小説・文芸の高評価レビュー
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江戸末期、盛岡藩で“御譚調掛”の宇夫方祥五郎は巷の噂話を集めていた。
どんなものでも作る仲蔵が中心となり仕掛けるので、毎回物語が派手で楽しい。宇夫方とのやりとりもマル。武士視点なので、後巷説百物語の空気感があって良き。シリーズ6作目。
今作はシリーズ内でもかなりキレイにフォーマット化された連作短編集という印象。
1話あたりの構成が全て同じ。読んでいて安心感が半端ない。好きすぎる……。
仲蔵がまたいいんよなぁ。柳次も好き。
今回は最終話も美しい。シリーズ作品の6冊目なんだけど、これ一冊としても完成されていて良き。
次で最終巻!!
京極御大はシリーズ作品でもそれぞれ独立しているから、だからこ -
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ネタバレ女を騙してやることに、快感を感じる父親たち。
騙される女、騙されても最低男と離れられない女たち。
生まれたばかりの子が殺されることが後を立たない。
ニュースは、流れ続ける。
これが、この国の良心なのだろうと思う。
毎年、12万人強、中絶がおこなわれている。
彼女らを見捨てているのは、僕達、大衆なのかもしれない。
犯人ばかり肩入れしてしまう。
希和子の薫への愛情が切ない。
この事件がなければ、不倫していた両親のもとで、
薫は、幸せになったのだろか?
社会が女たちを見捨てるから、
エンジェルホームは、あり続けると思う。
たくさんの母親たちと共に。 -
Posted by ブクログ
まず「カフネ」とは、作中で家事代行サービスをする団体のことを指します。弟を亡くし、不妊に悩み生活が荒れてしまった野宮薫子。弟のパートナーだった小野寺せつな。弟の遺した遺言書をきっかけにこの2人が出会い、物語が展開していきます。カフネの活動、弟の死の真相、それらを通して気付かされる家族、友人、恋人、との関係の在り方。2025年本屋大賞作品、その賞に恥じぬ素晴らしい作品でした。現代に疲れた方にもぜひ読んでいただきたいです。
(ちなみに読んでいる時イメージしたのは、薫子が江口のりこさん、せつなが池田エライザさん、春彦が岡田将生さんでした。映画化が楽しみです。) -
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番外編のような特別感があって、ファンはより一層ファンになるのでは、という一冊。
私ももれなく大ファンになりました。
『わらう月』
「子供の頃、月がこわかった」から始まるのが印象的。月が怖い、という感覚がどこかわかる気がする。
『完璧な遺書』と同じく、語り手の彼女を通して火村・アリスの姿を体験できるのが面白い。
そして最後の一言。思わず「上手い…」と声が出た。
『暗号を撒く男』
解決編は、アリスがクイズのようにヒントを出しながら進んでいくのが楽しい。
読者を飽きさせないために、毎回違う楽しみ方を用意してくれるのが嬉しい。
『赤い帽子』
火村・アリスは登場せず、いつもは脇役のジャニーズ系イケ