あらすじ
<デビュー25周年>渾身の書き下ろし長編ミステリー! 結婚直後の妊娠と夫の転勤。その頃から夫は別人のように冷たくなった。彼からの暴言にも耐え、息子を育ててきたが、ついに暴力をふるわれた。そして今、自宅マンションの浴室で夫が倒れている。夫は死んだ、死んでいる。私が殺したのだ。もうそろそろ息子の翔が幼稚園から帰ってくるというのに……。途方に暮れていたところ、2週間前に近所でばったり会った大学時代のサークルの後輩・桂凍朗が訪ねてきた。「量子さん、問題が起きていますよね? 中に入れてください」と。
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人の「本性」について考えさせられる、親子の話。
著者の伊坂さん曰く「読者をびっくりさせるミステリが書きたかった」とのことで、思惑通りラストにはびっくりさせられた。
そのびっくりも、「え~!?」という驚愕というよりは、「あ~!!」という納得が強く、心地の良いびっくりだった。
私の世界にもジャバウォックが在ってほしいような、やっぱり在ってほしくないような……。
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本編中、ずっと張り付いてくる違和感。もしかして、もしかして……と思っていた真実が明かされる瞬間。すごく気持ちが良くとてもおもしろかった。
量子が息子の事を心配するたび破魔矢は何を感じでいたのだろうか。
量子が途中、「翔にただいまは教えたけど、おかえりは教えてない。私が教えてあげないと。」と考えるシーンがあるが、破魔矢が翔だと気がついたとき「おかえり」と破魔矢が言っていて、感動的であると同時にとても寂しいシーンだなと思った。
本当なら親子が積み重ねてくるはずだった時間をジャバウォックに奪われてしまっているので、これから2人が過ごす時間が素敵なものになるといいなと思った。
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読み応えがあり、読後爽快な気持ちになった。
どうしてだろうかと考えてみたが、きっと、過去と人は変えられないが、自分と未来は変えられるんだと、この一冊を通して伝えていたのが感じられたからなんじゃないかと思う。
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伊坂作品の中でも一、二を争うくらい好きな作品だった!
隠されていた真実が明かされた時の衝撃と、スッキリ感がたまらない。
桂凍朗の苦悩を思うと、胸がキリキリと痛むが、最後の凍朗の行動を知ったとき、救われた気持ちになった。
家族の絆が裏テーマにある話に、ぐっと感情のツボを掴まれてしまう。
前面に主張されると、思わず「ちょっと美談すぎない?」と斜めの目線で読んでしまうが、「実はこの行動の裏には…」と主張しない感じで書かれると、現実味があってぐっとくる。
伊坂作品は割と人の命が軽やかに散っていくものもあるが、この作品は「命あるものとしての、人間の在り方」を描いているように感じた。
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皆さんの評価を見ると低めだが、私は最高のエンタメ、さすが伊坂さんだと思った。
夫を殺してしまい混乱状態の、まさにスノードームをひっくり返したかのように感情がとっ散らかった状態から始まる。大学時代の友人の手伝いのもと、遺体を隠しに行くが、途中眠らされて山奥に置き去りにされ、若い夫婦に助けられる…という話。
終始混乱状態で、これは果たして夢か現か…極限状態だからそう思うのか、それとも本当は現実じゃないのか?
全体の9割が混乱状態の量子が描かれている。ただし、伏線をたくさん仕込んである。残りの数ページで真実が明らかになり、急にモヤが取れる。これぞ伊坂さん!あれ?あの部分はそういうことだったのか…と伏線回収でささっと2度読みした。
息子への愛が沁みる。また息子がそれを知った時の様子が沁みる。
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ミステリー?それともSF?
なんとも掴みどころの無い荒唐無稽なお話。
暴力的な夫をうっかり金槌で殺してしまった主婦の逃避行から始まるトンデモ設定。そこに謎の物体?概念?病気?のジャバウォックが絡まり事態は二転三転反転する。
最後は20年も時間が経過して突然物語は終わる。
なんなの、これは。
これで終わりなの?
これが伊坂ワールド?こんな作家だったっけ?
P.S
「重力ピエロ」オークス優勝おめでとう!
これを機会に伊坂幸太郎にスポットが当たる事をとても嬉しく思います。感動しました!今村聖奈騎手!
