本当の”自分の世界だと感じている人も多いのではないか。
しかし、世界が根本から揺らぐような出来事が起き、自分がいた世界が俯瞰的に見えるようになる。そうすると自分が当たり前だと思っていた世界が実はとても狭かったことに気づく。

このように、言葉にしにくい微妙な感覚をクリアにしていると思う場面がいくつもあった。

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2026年07月04日

Posted by ブクログ

村田沙耶香さんの作品が好きなら必読の一冊。

これまでの村田さんの作品をまとめ上げたかのような仕上がりの壮大なディストピア小説。

上巻で描かれるのは、これまでわたしたちが生きてきた世界に近しい世界。差別、虐め、モラハラ、性被害などが一般的な世界で、空子は自分の性格を持たず、安全で合理的に生きるために相手に「呼応」しながら生きている。

コミュニティによってキャラを使い分けることは誰にでもあると思うけれど、属するコミュニティから見た世界の違いについての描写や、「世界②にいると世界③にいるときに感じていることが感じられなくなる」といったような描写があるように、空子はとても極端に、そして徹底的にキャラの使い分けをしている。

エンターテイメント性があるのが上巻で、最初から引き込まれるだけでなく、中盤からのジェットコースターに乗っているような話の盛り上がりがすごい。読み終えたらすぐ下巻を読みたくなる。

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2026年07月03日

Posted by ブクログ

異常性と嫌悪感が何度も襲って来ては、すぐに社会に馴染むという変な感覚がずっと続いた。空子は初め、コンビニ人間の主人公を思い出したが、結局はみんな誰かをトレースしているはず。自分の意思がない空子が小早川に出会って意思が生まれたのは面白かった。上巻を一気読みしてぐちゃぐちゃになった頭の中を整理するのが難しい。下巻は全く予測がつかない。

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2026年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

倫理観が気持ち悪い世界線の話だなあと思った。しかし、行き過ぎているだけで、人の性格や思想、それに伴う技術の変化、またさらにそれに伴う人の思想の変化は通じるものがあると思った。
個人的には、新しいコミュニティや久しぶりに会う友人がいると、今日はうまくいったとかもう少しこう振る舞えば良かったみたいになることがあるけれど、会う頻度が上がるほどに同じような自分に収束していく。これが自分の世界99なのかな?と不思議な感覚に襲われた。
下も楽しみである。

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2026年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったのだけど思春期の時に出会わなくて良かった本だなーというのが率直な感想。自分も周りに過剰適応するタイプだったので読んだら人生のネタバレを喰らった気になって人生に絶望したと思う。

読んでいて、空子はコンビニ人間の主人公と対比の主人公だなと思った。
コンビニ人間は周囲に合わせようと頑張ったものの実は上手くいってなかった。けれどコンビニという自分にとっての世界を見つけたのに対し、空子は周囲に上手く溶け込んだものの自分の居場所となる世界は見つけられなかったから。
世界99はあるものの、そこには空子以外はいないので、そこが空子が安心できる居場所という感じはしなかった。(音がいるものの、本当の世界99の住人かどうかは判明しなかったので)

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2026年06月17日

Posted by ブクログ

描写が残酷で細かくて嫌でも映像が思い浮かばされる。
誰もが共感できるし私だけが共感していると錯覚するような感じ。
主人公が俯瞰で世界を捉えている、自身の感情と事実を常に切り離していて淡々と生きている。

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2026年06月13日

Posted by ブクログ

とにかく面白い。ここまで突き詰めて心理描写を書いてるのすごい。ぼくもピョコルンになりたくなっちゃうような説得力があった。なりたくないけど。主人公が有能すぎて爽快。よくこんなに体力あるなって思った。人はいくつもの世界を持って生きている。タイトルも好き。また読み返したくなる気がする。

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2026年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良い意味で狂ってる、気持ち悪い話だけど、誰しもが空子ほどでは無いけど分裂した自分と世界があって、そこに適合したコミュニケーションを取る自分を客観的に見ている世界99があると思われるから、共感できることが多いと思うし、そういう自分に嫌気がさしてる人も本書を読んで救われると思う。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ



