あらすじ
無職の娘とダメな父。ふたりに奇跡が舞い降りた! 39歳独身の歩(あゆみ)は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに、歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、切なくも心温まる奇跡の物語。第8回酒飲み書店員大賞受賞作!
感情タグBEST3
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とても面白い本でした。春のように温かくそしてカラッとして爽やかな作品。
好きを生業にした人たちに純粋に好きな気持ちを思い出させてあげるために神様は働きかけたのかなと思いました。
そしてこの作品の親子関係を読んでいて自分が娘にこうありたいと常日頃思っている態度は母が自分に向けてくれたものであったと気が付きました。
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これから先も何度も読みたいと思える本に出会えた感覚。最初の書き出しからとにかく最高で、わくわくが止まらず、最後まですごいスピードで読み進めた。歴史ある映画館に足を運びたい気分。
最後の片桐はいりさんの解説もサイコーだったー。
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映画を心から愛する人たちの心温まる奇跡のお話。それぞれの登場人物が相手を思いやる気持ちによって巻き起こる奇跡の連続、映画を愛し尊重してきたからこそ形成される温かくも強い信念、インターネットの闇にも触れながら、光が持つ力で繋がることができた素敵な縁、どれもこれも心に染み渡ってきて読んでる最中はずっと頬がほろほろでございました。片桐はいりさんの解説もニヤニヤ。ページをめくる手がとまりませんでした。。
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以前、映画を観たので原作の小説をあらためて読んでみた。
だいぶ違う…映画は山田洋次監督だったからか、父親(映画では沢田研二)にフォーカスを当てていたが、小説では娘(映画では寺島しのぶ)が主役になっている。
39歳独身の娘は突然会社を辞め、映画とギャンブルが大好きな父の借金返済に悩む。
なんか素敵な一文があった。
『はるか昔から映画館は娯楽の神殿でありました。あの場所は一歩踏み込めば異次元になる結界です。映画は結界に潜む神様への奉納物だ。そしてそこには一緒に映画を見つめるキネマの神様がいて…(中略)』
映画って100人中、99人は好きだと思う。そして個人個人が好きな映画があり、好きなシチュエーションがあるはず。何が正解というものはないが、映画に前向きに真摯に向き合う者たちの奮闘は応援する気持ちになるよね。後半に向かいキネマの神様がある奇跡を起こしていく。
小説内に登場するミニシアター『テアトル銀幕』…映画観るのももうシネコンに慣れてしまったが、こういう小さな映画館で映画観るのもよかったなあ。飯田橋の『ギンレイホール』、神保町の『岩波ホール』、銀座『シネパトス』…大宮にも『白鳥座』とかあったなあ。
なお、最初父親役はコロナ感染で死去された志村けんさんが演じるはずだったので、撮影延期となり、代役として沢田研二になった。(小説では父親は『ハゲ頭』となっているのだが)映画の最後に『さようなら、志村けんさん』と表記される。原作を読んでから映画を観ると全く違う印象になるので、映画は別物という前提で鑑賞すべきかな。映画のほうが泥臭くてドラマティック。
さすが山田洋次監督。
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ニューシネマパラダイス、私も大好きな映画。
もうしょっぱなから泣ける。
母がいなくなってしまった世界を想像できない、という描写は、「きのう、何食べた?」でも出てきて覚えてる。よくある感情なんだな…
以下は本文からの引用です。
「そういう素のままのお前を見てもびっくりしないような彼氏でなけりゃ、付き合う意味ないぞ。どうしてだろう。スクリーンをじっと見上げるうちに、いつのまにか私の頬は濡れていた。」
「『映友』、読みますから!世界中のどこにいても」
「母がいなくなってしまったあとの世界を想像できない。」
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話の展開が早く、なにより文章がキレイで一気に読み進めました。映画を愛する「キネマの神様」が、様々な奇跡を読んでいく展開にワクワクして、また映画と神様を愛する周りの人との関わり合いに心が温かくなりました。映画を見たくなる。
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映画色の強い作品ですが、 その中にある“家族”の話しに胸が打たれました。
家族とは色々あるけど、結局はかけがえのないもの。
その温かさに思わず涙がこぼれました。
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積読してはや数年。
たしか映画を観た後の勢いで購入。
当時はあまり本にワクワク感を感じれなかったのと、導入は今もやや世界観に入り込むのに時間が要したので中々手に取れなかった。
てか、映画と全然ちがうな?
