あらすじ
世界最高峰のミステリー文学賞
英国推理作家協会賞 ダガー賞 翻訳小説部門
受賞作
世界が息を呑んだ最狂のシスター・バイオレンス・アクション!
ロサンゼルス・タイムズ「この夏読むべきミステリー5冊(2024年)」選出
デイリー・テレグラフ「 スリラー・オブ・ザ・イヤー」選出
「クライム・フィクション・ラバー」最優秀翻訳賞(編集者選)受賞
「めちゃくちゃブッ飛んでて最高に血まみれ、これはヤバかった!
『キル・ビル』とか『ジョン・ウィック』っぽい雰囲気の本を探してるなら、もうこれ一択」
——@thespookybookclub
「怒り、ユーモア、スリル満載」― The Times紙
「激しい暴力と素晴らしい優しさが交互に訪れる」― The Guardian紙
「女の力を描いた、シャープでストイックな物語」― Los Angeles Times紙
「手に汗握る、壊れないスリラー」― Tokyo Weekender
「優しくも怒りに満ちたこの犯罪サーガは、オオタニの次作を待ち望まずにいられない」― Publishers Weekly
暴力を唯一の趣味とする新道依子は、関東有数規模の暴力団・内樹會会長の一人娘の護衛を任される。二度読み必至、血と暴力の傑作シスター・バイオレンスアクション、ついに文庫化。
装画:寺田克也/解説:深町秋生
どんどこ血が脈打ってくる。――北上次郎(「本の雑誌」2021年1月号)
まず、この世界を壊せ。話はそこからだ、と作者は言う。――杉江松恋
シスターフッド文学をあらゆる意味で刷新するシスターバイオレンスアクション!――鴻巣友季子
もう一気に読了して最後はナルホド! と唸った。――大槻ケンヂ
友情でも愛情でも性愛でもない、ただ深いところで結ばれたこの関係に、名前など付けられない。――宇垣美里(フリーアナウンサー)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本人作家初の英国推理作家協会賞(ダガー賞)受賞作。
長浦京さんの『プリンシパル』を彷彿とさせるバイオレンスアクション。女性が主人公というところも同じだけど、キャラクターは真逆。
いきなり始まって一気に最後まで突き進むのが最高です!
1日で読み終わるボリュームだけど、読後の満足感は長編を読んだそれ!
「あのキャラどうなった?」な部分もあったけど、各キャラ掘り下げたらこの疾走感は出せないだろうし、このくらいがちょうど良くてすごく楽しめました。
暴力、暴力、暴力!
余談ですが、個人的に強くてでかい女性出てくるといつも『バイバイ、ブラックバード』の繭美ちゃんに引っ張られちゃう。
「私たち、地獄に落ちるのね」
「ばーか、ここがもう地獄だよ」
「綺麗だな、地獄って」
Posted by ブクログ
格闘能力に優れ頑強な体を持つ女性がヤクザの一人娘のボディガードになり、2人で助け合い変態どもからのがれて生きていく話。
変態ヤクザを痛めつける女性の姿が読んでいて爽快だ。時間軸が前後しながら進み、作者の仕掛けによりミスリードされるので、最後に複線が回収された時の喜びが大きい。
短くて読みやすいので、多くの人に読んで欲しい。特に女性にお勧めします。
Posted by ブクログ
ちょっと前に話題になり、あちこちの本屋さんの平積みコーナーに並んでいて、気になり購入した。
が、いざ読み始めると、最近のわたしの目はどんどん悪くなり(疲れ目)、長い時間の読書が辛くて、最初の20ページくらいで、ちょっとお休み本コーナーに行っていた。
