【感想・ネタバレ】あの子とQ(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

人間の血を吸うなんて、ありえない――! 吸血鬼一族・嵐野家のひとり娘でありながら普通の高校生として暮らす弓子だったが、17歳の誕生日を間近に控えたある朝、得体の知れない物体に出くわす。その黒くてトゲトゲの「Q」は、弓子が人間の血を吸わずに17歳を迎えられるか、監視しに来たという……。とびきりキュートですこぶる愉快、けれど忘れられない切なさを残す、新時代の青春小説!

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Posted by ブクログ

万城目学の吸血鬼少女物語。冒頭はゆるかなスピードで始まりほのぼのしているが、中盤で急転直下事件が起こってからはスピードが加速する。ユーモアのある文体は健在であり、登場人物も世界観もありそうでない絶妙なラインをついている。

設定作りがやはり上手い。吸血鬼と人間が共存する世界を無理の無い範囲で作り出している。日常にも吸血鬼がいるのではないかと思わせるような内容である。よく考えたら吸血鬼が影の中にいるというのは西尾維新の化物語の忍も然りだったか。他の万城目作品同様の構成だが、テーマが変わればいくらでも作品は作れるのだろう。グレート清子が出てくるあたり他の作品との繋がりも予感させるのだろうか?そう考えると伊坂幸太郎や辻村美月のような側面もある。

弓子の設定もヨッちゃんの設定も良い。個人的にはヨッちゃんの惚けた方向に真面目に全力投球な姿がとても好感的である。それでいて恋も手助けもいざという時はしっかり本質を外さない感じが良い。この他、Qをはじめとする吸血鬼メンバーもそれぞれ味がある。よくキャラが立っており面白く読ませてもらった。続編も気になるところである。

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2025年05月30日

Posted by ブクログ

読んでいてとても楽しかった!よっちゃんがまさにおもろJKで弓子とよっちゃんの関係性が最高に良き。吸血鬼が変化して人間界に溶け込んでいる設定なのも面白いし終わり方も愛があってよかった!

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2025年05月12日

Posted by ブクログ

ジャケ書いで買ってみたらずっとワクワクで一気に読んでしまいました。ちょっとした会話も可笑しくて楽しかったです。読み終えたら、この倍のボリュームがあってもいいくらい、終わらないで!もっとこの世界にいたいって思える作品でした。そんな寂しさを感じてたら、「あの子とO」なる作品が出るそうで、早く読みたい、、

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

吸血鬼の女子高生の青春小説!?
想像はつかないし、しっくりこない組み合わせ‥と思っていたのですが、読み始めたら最初からすっと吸血鬼が普通に暮らす世界観に引き込まれ、どきどきワクワク、楽しい万城目ワールドを満喫しました。
さすが万城目学さん。
ぜひ続編が読みたいと思いました。

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

Audibleで聴きました。
初めての作家さん。
ファンタジーだけど現代の話で、吸血鬼の話で聞いててワクワクドキドキ、とても楽しめました。
しばらくしてから、紙の本でも読んでみたいな。
Audibleだと漢字がぱっと浮かばない(登場人物の名前とか)という難点はあるんだけとも、感情豊かな朗読で惹き込まれます

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

笑えて泣ける、最高のエンタメ青春小説でした。
吸血鬼でありながらも普通の高校生として暮らしている弓子は、17歳の誕生日を間近に控えたある朝、得体の知れない「Q」に出くわす。「Q」は弓子が人間の血を吸わずに17歳を迎えられるか監視をしに来たのだが、誕生日の直前に思わぬ出来事に巻き込まれ……。
序盤は弓子のほのぼのとした日常生活が微笑ましくクスクス笑いながら読んでいましたが、17歳の儀式を迎える直前に起きた出来事から様相が変わり、一気に物語に引き込まれます。
ハラハラしながら読んだ先には、温かい感動が待っていました。ストーリーが面白いのはもちろんですが、登場人物が魅力的。親友のヨッちゃんのキュートでユニークな性格がたまりません。
緊張を軽減させるため、手のひらに「人」ではなく違う文字を書くくだりや、大仏のマスクを被るくだりが最高!続編が楽しみ過ぎです!

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2025年04月06日

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続きが楽しみーーーーー!!!!!
万城目さんの作品(わたしが読んだものに限るけど)らしい、人間を超越した存在の力に巻き込まれていく話。
ポップで楽しくて、駆け抜けるようにぐんぐん読んじゃった。続きが気になるな。早く読みたい!
登場人物みんな可愛い。特に佐久が好き、いいキャラしてる。あと蓮田と友達になりたい。

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2025年04月03日

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吸血鬼のお話、ということで、わくわくしながら読んだ。
結構コメディ感強くて、クスクスしながら読んでたけど、途中から、おや?ってなって、最後は、マジかよ!お前ええええ!ってなった笑笑
いい話だったし、すごい好きな話だった。
この本に出会えてよかった!

