あらすじ
文化人類学者で友人の畑中幸子が滞在する、数年前に発見されたシシミン族のニューギニアの奥地を訪ねた滞在記。想像を絶する出来事の連続と抱腹絶倒の二人の丁々発止。有吉ファン必読。
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Posted by ブクログ
素晴らしい紀行文であり、歴史の記録でもある。ニューギニアも今や未開とは言えないが、当時は本当に未開だったことが窺い知れる貴重な記録だ。
しかし、著者が自ら記したように、ニューギニアについて書くことは文化人類学者の畑中への冒涜であり、畑中と自分を描くことで、紀行文としての価値を高めている。
畑中幸子氏がとにかく凄い学者と感嘆。強い男性は聞かないが、強い女性は存在する。感服。
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面白かったー。作家から見たニューギニアの未開?種族と研究者との丁々発止。現代的にはアウトだろう表現もあるけど、有吉さんは差別意識とかではなくてただ冷徹に事実を見て考えている感じ。パンツを履くようになったコックが人が変わったみたいに階級意識を持つようになったのが怖いというか罪深いというか。聖書のイチジクの葉ってこういう意味かという。
畑中さんってまだお元気らしく、むちゃくちゃご丈夫。適材適所でいろんな生き方があるなあと。
呉服屋さんの言葉がさらっとしてるけど重かった。
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最近、話題になっていて気になっていた本。
本の冒頭から有吉さんの、「なぜ、ニューギニア行きを誰も止めなかったのか!」と何度も書かれていて、切実さを物語る。
最後まで読むと、読者としては面白くてスリリングな内容なんだけど、筆者の↑「なぜ、誰も止めなかったのか!」が良くわかる。
人類学者の畑中さんの探究心には感服します。
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表紙のお二人。明らかに後ろ向きな大柄な女性と、叱咤激励する小柄な女性。
「非色」「青い壺」からなんとなく想像していた有吉さんの人物像と、このイラストのギャップが大きすぎて、即買いしてしまいました。
当時30代の有吉さんが、50年くらい前に訪れたニューギニアのジャングル。未開の地。
いまでも、なかなか勇気のいる場所なのに、なんの前情報もなく、「ええところやし、遊びにおいで」の誘いに乗って軽い気持ちで行ってしまったそうで。
爪は剥がれ、虫に群がられ、茶色い水を飲むしかない。
都会ですらタクシーにのる私が、なぜいくつもの山を越えた?なぜ虫だらけのこんな場所にいる?なぜ誰も止めてくれなかった?と自問、いや、文句たらたらから始まります。
そんな飾らない声がリアルで面白くて仕方なくて、本を読みながら(挿絵も見ながら)つい笑ってしまいました。これが文章力かあ!私が書いたらただの愚痴になるだろうに。
いやー、面白かった。このお二人が大好きになったし、文明化とはなんだろうと考えさせられもした。
有吉さんの本を読み直してみよう。
人柄を知って読むとどう変わるだろう?
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有吉佐和子ニューギニア滞在記。ニューギニアの独立3年前の頃である。インドネシア舞台の小説を書く機会があったので、地図でたった5cmだし(おい、縮尺は!?)行ってみようと思っちゃったのだ。誘ってくれた畑中さんは文化人類学の研究者で、ヨリアピというところに住み数年前に発見されたシシミン族を研究している。
有吉佐和子は気楽に行ったところ、オクサプミンまではセスナで行けたのだが、そこからヨリアピは徒歩しかも2日。有吉佐和子さんがぶうぶう言ったから3日の旅程にしてもらえたものの、結局最後は足の指の爪が全部剥がれて歩けなくなり、豚の丸焼きのように棒に吊るされてみんなに担がれながら辿り着く有様になった。1週間のつもりで来たが、爪が生えそろうまで動けない。その間の滞在記である。
なんと帰国後にはマラリアを発症。
笑ってはいけないし、滞在中わりとツラそうだったりもしたけれど、面白く楽しめた。