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はじまりは伊坂幸太郎の作品には珍しくド直球のミステリなのか、と思わせる。だがやはり、そんなはずはなかった。思わぬところへ読者を導き、楽しませてくれる。
物語の様相があれよあれよと変わり、SFとファンタジーの中間のような不思議な雰囲気を纏い、時系列を交錯させながらジェットコースターのように進行していく。
軽快さと深みを両立させた味わいは今回も健在で、あぁ、今、伊坂幸太郎の小説を読んでいるんだなぁ、という安心感と愉快さに心が踊りページを捲る手が止まらない。
最後には、怒涛のカタルシスと伏線回収の妙が炸裂し、爽やかな大団円を迎える。
思わぬ伏線と驚きの展開はいつものことなので構えるが、一度も見破れた試しがない。
本作の奇想天外さは群を抜いている。そして、心の温まり具合も予想以上だった。
なんという心地良さ、なんという読後感と余韻。これぞ伊坂作品の醍醐味である。
他人と過去は変えられない、自分と未来なら変えられる。心に刺さる金言だ。
ちょうど職場の後輩の教育で疲弊していた時期だったから、余計に刺さった。
他人と過去は変えられない。だがこれは決して諦めるということと同義ではない。
まずは自分を変える努力をする。視点が変わり、新たな気づきを得たりして、思いも寄らなかった未来への可能性が拓ける。
未来へいく、つまり、成長するということは、自分というフィルターの質が変化し、それを通して見た他人や過去も自ずと違ってくるということではないかなと思った。
他者にどう接し、自分の過去にどういう意味を齎すか。それは、自分がどんな風に成長するかにかかっている。心に刻みたい。
人間の脳に取り憑いて凶暴化させるジャバウォックというものが存在する世界観のSFのようなミステリーです。終盤のトリックが明かされたときの、違和感が繋がる感覚と衝撃が素晴らしいです。
旬な話題と
変わらず軽快な文面の著者たる
久々の小説でした
やり投げとバスケットの旬な話も入り
最後は怒涛の伏線回収
やっぱり小説はエンターテイメントと
再認識させられました
もちろんほろっとした涙もあり。
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audibleで。どこがどうなってるの???と、伊坂幸太郎氏の物語は出だしで迷子になることが多いのだけれど、audibleだったので、映画を観ているようにサクサクとストーリーはすすんで、気がついたら終盤に。
「過去と他人は変えられないけど未来と自分は変えられる」
まったくです。
物語の展開の速さに対して、リクガメののんびりしたイメージのミスマッチ感が妙に心に残った。
ラスト「こんな都合よく⁈」と思わないでもないけれど、いつもながら(そんなにたくさんの作品を読んだわけではないけれど)、サッと風が吹き抜けるような感じのエンディングは心地良かったです。
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面白いんだけど、なんかこう。もっと。こう...
夫を殺害した、という物語から始まったのが問題だと思う。
ミステリーって言われて、容疑者Xの献身みたいなの想像してたら、思いのほかファンタジーと非現実的な物が出て「ん?これどんな読み方が適切なんだ?」ってなりました。
結末は正直そう来たかって感じですわ。やっぱりファンタジー寄りな気はする。
無事、量子が再会できてよかった(*^_^*)
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読みやすく軽快なテンポで繰り広げられる展開が心地よい作品。終盤は謎が解き明かされるというより答え合わせがあるといった感じで設定や中盤の盛り上がりの割には尻すぼみに終わったという印象。
登場人物の思想やジャバウォックというものの設定は、ファンタジーでありながらどこかリアリティーを感じるようないい塩梅で楽しめました。
ドライでありながら根底に優しさを感じるような読後感は伊坂幸太郎ならではといった感じで満足できました。
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やや強引ながら軽快に展開していくストーリー。読み手は量子と同じように、一体どうなっているのかと戸惑いながら物語を体験する。
現実と空想(願望、誤解)、実在と虚構の区別がつきにくい世界。登場人物がなかなか深いことを言ったりする。鏡や亀や天狗というキーワードが散りばめられ、それがメタファーなのか、登場人物の独特な名前はどういう意図が込められているのかなどと深読みしようと思えば色々と解釈ができそう。
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初めて本格的に小説を読みました。今まで、自己啓発本ばかり読んでいて今回初めて小説にチャレンジしました。本の感想として、ふわふわしていた感覚が、後半の伏線回収とともに地に足がついたような感じで感動もあり面白かったなという感じです。これが本屋大賞ノミネート作品かといった驚き、そしてこれからの読書が楽しみです。
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「これはヤバい、死んでしまう、と脳から抜け出すわけ。そうなればもう、ジャバウォックはさようなら」
「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」
破魔矢と絵馬
不思議な二人
その言葉が最後に量子を救う
桂凍朗、天狗、誰が敵なのか味方なのか
またまた最後の真実に驚かされました
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久しぶりに伊坂幸太郎さんの作品を読みました。
内容としてはミステリーに近かったかも?
