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文化人類学者で友人の畑中幸子が滞在する、数年前に発見されたシシミン族のニューギニアの奥地を訪ねた滞在記。想像を絶する出来事の連続と抱腹絶倒の二人の丁々発止。有吉ファン必読。
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Posted by ブクログ
有吉佐和子さんと文化人類学者・畑中幸子さんによる、1968年のニューギニア滞在記。 まだ海外旅行すらハードルの高かった時代に、未開のジャングルへ飛び込んでしまう行動力にまず圧倒される。 「ニューギニアはほんまにええとこやで。あんたも来てみない?」という、畑中さんの信じられないくらいの気軽すぎる誘い...続きを読む文句は、まさに畑中さんの人柄をよく表している。 畑中さんは好奇心と冒険心が桁外れで、誰もが躊躇するようなことを当たり前のようにやってしまう人。 さらに強靭なメンタルと恐るべき体力オバケで、クレイジージャーニーの常連になれそうなすごい人だ。 私はこういう人が大好きなので、畑中さんの尊敬するほどのクレイジーっぷりを有吉さんのユーモアたっぷりの文章で味わえるこの体験記は、本でしか得られない貴重でとても楽しい時間だった。 文明の影響を受けていなかったシシミン族の生活に触れられるのも大きな魅力。家にいながら、自分までジャングルに同行したような体験を味わえる。 想像を絶する旅の過酷さや、帰国後の衝撃的な報告など、どのエピソードも読み応え抜群。 現地女性の地位の低さや人種問題など、文化や価値観の違いも興味深かった。 そして何より、遠慮なしに言いたいことを言い合える2人の関係が心地いい。口ではズケズケ言い合うのに、芯の部分では深く相手を思い合っていて、その絆は友情を超えて家族のように感じられた。 読んでいるうちに、クリスティの中東発掘旅行記『さあ、あなたの暮らしぶりを話して』を思い出した。その時のレビューを読み返すと、「思い切りがよく、ユーモアがあり、型にはまらない魅力的なところ」がやっぱり共通していて、ますます人としての有吉さんに惹かれてしまった。 あれから60年近くたった今、シシミン族はどう暮らしているのだろう。叶うことなら、有吉さんによるその後のシシミン族の旅行記も読んでみたかった。
文化人類学者の畑中さんに軽く誘われ、軽いノリで出向いてしまったパプア・ニューギニア。しかしそこはとんでもない奥地で、ちょっとやそっとの好奇心で行ける場所ではなかった。完全なサバイバルである。それをライトにユーモアを交えて語られているので、とにかく面白い。相棒の畑中さんとのやりとりが漫才のよう。 畑...続きを読む中さんの研究する奥地に辿り着くのまでの道のりが壮絶だ(なんせ、3日間歩きっぱなし)。さらに辿り着いてからの生活も「仕事の合間にリゾート地でのんびり」とは程遠い世界。 そこは豚3匹と女一人が物々交換されるような文明なのである。一夫多妻制に児童婚・・・女の地位が低すぎる。女二人で生活できるような場所とは思えない。 現地の使用人(前だけ葉っぱで隠している裸族)に木綿のパンツを贈ったら、急にえらくなった気がしたのか、それまで温和でオドオドしていた使用人が怠けるようになる話など唸ってしまった。 「文明がどんどん流入することで、果たして彼らは幸福になるのだろうか」という有吉さんの疑問。今はどうなっているのか外務省のHPで調べてみたら、治安はかなり悪い。娘が行くといったら全力で止めるレベル。あの頃と比べてどうなのかは分からないが、あの頃の有吉さんと畑中さん、よくぞまあご無事で・・と思わずにはいられなかった。
『週刊朝日』に連載後、1969.1朝日新聞社より刊行 鈴木保奈美の番組で紹介されていたのだが、面白いの一言! 私的には、『青い壺』より数段よかった。 言葉遣いも的確で、情景や心情がユーモアをもって、かつ、過酷さも感じられる滞在記。 使われている言葉もそれほど古くなく、若い人が読んでもそれほど違和感...続きを読むないのでは? なにより、文化人類学者の畑中幸子さんが強すぎる。wikiによると、現在も95歳でご存命。金沢大学の教授などもされていたようで、講義受けてみたかったなあ。 有吉佐和子が畑中さんの学問に対する姿勢に畏敬の念を抱いているのもよくわかった。ある事柄や言葉についても、決して決めつけるのではなく、いろいろ裏をとって初めて結論づける地道な学問。「私ら、作家のように当てずっぽうは書けません」みたいに、いつも作家を下に見て暴言を吐いているのがおかしい。 そして、ニューギニアの奥地に、いつもは女一人で住んでフィールドワークをしているのが驚き。彼の地では、女なんて、野豚三匹と交換されるほど人扱いされていないのにだ。 はたして、今現在、シシミン族はどう文明化されているのだろうか?