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最高に面白かった。今から60年近くも前にニューギニアのネイティブが暮らす奥地への旅を記した滞在記。もちろん電気も水道も道さえもない未開の地で、文明に一切さらされていないシシミン族と生活した1か月間。そんなところに、東京では白木屋から三越までの数百メートルさえ歩かずタクシーに乗るお嬢様が、友人が呼んだというだけで下調べもほとんどせずに行ってしまう大胆さと好奇心。さすが作家です。私には1泊だってとても耐えられない環境に思えます。それをこれほど楽しそうに振り返ることができとは、有吉さんを心から尊敬します。
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友人に勧められて読んだ
まず文章のテンポがコミカルでいい
そしてよく覚えているのが、
女二人が同居して些細なことで軋轢が生まれつつもなんとかうまく過ごしていること。
共同生活ってこんなもんでいいんだよね、とも思えた
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有吉佐和子さんと文化人類学者・畑中幸子さんによる、1968年のニューギニア滞在記。
まだ海外旅行すらハードルの高かった時代に、未開のジャングルへ飛び込んでしまう行動力にまず圧倒される。
「ニューギニアはほんまにええとこやで。あんたも来てみない?」という、畑中さんの信じられないくらいの気軽すぎる誘い文句は、まさに畑中さんの人柄をよく表している。
畑中さんは好奇心と冒険心が桁外れで、誰もが躊躇するようなことを当たり前のようにやってしまう人。
さらに強靭なメンタルと恐るべき体力オバケで、クレイジージャーニーの常連になれそうなすごい人だ。
私はこういう人が大好きなので、畑中さんの尊敬するほどのクレイジーっぷりを有吉さんのユーモアたっぷりの文章で味わえるこの体験記は、本でしか得られない貴重でとても楽しい時間だった。
文明の影響を受けていなかったシシミン族の生活に触れられるのも大きな魅力。家にいながら、自分までジャングルに同行したような体験を味わえる。
想像を絶する旅の過酷さや、帰国後の衝撃的な報告など、どのエピソードも読み応え抜群。
現地女性の地位の低さや人種問題など、文化や価値観の違いも興味深かった。
そして何より、遠慮なしに言いたいことを言い合える2人の関係が心地いい。口ではズケズケ言い合うのに、芯の部分では深く相手を思い合っていて、その絆は友情を超えて家族のように感じられた。
読んでいるうちに、クリスティの中東発掘旅行記『さあ、あなたの暮らしぶりを話して』を思い出した。その時のレビューを読み返すと、「思い切りがよく、ユーモアがあり、型にはまらない魅力的なところ」がやっぱり共通していて、ますます人としての有吉さんに惹かれてしまった。
あれから60年近くたった今、シシミン族はどう暮らしているのだろう。叶うことなら、有吉さんによるその後のシシミン族の旅行記も読んでみたかった。
Posted by ブクログ
文化人類学者の畑中さんに軽く誘われ、軽いノリで出向いてしまったパプア・ニューギニア。しかしそこはとんでもない奥地で、ちょっとやそっとの好奇心で行ける場所ではなかった。完全なサバイバルである。それをライトにユーモアを交えて語られているので、とにかく面白い。相棒の畑中さんとのやりとりが漫才のよう。
畑中さんの研究する奥地に辿り着くのまでの道のりが壮絶だ(なんせ、3日間歩きっぱなし)。さらに辿り着いてからの生活も「仕事の合間にリゾート地でのんびり」とは程遠い世界。
そこは豚3匹と女一人が物々交換されるような文明なのである。一夫多妻制に児童婚・・・女の地位が低すぎる。女二人で生活できるような場所とは思えない。
現地の使用人(前だけ葉っぱで隠している裸族)に木綿のパンツを贈ったら、急にえらくなった気がしたのか、それまで温和でオドオドしていた使用人が怠けるようになる話など唸ってしまった。
「文明がどんどん流入することで、果たして彼らは幸福になるのだろうか」という有吉さんの疑問。今はどうなっているのか外務省のHPで調べてみたら、治安はかなり悪い。娘が行くといったら全力で止めるレベル。あの頃と比べてどうなのかは分からないが、あの頃の有吉さんと畑中さん、よくぞまあご無事で・・と思わずにはいられなかった。
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『週刊朝日』に連載後、1969.1朝日新聞社より刊行
鈴木保奈美の番組で紹介されていたのだが、面白いの一言!
私的には、『青い壺』より数段よかった。
言葉遣いも的確で、情景や心情がユーモアをもって、かつ、過酷さも感じられる滞在記。
使われている言葉もそれほど古くなく、若い人が読んでもそれほど違和感ないのでは?