この前から、オーディオブックを聴きながら、本の文字を目で追いかける(学生時代の授業中教科書の読み方のような感じ)、という方法を取っている。
この辺りは読んでいるけど、字はよく見えないなぁという感じではあるが、楽しく読書をしている。
さて、バイオレンス、ハードボイルド系の本は、10代20代の頃はかなり愛読していたけど、久しぶりに読んだ。
平和な昨今、ハードボイルド、バイオレンスものの小説や映画、アニメはかなり時代の風潮がないけど、話の奥に書かれた美学見たいのは、カンの鋭い人には読み取れるのかもしれないが、そこが鈍い私は、話の流れの一部として読み進める。
一部感想では、「シスターフッドです」と書かれていて、そんな言葉をはじめて知りましたが、一昔前ならば、北野武監督が映画にしたら、面白かったかなぁと言うことを空想しながら、読みました。
読書友達たちは、この手の小説は好きではないので、この先は本棚で静かにお過ごししていただく作品です。
Posted by ブクログ
私は女性ですが、
特に後半、読者の予想を裏切る展開になってきたあたりで、女性に対するステレオタイプな思考が自分にあることに気付き、驚きました。フェミニストであると自認してたのですが、凝り固まった概念の持ち主だった。ぐさっと新鮮な刺激です。
バイオレンス小説としてのエンタメ性もありながら、ジェンダーや年齢がもつ固定概念を歪めてくれるいい作品でした。
Posted by ブクログ
読み終わってすぐ、また初めから流し読みした。読み終わりたくない物語だった。短くてあっという間。もっともっと深掘りしてほしい気持ちはあるけれど、このくらいのほうがサッパリしてふたりらしいし、かえって余韻が残るのでいいのかもしれない。
読者とはいえ、あまりこのふたりに固定の印象を押し付けたくないし、自分たち以外の誰かに理解されるために説明してくれなくてもいい、と思えた。ふたりが離れずにいたいという気持ちひとつで充分だった。
途中、駆け落ちした尚子の母の話が挟まっているのだと思っていたから私はまったく騙されていた。出会ったばかりのふたりと、40年の月日を重ねたふたりを交互に読まされていたなんて、粋だ。初めから終わりまでずっと新道と尚子ふたりの話だったのだ。
ヤクザの暴力の描写はそこまでキツくないし、ごく狭い範囲に限定した話なのでややこしい抗争などがなく、それゆえに登場人物も少なくサラサラと読めた。
新道と尚子は、男の手からお互いを守り合い解放した恩人同士だと思う。だからふたりには本当の意味で静かな暮らしを手に入れてほしいと強く願った。私も鬼婆になりたい。
最初読み始めた時には、こんな暴力的な話私が楽しめるか…?と若干引き気味でしたが、三分の一過ぎたあたりから猛烈にハマり始めました。とにかく読者を飽きさせない、立ち止まらせない、怒涛の展開で、最後にミステリー展開が暴露された時には、そうだ、これダガー賞取った本じゃん…と我に返ったくらい、夢中で読んでました。強い女、かっこいい女、芯が強い女、そういったキャラクターが好きな人なら面白く読めるはず。
面白かったです
賞を取ったと言うことで、読ませていただきました。おめでとうございます。時系列がわかりづらいところがあって、駆け落ちしたお母さんと若頭かと思ってた人々が実は逃避行中の彼女たち2人のその後の生活だったようです。しかも、40年後。応援しながら読んでいたのに、終わり方がはっきりしなかったので少し残念かなと...
