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Posted by ブクログ
たった一ページ。だけれど繊細で濃密な、先輩と後輩の物語が250編。奇想天外でシュールでポップで、甘かったり苦かったり少し恐ろしかったりも。少しずつ、ゆっくりじっくりと読みたい一冊です。
どの物語にも登場する「私」と「先輩」ですが、二人の関係は相思相愛だったり片思いだったりそもそもたいした関係もないふたりだったり、とさまざまです。それらがすべて同じ人物なのかどうかもわかりません。だけれど読むうちに、彼らの関係は切っても切れないものなのだと実感できてきます。名前も何もない彼らの姿が具体的に思い浮かんでくるような気も。そして無性に「先輩」が魅力的な人のように思えてくるのが不思議です。いろいろとけっこうダメな人のような気もするのにね(笑)。
お気に入りは「自縛家のマリッジ」「夢想家のマリッジ」。少し間をあけてさりげなく出てくるこの二編、タイトルからわかるように繋がっているのですが。これぞ究極の愛、のように思えてしまうのは錯覚なのでしょうか。ちなみに憧れは、しません。
Posted by ブクログ
「私」と「先輩」の二人は、あらゆる世界、あらゆる形で出会い、別れ、あらゆる目に遭い、あらゆる物語となる……。
斜線堂有紀さんがTwitter(X)上で「#不純文学」タグで発表された掌編250編をまとめた小説です。
「私」と「先輩」の物語は1ページ毎に目まぐるしく変わっていき、二人の関係もそれにあわせて変化していく。恋愛のような親愛のような執着のような、そっけなくも感じるのにどろりと重い感情がとても好き。
中には「君は愛しのフランシス」⇔「君は麗しのジェシカ」や、「ステーキも毎日は食べれない」⇔「フォアグラだって毎日食べたい」のように、リンクしている話もあったりするので、そんなのを探しながら読むのもまた楽しいです。
個人的に好きな話は、「人でなしの恋と献身」「誂えられた悲劇」。切なく甘く、でもハッピーなだけじゃない残酷さが好き。
ちなみに、以前宝島社からも同掌編をまとめた『不純文学』という本が出ています。
そちらの収録作が124本。この『さよならに取られた傷だらけ』には『不純文学』発売後に発表された作品もあわせ倍近い作品が載っています。
ただ、宝島社文庫の『不純文学』は見開きで1作品しか載っていないのもあって掲載作品は少ないのですが、レイアウトはそちらの方がきれいで……。こっちに載っておらず『不純文学』に載っている話もあるので、できればどちらも読んでほしい……!
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ好き。1ページの掌編が250も入っていてお得過ぎる。ひとつひとつ読み返したり考えたりで読む前に考えていたより読み切るのにだいぶ時間がかかった。すべてで「私」が「先輩」を愛しているわけでもなく、結ばれるわけでもなく、でもただそこにいるという設定がいい。ときどきアンサーになってる話が出てくるのも良かった。タイトルに戻って読ませるのも綺麗。
だいたい好きだけど特に好きな話
・ステーキも毎日は食べれない
ジョークをねだったことがお互いの大切な思い出になっていて、自由に話すことができなくなっても「私」を笑わせる切り札として抱えていた不器用な「先輩」が切ない。これがあれば笑ってくれるっていう真っ直ぐな気持ちがわかったうえで、楽しかった思い出が「先輩」の選択を狭めてしまっていつまで面白く笑えるか、いつまでそのボタンに意味をもたせられるのか不安になる「私」の感情の吐露がタイトルに出ていて何度読んでもいい。
・きっと来世も忘れない
対比がうますぎる。謎の設定をあるあるで済ませることで1行で片付けて、二人の関係性が描かれる。ただの先輩だったら番号を暗記なんてしないから、嬉しそうな声はそういうことで、でもこの話はこれで終わり。銃声を聞いた先輩にはもう十分呪いがかかってるんだろうけれど、「私」が遺したものじゃないことで来世も好きになることができるんだろうな。
・魔法の君の最初の一人
恋愛でありミステリであり。タイトルから好き。先輩は副作用をわかっていて使ったのか、知らずに使ったのか、最初の一人だってタイトルが言うならそうなんだろうし、今まで使ってなかったけど使いたくなったのは好意だったのか善意だったのか考えるとぐるぐるする。
Posted by ブクログ
全ての作品が1ページに収まり、登場人物は基本、私と先輩。話は続いてないので、どのページから読んでも大丈夫です。クオリティ高すぎて一冊続けて読むと疲れます。250話ですからね。1日20話くらいずつがいいかなぁ。カロリー高めの食べ物は少しずつ摂取しないとね。
この本に収録されているものも含めた2019年に宝島社から出ている『不純文学』と比べてみるのもいいかもしれない。と、あとがきに書いてあるので、棚に飾っていた(私は購入すると読むのがめちゃくちゃ後回しになる)方も読んでみます。こちらは124話で、見開きにタイトル1ページと本文という構成で、2話読んでみて、このくらい薄めてくれた方が読みやすいと思いました。コスパは河出書房新社の方かな。
しょっちゅう人が死んだり首が切れたりするので中学校以上だけど、これを読んで面白い小学生にはOK。
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