なにより、文化人類学者の畑中幸子さんが強すぎる。wikiによると、現在も95歳でご存命。金沢大学の教授などもされていたようで、講義受けてみたかったなあ。
有吉佐和子が畑中さんの学問に対する姿勢に畏敬の念を抱いているのもよくわかった。ある事柄や言葉についても、決して決めつけるのではなく、いろいろ裏をとって初めて結論づける地道な学問。「私ら、作家のように当てずっぽうは書けません」みたいに、いつも作家を下に見て暴言を吐いているのがおかしい。
そして、ニューギニアの奥地に、いつもは女一人で住んでフィールドワークをしているのが驚き。彼の地では、女なんて、野豚三匹と交換されるほど人扱いされていないのにだ。
はたして、今現在、シシミン族はどう文明化されているのだろうか?
Posted by ブクログ
元気をもらえる一冊。とても面白い。
有吉佐和子さんの1ヶ月のニューギニア滞在記。
あの時代に未開社会のニューギニアで研究していた畑中さんと畑中さんの元を訪れた有吉さんのパワフルさがとても心地よく、二人の会話や現地の人たちとの出来事にクスクス笑ってしまう。
驚くことも沢山あり、新しい世界を少し知れたような気がした。
Posted by ブクログ
ニューギニアの知識ゼロで読んだ。
いやぁこんな本はきっと他にないなぁ。
様々な感染症や病気の怖れや死の恐怖がある環境での日々を、こんなにもおもしろくパワフルに描いてくれたことがすごい。畑中さんパワフルすぎる。
いかに自分が知らないことが多くて、狭い視野で安全な世界で生きてるのかを感じさせられた。
Posted by ブクログ
面白い!1968年の話なのに、とても生き生きしてつい最近の話のように引き込まれてしまう。文化人類学者の畑中さんに遊びにおいでと言われて、気軽に出かけたニューギニアで信じられないような山登りをしてたどり着いた奥地で、種族長に少し気に入られたり、少ない食材で料理をしたり。日々の生活を書いているのに、あまりにも信じられない経験をしているから、思わず笑ってしまう。そして畑中女子の豪快さ!
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有吉さんの小説以外の作品を読むのは初めて。
1968年3月。有吉さんは十年来の親交がある同郷の文化人類学者 畑中幸子さんの
「ニューギニアは、ほんまにええとこやで、あんたも来てみない?歓迎するわよ」
という誘いに極めて軽い気持ちでのり彼女のフィールドワークの地 ニューギニアに行くことにした。
その後 何度となくこの選択を後悔することになるとも知らずに…
面白かった。いや面白いと言ってはいけないのかもしれない。きっと想像を絶する過酷さだったのだろう。
それでも有吉さんの文章はやっぱり面白いし畑中さんの関西弁も笑える。
今から57年も前の未開の地に現地の護衛つきとはいえ30代後半の女二人…。
有吉さんもスゴイけれど本当にスゴイのは普段は一人でその地でフィールドワークをしている畑中さんだ。作中、畑中さんはとてもよく怒っていた。有吉さんにも怒っていた。強くなければ強く見せなければ原住民と女一人渡り合えなかったのだろうと思う。
本書で個人的に好きだったのは所々に挿まれる挿絵だ。力の抜けたタッチで動きがある。 特に行きに有吉さんが動けなくなってしまい、狩られた獲物のように木の棒にくくりつけられ原住民に運ばれる挿絵は何度見てもイイ。
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おもしろい!