作中では、新しい価値観や空気がどんどん更新されていく中で、登場人物たちも違和感を抱えながら適応していく。その姿が、SNSや現実社会の空気感とも重なって見えて怖かった。

特にピョコルンの存在が不気味だった。
かわいらしい名前や親しみやすさとは裏腹に、正体や意味が曖昧なまま社会に浸透していく感じが、みんながなんとなく受け入れている空気そのものみたいだった。

この作品は単純な社会風刺というより、人間が違和感に慣れていく過程を観察しているような感覚がある。
読んでいる自分自身も、気づかないうちにその空気に順応しかけている感じがしてゾッとした。

下巻読むのも楽しみ!!

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不気味で怖くて面白くて一気に読んだ。
私も便利な道具になるのは嫌だ。
正社員共働きで生活費折半を求められて相手もして出産もするの…?それ私に何かメリットあるの…?
誇張されてるけど嫌な登場人物ばかり。
こういう人いるよなぁって。
特に女を見下して家事育児マシーンだと思ってる登場人物。
論点はそこじゃないんだろうけど、とても嫌な気持ちになれた。
世界によって自分を使い分けるって空子程じゃなくてもみんなやってるよね。SNSは垢によって人格違う(笑)

ピョコルン…ピョコルン!
このままの勢いで下巻突入します。

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2026年05月30日

Posted by ブクログ

村田沙耶香は私たちが当たり前に享受している概念をぶっ壊してくれる。それがたまらなく気持ちよく、快感なのです!
そして読み終わると人(特に男性)のことが少し嫌いになっている笑。
今回の村田沙耶香ワールドも面白くて面白くてページをめくる手が止まらなかった。今回は上下巻と大ボリュームなので、もう終わってしまう…!という心配がなくて良かった。
パラレルワールドのはずなのに現実よりも本音と実感に満ちている世界。そして急にくるSFトンデモ展開も大好き。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

DNAや女性差別、性、育児家事、虐め、ペット、世間の目、などいろんなテーマがあるけど自分を守るために何かを犠牲にしたり摂取したり人間のいろんな醜さや弱さがこれでもかと言うほど詰め込まれてる本。
ちょっと奇妙なこの世界観がとても好きー!

やっぱり私結婚したくないし、人間関係の面倒くささが改めて感じられた

ピョコルン、、

"この世はすべて、世界に媚びるための祭り"

クレイジー沙也加さんと呼ばれている村田沙也加さんの本、その他の本も読んでみたくなりました。
凄い本を読んだなーって思います。アニメ化したらいいのにな

下巻もスグ読みたい!楽しみ

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2026年07月03日

Posted by ブクログ

村田沙耶香さんお得意の「現実からちょっとズレた世界」、今回はそのズレ方がとにかくえぐい。

主人公・空子は”性格がない”女の子。その場その場で人格を使い分けて、ただ「安全」に「楽に」生き延びてきた人間。……でもこれって、よく考えたら誰でもやってることじゃないか、と気づいて背筋が冷えた。

謎の生き物・ピョコルンの正体が明かされるにつれて、物語の不穏さがぐんぐん増していく。「気持ち悪い」と思いながらも、ページをめくる手が止まらない。
人間の裏側・欲深さをここまでストレートに描ききる村田沙耶香さん、本当にすごい…!

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2026年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公である空子は自分がない「人間ロボット」ではないかとずっと考えて生きていた。自分がないから相手に呼応して、相手を「トレース」して理想の友人を演じてきた。誰からも親友だと思われるように。楽に安全に生きていくために。そのおかげで自分が色々な自分に分裂していくという感覚になる。