元気をもらえる一冊。とても面白い。 有吉佐和子さんの1ヶ月のニューギニア滞在記。 あの時代に未開社会のニューギニアで研究していた畑中さんと畑中さんの元を訪れた有吉さんのパワフルさがとても心地よく、二人の会話や現地の人たちとの出来事にクスクス笑ってしまう。 驚くことも沢山あり、新しい世界を少し知れ...続きを読むたような気がした。
ニューギニアの知識ゼロで読んだ。 いやぁこんな本はきっと他にないなぁ。 様々な感染症や病気の怖れや死の恐怖がある環境での日々を、こんなにもおもしろくパワフルに描いてくれたことがすごい。畑中さんパワフルすぎる。 いかに自分が知らないことが多くて、狭い視野で安全な世界で生きてるのかを感じさせられた。
面白い!1968年の話なのに、とても生き生きしてつい最近の話のように引き込まれてしまう。文化人類学者の畑中さんに遊びにおいでと言われて、気軽に出かけたニューギニアで信じられないような山登りをしてたどり着いた奥地で、種族長に少し気に入られたり、少ない食材で料理をしたり。日々の生活を書いているのに、あま...続きを読むりにも信じられない経験をしているから、思わず笑ってしまう。そして畑中女子の豪快さ!
有吉さんの小説以外の作品を読むのは初めて。 1968年3月。有吉さんは十年来の親交がある同郷の文化人類学者 畑中幸子さんの 「ニューギニアは、ほんまにええとこやで、あんたも来てみない?歓迎するわよ」 という誘いに極めて軽い気持ちでのり彼女のフィールドワークの地 ニューギニアに行くことにした。 そ...続きを読むの後 何度となくこの選択を後悔することになるとも知らずに… 面白かった。いや面白いと言ってはいけないのかもしれない。きっと想像を絶する過酷さだったのだろう。 それでも有吉さんの文章はやっぱり面白いし畑中さんの関西弁も笑える。 今から57年も前の未開の地に現地の護衛つきとはいえ30代後半の女二人…。 有吉さんもスゴイけれど本当にスゴイのは普段は一人でその地でフィールドワークをしている畑中さんだ。作中、畑中さんはとてもよく怒っていた。有吉さんにも怒っていた。強くなければ強く見せなければ原住民と女一人渡り合えなかったのだろうと思う。 本書で個人的に好きだったのは所々に挿まれる挿絵だ。力の抜けたタッチで動きがある。 特に行きに有吉さんが動けなくなってしまい、狩られた獲物のように木の棒にくくりつけられ原住民に運ばれる挿絵は何度見てもイイ。
なんとこのエッセイ 1968年にニューギニアに行った時のお話し 当時30代と思われるけれど なんという壮絶な旅でしょう 気軽な気持ちで友人に誘われるまま ニューギニアへ 有吉さんは幼少期インドネシアで過ごしていたのでその辺りは慣れたものと思いきや トラブルだらけ、ケガだらけ 山をいくつも越えて 挙...続きを読むげ句の果て意識を失う 豚の丸焼きの如く担がれてようやく辿り着いたのは未開発地帯の村 困り果てたことが山のようにやってくる 早く帰りたくても、場所が場所だけにすぐは帰れない 足が痛くて歩けない 友人である文化人類学者の畑中さんは 何があってもマイペースで そのうち 「一人になりたい」と愚痴る いやあーパワフルすぎる 帰ってからもすごいことが‥‥ 強い! ありえないくらい強い! かなわない! 畑中さんは今、90代 お元気で、過ごされているらしいと ネット情報 暑い中読んでいると、まるでジャングル にいるような気分になってくる 虫だらけの中でパンツを縫う! シュール!
とても興味深く面白すぎた。 未開拓地とはいえ、こんなにも人間って全然違うのねと笑える。現在のニューギニアってどんな感じなんだろう。
ぱ、パプワニューギニアってそんな未開の土地だったの…。ほんの60年とかそこらまでマジで原始の世界を生きていたの…すごい世界すごい…!全然知らない世界入ってきてプチパニック…!
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