素晴らしく読みやすい文章で、その場にいるような臨場感があるし、まだ未知の世界が残されていた最後の時代かもしれない。
文明化されていない人たちと接しながら、手探りで研究をする畑中先生とうっかり尋ねてしまった友人で作家である、有吉佐和子のエッセイ。
熱帯の山越えも壮絶だし、たどり着いた先に何もない(缶詰のコンビーフばかり食べている)とか、川の水で洗濯したり、水を飲んだり、私は帰って来れないな、と思うようなエピソードばかり。
女二人言いたいことを言いつつもカラッとした関係性の表現が良い。
Posted by ブクログ
日経で紹介されているのを見て、読んでみた。
女性2人のニューギニア滞在記。
畑中さんのたくましさに驚嘆させられる。
書かれたのはかなり昔だが、それを感じさせない面白さ。けど、当時のニューギニアに行きたい、、、とはさすがにならないな。
Posted by ブクログ
有吉佐和子さんの背景知識など皆無の状態で読み始めたため、序盤に時代背景の違和感に気づき、初版が1969年と見てとても驚いた。関西弁の2人のテンポの良い会話に、行ったことのないはずのニューギニアの景色が脳裏に浮かんできて読んでいてとても楽しい時間を過ごせた。特にヨリアピを目指して山を越えていく場面は一緒になってクタクタになっていく感覚があって、読むのに時間がかかった。
現代よりも遥かに不便な当時にこんな大冒険ができるんだから、自分もまだまだ何も諦めることはないんだろうなと元気が出た。
時代を超えても愛される素朴で素敵なクスッと元気をもらえる旅行記だった。
Posted by ブクログ
内容を詳しく調べず、タイトルだけで読み始めたので、もっと楽しい旅行記かと思っていたがまさかこんな始まりとは…
ニューギニアでの良いことと、やはり日本は恵まれているというふたつを感じながらずっと読んでいた。
ニューギニアに住む彼らは1日1日を生きるのは大変だろうが、毎日のことに必死になって生きていく。それはそれで良いこともあるだろう。しかし、やはり日本に生きている身からすると、こうした不便な国がまだ世界にはあるのかと考えさせられた。濾過器を見せただけで驚く、音声を再生したら喜ぶ、そういった日本に生きている我々からしたら当たり前のようなことも彼らにとっては新鮮で、まだ新鮮に受け取る人々がいるんだ、という視点は欠けていたなと感じた。
まあ有吉さんがニューギニアに行っていた時からもう数十年経っているため、今の現状は変わっているだろうが、日本の外側の世界に触れることができて面白かった。
またやはり畑中さんは面白い。こんな人がいたらいいととても思う。そして有吉さんとの関係性も憧れる。嫌なことは嫌という、軽蔑したと思った軽蔑したという、しかしそれで関係が崩れることはない。今の現代社会の人間関係において大切なのはこれではないかと思う。反対意見をぶつけても、それで関係が崩れることがない関係、それが一番大切なのではないか。そうした素直に言い合える関係性、私もそういった関係性を築きたい。
またテアテアの話も興味深かった。お礼としてパンツをあげたりしているうちに、それまでオドオドしていたのに、位が高くなったように感じて横柄な態度を取るようになり、仕事もしなくなる。発展していない国の人になにか物をあげたくなるのは、発展国、経済的に上に住んでいる人はやりたくなるのではないだろうか。私はやりたくなる。しかし、それが良い効果をもたらすだけではないということを感じられた。文明の発展はあるだろう。しかしそれによって人と性格が変わってしまうほどの変化も生じる。パンツをあげることで彼は自信をつけたのかもしれない。自尊心も高くなったかもしれない。そう考えればよかったのかもしれないが、どことなく寂しさを感じてしまった。
最後の帰国の場面、また山を登るのだと思っていたため、それにしてはページ数が少ないなと頭を捻っていたが、まさかヘリコプターが来るとは。本文でも書かれていたように思うが、本当に「事実は小説より奇なり」なのだと驚いた。まさかこのような帰国になるとは。急な別れ。ニューギニアに私は行ったことがないが、筆者と同じようにそこで生活していたような感覚がずっとあり、ニューギニアを離れるシーンは、これまでいた場所がなくなってしまう。でもこの辛い日々、食べ物は十分なものが食べられないし、夜は暗いし、いつか殺されるかもしれない、という日々からすぐ抜け出せるかもしれないという希望。その全てが入り混じった、なんともいえないノスタルジーを感じた。
こんなところには住みたくないという気持ちと、でも読み進めていると面白くて笑ってしまう、2つを行き来する面白い読書だった。
Posted by ブクログ
有吉佐和子さんのエッセイ。
友人の文化人類学者、畑中幸子氏に誘われニューギニアの奥地を訪ねた有吉佐和子さん。五十年以上も前の話ですよねぇ。凄い!