Posted by ブクログ
ハードボイルド、シスターフッド、バイオレンスアクションで評判、とくればぜひ読みたい。
2時間半で読めるとか、1日半だとかの感想を読み、短時間で読めるんだな、と思ってたら、1時間半で読めましたね。石垣島行く飛行機の中で読み終わって暇になる始末。ザクザク読めて、それでいて軽い!ってわけでもない。
『破果』で、女性主役のハードボイルド小説の面白さにハマり、待ってましたのババヤガの夜。
腕っぷしが強く暴力に血が騒ぐ新藤依子が、暴力団にスカウトされて、会長の娘の護衛をさせられるようになり。。。
依子の強さ、裏表ないただの暴力好きな人物像が良い。
ハードボイルド小説の良さは、暴力と、諦めの中の自律感のかっこよさと、その中に微かに漂う愛。
加えて今回は、結構やばい過去を持つ人が多いのに、それを感傷的に深く語らない良さ。があるんだなと気づいた。
語り口がドライ。だからこそ諦観の念が感じられてカッコ良い。
なのに、なんか軽い小説って感じがしないのが不思議。全面暗いからですかね。
映画化してほしい!きっちり暴力シーンを演じられる配役で!(途中映像化むずいところもあるが)
Posted by ブクログ
Audibleで聴き終える。
またしても、好きな物語。
強烈な魅力あるキャラクター。巨大でどうしようもないと思わせる理不尽な力に己の能力と仲間と共に抗っていく。幸せとは言えないかも知れないけれど、死んでるのと同様の生き方はしない。
逞しく痛快に、テンポ良く。
面白い話でした。
強いて言うなら・・・
それぞれのキャラクターのその後(または最後)は知りたかったかなぁ
Posted by ブクログ
【スリリング】
話のテンポがすごくいい。暴力描写が目に浮かぶようでドキドキした。
依子が殴られた後に自分の体をチェックしていくところ、なんかかっこよかった。
叙述トリックにまんまとやられて、ページをさかのぼった悔しい。
依子が常にかっこよかった。
Posted by ブクログ
日本の作家さんが初めてダガー賞を受賞した作品ということで読みました。ジャンルはバイオレンスアクションということですが、おもしろい仕掛けもあり、今までに触れた同ジャンルとは異色の展開に楽しく読めました。
暴力の世界にワクワクゾクゾクしてたまらないという主人公、新道依子があることをきっかけにヤクザの世界に引き摺り込まれてしまい、「ザ•男尊女卑」の理不尽でドス黒く、屈辱的な生活の中でも彼女の正義を貫き通し、内樹會のボスの娘、尚子を守るというお話です。
ヤクザのヤバい世界の中で、新道の強さだけが希望でした。
Posted by ブクログ
ダガー賞受賞で読んでみたいと思っていた本。途中ダレることもなく2時間くらいであっという間に読めた。ミスリードがあったところから面白さが加速した気がする。2人の関係性が良い、人としての・女としての尊厳を守る闘いだったと思う(シスターフッドというのかな)。
私もシンプルに喧嘩が強くなりたいと思った!鍛えるのはイヤだけど、急に生物として強くなりたい笑
ただ終わりが悲しかった…死なないでほしかった。
最後あの糞野郎にトドメをさしてくれた方がスッキリしたな。金○射抜いてやったらよかったのに。
Posted by ブクログ
オーディブルにて
事前情報ゼロでジャケットで聴きはじめたけど、一気に聞ける面白さだった
ヤクザもの。記述に騙され、後半で驚かされる。
友情の話
Posted by ブクログ
ゲロ吐きそうなくらい鮮明にイメージできた文章でした。
当分極道系はいいかも、ってくらい味濃い。一気に読み切れるほど薄い本なのに中身が濃い。
今年の終わりは女性について考える作品を観ることが多かったな。
Posted by ブクログ
2025年44冊目
お嬢さん、十八かそこらで、なんでそんなに悲しく笑う――。暴力を唯一の趣味とする新道依子は、腕を買われ暴力団会長の一人娘を護衛することに。拳の咆哮轟くシスターハードボイルド!
感想(ネタバレを少し含む)
性格も育った環境もまったく異なる依子と尚子が、共に過ごす中で少しずつ心を通わせていく過程がとても印象的だった。逃亡後の二人は「偽りの存在」として生きていながらも、むしろそれまで以上に偽りのない、ありのままの自分として生きているように感じられ、その姿が強く心に残った。
Posted by ブクログ
ワンアイデアを膨らませてひとつの話にした感じ。
たしかにおおっ!とはなったけども、それ以上の感想はあまりなかったかも。
いまいち感情移入できるキャラクターもいなかった。
Posted by ブクログ
シスターバイオレンスアクションというエンタメ小説でありながら、なぜか読者は騙されるというミステリー要素を含んだ不思議な作品。
じゃあミステリー小説じゃんと言われても、それもまたちょっと違うかなと思う。
◯おもしろかったところ
・先が気になる展開
・主人公の無骨さ、強さ
・必ず騙される叙述トリック
▲いまいちだったところ
・「長ドスのマサ」と芳子は逃亡してどうなったのかわからなかった。(もしくは読み落とした?)