ここまでは一見普通の小説だなと思う。自分もコミュニティに合わせたペルソナがあるし、誰だって親の前と恋人の前、友人の前、同僚の前だと態度や話し方は違うと思う。空子ほど顕著ではないと思うし、あそこまで相手に合わせられるものでもないが。言われてみればそうだな、という人の一面を他にはない角度で切り取っていて面白いなという印象。
だがここで終わらず、ラロロリン人とピョコルンが出てきたことにより、なんだこの本はと思った。
前者はラロロリン遺伝子?か何かがガイコクで発見されその遺伝子を持っている人がいじめられたり優遇されたり迫害されたりする。(時代によって違う)
後者はパンダとなにかとなにか(もう覚えてない)の遺伝子を混ぜて作られたペットらしい。キューキューと可愛くなく姿に人々は魅了されていた。空子の家にはピョコルンがいて主に空子の母が世話をしていた。餌は人間と同じものを食べる。専用の食べ物がないとか便利だな、と思っていたが、まあ中身が人なんだから同じもの食べるわけで上巻のラストで明かされることは冒頭で暗示されていたのかと鳥肌がたった。
作中の世界では家のことは女がする世界で「家電」と表されていた。夫や子供の食事の世話、掃除、洗濯、夫の性処理などなど。そんな中でピョコルンと性行為するというものが流行りだす。そして空子が大人になった頃、ピョコルンには人工子宮がつけられ、性行為の対象はもっぱらピョコルン。もちろん出産もピョコルン。これで空子は以前の母のように全ての世話をする必要はなく、家事をするだけで良かった。そんな中でピョコルンの中身が人で、人のリサイクルだったと明かされる。さあここからどうなるのってとこで上巻が終わった。
面白いのは面白いが、なんだこれというのが1番に出た言葉だった。なかでも大人になった空子は自分が分裂しているだけでなく世界が分裂していると表すようになり、複数の世界を持っていた。世の中の流行りごとに疎い地元の世界1(多くの人が属しているような平和な世界)、最先端のものにアンテナをはれるような裕福な人が多いキャリア組の世界2(水素水とかすごいサプリとか金持ちだなって世界)、何事もしっかり考え、頭がおかしいと言われようが自分たちは正しいことをしていると主張する世界3(同性婚とか女性の社会参画に理解をとか騒いでる世界)それぞれの世界でラロロリン人が、ピョコルンが、どういうものでどうすべきか異なる判断されている(カッコの中は自分が思うに実社会ではここら辺かなという社会)。そこら辺に順応しているあたり空子は本当に自分がないんだなと感じた。作品の大筋とは関係ないが、世界2の鼻のホワイトニング、世界3の汚水?や廃棄物を摂取して人間の体で浄化するという行為。何やってんだと思ったが、体内にチップを入れるということや磁力で新幹線がとんでもない速度で走ること、自分が生まれた時から自然に受け入れてるだけでチーズやキノコといった菌類を食べていることも今の世界になくて小説の世界に出てくればなんで体の中に異物を入れてるんだというふうに思ったんだろうなと考えると自分もいつか鼻のホワイトニングをする日が来るのかなと思ったりした。

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2026年06月28日

Posted by ブクログ

最初に「人間」を始めたのは、いったい誰なのだろう-。

『コンビニエンスストア様 』以来、そして、同一作家san最多となる21作目の村田沙耶香san。アンソロジー以外、全部読んでます!

この世はすべて、世界に媚びるための祭り。性格のない「からっぽ」の空子の一生と人間社会の終着点を描いたディストピア。どうか、穏やかに天国にいけますように。都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに人類が至った極地とは・・・

この作品は村田sanの世界が全てが詰まった集大成だと思います!
これまでに読んだ『世界星人』の「ポハピピンポボピア星人」、『しろいろの街の、その骨の体温の』の「ニュータウン」、『授乳』での「母への態度」などのエッセンスがたっぷり入っていました。

出会った人に呼応とトレースを駆使し、安全に生き延びる。一見かわいいだけのピョコルンの能力と変貌。その後の「リセット」とララロロリン人との共存、そして人間リサイクルシステムまで。