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2025年03月30日

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独創的だけどわかりやすい世界観、ポップなキャラクター達に引き込まれた!
万城目学ならではの世界観設定が素敵。

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2025年06月08日

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なんとなくなんだけどタイトルとあらすじにあまり惹かれず、なかなか手に取らなかった本。
最近忙しいこともあり、読書をする気持ちのゆとりが無かったので、惹かれないならチミチミと読み進めるのにちょうど良いかなぁ、くらいの気持ちでいざ手に取ったら。
やっぱり面白かった。あり得なさが絶妙にマイルドになっていて読み始めからスルスルと受け入れられ、話の展開が気になり、どんどん読み進めてしまった。
何もしない時間を取ろうと思っていたのに、読んでしまった笑。でも読みたいと思う気持ちは気分も上がるので、楽しかったしそれはそれで良かったのかも。
少し分かりにくいところもあったので、次に再読する時にゆっくり読もうと思った。この本は続きがあるみたいなので、続きも文庫が出たら読もうかな。

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2025年06月07日

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現代に適応した吸血鬼の女子高生とトゲトゲでぬるりとしてる謎の物体Qが誕生日までの1週間をどう過ごすのか、と思ったら予想外の方向にどんどん話は転がっていって、最後までとてもおもしろかった!ヨッちゃん好きです。

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2025年05月22日

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吸血鬼の女子高生のお話なのにリアル感のあるファンタジーになっていてさすが万城目さんという感じ。
読後は『きっと続編だね、楽しみ』と思っていたら出てました。

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2025年05月22日

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万城目氏の小説はなんとなく土地を舞台にしたものが多い気がしますが今回は人でした。というか血を吸わない吸血少女と謎の『Q』のお話。

吸血鬼は人間にバレないよう社会に紛れて生活している。そして子ども吸血鬼は人間社会に完全に適応した吸血しない吸血鬼になるための儀式に入るが、そこであろうことか人間を巻き込んだ事件に発展していく。

ちょっと後先考えない行動をとる主人公『弓子』にもやもやするところがあるけれど、そこは主人公、熱いとこもあるし基本は優しい。高校生活と吸血鬼、青春ものからギャグとシリアスも入ったライトな感じで終始楽しく読めました。次回作もありそうな終わりだったので出たら読みたい作品です。

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

JKの吸血鬼

能力を隠して
バレないように
人間社会に溶け込んで
人を襲わない

血を吸わないから不死でもない

なんかすっごく苦労をしているけど、
報われる時とかあるの?

そんな現代の吸血鬼たちのおはなしですが、
万城目さんの手にかかれば
こんなに面白くなるんだ

次作も楽しみ

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2025年04月23日

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久々の万城目作品

万城目色たっぷりで面白かった
特に前半は展開もテンポも抜群でした
そのため後半が物足りなく感じたかな?

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2025年04月18日

Posted by ブクログ

万城目学さんの作品はタイトルから世界観が難しそうでこれまで読んだことがなかったが、表紙のイラストとタイトルに惹かれて思わず手にとってしまった。
前半は弓子とヨッちゃんの掛け合いが面白いことに加えて、「Q」とは一体なんなのかという謎が頭の中に常にあり、サクサクと読みやすかった。
後半は一転して「Q」の謎に迫っていく怒涛の展開を見せ始めて、最後までどうなるのかとハラハラしながら読んでた。
あまりにも弓子が何も考えずに行動を取るタイプなので、途中モヤモヤするところもあったが、最後には弓子の優しさや勇気に賛辞を送りたくなった。
ヨッちゃんみたいな友達いたら楽しいだろうなぁ...

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

吸血鬼のJKと、その監視役である"Q"という名の謎のトゲトゲ生命体が織りなす、ファンタジー・青春・冒険小説。

表紙がキュートだったので気になって読んでみたら、これがなかなか読み易くて面白かった。

読み始めてから『鴨川ホルモー』と同じ作者ということを知った。
10年以上前に映画を観て、コメディとして割と好きだった記憶がある。

てっきり「まんじょうめ」って読むんだと思ってたら「まきめ」なのね。

吸血鬼と言えば
血が大好物、陽の光に弱い、十字架に弱い、にんにく嫌い、
みたいなテンプレがあるが、それらをほぼ完全に克服した世代の吸血鬼が主人公。
途中まではほのぼの青春系かと思ってたが、とある事件が起きてからは一気にシリアスな感じに…
なんか『鴨川ホルモー』もそんな感じだった気がする。多分。

青春パートがただただ楽しそうで羨ましかった。
読後感もスッキリ爽やかで、一味変わった青春物が読みたい人におすすめ。

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2025年04月08日

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久しぶりの万城目ワールドを堪能しました。不思議過ぎて展開が読めないです。弓子とQの関係性が良いですね。
吸血鬼青春小説でした。とても良い青春でした。

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2025年04月07日

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吸血鬼の少女弓子の元にQが突然現れた。血を吸わずに生活しているか確認するらしい。10日間ずーっと一緒で最悪。17歳の誕生日に脱吸血鬼の儀式を受けられるのか?