だけど学ぶことが多かった。
最後でどんでん返しというか、衝撃の事実がある系の本は私の大好物です。
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本屋大賞にノミネートされた作品のひとつです
残念ながら大賞は取れませんでしたが
面白いミステリーでした
息子と夫の三人で暮らす量子は
まるで人が変わったように暴力をふるうようになった夫を
自宅で殺害してしまう。
そこに突然、大学時代の後輩・凍郎が訪ねてきて
死体を隠す手伝いをしてくれることになったのだが・・・
え?何?何なの?
ジャバウォックって何?
と、混乱しつつも読み進めていくと
驚きの展開へ・・・
後半になるほど面白い!
伊坂さんらしくて、
なるほどぉ。。。そう来ましたかって感じ
最後にクスッと笑って
満足感たっぷりで本を閉じました。
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衝撃的な始まりだが、次第に現実みの無いパズルのようなストーリーで、すんなり納得の行かない展開の場面もー。しかし主人公の量子は一貫しており、それが最後まで引っ張って行ってくれた。感動のラストで、伊坂幸太郎らしい優しさに触れて読んで良かったと思いました。ラストを何度も読み返して感動に浸りました。
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購入してから本棚で寝かせていた作品。2026年本屋大賞ノミネートとのことで、機が熟したので開放です。
いや〜!やっぱり伊坂幸太郎良いなぁ〜。
ここ最近の著者の作品の中ではかなり好きだなぁ〜。
人を殺めておいて、まるで何も無かったかのように流れていくストーリー。流れを読み取るためにしがみつく読者と、絶妙なファンタジー感。大変楽しく、ザクザク読ませていただきました。
そもそも『ジャバウォック』って何よってところからなんでしょうけど、まあ、目に見えない怪物ってとこですかね。色んな本読んでると出てくるので、チャッピーやらでも調べてみましたが、そもそもの発想から面白い。そして、展開もね!満足度の高い読書時間でした!
流石の読みやすさ
しばらく活字が読めなくてヤキモキしていたのですが、伊坂さんのなら……と手にとって、その読みやすさに心底感嘆させられました。読みやすさって、読んでて引っかかりを覚えないで、よそ見をしないですんて、本当に助かるんですよね。カギ括弧が続いても誰の台詞かスッとわかる、というのは、意外と稀有なことなのだと思います。
本編は、夫を殺してしまった「量子」と、引退した歌手のマネージャーをする「斗真」の視点からなります。特に量子サイドは謎に次ぐ謎という感じで、最初は「これはどういう物語なんだ?」と全く先を読むことができません。そのストレスをおしても読みたくなる、真相が気になる、問答無用でページをめくらせる……これがプロの作家さんの力量かと、舌を巻きました。
正直、物語一番のどんでん返し(?)には途中で気づいてしまいましたが、そこは別に本題ではないんですね。あくまで、その先にある、あの決着こそが大切なのだと、読了した今は思います。
読めて良かったです。
Posted by ブクログ
ジャバウォックという舞台装置は面白かったのだけども、いかんせん主人公が好きになれなかった。とにかく愚鈍。落ち着きがなくて理性的でもない。口癖のように分かりやすく教えてと乞いながら話をしっかり聞いていなかったり、理解するつもりがないのか混乱している、分からないを連発。そのせいで説明がクドく感じた。主人公の頭の中にあるのは子供のことばかりだが、回想に出て来るその子供は幼いながらにも利発で、これでおかえりなさいを知らない訳がないだろうと、主人公の認知に歪みを感じた。主婦で子供は幼稚園にもやっているのに育児で自分のことまで回らないという様子も要領の悪さを伺わせる。母親であること以外に本人が寄って立つアイデンティティがなく魅力を感じない。後遺症も相まって鈍さに磨きがかかっているのかも知れないが、それにしたってひどい。破魔矢と絵馬の忍耐強さに感心したくらいだ。夫が誘拐されるという異常事態の最中に逃走されたのに、怒るどころかイライラさえしないのは本当に凄い。
話のからくりには早々に気づける為、驚きもさほどなく答え合わせのようだった。予想外だったのは息子の行方くらい。もう少し空白の期間や違和感を無視しない主人公の心理にクローズアップして、本性というテーマに寄り添った展開の方が良かったのではと思った。種明かしで驚かせたいという目論見(それもあまり成功しているとは言い難いが)のせいで主人公のキャラクターが犠牲にされている印象。北斎編も決して悪くはないのだが、あんなにがっつり章を分けて本編に差し込む形で描く必要があったようには思えなかった。