上巻ラストの明人の決断や下巻最後の空子の儀式は、分かっていてもトラウマ級の衝撃でした。。><

【第78回野間文芸賞】

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2026年06月27日

Posted by ブクログ

ラロロリン人?ピョコルン??なに??気持ち悪い…やばい…でも私らの知ってる世界の話だったね…という感想
共感もできるし、本当にすごい

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2026年06月24日

Posted by ブクログ

内容と長さに反して読みやすい。

コンビニ人間にも通ずる話だけど、自分が所属しているいくつかのコミュニティでペルソナを使い分ける感覚、めちゃくちゃ分かるな〜と思った。
私は強い信念を持ち合わせている訳でもなく、誰かにネガティブな印象を持たれることなくその場をやり過ごそうと周りの様子を伺う癖のようなものがあるので空子の思考や行動には共感を覚えた。
この作品も(題名はもちろん知っていたが)実際に読もうと思ったのは周りの友人複数人が読んでいたからだ。

友人Aと話すときは流行りの言葉でSNSで流行っていることや異性との恋愛についての話題で盛り上がる一方で友人Bと話すときは共通の趣味について盛り上がったり互いに勉強しているアカデミックな話題で盛り上がったりする。
友人Aと友人Bの住む世界は別で、私もそれぞれ違う顔を使い分けている。
友人Bとの世界にいるときの私は流行を追うばかりの友人Aを軽蔑さえしている。
それ以外にも世界はあって、どの世界が過ごしやすいか、どの世界にいる自分が理想的か、それぞれ思うことはあれど、一貫して演じているな、と思った。
きっと皆そうなんだろう、と思う。
個人の中に住まう空子(小早川)に気付かされる作品だった。
ごく稀に住む世界の違う友人同士を引き合せることが得意な人間に出会う。
住む世界の違うもの同士が同じ場所にいても自分の見え方や在り方を変えず(少なくとも変わっていないように見える)人は、どのように"ありのまま"で生きてきたんだろう、と不思議に思ってしまう。
羨ましいとさえ感じる。
私は友人Aといるときの自分と友人Bといるときの呼吸の仕方がまるで違うから、この2人が一堂に会する機会があったら、どんな表情をすれば良いのだろうと戸惑うだろう。

この作品では性差、差別、などなど目を背けたくなるテーマも直接的に描かれていた。
第三者の視点から登場人物を見れる、これが"読書"で助かった!と思った。
SNSに飛び交う差別的な言葉や暴力のことを思うとフィクションかつ、露悪的に描かれている作中の男性の方が"分かりやすい"と無意識に安心してしまう自分が嫌だった。
この作品で描かれている差別などが現実味を帯びていることこそ問題だと思う。
「現実の人間はこんなにひどくない!」と、もっと強く拒否反応を示せるくらい現実の人間がマシだったら良いのに。
もっと現実と乖離していたら感じ方も違ったかもしれない。
気持ちが悪い!上手くまとまらない。

上巻ラストでピョコルンの衝撃的な正体が明かされる。
このあと、どのように物語が展開していくのか楽しみでしょうがない。

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2026年06月24日

Posted by ブクログ

読み終わって、呆然としています…
ザ・村田沙耶香ワールド。

ひたすら繰り出されるカオスな状態に疲弊しながら読みました。
ピョコルンにラロロリン人。
途中、衝撃的な事件が起こり、開いた口が塞がらず…

途中で挫折してしまう人もけっこういるそうですが、気持ち分かります(汗)
えげつない表現が多いし、みんな急に人格が変わったかのように豹変したり。
でも淡々と進む物語、怖い、気持ち悪い。

フィクションなのに、どこか現実とリンクする場面もあって、それが読んでて苦しい。

そして後半「世界99」というタイトル回収。
最後の締めくくりはアッパレとしか言いようがないですね、もうこれで“完”でもいいと思いますが、下巻があるのですね、これ以上何があるんでしょうか笑

正直お腹いっぱいな感じはありますが、最後まで見届けるため、下巻に進もうと思います!

