あらすじ
ウェブ記事累計1300万PVを超えるライター岡田悠の最新作は、多摩川を河口から源流まで散歩した道程と思考の記録「川歩記」と、果てなき好奇心が場所と時間を飛び越えていく不思議でやさしい10編の日常旅エッセイ。全長138kmの多摩川を少しずつ歩きながら、これまでの旅を思い出す。古いカーナビの案内で歩いたり、17年前に2秒見えた海を探したり、学生時代に住んでいた寮に泊まったり――それは、空間の移動と時間の移動を組み合わせることによって生まれる、「自分だけの旅」だった。
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Posted by ブクログ
何となく手にしたのに大傑作だった。
時間を巡る旅のエッセイ集。それぞれ単体でも面白いんだけど、本というメディアで読む意味のある作りになっている。(紙にもこだわりがあり、物理的にも面白い作りになっている)
会わなくなった昔の友達が、こういう風に生きていたら、嬉しいなぁ。と思うし、同世代として、「なんて自由なんだ!」と、凄く嫉妬してしまう。
旅はいつだって始められるよな。僕も旅をしたいと思った。この先5年10年のバイブルになる本に出会えた。
Posted by ブクログ
まさに「一人遊びの極み」。
知的好奇心と実験的思考と、それらを元にしたフィールドワークは、今回もずいぶん遠くまで僕を連れて行ってくれた。心が豊かってこういうことなんだろうな。
「旅」というずっと岡田さんが大切にしてきてものと、時間というテーマが交錯する一冊。
予定を決めない海外への旅が、最大の趣味だった岡田さん。しかし「子供が産まれたことで当面難しくなった」「川の近くに住みたくなって多摩川沿いの街へ引っ越し、散歩が日課になった」という近況が綴られるところから始まる。
この散歩が岡田さんの心に火をつける。橋を渡って神奈川へ行ってみたり、整った芝生を見つけたり、堤防の建設現場に遭遇したり、草がボーボーだったり——色々な多摩川を見ているうちにその表情の豊かさに気がつき、さらなる多摩川の顔が見てみたいと、端から端まで歩くことを思いつく。
河口から始めた川歩き。1日に数km歩き、帰宅し、また中断地点に戻って歩くことを繰り返す日々。その中でのエピソードや気づきをまとめた一冊。
全長138kmをいう数字を目にした時、岡田さんは地球の誕生が138億年前だったことを思い出す。ビッグバンが起きて星が誕生し、地球に生命が誕生して現代に至るまでを重ね合わせながら、川を歩き、時間というものを考える。便利になりすぎている現代、心豊かに過ごすには時間とどのように向き合えば良いか、色々な思考を授けてくれる哲学書のようでもあった。
本は現代の川歩きを綴る「川歩記」、時間との向き合い方を考えるコラム、「過去や未来を旅する」をテーマに書かれたエッセイと三つのパートに分かれている。
特に好きだったエッセイは、『古いカーナビの案内で歩く』。古いカーナビを集めるのが趣味の岡田さんが、十数年前のカーナビの案内に従って新宿から上野まで歩いた記録。充電のすぐ切れるカーナビ2台と、充電のためのバッテリーをベビーカーに乗せて闊歩するのだけど、うまくいかないことだらけで笑った。
『17年前に2秒見えた海を探す』も最高だった。大学進学のために上京する新幹線で一瞬だけ見えた海z——その心の記憶を頼りに、あまりにも鮮やかに見えた2秒を探し求める。思いついてもなかなか出来ないことばかり。
果てなき好奇心が、場所と時間を飛び越えていく一冊だった。「自分だけの旅」をすることの大切さに気が付かされる。旅とは距離を移動することではなく、心が日常から離れることというのをまさに体現していた。近所を歩くだけでも、過去にも未来にも旅ができる。
Posted by ブクログ
「旅は距離じゃない、深さと切り口だ!」と思わせてくれた。旅行エッセイはときにうらやましさから来る嫉妬が混ざることがあるんだけど、岡田さんの本は、誰も思いつかないような思考やテーマで敢行するもんだから、タイパのタの字もない。だからとんでもなくおもしろいんだけど。
それに岡田さんの筆致で哲学的なことを織り交ぜてくるもんだから、ときに読んでて切ない気持ちになったりもした。
川日記だけじゃなく、エッセイやコラムも収録されていて、岡田さんの思考の詰め合わせだった。
なんでも机上でわかる時代だからこそ、岡田さんのように試してみる、行動してみることが日常に彩りをもたらしてくれるなと感じた。
Posted by ブクログ
川歩きの日記といくつかのエッセイとコラムで構成された本。それぞれの紙が異なるもので作られていて、本自体が特殊な作りになっている。あちこち話が飛んで読みづらくないかなと思ったけど、岡田さんの語り口によって、自然に行き来できるようになっている。そして、この構成になっていることで飽きずに読み進められるようにできていた。
一つ一つの記事もさることながら、川歩きや様々な実験的経験をしながらも「旅」に着いて思索を深めていくのがとても面白かった。気軽に読めるのでおすすめ。
Posted by ブクログ
ウェブ記事累計1300万PVを超えるライター岡田悠の最新作は、多摩川を河口から源流まで散歩した道程と思考の記録「川歩記」と、果てなき好奇心が場所と時間を飛び越えていく不思議でやさしい10編の日常旅エッセイ。
毎回楽しみにしている岡田さんの新作。私はいつも心配性で計画みちみちにするタイプで岡田さんみたいな面白い旅を考えつかないから新鮮で、すごく面白かったなあ〜。ドーミー立川の話がお気に入り。懐かしいの洪水、とっても良い。そしてまた日記を再開した。日々の思い出を残しておきたくて。何もない日も、そういう毎日から私の人生はできている。
Posted by ブクログ
<目次>
略
<内容>
多摩川を河口から源流まで歩く旅(長さが138キロで、宇宙の誕生から138億年と言うことで、タイトルに)、25時間分の録音データを再現したり、25年前の本『子どもの道くさ』の著者と、25年前の道くさの場所を辿ったり、メールからいないはずの親戚を調べたり、仮想空間を彷徨う「ひと」を追いかけたり、17年前に2秒だけ見えた海(静岡でした)を探したり、古いカーナビの案内で街を彷徨ったり、学生時代に住んでいた寮を10年ぶりの1日泊ったり…。やりたい放題なのだが、読んでいると意外とハマる。人と違う発想を実現してしまう著者にちょっと嫉妬したり。