映画あんまり覚えてないけど、当時は感動してた訳でたぶんどちらも心に刺さる。
積本にしてたのに、終盤に畳み込まれすぎて読み終わった後(午前2時)実家のベッドの上で号泣してた、、、
題名通り、映画が題材のお話。
netflexなどが普及してるいま、映画館に通う人って少なくなってるんじゃないかな?けど、ぜひ名画は映画館でこれから観たい!と思わされる内容。
映画を見るのは一種の旅行なんやなあ
ゴウちゃんは自分の父とも重なるところがある。
元ギャンブラーでいまは家でゲームに没頭してるけど。笑
自分の好きを突き詰めたら人生って変わるのかも。
いまやあっという間に感じる2年の間にこの物語は変化したから。
自分も好きなことを大切にして、その信念を持ち続けていきたい。高峰さんのように自分の中の柱を確立したい。雑居ビルの中のプロ集団も好きでした。
あとはゴウちゃんもテラシンもこの流れで死ななかったのが嬉しかった!!笑
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原田マハさんの著書は、ストーリーだけでなく、文章そのものが上品で美しいと感じます。読んでいると心がスッと落ち着き、読み終わる頃には心が洗われたような清々しさを味わえます。
最初に読んだ『本日はお日柄もよく』の印象が強いのかもしれませんが、将来、子供の結婚式で父親として謝辞を述べる機会があれば、その前にもう一度原田マハさんの本を読みたい、と毎回思わされます。
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原田作品の特長で初めのくだりからうるうる感動させてくれる。主人公の円山歩と同僚柳沢清音との退職時でのやりとり、そこから次々に感動の山が出てくる。推理小説なら結末が予想できるが、この作品の結末は予想できなかった。主人公歩がデベロッパーを退職して映画雑誌に勤めることになる、そのきっかけもおもしろい。そして、海外ブロガーとの予期せぬ展開 ・・・ 。映画愛にあふれた作品だ。本文に出てくる映画のタイトルも気になる。「ワーキング・ガール」「テルマ&ルイーズ」「自転車泥棒」「或る夜の出来事」「カサブランカ」「シャイニング」「ライフ・イズ・ビューティフル」「グッドナイト&グッドラック」「ブロークンバック・マウンテン」「ローマの休日」「フィールド・オブ・ドリームス」などなど、そして「ニュー・シネマパラダイス」観たこともあれば観たこともない作品もあり映画の興味が増してくる。まるで映画を1本観たような感動する小説になっている。
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温かい気持ちになって、映画が見たくなる本。
ネトフリばっかりじゃなくて名画座に行こうかな、と思った。テラシンみたいなおじいちゃんが選んだ映画を見てみたい。、
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大好きな原田マハ作品の中でもトップ3に入る好きな本だった。登場人物が書く文章がとにかく魅力的で、何回も読み返しながら読み進めるのが楽しかった。観たい映画やまだ観ていないのに好きな映画も増えて、自分の幸せな世界が広がる感覚が心地よかった。
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映画好きな方はぜひ読んでほしい。
でも、間違っても電車内で読んではいけない。
泣きすぎて、きっと向かいの人から引かれるはずだから。
かくいう私がそうでした。
東京在住時、多い時には、月に3回くらい渋谷の単館系スクリーンに通った私。
ドキュメンタリー中心だったけど、映画を好きな気持ちは、この作品の登場人物と同じ。
だから、いろんな感情移入をしてしまう。
原田マハさんの作品は何冊か読んでますが、ご自身のお父さんや、本人の経験から書かれたこの作品は圧倒的な力がこもっているので、映像がありありと浮んできます。
ぜひ、本を読んで映画館に出かけてほしいです。
Posted by ブクログ
感動をうまく言葉に出来ないが、本当に素晴らしかった。電車で読んでいたが、久しぶりに最後何度も涙を堪えた。目的地の駅に着き、最後読み切りたくて、駅のホームで立って読んだ。
ゴウちゃんとローズバッドの紡ぎ出す言葉のエネルギーが力強く、輝き、惹きつけられた。2人の生きてきた背景のシンクロにも、言葉を紡ぎ出す力強さの後押しにも感じた。
あー、すごいなー、マハさん。
ほんとすごい( ¯ ¨̯ ¯̥̥ )
古き良き時代の日本映画のよう
自分は、映画はほとんど観ない方で、この小説が映画化されたのを知ったのは読み終わった後でした。社会的ステータスが高い主人公が、その全てを失ってどん底から這い上がり、今までとは違う価値観の幸福を得るという王道ストーリーですが、それが良いです。(主人公が)周りの人達も巻き込み、その人達も幸福にして、最後は(お約束な感じで)全員集合「めでたし・めでたし」で締め括る。在りし日の日本映画を見ているような感じでした。
キネマの神様
映画館で映画を観たくなりますね
コロナだからな、、と遠のいてましたが
映画は
やっぱり映画館で!!!
まづは
キネマの神様から
志村けんさんが演じる予定?の
ごうさん 観たかったな
沢田さんの代役も期待してます
やっぱりあの映画
映画好きお父さんがかわいいキャラですね。
定年後に自分の好きな世界にどっぷりはまって周りを振り回す昭和ヒトケタ世代のやりたい放題加減は自分の父親を見ていても共感できます。
映画好きのオールタイムベストってやっぱりあの作品なのかな?