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2026年06月04日

Posted by ブクログ

嫌悪感を抱いたり、精神的に疲弊してしまうような展開なのにページをめくる手が止まらなかった。

自分にもそれぞれのコミュニティによって使い分けている顔があって、設定としてはありえない世界観なのに「わかる」と思えるところも多かった。だからこそこんなにも気持ちが削られていくのかもしれないと思った。

下巻の空子はどんな人生を生きるのかな。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

世界と私が分断されていく。
それぞれに価値観や性格を当てていき適応する。性奴隷なる生き物の正体が最後明かされる。設定や展開が個性的で著者ならではの作品でした。面白かったです。

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現実はこんなに酷い世界ではないと思いつつ、共感してしまう部分が多々あり、なんともいえない感情を抱いた。
人の尊厳をこれでもかも踏みにじった世界。
いじめや性的暴力の描写に、何度か離脱しかけたけれど、読むことをやめられず、第二章の世界の広がりに至ってからは読む速度が上がり、一気に読んだ。癖になる感情。

世界を股にかけるのは皆同じなのではと思いながら、それをかっちり意識して、キャラを作り上げる空子のような人は少ないのかもしれない。

全て破壊して終わった上巻、下巻はとうなるのだろうか。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

コンビニ人間や地球星人に通ずるところもありつつ、それをさらに発展させたような。
村田沙耶香がまた新しい世界を生み出してきたように思った。
本文には大袈裟な表現ではあると思うが、誰にでも部分的にでも共感したり頷いてしまうところもあるのではないだろうか。
これまではそれを認識せずにしていたかもしれないが、読んだ以上はきっと思考の片隅にでも残り続けることだろう。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

最初は性や人間のランク分け、女性の人間家電のようなテーマが重く感じて悶々とした。しかし後半から社会で生き延びるための自己の多様化や役割を演じること、孤独、本来の自分に素直に生きられない生きづらさなど考えさせられることが増えてのめり込めた。
とにかく設定が奇妙で違和感を持つが、こんな未来もあるのかもと思えてきた。それは少し怖いが。
下巻が楽しみ。

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2026年05月30日

Posted by ブクログ

愛とか、優しさとか、思いやりとか、他人を敬うとか、助け合いとか、そういうのが一切ない。
何と言ったら良いか・・・悪意に満ち溢れ、みんな何かの奴隷であり、何かに対して従順に生きている世界の話。
主人公空子は、周りの空気を読むどころか、シンクロしてしてしまい、その時々に自分がいる集団の中に溶け込むことで、自分がしんどい目に合わないように生きていきます。
ただ、空子の中には主義や、思想はなく、その場その場でシンクロした際に思うことはあるけど決してそれを持ち続けません。
集団が変わったら、あっさり捨ててしまいます。
考えることを放棄する免罪符の様に繰り返されるセリフ「私は馬鹿だから」っていうのが印象的でした。
このセリフ、下巻の話でなんかつながるんですかね?
初見の集団でも相手をトレースすることで、瞬時にキャラを作り馴染むっていうところで、いわゆる多重人格とはちょっと異なる感じですかね。

ラロロリン人とピョコルン(これも、なんか人を小馬鹿にしたような、イラっとするネーミングですね。なんだよ、ラロロリン・ガール・ラブって(笑)。こういったところにも作者の悪意みたいなものを感じました。)という多分何かのメタファーが話の展開を劇的に変えていき、上巻の最後もピョルコンの正体が明らかになったところで終わります。

まだ下巻に続いていくのですが、ここまで読んだ感想は、よくもまあここまで毒々しい内容の話が書けるようなぁ・・となんか一周回って感心してしまいました。
いじめの描写とか、痴漢の話とか、バイト先のおっさん?の話とか、習字のセラピーの話とか、終盤にかけて欲望のはけ口にしていたピョコルンの正体がXXで、それを確認した際に現れたのが△△であったりとかの件とか。

特にこの話に出てくる男の描き方が酷い・・・・そんなに男って人種はクズなん?っていくらい酷い。
ここまで酷いと、作者の方の男性観というか世の中の男性に対する呪詛か?と勘ぐってしまうくらい。

なんというか、毒を毒と分かって挑まないと、強烈さに取り込まれててしまうのでは?と思いました。
感受性豊かな思春期の子供には絶対読ませたくない(笑)。

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2026年05月11日

Posted by ブクログ

「小さな分裂を繰り返しながら、私は生きている。」
そんな衝撃的な言葉で始まったこの話は「普通って何?」と問い続けてきた村田さんの集大成的な超大作だった。
上巻だけで完結してもよいくらいのボリュームと完成度!えっ、ここからどうなるの?まだ続くの?と呆然としたし、おなかいっぱいだったのもあり、しばらく続きが読めなかった。

トレースしたり、集団ごとにキャラを変えたりというのは多かれ少なかれみんなやってることだけど、ここまで膨らましてここまで言語化するとこんなにゾワゾワするんだなぁ。

一息ついて、下巻に突入!