Posted by ブクログ
自分の子供が恐ろしい言動を繰り返していて、
それが悪魔のせいだと分かるのは、救いがあります。
悪魔は怖いと言えば怖い。だけど、祓えばいい。
それに比べて、悪魔がいないと分かった時のほうが最悪です。
子供自身が悪いことになるし、特効薬もないんですから。
『さよならジャバウォック』 / 伊坂幸太郎
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はじめての伊坂幸太郎作品。
妻が夫を殺害するところから始まるんだけど、
そんなの序盤すぎて、途中夫殺しを忘れるくらい
主人公がいろんなことに巻き込まれていく話。
読みながら話について行くの必死だった。
2人の視点から物語が進んでいくんだけど、
途中とか最後に色々繋がって行くのもすっきり。
ジャバウォックってのが童話『鏡の国のアリス』に登場する、
鋭い牙と爪を持ち、火を噴く獰猛なドラゴンだそう。
終始奇妙で不気味な物語だった。
Beware the Jabberwock, my son!
#伊坂幸太郎 さん #さよならジャバウォック #双葉社
#読書感想文 #読書記録
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本の帯にあった「夫は死んだ。死んでいる。私が殺したのだ。」
の文から、絶対読みたかった。
でも想像していたのと全く違う展開の話だったので
思ったより読み終わるのに時間がかかってしまった。
ミステリー好きよりは、ファンタジー好きの人の方が楽しめる気がする。
Posted by ブクログ
著書の参考文献を見てなるほどと思った。
脳にとり憑くジャバウォック。
音楽はビートルズのイメージだったのかな。
全然違う話だけど、この前仕事でミスった時、「あなたコロナのワクチン何回打った? 私、一度も打ってないのよ。だって打った人、頭がおかしくなっちゃうもの。 だから失敗するのよ。」って言われた。怖いんですけど。ジャバウォックみたいに剥がせるといいな。
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妻が夫を殺してしまう物語のはじまりシーン。
頻繁に出てくる<スノードーム>という言葉や、殺人現場である部屋に突然訪ねてくる知人男性といい、え、これって「容疑X?石神?」なんて思いながら読んでたけれど、<WEB「推理小説」>の評で千街晶之さんが同じことを言ってて「だよねえ~、だよねえ~」と笑ってしまいました。
閑話休題。
本作は「<デビュー25周年>渾身の書き下ろし長編ミステリー」ということで注目度も高く、「伊坂ワールド全快!」という声も聞くが、残念ながら私的にはそこまでではなかった。
張られた伏線は回収してくるし、「そう、そう、これ、これ」という伊坂風言葉遊びも見られる。言いたいことも、まあ、分からなくもない。
でも残念ながら、全体的にテーマというか、なんかどこに焦点を合わせて読んだらいいのかピントがぼけている。いろいろ詰め込みすぎでまとまりが悪い。まあ「鏡の国のアリス」が根底にあるからそれはそれで作者的には意図した書き方なのかもしれないけれど、う~む…というのが正直な感想だ。
これで喜んでしまっては、本来の伊坂ワールドはこんなもんじゃない!という私がいる。
私的に今回響かなかった最大のポイントは、伊坂本には毎回必ずと言っていいほど心に残りその後の人生の指針ともなるような名言があるんだけれど、今回の一番の名言が「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる。」というものであることだ。
もうさ、これ、使い古されえてカビが生えてる(とまでは言わないが)、昨今のマインドフルネスなんかでも当たり前のこと、大前提で、それを今さら大仰に連呼されてもなあ…と、どこかものすごく醒めながら全編を読んでいる自分を感じてしまった。
ちょうどこれを読んでいる最中に家族からすすめられた映画『マチネの終わりに』を見ていて、あっちには「過去は変えられない」のまったく真逆の発想、「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えている。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える」という、私にとって目から鱗の発想を聞いたからよけいかもしれない。
最近の伊坂さんの本で心にずーんと響いた言葉は「りんごはりんごの花を咲かせればいい。りんごが薔薇の花を咲かせないからって、なんだっていうんだ」みたいな言葉だったなあ。あれは「777」だったか。あれは個人的に良かった。うん。
===データベース===
<デビュー25周年>渾身の書き下ろし長編ミステリー!