ライトでポップな青春ストーリー&吸血鬼の城で繰り広げられる大冒険。あぁ、面白かった。登場人物達のキャラが立っているのもいい感じ。

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2025年04月04日

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吸血鬼一族の高校生の少女、嵐野弓子。17の誕生日まで数日というある朝に黒い不気味なばけものが現れる。それは「Q」と名乗った。

吸血鬼としての本能である血の渇きから解放されるための「脱•吸血鬼化」の儀式に向けて、17歳の誕生日に儀式を受ける資格があるか監視しに来たと言う。

ごくごく一般人として過ごしていた弓子に非日常的な時間が訪れる。友人に恋愛に高校生らしい青春の展開。…かと思えば、吸血鬼であることが日常に影響してきて、予想もできない展開が繰り広げられる。

恋愛と友情の青春物語であり、冒険ファンタジーであり、コミカルでクスッと笑うかと思えば、シリアスで涙が浮かぶ。そんなわくわくする物語だった。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

またチョ~お久し振りの作者さん、本棚見たら9年振りだわ。この間に直木賞作家にもなられて、その本はまた文庫になったら読みましょう。
こちらの本は、直木賞受賞作のひとつ前に書かれた話。相変わらずおかしな世界を考えつくものね。

吸血鬼一族・嵐野家のひとり娘でありながら普通の高校生として暮らす弓子の前に、17歳の誕生日を間近に控えたある朝、得体の知れない物体が現われる。その黒くてトゲトゲの「Q」は、弓子が人間の血を吸わずに17歳を迎えられるか、監視しに来たという…。
そんな謎な設定のままに、話は弓子の高校生活に入り、親友のヨッちゃんとの交流や彼女の恋をサポートするダブルデートが描かれるライトコメディ風の前半はなかなか楽しい。
監視するまでもない話が続く中でどうお話が転んでいくのかと思っていたら、ダブルデートの帰り道から話は思いもかけない展開に。
ただ、後半は色々登場してくる割には謎も心情もなんだか分かりにくくて、ラストに向かって昂っていく弓子には申し訳ないが、最後もあまりピンと来なかったのでした。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

市井に埋もれて生きる吸血鬼。人の血を吸わず、太陽の光を受けても大丈夫な身体を持つ。進化なのか、退化なのか?元祖吸血鬼との争いもある。そんな吸血鬼の新たな世界。
楽々とこの世界に惹き込まれてしまった。
弓子とよっちゃん、良い友達関係だな〜。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

本作は2022年8月に新潮社から単行本が発刊されている作品。既に読まれている方も多いかもしれません。

主人公嵐野弓子は吸血鬼一族の高校生。吸血鬼の遺伝子を持っていると、17歳までに血の味を知ってしまうと血を飲まずにはいられない、本物の吸血鬼になってしまうという、現代社会ではあり得ない、万城目学さんワールドの作品です。

特に本作は友情あり、ちょっぴり淡い恋心ありの高校時代あるあるの背景で物語が進みます。この辺りもオバサンにはキューンと来てしまいました。

最後にあれほど気合いだった、Qの存在をいつしか認めてしまう弓子の成長も見逃せないクライマックスでした。

直木賞受賞作も好きですが、こういう無茶振りな設定の世界観を万城目さんには、続けていってほしいと思う私です。

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2025年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 2022年の初版刊行時には気づいていたものの、設定に惹かれず見送った。著者の万城目さんは、コロナ禍を売り上げ不振の理由に挙げていたが…。万城目さん自ら文庫化をアピールしていたので、手に取ることにした。

 吸血鬼一族・嵐野家の一人娘ながら、普通の高校生として人間に溶け込んで暮らす、弓子。17歳の誕生日を間近に控えたある朝、得体の知れない物体が現れた。両親に説明しても何だか反応が鈍い。黒くてトゲトゲの「Q」の正体とは?

 細かいところは忘れたが、弓子たち嵐野家の祖先は、日光に弱く人間の血が必要という伝統的な吸血鬼の弱点を克服してきた。外見は人間と変わらない。親友のヨッちゃん(人間)とバレー部に所属しているが、脅威の身体能力は隠している。

 新時代の青春小説! と帯には書かれているが、弓子がヨッちゃんの恋路を応援する序盤は、正統的というかありがちな青春小説だ。弓子の奮闘が実り、弓子とヨッちゃんを含めた男女4人で出かけることになった。嗚呼、青春だねえ。

 青春だけどさ、吸血鬼という設定がどう生きるんだ? と思いながら淡々と読んでいたら、とんでもない展開が待っていた。おいおいおいおい、こんな青春の1ページは重すぎるぞ。悲壮な決意を固めた弓子に、「Q」が警告するが…。

 この先、クライマックスに近づくほど乗れなくなってくるのが正直なところ。弓子の性格なのだろうか、今まで通り何食わぬ顔で暮らすということができなかった。これが吸血鬼一族の血なのか。あるキーパーソン(?)の登場は唐突だし。

 ラストシーンは感動すべきなのかなあ。我慢している弓子には大変申し訳ないけども、どうしてそこまで感情移入するのか。終章では、弓子は18歳の誕生日を迎えている。結局今回の件、何がどうなったのだろう。

 『バベル九朔』ほどではないが、本作にも消化不良を感じた。文庫版の帯によると、5月に本作の続編『あの子とO(オー)』が刊行される。どうしようかなあ。

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2025年04月26日

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