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

いろんなところで絶賛されてたのをみて
とりあえず上巻を読んでみました。

「コンビニ人間」以来の村田沙耶香さんの作品。
コンビニ人間を読んだ時は記録してなかったので
記憶ははっきりしてないけれど、
独特の世界観だったことだけは覚えてました。

そしてこの作品。
なかなかの想像の斜め上をいく世界観で
新鮮ながらにちょっと理解が追い付かない私...

ピョコルンにラロロリンDNAと
よくこんな世界を描けるな〜
とひたすら感心してました。

私自身は続きが気になる面白さはなくて...
それがなぜなのか?
と考えた時に
主人公の空子に感情がない
ような気がして、平坦な感じがあるからかな、
と個人的には感じてます。

ストーリー自体はちゃんと起伏はあるものの
空子は他に人に合わせて生きるキャラだから
自分のオリジナル感情がないんですよね...
人に合わせてキャラが変わるのは
人間誰しもあると思ってはいるのだけど
でもそのなかでその人にしかない
オリジナルな感情はあるはずなのに、
私には空子のそれが感じられなくて...

とはいえ、あの分厚い上巻を読んだのだから
この想像の斜め上をいく世界が
これからどう展開していくのか?
を見届けたいとは思ってます。

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2026年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この著書の作品、初読。
最初からなんとなく不穏な感じがしていたのだが、最後のところを読んだら眠れなくなった。
昭和の時代を描いていると思っていたけど、ピョコルンって何?あたりからブラックなファンタジー感が出て来て、世界99!ってこれかー!で上巻終わり。えー!
私は登場人物に感情移入できる作品が好きなのかもしれないと思った。この作品は情景がよく思い描けるし、話している昭和な価値観も理解できるけど、全然感情移入出来なかった。むしろイヤな感じすらした。
自分は人間ロボットかもと悩む主人公なのだが、相手によってこんなに態度を変えるとかイヤだ。
下巻に続く

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2026年06月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作者の頭の中はどうなっているのか、複雑すぎて難しい

世界が①、②、③とあるのは何となくわかる。誰でも多かれ少なかれ経験はあるんじゃないかと思う。それをこんなにはっきりと明示した作者はすごい

それにしてもピョコルン、言葉の響きとは裏腹にエグい。明人もピョコルン手術って本気か?

これで上巻って下巻はどうなるんだろう

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2026年06月24日

Posted by ブクログ

全体的に気色悪さ、特に男性が気持ち悪く、女性もそれぞれの世界で尖りすぎていて読んでいて消耗した。
空子は自分のことを賢くないと言うが、あれだけの「世界」を行き来しているのは器用だなと感心する。空子ほど極端ではないが、私も実生活で異なるコミュニティで多少異なるキャラを演じている節がある。その世界でうまく渡り歩いて行くために必要なこと。
「ピョコルン」が話の軸になるとは思っていなかった。多くの属性の人に受け入れられ、正当化されつつあった人類の発明には実はウラがあった…
ここまででお腹いっぱいではあるけれど、少し休憩をおいて下巻を読みたい。気持ち悪いと思いつつ、なんやかんや続きが気になる。空子がどのように生きていくか気になる。

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2026年06月08日

Posted by ブクログ

人は誰でも表と裏の顔を持つことはあれど、どこまで多重人格者となれるのだろうか。空子の世界①から③まではついていくことができたが、後半に⑧まで進むともう何が何だかわからない。そして上巻の最後でこの本のタイトルの意味を知る。さらにはピョコルンの正体が明かされるが、このあと一体、下巻はどのような形で着地することになるのか、大いに謎。

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2026年05月29日

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