結婚直後の妊娠と夫の転勤。その頃から夫は別人のように冷たくなった。彼からの暴言にも耐え、息子を育ててきたが、ついに暴力をふるわれた。そして今、自宅マンションの浴室で夫が倒れている。
夫は死んだ、死んでいる。私が殺したのだ。もうそろそろ息子の翔が幼稚園から帰ってくるというのに…。
途方に暮れていたところ、2週間前に近所でばったり会った大学時代のサークルの後輩・桂凍朗が訪ねてきた。「量子さん、問題が起きていますよね? 中に入れてください」と。
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夫の暴力に抵抗した末に、殺してしまった。そこに、かつての大学の後輩が訪ねてきた。一体どうしたら…。
狐に摘まれたような話の展開で、本筋を掴むのが難しいのに、先が気になるという、なんとも奇妙な味わいのSFファンタジー?(ジャンルはなんだろう)。小気味よくストーリーが進んでいって、ところどころ煙に巻かれながら、最後に種明かしがあり、そのあたりは伊坂さんらしい独特の面白さ。
Posted by ブクログ
伊坂さんの新作、やっと順番が来たよ!タイトル以外の情報を完全に遮断してから読書開始。
ジャバウォックってこれかー。突飛な設定だけど面白い。主人公の量子と一緒に、謎の状況に戸惑いながら、最後にバーっと明らかになっていく怒涛の展開に、おおーっとなる。
まあ、でもちょっと、真相の回収まで時間がかかったかな。途中で、まだー?って何度か思ったかも。
こういうSF的な話は、ストーリーのつじつまが合わないことが多いけど、それも気にならないくらい魅力的な表現力や、いろいろな要素が詰まっていて楽しめた。
Posted by ブクログ
モラハラ夫を思わず殺してしまった所から始まる衝撃のスタート。あーこれはサスペンスandミステリーなのかな?と読み進めるとSF?ファンタジー?とジャンルがわからなくなりました。
読んでいるとなんとも言えない違和感をずっと感じていて、最後に関係なさそうなエピソードやキャラクターが繋がる所は圧巻‼️
Posted by ブクログ
人の持つ理性のタガをはずしてしまうジャバウォックとの対峙を軸に物語は進んでいく。
主人公、量子は常に混乱している。そして読み手であるこちらもずっと混乱している。
何が本当なのか、SFなのか、時代はいつなのか、
すべてがよくわからないまま、最後までつきすすむ。
ポップな若者や不気味とも思える青年が出てくるあたりは伊坂幸太郎作品らしい。
結局よくわからない内容だったけれど、この相変わらずの疾走感は好きです。
Posted by ブクログ
DVに苦しむ女性・量子は、自宅で倒れた夫を前に「自分が殺してしまった」と思い込む。そこへ大学時代の後輩・凍朗が現れたことで、彼女の日常は思いもよらない方向へ動き始める。
読みながら迷子になり、読後にその迷子だった時間ごと意味を持つ。そんな小説だった。
正直、前半はかなり戸惑った。何が起きているのか掴めず、主人公の量子と同じように、足元の定まらない世界を歩かされている感覚がある。ここで読む人を選ぶかもしれない。
ただ、後半に入ると物語は一気に加速する。バラバラに見えていた出来事が少しずつつながり、違和感だったものが意味を持ち始める。その瞬間、この混乱自体が仕掛けだったのだと気づかされる。
文章からは伊坂幸太郎らしさを強く感じる。一方で、決して分かりやすい物語ではない。だからこそ、読むタイミングや受け止め方によって印象が変わる作品だと思う。
特に印象に残ったのは、凍朗という存在。そして、タイトルにもなっている「ジャバウォック」というテーマ。詳しくは語れないが、この言葉の意味が見えた時、物語の輪郭が大きく変わる。
一読では評価しきれない。むしろ内容が分かった後に、もう一度読み返してこそ本当の面白さが立ち上がってくる物語だった。