・尚子が依子と親しくなっていく過程が薄かったか。もっと決定的なことがあってもよかったのかと思った。作品の短さが影響したか。
・Nのネックレスの意図を説明してほしかった。なおこと読ませて実はしょうこと読むので「ないき」の頭文字だった?
・尚子と依子はラストどうなったのか。カートに乗っていたが、理由もよく分からなかった。
とても面白く読ませていただいたけど、作品が短いのでいろんなところに疑問が残ったのがおしかったなと感じました。
(ただ、自分の解釈が甘いだけかもしれないのでよければ教えてください。)
Posted by ブクログ
なるほど、葉桜系だなと。途中で何度か物語と関係なさげな人物の話に切り替わる。当然最後にはそれが結びつくわけで。スピード感ある戦闘の描写になると不思議と文字を目で追う速度も早くなる。まさか◯◯が◯◯だなんて…。
Posted by ブクログ
ダガー賞はよく知らなかったけど、とにかく賞を獲った面白い本ということで読んでみたミーハー。
今までに読んだことがないジャンル、
スイスイ読めて、気づけば残り50ページほど。
これが賞を獲ったのか、でも海外ではウケるのかな〜と、この時の私はなめていました。
ある一言で物語は一転。
なるほど、少しずつ感じていた違和感(読み間違えたか、私の理解が及ばないだけかと疑っていた)が解消されていく、面白い面白い。
スピード感の増した後半を、急に遮られた切ないラストだった。面白かったのに後味が良くない、すっきりしない。
あまり好みなジャンルでは無いなと
逆に自分の好みがはっきりした本でした。3.5
Posted by ブクログ
180ページほどで短いこともあり、続きが気になって2日で読み終えた。ページをめくる手が止まらなかったので面白かったのだと思う。ヤクザの世界に足を踏み入れてしまった女性が組長の娘と行動を共にし、最後には…というあらすじ。バイオレンスと疾走感のエンタメだった。
Posted by ブクログ
⭐︎3.5
タガー賞に惹かれて。
現代にこんなヤクザな感じある…?
と思いながら読み進めた。
初めて読む任侠モノで、自分の住む世界とは違うから面白いんだなぁと。
異世界だから面白いんだ。それが小説の良さ。
メインにゴツい女性でこの作風で受賞作、現代だからこその作品。
読みやすかった。
後半はここから、どんな結末にもってくのか、なるのか読んでいった。
Posted by ブクログ
ブグログで評判が良かったので拝聴。
バイオレンス系のお話で、北海道の山奥で祖父母に育てられたケンカが強く気性の洗い女が、トラブルを契機に東京のヤクザの親分の娘の護衛役をすることになる。
当初二人は性格や生まれの違いから関係性は悪いのだが、次第に認め合い、大きな事件により2人で生活をすることに…
ヤクザの親分の住まいで暮らすことになるので色々と問題が起きるのだが、主人公の女性がとにかく強いので読んでいてスッキリ。
展開の速さで一瞬置き去りにされるが、最後までハラハラして読めます。
Posted by ブクログ
ヤクザの世界を描いたバイオレンス小説と思いきや、中盤からミステリー色を強め、意外な方向へと舵を切る。展開は一気に加速し、やや強引に感じられる部分もあったが、中盤までの面白さと緊張感は秀逸で、ラストは好みが分かれるものの印象に残る一作でした。
Posted by ブクログ
12月は読書お休み期間にしていたけれど、Audibleで本作の新着を見つけてしまったら聞かずにはいられない。
暴力系はあまり好きではないけれど、それはそれは暴力の塊みたいな作品だけど、何故か潔くてかっこいい。ドロドロとした感じがしない。全体的に血まみれなのに。おそらく主人公の依子の強さと生きる姿勢がかっこよくてつい憧れてしまうからなのか。
ラスト、ん?これで終わり?っというちょっと物足りなさがなくもない。もう少し若き日の依子の姿を見ていたかった気がする。どんでん返しにはびっくりしたけど。
Posted by ブクログ
なるほど、これがエンタメ小説というものなのね。
前評判が高すぎて期待し過ぎたのかも。
バイオレンスですごい!みたいな。
でも、仕掛けが面白い。