足の指の爪がはがれるほど歩くなんて無理だわと思いつつ、大らかな畑中氏と有吉さんの軽妙な筆致で最後まで楽しく読ませていただきました。
ちょっと外れた感想かもしれませんが、当時の現地の生活を読んで、人類ってすごいなぁと、生きるってシンプルなことなのだと改めて思いました。
Posted by ブクログ
有吉佐和子ファンの従姉妹に勧められて初めて有吉佐和子著を読んだ。
パプアニューギニアに何の前知識もなく行くことになった著者のエッセイ、旅行記。
徒歩で山を越え川の中を進み、足の爪が剥がれかけながらも3日かけて(途中、歩けなくなった有吉さんは、捕獲した動物を棒で運ぶように運ばれる)、友人の家に行く。現地ではネイティブは泥色の水を飲み、蚊やダニに悩まされながらの電気もない生活。
ほんとにそんな経験したのか、と疑いたくなるけどとてもリアルで明るい口調で綴られる。
自分も経験できたような気になってきて面白かった。
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1985年に朝日文庫から刊行された『女二人のニューギニア』の再文庫化になります。
著者の有吉佐和子さん(1931-1984)が、
ご友人で文化人類学者の畑中幸子さん(1930-)(当時、東京大学院文化人類学在籍、現在は中部大学 名誉教授)のフィールドワークを訪れた際の、壮絶だけども笑えてしまう滞在記になっています。
「ニューギニアは、ほんまにええとこやで、有吉さん」という畑中さんのお誘いに「じぁあ、行くわ。案内してくれる?」と大層気楽な気持ちでスタートしてしまったこの旅は、大変なものになります。
悲惨な状況が続くんですが、文章が面白すぎて何度も何度も笑ってしまいます。
のっけから、ニューギニア行きを止めてくれなかった周囲への不満がたらたらと。笑
道中・滞在記では、お二人のやりとりが生き生きとして伝わってきて、本当に面白いです。
(とにかく大変極まりないんですがね汗)
現地に行くため二日間ジャングルを歩き、疲れて三日目に「こわれてしまった」有吉さんを、迎えにきてくれたシシミン族の人たちに運ばれる描写など、最高に笑ってしまいますよ。
考えさせられることもしばしばです。
戦地だった傷跡も描写の中に出てきます。
また、白人はネイティブをバカにし、その白人から文明を取り入れた者が、また新たなヒエラルキーの頂点に立つようなところは、植民地時代から繰り返されているであろう人のエゴが感じられます。
「山野を自由自在に駆け巡っていた彼らが、文明という眼鏡をかけ、文化という靴をはき、贅沢というシャツやパンツを身につけるようになるのが、幸福といえるかどうか、難しいところだ。」と記されています。(ケン・リュウ氏の「紙の動物園」に収められた「結縄」にも感じた想いです。)
色々ありますが、たくましいに尽きます。
仕事などで疲れている時に読むと「まだ頑張れる!」という気持ちになれるかもです!笑
Posted by ブクログ
ニューギニア界隈は全くの未履修だから当時の詳しい事情は分からないけど、作者さんがまぁすっごい過酷な一ヶ月間を過ごされたということは分かった。
友達に誘われてパッとニューギニア行きを即決できるのフッ軽が過ぎるし、そもそもそんな時代にパッと海外旅行(しかもニューギニアに)できるの、作者さんはなかなかの大物だったんだ。
そしていざ現地に行ってみたら、未開社会の洗礼を浴びて恨みつらみを吐きたくなる気持ちはとてもよく分かる。自分なら(衛生観念的な理由で)頼まれても絶対マネできないわ…。
これはもうとにかく畑中さんが凄すぎるということ。畑中さんのバイタリティどうなってるん?
ところでこれ、ほぼ60年前のお話しなわけやけど、感性が今どきで全然読みやすかったし、なかなか辛辣で面白かった。
Posted by ブクログ
著名作家の著者が同じく和歌山出身の同年の友人・人類学者の畑中幸子氏を訪ねてニューギニアを訪問したのは1968年3月からの約1月。想像を絶するような過酷な環境で悪戦苦闘する有吉さん、それを現地に親しんでいる畑中氏が叱咤激励しながらジャングルを歩き、現地のネイティブと交流している姿が微笑ましい。著者の文体がウィットに富んでいて、こんなに楽しい文章を書く人なのかと意外だった。現地人のほとんど全裸の様子、西洋文化に少し触れていた部族と、全く初めての部族の間の侮蔑の様子、大蛇を美味しいと言って食べざるを得ず、畑中氏にゲテモノ好きとして呆れられる著者!実はゲテモノを食べるしかなかったようなのだが。現地人にとっては女は豚3匹と引き換えに男が買い取っていく存在との話に怯える著者…。暇に任せて現地人のためにパンツを11枚縫った著者。どれもきっと本当だったのだろう。約60年前のこの生活が今はどうなのだろう。パンツを穿いているのだろうか。川の水は自然のままに流れているのだろうか?もし文明化されているとすれば、それは逆に良いことなのだろうかと疑問に思ってしまう。
Posted by ブクログ
有吉さんで良かった S43年なんてネットも無いし、情報を得るのがとても難しい時代にこの体験をしていたとは…
有吉さんでなければ現地に行かない(行けない)だろうし、文章も書けないだろう。そう思うと有吉さんで良かった。