【感想・ネタバレ】キネマの神様のレビュー

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Posted by ブクログ

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み終わった後にじんわり心が暖かくなる話だった。ギャンブルからどうにか離れさせようと、同じ位好きな映画に関心がいくよう、ひょんなきっかけで始まったキネ神ブログ。ネットを通じてローズバッドという異国の地のライバル?と出会い、ゴウの世界が広がっただけでなく、娘である主人公も映友の皆もテラシンもブログ読者も何かしらの良い影響を受けて前向きになっていく。いくつになっても友は出来るものだし、むしろこんな便利な世の中だからこそ、可能性は無限なのではと思わせてくれる一冊だった。ラストの描写がとってもよく読み返したい。
(読書メーターからの転記)

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2024年06月03日

Posted by ブクログ

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 映画好きで映画関係の仕事をしていた主人公円山歩は社内での不祥事の噂から退職を決意する。そんな中、父親のゴウちゃんは病気により手術することが判明し父の代わりにアパートの管理人をすることとなる。管理人の仕事をしていると映画好きの父が管理人日誌に映画のことを記載していることを知り、歩はその日誌に映画への思いを書く。退院した父はそれを読みブログに歩の言葉をアップする。
 それ見た映画雑誌を出版している会社の映友が歩を雇いたいとスカウトする。そんなことから、映友で働くこととなった歩は同僚の新山と、映友の社長の息子と共に映画ブログサイト「キネマの神様」を立ち上げ、そのブログサイトでの映画の評論を歩の父が書くこととなる。
 ある時ローズ・バッドというユーザーから鋭い視点の映画評論コメントが父の評論に対して届く。それをきっかけに父とローズ・バッドの評論合戦が始まり、ブログのPV数は伸び、傾いていた映友の経営状態も回復に向かっていくのである。
 物語の終盤ではローズ・バッドの正体が世界的に有名な映画評論家であることが判明し、父の友人であるテラシンが経営する名画座をローズ・バッドが救ってくれる。反対に孤独であったローズ・バッドは父との評論合戦により映画について語り合える友人の素晴らしさ、映画が大好きであるということに気づく。
 最後はテラシンが経営する名画座で共に映画を観たい人と集まり、一緒に映画を観るという終わり。

・物語の始めは主人公が職を無くし、父親の身体が悪いこと、借金まみれであることが発覚することで辛い気持ちを感じながら読んでいた。
・だらしない父を見ていた主人公は父を信じるということが物語の当初なかなかできなかったが、周りの助言通り信じて任せてみることで、好転していったのは清々しい気持ちになった。だが、多額の借金を抱えるまでギャンブルにのめり込む人が他に夢中になることを見つけるだけですぐ変わるのか、また戻るのではないかと主人公のように内心ヒヤヒヤしながら読んでいた。
・映画好きの人物が多く出てきて、「映画館で映画を観たい」、「映画評論誌やブログを読みたい」という気持ちになった。

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

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物語終盤になるにつれてどんどん引き込まれていきました。
この作品には映画への愛が溢れています。今やスマホやテレビで映画を見ることにすっかり慣れてしまいましたが、映画館で映画を見たときの没入感と余韻を忘れないようにしたいと思いました。

「いまを生きる我々が忘れない限り、父と息子のキャッチボールはかなうのだ」
ローズバッドの死は悲しかったですが、ゴウはこれからも幽霊となったローズバッドと熱く議論を交わすのだろうと思えるような、あたたかいラストでした。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

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知人からおすすめされた本。「映画版は観なくて良いけど本はめちゃよかった」とのこと。
いやー泣いた泣いた。
『本日はお日柄もよく』も『さいはての彼女』『総理の夫』もそうだったのですが、原田マハは作中に出てくる手紙とかスピーチとかメールの文章で泣かせてきます。本書のゴンの投稿もそうでした。相手に気持ちを伝える文章が優しくて温かく、それがこころを揺さぶってきます。

登場人物の会話や文章から、映画愛が伝わってくるのがすごい。著者も映画好きなのかな。

ちなみに私は映像化された小説は相関図などでキャストを見ながら読むのが好きで、今回も映画のキャストをチラ見しながら読みました。読み進めながら「あれ?映画版って原作と全然違う?」と気づいてしまいました。原作が面白いと感じた側からすれば残念ですが、とりあえず歩役が寺島しのぶなのはまぁ良いと思います。

話を戻しますが、「ローズ・バットの正体は清音だ!ドヤァ」と考えていたのは自分だけでしょうか。清音とお父さんとの関係がうまく行っていないというのが伏線になってそこから清音の家族の話でさらに泣かせてくるのかと思いましたが、アメリカの大物映画評論家でしたという結果で、正直普通やんと思ってしまいそこからラストまでシラーっとしてしまったので★4です。
とはいえ歩の家族や高嶺親子など家族と会社、SNSなどの社会を巻き込んだ映画愛が溢れる小説でした。

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2024年06月04日

Posted by ブクログ

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私の父が1番好きな映画も「ニューシネマパラダイス」だなぁ、思い出した。ラスト、どんな映画がかかっても、大好きな人たちと大好きな映画館で一緒に観られる。それが、人生最良の映画、なんだ。っていうのがすごくよかった。ちょうど1年前くらいに家族全員でニューシネマパラダイスを家のテレビで観たことを思い出して、泣きそうになった。コロナで外出できなくなって、就活にも影響したし本当に辛かった。けど、家族とは仲良くなったしいろんな話をするようになった。みんなで一緒に映画を観るのも小学生ぶりだった気がする。コロナが収まってもそういう時間を大切にしたいなぁと思った。

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2024年05月02日

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