Posted by ブクログ
映画館にいる2時間(作品によってはもっとかな?)がとても好きだ。悲しかったり楽しかったり感動したり、スマホで見る映画とは違うなんとも幸福な時間だと思う。
最近はシネコンが主流で便利になったとは思うけれど、子どもの時に次の上映まで1時間以上ならんで、早いもの順で席についてやっと観れた時のワクワクした感情が思い起こされた。
ゴウちゃんほどの映画マニアではないけれど、あんなに真っ直ぐに思いの丈を書くことはできないけれど、小さな名画座で往年の名作映画を観たいな。
Posted by ブクログ
主人公の歩が大企業で積極的に飛び回って課長職までやってたわりには父親にブレーキ掛けまくりだし立ち振る舞いがちょっと微妙だったけど、話の筋としてはさすがの面白さだった。
お約束の展開で進んでいくけど、この作品はそこも含めた面白さという感じがする。
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映画を中心に様々の映画好きが絡んだほんわかとした人間模様が描かれ、映画への情熱や家族愛が読んでいて心地よい。駄目な所も沢山ありそうな主人公の父親が家族の優しさに支えられてここまだ来たんだろうなあ、、というのが冒頭からの印象で、そのごくありふれた、どちらかといえば駄目な父親がふとしたきっかけから映画評論で日本の映画ファンとかかわり更には、世界と関わっていくという展開は驚き。読後には映画館に足を運びたくなります。
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泣きました!ゴウちゃんに課せられた最後のお願いを叶えてあげてほしかったです…
会ったことも声を聞いたこともないお二人が、国を超えて親友になる…価値観の一致がもたらす素晴らしい奇跡!
気になる映画を観て、また数年後に読み返しそうです
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映画を通して、多くの登場人物が人との出会いや自分の人生を切り拓くきっかけを得たり、プラスの方向に転じていく物語。
私の生まれた6日後に日本公開されたというニュー・シネマ・パラダイスはいつか観てみたい。
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涙あったか、エモい方の原田マハ
ギャンブルと映画を愛する父と名画座、そしてキネマの神様。
こんなにうまく行くかなあという展開ですが、まんまと泣かされました。
出てくる映画がドンピシャで、懐かしく、映像がうかぶのもまたよきでした。
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趣味は麻雀と競馬と映画。すぐに借金を抱えて家族に迷惑をかける父親が起こした奇跡の物語。
好きなもの(映画)を題材にされると弱い。あまりにもできすぎたフィクションだと分かっているのにボロボロ泣いた。
高齢にも関わらず、昔見た映画の知識が流れるように出てくる主人公の父親が羨ましい。(借金癖があるのは困るけど)。うちの父親も映画が好きだけど観た作品のタイトルを全く覚えないから、あまり映画の話が盛り上がらない。
現実の名称を使わないように「2ちゃんねる」を「5ちゃんねる」に変更していたのに、2024年現在では現実が「5ちゃんねる」になっているのが可笑しい。
Posted by ブクログ
映画に対する情熱と知識のぶつかり合いから生まれる友情、家族の再生、文化の継承や人生の生きがいまで。ゴウとローズ・バッドとのラリー。熱く、温かく、心に深く沁み入りました。シチリアのあの映画、私もまた観てみたくなりました。
Posted by ブクログ
最近はサブスクでもっぱら自宅やスマホで映画を鑑賞しているが、映画館の暗闇の中、大きなスクリーンでじっくりと名画を観たい、と改めて思わせてくれた作品。最後の方は涙しながら読んだ。ニューシネマパラダイス、人生で何度も観てきているけどまた観たくなった。
Posted by ブクログ
今すぐ名画座で映画が見たくなる話。
映画を愛する人たちの熱い想いが感じられ、映画への感想や批評における文章は読み応えがある。
昔、ゼミの先生に連れられて、神保町にある岩波ホールの最後の映画を見に行った。
このホールの裏には映画を愛する人たちの想いや思い出がたくさんつまっていたはずである。そんな場所が無くなりつつあることを憂うばかりである。
Posted by ブクログ
最近、小説が映像化を狙いすぎてマンガ化しているのではないか?小説本来の表現の奥ゆかしさが失われているのでは無いか?っと兼ねてから寂しい思いをしているのですが、この物語を読んだ後もやはりその寂しさの様な虚しさに包まれた。が、涙が止まらなかった。
そうか、この人の本はマンガ的なのでは無く映画的なのだ。
お膳立てされわざわざ泣く為のラスト。ここでこうなれば観客は泣くだろうという作為にまんまと騙されるエンターテイメント。
これはこれで良いのかも知れないと思える作品でした。
Posted by ブクログ
映画はたまにしか見ない私は、この小説に登場する名作や映画館で映画を見る文化がピンと来ず、なかなか入り込めなかった。でも後半でテアトル銀幕の危機が訪れてからの展開は夢中に読み進めた。
歩、父親、母親、こうたくん、が変わっていく様子がじーんときた。
映画にも造詣がないと今作に出てくるような描写はできないはず。原田マハさわの引き出しの多さに驚かされると共に、私も映画、特に名画と言われる作品に触れたいと思わされた。